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【#27 夏休みに入りました】
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そんなこんなで、あっという間に月日は流れ、8月に入った。
そう、待ちに待った夏休みである!!
「ああ~やっぱ実家最高……」
実家に帰省した私は、ベッドの上で日がな一日寝そべって本を読んだり、お菓子を食べたり、お風呂に入ってまたごろごろして過ごしていた。
私にとっては、これが至福の時なんだよね。
眼鏡科での勉強は面白いし、寮生活も楽しんでいる。
学期末の試験の結果も悪くなくて、特に眼鏡製作理論なんて百点満点を取っちゃった。それもこれも眼鏡への愛のおかげね❤
それに最近じゃエル以外のクラスメイトも気軽に話しかけてくれるようになって、いい感じにクラスにも溶け込めている。
『目指せ普通のお嬢様』計画も順調だ。
でも、実家のよさには負けるよね~。何てったってリラックス度合いが違う。
眼鏡科じゃ一応学園長だし、学生生活という公の場で常識に逸脱した行動を取れば、それは私だけでなくプリスタイン家の恥にもなる。
そう考えると、うかつに鼻もほじれなかったのだ。いや、別に普段もほじってないけどね。
「お嬢様」
ノックの音がして、廊下からアキトの声がした。
「な……何?」
「少しよろしいでしょうか」
「どうぞ」
と言いつつも、私は眉を寄せた。
実家に帰省するや否や、私は『アキトにも夏休みが必要よ』と言い張って、『用事は他の執事やメイドに言いつけるから休んで』と命じた。
……本当は、『アキトに近づいてはいけない病』のせいで気まずかったからなんだけどね。
でも実際、専属執事は二十四時間、三百六十五日が仕事で気の休まる暇がない。
アキトにとっても、ちょうどいいかな?と思ったんだけど……。
「失礼します。おくつろぎのところ、大変恐れ入ります」
入室してきたアキトは、相変わらず漆黒のスーツにオールバックの髪型と、一分の隙もない。
「アキト、ちゃんと休んでるの?」
と声をかけると、胸に手を当ててやんわりと微笑んだ。
「はい。お気遣いありがとうございます」
私は半眼になった。うーん、本当かなあ?
「旦那様がティアメイ様をお呼びとのことで、お迎えにまいりました」
「お父様が?」
私は目を丸くする。わざわざお父様が私を呼びつけるなんて珍しい。
「何の用だろ……。話なら晩ご飯のときにすればいいのに」
我が家では毎日家族そろって夕食をとるのが決まりだ。
貴族は広大な屋敷に住んでいるから、自室でばらばらにご飯を食べることも多いし、下手すると一年ぐらい顔を合わせないこともあるんだけどね。
「お父様はどちらにいらっしゃるの?」
「書斎です。ご案内いたします」
ベッドから降りた私を先導し、アキトは扉を開けてくれる。
書斎の場所ぐらい知ってるんだけど、これが公爵令嬢の面倒なところ。
たとえ屋敷の中でも、絶対に一人では出歩けないのだ。
仮にアキトの同行を断れば、別の執事かメイドがついてくる。
だったら、大人しくアキトと一緒にいたほうが気楽だ。
「何の用だと思う?」
半歩ほど前を行くアキトの背中に問いかける。
「さあ……。旦那様は、わたくしには何もおっしゃいませんでしたので」
本当にアキトも何も知らないみたい。私は首をひねった。
帰省したとき、お父様に学園長として眼鏡科の運営について報告はしたし(書類とか面倒なことは全部アキトがやってくれた)、宿題もちゃんとやってるし、言われたとおりいくつかのお茶会には顔を出した。
怒られるとか……そんなんじゃないよね?
そう、待ちに待った夏休みである!!
「ああ~やっぱ実家最高……」
実家に帰省した私は、ベッドの上で日がな一日寝そべって本を読んだり、お菓子を食べたり、お風呂に入ってまたごろごろして過ごしていた。
私にとっては、これが至福の時なんだよね。
眼鏡科での勉強は面白いし、寮生活も楽しんでいる。
学期末の試験の結果も悪くなくて、特に眼鏡製作理論なんて百点満点を取っちゃった。それもこれも眼鏡への愛のおかげね❤
それに最近じゃエル以外のクラスメイトも気軽に話しかけてくれるようになって、いい感じにクラスにも溶け込めている。
『目指せ普通のお嬢様』計画も順調だ。
でも、実家のよさには負けるよね~。何てったってリラックス度合いが違う。
眼鏡科じゃ一応学園長だし、学生生活という公の場で常識に逸脱した行動を取れば、それは私だけでなくプリスタイン家の恥にもなる。
そう考えると、うかつに鼻もほじれなかったのだ。いや、別に普段もほじってないけどね。
「お嬢様」
ノックの音がして、廊下からアキトの声がした。
「な……何?」
「少しよろしいでしょうか」
「どうぞ」
と言いつつも、私は眉を寄せた。
実家に帰省するや否や、私は『アキトにも夏休みが必要よ』と言い張って、『用事は他の執事やメイドに言いつけるから休んで』と命じた。
……本当は、『アキトに近づいてはいけない病』のせいで気まずかったからなんだけどね。
でも実際、専属執事は二十四時間、三百六十五日が仕事で気の休まる暇がない。
アキトにとっても、ちょうどいいかな?と思ったんだけど……。
「失礼します。おくつろぎのところ、大変恐れ入ります」
入室してきたアキトは、相変わらず漆黒のスーツにオールバックの髪型と、一分の隙もない。
「アキト、ちゃんと休んでるの?」
と声をかけると、胸に手を当ててやんわりと微笑んだ。
「はい。お気遣いありがとうございます」
私は半眼になった。うーん、本当かなあ?
「旦那様がティアメイ様をお呼びとのことで、お迎えにまいりました」
「お父様が?」
私は目を丸くする。わざわざお父様が私を呼びつけるなんて珍しい。
「何の用だろ……。話なら晩ご飯のときにすればいいのに」
我が家では毎日家族そろって夕食をとるのが決まりだ。
貴族は広大な屋敷に住んでいるから、自室でばらばらにご飯を食べることも多いし、下手すると一年ぐらい顔を合わせないこともあるんだけどね。
「お父様はどちらにいらっしゃるの?」
「書斎です。ご案内いたします」
ベッドから降りた私を先導し、アキトは扉を開けてくれる。
書斎の場所ぐらい知ってるんだけど、これが公爵令嬢の面倒なところ。
たとえ屋敷の中でも、絶対に一人では出歩けないのだ。
仮にアキトの同行を断れば、別の執事かメイドがついてくる。
だったら、大人しくアキトと一緒にいたほうが気楽だ。
「何の用だと思う?」
半歩ほど前を行くアキトの背中に問いかける。
「さあ……。旦那様は、わたくしには何もおっしゃいませんでしたので」
本当にアキトも何も知らないみたい。私は首をひねった。
帰省したとき、お父様に学園長として眼鏡科の運営について報告はしたし(書類とか面倒なことは全部アキトがやってくれた)、宿題もちゃんとやってるし、言われたとおりいくつかのお茶会には顔を出した。
怒られるとか……そんなんじゃないよね?
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