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第一章 出会い
プロローグ
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「俺、もうお前のことを支えるの、無理かもしれない」
私たちの三年間は、クリスマス直前に告げられたこんな言葉であっけない終わりを迎えた━━。
その日は久しぶりのデートで、ここ最近私が仕事のこととか家族のことで忙しくしていたから、ようやくとれた二人の時間だった。
付き合って三年、お互い良い歳だしそろそろ……なんて考えていた私をぶん殴りたい。
目一杯おしゃれして、評価の良いレストランを調べて、なんならちょっと早めのクリスマスプレゼントも用意して、そんな私に彼は別れを告げたのだ。
「どういう…?」
「…どういうも、そのままの意味だよ…」
そう、私から目をそらして気まずそうに返す彼が解らなくて、つい語勢を強めてしまった。
「いやっ!それがわらないから聞いてんじゃん!なに!?久しぶりに会えたと思ったら支えられないって………私べつにあんたになにか頼ったりしてないじゃん!意味解んないでしょ」
キッと彼を睨む。
「だからだよ……」
「はぁ!?」
「雛が、俺に頼らないからだよ」
それまで合ってなかった目線が重なる。その瞳の奥に確かな決意の強さを感じた。
「っ…ほんと意味解んない!もういい!!」
「あっ…ちょ……!」
なにを言っても無駄だ。私はその勢いのまま駆け出した。
後になって思えばなんでもうちょい冷静に話せなかったのかなと後悔したが、まあそのときの私は頭に血がのぼって、理性が制するより先に行動してしまった。
だから、あんなことがおこったのだ。
キキッ━━━━!
甲高い音が聞こえたと思った次の瞬間、私の体が宙を舞った。
ドサッと地面に叩きつけられる体。力が抜けていく。かすみゆく視界の先に見えたのは、流れ行く血と、同じく地面に倒れている愛した人だった。
「………蒼………」
果たして音になっていたかなっていなかったか。彼の名前を呟いて、瞳から一粒の涙がこぼれた。私の意識はそこで途切れた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「うーん……」
目が覚めると、見たことのない天井が目に入った。
「……えっわたし生きてる…?」
ぼっーーとした頭で先ほどのことを思い返す。たしかわたしは彼氏にフラれて…逆ギレした勢いで駆け出して車に轢かれたはず…。
ならばここは病院…?だけど正直体のダメージ的に死んだと思ったのだけれども。
そこでふと気づく。あれだけの衝撃を受けたのに、痛み等感じない。
「まさか天国……?」
少しずつ覚醒し出した頭で、よくよく周りを見渡すと、そこはきらびやかな空間で、まるで物語のお姫様が住んでいるかのような部屋だった。
「ふぁーーなるほど、ここは天国か」
なるほど、なるほどと独り言を呟きながら、この異様な状況をなんとか飲み込もうとする。
ふと、そういえば先ほどの傷も治っているのか気になった。めちゃくちゃ血が出てたし、まぁでも死んじゃったなら傷なんて消えてるか、何て考えながら自分の体に視線をおとした。
「………………ん?」
何かがおかしい。具体的に言うとなんかちっちゃい。
「なんか……子供みたいな体ね」
そう呟いた通り、明らかに先ほどまでのサイズ感と違っていた。
一体どうなっているのかと、とりあえず私は起き上がった。
「よいしょ、と」
これまたお姫様が使っているかのような、天蓋付きのベッドから降りて、先ほど見渡したときに目に入った鏡の前まで歩いていく。
そこに映っていたのは━━━
「………なにこの美少女」
まるでお人形のような金髪碧眼の少女だった。
私たちの三年間は、クリスマス直前に告げられたこんな言葉であっけない終わりを迎えた━━。
その日は久しぶりのデートで、ここ最近私が仕事のこととか家族のことで忙しくしていたから、ようやくとれた二人の時間だった。
付き合って三年、お互い良い歳だしそろそろ……なんて考えていた私をぶん殴りたい。
目一杯おしゃれして、評価の良いレストランを調べて、なんならちょっと早めのクリスマスプレゼントも用意して、そんな私に彼は別れを告げたのだ。
「どういう…?」
「…どういうも、そのままの意味だよ…」
そう、私から目をそらして気まずそうに返す彼が解らなくて、つい語勢を強めてしまった。
「いやっ!それがわらないから聞いてんじゃん!なに!?久しぶりに会えたと思ったら支えられないって………私べつにあんたになにか頼ったりしてないじゃん!意味解んないでしょ」
キッと彼を睨む。
「だからだよ……」
「はぁ!?」
「雛が、俺に頼らないからだよ」
それまで合ってなかった目線が重なる。その瞳の奥に確かな決意の強さを感じた。
「っ…ほんと意味解んない!もういい!!」
「あっ…ちょ……!」
なにを言っても無駄だ。私はその勢いのまま駆け出した。
後になって思えばなんでもうちょい冷静に話せなかったのかなと後悔したが、まあそのときの私は頭に血がのぼって、理性が制するより先に行動してしまった。
だから、あんなことがおこったのだ。
キキッ━━━━!
甲高い音が聞こえたと思った次の瞬間、私の体が宙を舞った。
ドサッと地面に叩きつけられる体。力が抜けていく。かすみゆく視界の先に見えたのは、流れ行く血と、同じく地面に倒れている愛した人だった。
「………蒼………」
果たして音になっていたかなっていなかったか。彼の名前を呟いて、瞳から一粒の涙がこぼれた。私の意識はそこで途切れた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「うーん……」
目が覚めると、見たことのない天井が目に入った。
「……えっわたし生きてる…?」
ぼっーーとした頭で先ほどのことを思い返す。たしかわたしは彼氏にフラれて…逆ギレした勢いで駆け出して車に轢かれたはず…。
ならばここは病院…?だけど正直体のダメージ的に死んだと思ったのだけれども。
そこでふと気づく。あれだけの衝撃を受けたのに、痛み等感じない。
「まさか天国……?」
少しずつ覚醒し出した頭で、よくよく周りを見渡すと、そこはきらびやかな空間で、まるで物語のお姫様が住んでいるかのような部屋だった。
「ふぁーーなるほど、ここは天国か」
なるほど、なるほどと独り言を呟きながら、この異様な状況をなんとか飲み込もうとする。
ふと、そういえば先ほどの傷も治っているのか気になった。めちゃくちゃ血が出てたし、まぁでも死んじゃったなら傷なんて消えてるか、何て考えながら自分の体に視線をおとした。
「………………ん?」
何かがおかしい。具体的に言うとなんかちっちゃい。
「なんか……子供みたいな体ね」
そう呟いた通り、明らかに先ほどまでのサイズ感と違っていた。
一体どうなっているのかと、とりあえず私は起き上がった。
「よいしょ、と」
これまたお姫様が使っているかのような、天蓋付きのベッドから降りて、先ほど見渡したときに目に入った鏡の前まで歩いていく。
そこに映っていたのは━━━
「………なにこの美少女」
まるでお人形のような金髪碧眼の少女だった。
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