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本編
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「ううん、嘘でも妄想でもない。信じてるよ。信じてるからこそ、前世とは違う道を選びたいの」
「前世と違う道?」
「そう。役割とか摂理じゃなく、自分の人生を大事にしたいの。この人生で出会った大切な人たちと一緒に過ごして、好きなことをたくさんして、生きる目的を見つけたい。私は私の人生を生きたいの」
「ディエス・イレを止めるつもりはないのか」
「もちろん止めたいよ。だけど、私は前世の続きを生きてるんじゃない。今を生きてるの。たとえ来年の夏に世界が滅びても、それまで私たちが生きた記憶は誰にも奪えない。私たち自身のものだよ。そうでしょ?」
もどかしくなって、私は唇を湿らせた。
もっと、言いたいことがうまく伝わればいいのに。
「俺は……俺にとっては、ディエス・イレを止めることだけが全てだ。そのためだけに今まで生きてきた。お前を守りたくて」
「カウンセラーになったのも、前世のことが知りたかったからだよね」
「ああ。アメリカに行く飛行機の中で全部思い出して、そこからは必死だった。心理学や催眠、前世療法の本をむさぼるように読んだよ。自分が病気なんだってずっと思ってて、本気で治したかった。それと同時に、前世に焦がれてもいた。夢の意味を知りたかった。あれは嘘じゃないんだって信じたかった。前世の夢を見るたびに懐かしくて、切なくて、涙が出るほど愛おしかった。
俺はあの世界が大好きだった。ソロンもマイアもコンスタンスも大好きだった。だから……」
爽君は床に拳を叩きつけた。
「何で……滅びなきゃいけないんだよ。何で……」
ディエス・イレさえなければ。そうすれば、世界は平和なのに。
でも、そう思って反抗することさえも、創造主が作った摂理に従わされているのかもしれない。
爽君はすっと立ち上がり、私の前を横切ってドアのところまで歩いていく。
「爽君?」
「悪い。ちょっと頭、冷やしてくる」
背中から明確な拒絶を感じて、私はたじろいだ。
放っておいてはいけない気がして、思わず声をかける。
「待って、爽君」
爽君は答えずにドアを閉めたので、玄関まで追いかけていく。
そこに、ゆっき先生が帰ってきた。
「前世と違う道?」
「そう。役割とか摂理じゃなく、自分の人生を大事にしたいの。この人生で出会った大切な人たちと一緒に過ごして、好きなことをたくさんして、生きる目的を見つけたい。私は私の人生を生きたいの」
「ディエス・イレを止めるつもりはないのか」
「もちろん止めたいよ。だけど、私は前世の続きを生きてるんじゃない。今を生きてるの。たとえ来年の夏に世界が滅びても、それまで私たちが生きた記憶は誰にも奪えない。私たち自身のものだよ。そうでしょ?」
もどかしくなって、私は唇を湿らせた。
もっと、言いたいことがうまく伝わればいいのに。
「俺は……俺にとっては、ディエス・イレを止めることだけが全てだ。そのためだけに今まで生きてきた。お前を守りたくて」
「カウンセラーになったのも、前世のことが知りたかったからだよね」
「ああ。アメリカに行く飛行機の中で全部思い出して、そこからは必死だった。心理学や催眠、前世療法の本をむさぼるように読んだよ。自分が病気なんだってずっと思ってて、本気で治したかった。それと同時に、前世に焦がれてもいた。夢の意味を知りたかった。あれは嘘じゃないんだって信じたかった。前世の夢を見るたびに懐かしくて、切なくて、涙が出るほど愛おしかった。
俺はあの世界が大好きだった。ソロンもマイアもコンスタンスも大好きだった。だから……」
爽君は床に拳を叩きつけた。
「何で……滅びなきゃいけないんだよ。何で……」
ディエス・イレさえなければ。そうすれば、世界は平和なのに。
でも、そう思って反抗することさえも、創造主が作った摂理に従わされているのかもしれない。
爽君はすっと立ち上がり、私の前を横切ってドアのところまで歩いていく。
「爽君?」
「悪い。ちょっと頭、冷やしてくる」
背中から明確な拒絶を感じて、私はたじろいだ。
放っておいてはいけない気がして、思わず声をかける。
「待って、爽君」
爽君は答えずにドアを閉めたので、玄関まで追いかけていく。
そこに、ゆっき先生が帰ってきた。
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