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第一章 運命の瞬間
13 傭兵は首筋から攻める
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冷たいのに真っ直ぐな金属の刃。ファンタジー映画とかにありそうな装飾はなく、とてもシンプルな剣だ。それでも夕暮れの色を綺麗に反射しているのを見るととても鋭いのが分かる。
カレルは無造作に来た道を少し戻ると低い唸り声がどこからか響いてくる。そして地面に埋もれて隠れていた小さな猪みたいな獣が現れるとすぐにそれに向かって走り出す。
ブヒブヒブヒ ブヒッ
「はは! 活きが良くって美味そうじゃねぇか!」
カレルは突進してきた獣を飛び越えて宙で体を捻り、後ろ手に剣を振り下ろす。ズパッとした音がする前に獣の首が舞い上がる。
「……凄い! 格好いい」
凄く小さく呟いたのに、背を向けているカレルがピクリと反応をする。そのまま不自然なほど暫く向こう向きで固まっている。
その後彼がその獣を運んで近くまで戻って来ると火を起こす。
「炎魔法」
彼の指先に小さな光の粒子が集まり、それが高温な炎となって放出される。地面の枯れ枝に吹き付けてすぐに焚火が出来る。
私は初めて見る魔法に興奮をしながら料理をする彼の慣れた手付きを眺める。
そして出来上がったのは確かにワイルドな料理だった。
鍋に皮を剥いだ肉と干し根菜を入れてスープにしたのだが、脳を抜いた頭部も一緒に煮出した為、物凄く濃厚でいい味が出ている。食べている間も頭部を眺めるのも初めて経験をする。
食べた後は毛布に包まる。昨夜から色んな初体験を重ねていて興奮と精神的な疲労からいつもよりも早く眠くなる。だが軽く会話をしながら飲み込まれそうな美しい星空を眺めていると、疲労を忘れてしまいそうだ。
はぁ
雪があまりないと言っても砂漠の夜も寒い。私はカタカタ震えながら冷えた指先に息を吹きかける。
「……寒いのか?」
「凄く寒い」
私の震える指先に彼の大きな手が触れる。
「結構冷たいな。……こっちに、来るか?」
彼の顔を見ると、上半身を起こして自分の毛布を持ち上げてくれている。私の顔を真っ直ぐ見ているその男っぽい表情にドキッとする。毛布に包まった時に薄着になった彼の胸元に目が吸い寄せられる。
無言で彼の方へと体を寄せると力強い腕が遠慮気味に私の腰に触れ、ゆっくりと抱き寄せる。伝わってくる鼓動は速い。高い体温にすぐに寒さを忘れて、彼の体が気になってしょうがない。少しムスクのような自然なセクシーな香りにぞくぞくする。
健司と違う香りと体。
そのちょっとした瞬間の思考にも元婚約者が入り込んで嫌な気分になる。
――――覚えている体の感覚を、塗り替えたい
ちょっと躊躇してからカレルの肩に両腕を回すと彼は屈んで優しく私の首にキスをする。軽く触れただけなのにそこだけはっきりと熱を持つ。
はぁ……
熱い吐息が私の唇から漏れる。それに彼は屈んで今度はしっかりと唇で首を愛撫をしながら濡れた熱い舌先が皮膚をくすぐる。
「ん……」
自分が思っているのよりも甘えた声が出る。
カレルは無造作に来た道を少し戻ると低い唸り声がどこからか響いてくる。そして地面に埋もれて隠れていた小さな猪みたいな獣が現れるとすぐにそれに向かって走り出す。
ブヒブヒブヒ ブヒッ
「はは! 活きが良くって美味そうじゃねぇか!」
カレルは突進してきた獣を飛び越えて宙で体を捻り、後ろ手に剣を振り下ろす。ズパッとした音がする前に獣の首が舞い上がる。
「……凄い! 格好いい」
凄く小さく呟いたのに、背を向けているカレルがピクリと反応をする。そのまま不自然なほど暫く向こう向きで固まっている。
その後彼がその獣を運んで近くまで戻って来ると火を起こす。
「炎魔法」
彼の指先に小さな光の粒子が集まり、それが高温な炎となって放出される。地面の枯れ枝に吹き付けてすぐに焚火が出来る。
私は初めて見る魔法に興奮をしながら料理をする彼の慣れた手付きを眺める。
そして出来上がったのは確かにワイルドな料理だった。
鍋に皮を剥いだ肉と干し根菜を入れてスープにしたのだが、脳を抜いた頭部も一緒に煮出した為、物凄く濃厚でいい味が出ている。食べている間も頭部を眺めるのも初めて経験をする。
食べた後は毛布に包まる。昨夜から色んな初体験を重ねていて興奮と精神的な疲労からいつもよりも早く眠くなる。だが軽く会話をしながら飲み込まれそうな美しい星空を眺めていると、疲労を忘れてしまいそうだ。
はぁ
雪があまりないと言っても砂漠の夜も寒い。私はカタカタ震えながら冷えた指先に息を吹きかける。
「……寒いのか?」
「凄く寒い」
私の震える指先に彼の大きな手が触れる。
「結構冷たいな。……こっちに、来るか?」
彼の顔を見ると、上半身を起こして自分の毛布を持ち上げてくれている。私の顔を真っ直ぐ見ているその男っぽい表情にドキッとする。毛布に包まった時に薄着になった彼の胸元に目が吸い寄せられる。
無言で彼の方へと体を寄せると力強い腕が遠慮気味に私の腰に触れ、ゆっくりと抱き寄せる。伝わってくる鼓動は速い。高い体温にすぐに寒さを忘れて、彼の体が気になってしょうがない。少しムスクのような自然なセクシーな香りにぞくぞくする。
健司と違う香りと体。
そのちょっとした瞬間の思考にも元婚約者が入り込んで嫌な気分になる。
――――覚えている体の感覚を、塗り替えたい
ちょっと躊躇してからカレルの肩に両腕を回すと彼は屈んで優しく私の首にキスをする。軽く触れただけなのにそこだけはっきりと熱を持つ。
はぁ……
熱い吐息が私の唇から漏れる。それに彼は屈んで今度はしっかりと唇で首を愛撫をしながら濡れた熱い舌先が皮膚をくすぐる。
「ん……」
自分が思っているのよりも甘えた声が出る。
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