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第一章 運命の瞬間
10 ちょっと、傭兵の男格好良いんだけど⁉
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――――こん……な、死に方なんて……真っ平ごめんだわ!
「おいおいおい。今のはお前が悪ぃだろ。美人ちゃんはお前が嫌なんだとよ。いい加減に諦めろよ、おっさん」
大男の後ろから腕が伸びてきて同じように男の首を強く掴む手。
メキ メキッ
「……かっ! っは!」
奴の指が私の首から離れる。ヒューヒュー鳴る喉で空気を貪るように呼吸をしながら、私は助けてくれた男を見上げる。
鋭い藍色の瞳が私を見下ろしている。顔の下半分を灰色のスカーフで覆っていて顔は見えないが間違いなく強そうな雰囲気を持っている。
「大丈夫か?」
私は無言でもがいている大男の前に行くと思いっきり拳を握って叩き込む。
バキッ!
――――痛ったぁぁぁ! 痛っ! めちゃめちゃ、痛い!
平手打ちはノーダメージになりそうで咄嗟に拳をグーにしたのだが、初めて人を殴る。あたる角度が悪いのか、これが普通なのか、めちゃくちゃ手が痛い。
私は不機嫌な表情で手を振りながら喉をさする。
「ははは! 気の強ぇお嬢ちゃんだな!」
顔を覆った男は私の殴った場所に合わせて大男に拳を叩き込む。
ゴッ!
明らかに私の拳とは違う音がする。大男の首から手を離すと、男が地面へと崩れる。
「殺したの⁉︎」
「いや、気絶させただけだ」
「ありがとう」
「礼には及ばん。奴が悪ぃ。こんな美人ちゃんじゃ鼻っから釣り合っていなかったしな」
「カレルさん⁉︎ 旅人様⁉︎ 何かありましたか?」シ
兵士が急いで私の横に走ってくる。
「あれ、グンシ? お嬢ちゃんの知り合い? 問題ないよ、馬鹿にお仕置きをしていただけだ」
「俺達はカレルさんを探していたんですよ!」
「あ、そうなん? 取り敢えず座るか?」
私達は大男をそのままにテーブルに座る。言動無用でお酒が私の前に置かれる。
カレルは顔を隠しているスカーフを解く。
――――あ、意外と……結構、いい男
鋭い目が印象的な力強い精悍な顔の男だ。少し生やした細いライン状の顎髭が短く整えられている。
「このお嬢ちゃん案件か?」
「そう。護衛を頼みたいのだが、今忙しいか?」
「どこまで? いくら?」
「十五ルビル、星屑の衝突地点までの往復」
「結構出すな。お嬢ちゃんがあんな場所に行きたいのか? あんな場所、お勧めしねぇぞ」
「どうしてですか?」
「俺に敬語なんかいらねぇよ。あそこは悪ぃ奴等が多いし、竜人もウジャウジャいるぞ」
「竜人って人を襲うの?」
「……竜人知らねぇの? 今までどこにいたんだよ」
彼によると竜人と人間の不仲は長い歴史だそうだ。元々竜人の方が体も戦闘能力も高かった。それを人が捉え、奴隷にし始めた事で人と竜人の長い戦争が始まった。遥かに体が強いが魔法は使えない。人の方が人数も多く魔法で竜人を拘束してきた。
「お嬢ちゃんは調査をしに行くのか。噂でカピラーキ王は星屑に興味を示しているらしいって聞いたけど本当だったんだな」
兵士グンシが目配せでそういう事にしろと合図を送ってくる。
「おいおいおい。今のはお前が悪ぃだろ。美人ちゃんはお前が嫌なんだとよ。いい加減に諦めろよ、おっさん」
大男の後ろから腕が伸びてきて同じように男の首を強く掴む手。
メキ メキッ
「……かっ! っは!」
奴の指が私の首から離れる。ヒューヒュー鳴る喉で空気を貪るように呼吸をしながら、私は助けてくれた男を見上げる。
鋭い藍色の瞳が私を見下ろしている。顔の下半分を灰色のスカーフで覆っていて顔は見えないが間違いなく強そうな雰囲気を持っている。
「大丈夫か?」
私は無言でもがいている大男の前に行くと思いっきり拳を握って叩き込む。
バキッ!
――――痛ったぁぁぁ! 痛っ! めちゃめちゃ、痛い!
平手打ちはノーダメージになりそうで咄嗟に拳をグーにしたのだが、初めて人を殴る。あたる角度が悪いのか、これが普通なのか、めちゃくちゃ手が痛い。
私は不機嫌な表情で手を振りながら喉をさする。
「ははは! 気の強ぇお嬢ちゃんだな!」
顔を覆った男は私の殴った場所に合わせて大男に拳を叩き込む。
ゴッ!
明らかに私の拳とは違う音がする。大男の首から手を離すと、男が地面へと崩れる。
「殺したの⁉︎」
「いや、気絶させただけだ」
「ありがとう」
「礼には及ばん。奴が悪ぃ。こんな美人ちゃんじゃ鼻っから釣り合っていなかったしな」
「カレルさん⁉︎ 旅人様⁉︎ 何かありましたか?」シ
兵士が急いで私の横に走ってくる。
「あれ、グンシ? お嬢ちゃんの知り合い? 問題ないよ、馬鹿にお仕置きをしていただけだ」
「俺達はカレルさんを探していたんですよ!」
「あ、そうなん? 取り敢えず座るか?」
私達は大男をそのままにテーブルに座る。言動無用でお酒が私の前に置かれる。
カレルは顔を隠しているスカーフを解く。
――――あ、意外と……結構、いい男
鋭い目が印象的な力強い精悍な顔の男だ。少し生やした細いライン状の顎髭が短く整えられている。
「このお嬢ちゃん案件か?」
「そう。護衛を頼みたいのだが、今忙しいか?」
「どこまで? いくら?」
「十五ルビル、星屑の衝突地点までの往復」
「結構出すな。お嬢ちゃんがあんな場所に行きたいのか? あんな場所、お勧めしねぇぞ」
「どうしてですか?」
「俺に敬語なんかいらねぇよ。あそこは悪ぃ奴等が多いし、竜人もウジャウジャいるぞ」
「竜人って人を襲うの?」
「……竜人知らねぇの? 今までどこにいたんだよ」
彼によると竜人と人間の不仲は長い歴史だそうだ。元々竜人の方が体も戦闘能力も高かった。それを人が捉え、奴隷にし始めた事で人と竜人の長い戦争が始まった。遥かに体が強いが魔法は使えない。人の方が人数も多く魔法で竜人を拘束してきた。
「お嬢ちゃんは調査をしに行くのか。噂でカピラーキ王は星屑に興味を示しているらしいって聞いたけど本当だったんだな」
兵士グンシが目配せでそういう事にしろと合図を送ってくる。
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