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第二章 肉体の誘惑
17 何でも手に入る町は私には合わない
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◇◇
朝起きると流石に慣れない固い地面での就寝で首と背中に痛みが走る。
「起きたか。……背中辛そうだな」
カレルは少し苦笑して背中を擦ってくれる。温かな体温でじんわりと強張った筋肉が解れてくると少しは痛みが和らぐ。
彼は私が寝ている間に朝食を作ってくれていた。昨夜のローグボアにスパイスを加えて。時折何か言いたそうな顔で私を見ているけど、結局出発するまで何も言われなかった。
彼に抱かれて色んな意味でスッキリした。
異世界にきても健司と由香の事を考えていたけど、昨夜からそれが一気に減った。夢見もよかった。もうあの二人と会う事はないかも知らない。いつまでも未練タラタラで泣いていてはこの世界での楽しい事を逃しそうで勿体無い。もう私のいた世界はないと思うようにした。カレルには悪いかもしれないけど、彼に抱かれて少し吹っ切れるきっかけになったのも確かだ。生死のかかった生活なのだから今更浮気や婚約破棄なんかで泣いて一日過ごすのは、嫌だ。
その夜はエッチをしなかったが、抱き合って寝た。
彼はずっと背中を優しくさすってくれ、温めてくれる。私は夜空が好きだと知るとこの世界の星座を教えてくれる。格好良い男性の物凄く甘い態度に骨抜きになりそうだ。
そんな関係で星屑の衝突地へと近付いていく。近付くにつれてカレルの表情が険しくなる。スカーフを頭に巻かれる。
「変な感じがしたらすぐに言ってくれ。ここら辺は人身売買が多い。あんたは美人さんだ。絶対に、目立つな」
そして衝突地に一番近い町、シリカ。
「お嬢ちゃん、俺から離れるなよ。ここは野蛮で大体欲しいものは何でも手に入る町で有名だ。俺と同じ部屋で不満かもだが、一緒に泊るぞ」
「不満じゃないわ。あ、でも……毎日こんなに好みの男に優しくされているのに、手を出されないもん。欲求不満になっちゃった」
「……欲求不満……」
カレルが固まる。遊びが上手そうな割にあまり遊んでいないのかもしれない。好みなのは嘘ではない。すまないという気持ちがある反面、健司の愛し方を早く違う体温で完全に塗り替えたい気持ちも強い。
そして何よりも、彼の優しい抱き方は本当に気持ちが良かった。
荷物を置き、彼と一緒に食糧の補給で出掛ける。
「おい! てめぇ、わざとぶつかってきただろ!」
「ぁあ⁉︎ 喧嘩ふっかけてるんじゃねぇよ、てめぇ!」
「おい、クソ野郎! そりゃ俺の荷物だろか!」
町中に罵詈雑言が飛び交う。本当にガラが悪い。
「だから竜人は奴隷なんだよ! てめぇもいい奴隷らしく這いつくばって人間様の靴を舐めやがれや」
その怒声に振り返る。
髭面の男が膝をついた男の背中に棒を叩きつける。
バシッ バシ
男は叩かれる度に体を震わせるが声を出さない。そして叩いている髭面の足を舐めない事に、より怒り狂うように叩かれる。
ニホントカゲのような長い青と緑の光沢のある美しい尻尾が生えている。私達に背後を向け、その髭面の男を見上げている。気に入らない表情なのか、髭面は更に力を込める。
「……お嬢ちゃん、こういうのは見るもんじゃない。行こう」
バシッ
朝起きると流石に慣れない固い地面での就寝で首と背中に痛みが走る。
「起きたか。……背中辛そうだな」
カレルは少し苦笑して背中を擦ってくれる。温かな体温でじんわりと強張った筋肉が解れてくると少しは痛みが和らぐ。
彼は私が寝ている間に朝食を作ってくれていた。昨夜のローグボアにスパイスを加えて。時折何か言いたそうな顔で私を見ているけど、結局出発するまで何も言われなかった。
彼に抱かれて色んな意味でスッキリした。
異世界にきても健司と由香の事を考えていたけど、昨夜からそれが一気に減った。夢見もよかった。もうあの二人と会う事はないかも知らない。いつまでも未練タラタラで泣いていてはこの世界での楽しい事を逃しそうで勿体無い。もう私のいた世界はないと思うようにした。カレルには悪いかもしれないけど、彼に抱かれて少し吹っ切れるきっかけになったのも確かだ。生死のかかった生活なのだから今更浮気や婚約破棄なんかで泣いて一日過ごすのは、嫌だ。
その夜はエッチをしなかったが、抱き合って寝た。
彼はずっと背中を優しくさすってくれ、温めてくれる。私は夜空が好きだと知るとこの世界の星座を教えてくれる。格好良い男性の物凄く甘い態度に骨抜きになりそうだ。
そんな関係で星屑の衝突地へと近付いていく。近付くにつれてカレルの表情が険しくなる。スカーフを頭に巻かれる。
「変な感じがしたらすぐに言ってくれ。ここら辺は人身売買が多い。あんたは美人さんだ。絶対に、目立つな」
そして衝突地に一番近い町、シリカ。
「お嬢ちゃん、俺から離れるなよ。ここは野蛮で大体欲しいものは何でも手に入る町で有名だ。俺と同じ部屋で不満かもだが、一緒に泊るぞ」
「不満じゃないわ。あ、でも……毎日こんなに好みの男に優しくされているのに、手を出されないもん。欲求不満になっちゃった」
「……欲求不満……」
カレルが固まる。遊びが上手そうな割にあまり遊んでいないのかもしれない。好みなのは嘘ではない。すまないという気持ちがある反面、健司の愛し方を早く違う体温で完全に塗り替えたい気持ちも強い。
そして何よりも、彼の優しい抱き方は本当に気持ちが良かった。
荷物を置き、彼と一緒に食糧の補給で出掛ける。
「おい! てめぇ、わざとぶつかってきただろ!」
「ぁあ⁉︎ 喧嘩ふっかけてるんじゃねぇよ、てめぇ!」
「おい、クソ野郎! そりゃ俺の荷物だろか!」
町中に罵詈雑言が飛び交う。本当にガラが悪い。
「だから竜人は奴隷なんだよ! てめぇもいい奴隷らしく這いつくばって人間様の靴を舐めやがれや」
その怒声に振り返る。
髭面の男が膝をついた男の背中に棒を叩きつける。
バシッ バシ
男は叩かれる度に体を震わせるが声を出さない。そして叩いている髭面の足を舐めない事に、より怒り狂うように叩かれる。
ニホントカゲのような長い青と緑の光沢のある美しい尻尾が生えている。私達に背後を向け、その髭面の男を見上げている。気に入らない表情なのか、髭面は更に力を込める。
「……お嬢ちゃん、こういうのは見るもんじゃない。行こう」
バシッ
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