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第17話 ソーイ・ミョーシ(三好宗渭)
しおりを挟む村一番の力自慢で名を売っていて、重いものを運んだり外敵を追い払ったりと何かと重用されていた。
しかし私の死因は、たまたま隣村に荷物を運ぶ途中で切り倒された木の下敷きによる圧死。
流石に巨大倒木には勝てなかった。
そして私は死後の世界、いわゆる天国という場所に来たらしいのだが。
「ボクはアマテラス。
君のいた世界とは違う、正世界の神様だよ」
そう自己紹介をするのは、どうみても神様のイメージとは程遠い幼女。
そして気になった単語、レギュラーワールド。
正規があるなら、異端もあるのか?
「ボクは誤世界って呼んでるけど、故あってその魂をこちらで引き取った」
ふむ。
「そもそも君らの世界は日本人がアメリカ大陸を発見するとか、綺麗に間違ってるね」
うん、君ら?
と振り返れば、確かにそこにはチャラそうでケバい女性と帽子に半ズボンの少年の2名が
「さてソーイ・ミョーシくん」
そう言って神様は私の名前を呼んだ。
そして何やら文字の書かれた、半透明の板状の物を空中に表示させる。
「本来なら力自慢である、君の能力をそのまま別の世界でも反映させたいがそっちは先約がいてね」
「代わりと言っては何だが、『四面楚歌』の存在感を授けよう。
ざっくり言うと相手の動きを奪う能力だ」
「ヒャハッ、トモチは視界を奪う能力だから気が合うかもー」
神様の言葉にケバい女性が反応する。
「僕の能力は一点に特化した攻撃だ。
二人とも協力頼むよ」
と半ズボンの少年。
ふむ、ケバ子と私で足止めして少年がトドメを刺すのだな。
理想的ではある。
かくして実際に三好三人衆のいた世界に転移した三名。
元になった三人衆は既に信長に滅ぼされていたが、その家臣や子孫はまだ存命で、そこから様々な情報を得る事が出来た。
それによれば最近織田信長が別人のように温和になった事、そして新たに五人の側室を加えた事などが噂になっていた。
そして自分たちと同様の能力、存在感を持つアギチ・ミッチーデから引き出した情報から、彼ら六人が誤世界から来たノブナガである事が明らかになる。
更にソーイは、そのノブナガの中には知恵者や暗殺に特化した能力を持つ者がいると言う話も入手し、これは接触するのも慎重にせねばと思った矢先。
「ナギャス、イワーニャが何処に行ったか知らないか?」
そうソーイが尋ねると、
「ああ、彼女ならノブナガ達の様子を見に安土城に忍び込むって」
と半ズボン少年のナギャス。
「あのケバ子め勝手な真似を!」
ソーイはスキンヘッドの頭まで真っ赤にして怒り狂ったのだった。
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