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魔の森、攻略!
魔の森(3)
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マイリアの提案で、ギルド集会所の掲示板に魔の森の参加募集が掲載された。掲載を考えた当人は、さほど期待はしなかったが……意外にも参加する人が現れ、当初の希望枠であった5人は直ぐに埋まった。
それ以降も参加希望をする声が何人かあった……と、受付のレナは言っていた。
数日後、早朝……
魔の森へ行く参加者達が光花の宿舎に集まった。
レネラが玄関入り口に立ち、参加者達を広間へと案内した。集まった人達をリーミアが出迎えようと広間で待っていると、参加者達の中に見覚えのある顔があった。
「あら、貴方は!」
リーミアが驚いた様な口調で、目の前に立つ男性と女性を見る。
「よう、久しぶり」
「こんにちは」
そう挨拶をして来たのは以前湿地帯で一緒だったフォルサとアメリだった。
「しばらく振りだな。まさか……あの時、チームを選んでいた嬢ちゃんが、短期間でグループを結成して、こんな宿舎まで持ってしまうとはね……」
「まあ……色んな人に支えられて、出来た事ですよ」
リーミアは愛想笑いしながら答える。
「あっ!アメリー!」
突然大声でシャリナが、駆け寄りながらアメリの方へと走って行く。
「あら、シャリナ久しぶり。ここのグループに居たのね!」
2人は手を合わせながら喜び合う。
「何だ、お前さん等……知り合いだったのか?」
「同じ魔法学校で勉強した仲なのよ」
「へえ……そうだったのか」
フォルサが関心した様子で答える。
「ところでよ、嬢ちゃん……アンタに会いたがってたヤツも来ているぜ」
「え?私に会いたがっている人って……?」
そう言いながら玄関の方を見ると、玄関入り口に立っているティオロの姿に気付いた。
「やあ」
彼は軽く手を上げながら挨拶をする。
「ティオロ!」
リーミアは思わず、彼の側まで近付き彼の手を握る。約2ヶ月半振りの再会だが……2人にとっては数年ぶりの再会にも思えた。
「元気だった?体は無事かしら、何とも無い……?」
「あ、ああ……元気だったよ」
ティオロは少し戸惑いながら答える。ほんの少し離れていただけだが……以前と比べて、少し身体が大きく逞しくなった様に思えた。
「コイツは、今じゃ俺達のチームには欠かせない人材だよ。称号も青で、あと少しで灰色になるまで来ているよ」
フォルサがリーミアの近くへ来て話す。
「そうだったの、頑張っていたのね。嬉しいわ!」
リーミアは嬉々しながら話す。彼女のその振る舞いに対して、その場に居たグループのメンバー達は皆驚いた。これまでリーミアが今まで一度も誰に対しても見せた事のない嬉しそうな表情に周囲は少し困惑した。
「盟主のあんな表情、初めて見たわ……」
レネラはそばに居たマイリアに向かって話す。
「初恋の相手との、運命の再開……て言うところかしらね?」
マイリアも珍しく、少し意地悪そうな言い方をする。
「そうかもしれないけど……でも、他のメンバー達が居る前で、あんな風な振る舞いは、どうかと思うわ……。彼だけ特別に扱うのは、グループ内に対してあまり良い感じがしないわね」
「そうね、あまりいい感じしないわね。でも……どうせなら、いっその事……彼も光花に入隊させてみるのも悪く無いかも?」
「貴女はグループ内が修羅場と化すのを見て見たいの?」
レネラが険しい表情でマイリアを見つめる。
「え……あ、いや……そう言う意味で言ったわけではないけどね……」
彼女は、愛想笑いしながら答える。
彼等が話していると、更に玄関入り口から背丈の大きい男性達2人が入って来た。1人は頭にターバンを巻いていた。もう1人は左目に黒の眼帯をしていた。
「こんちわ。僕はシュラムと言います」
と、挨拶したのは頭にターバンを巻いた男性で、少しカタコトの話し方をしていた。
「初めまして、俺はメオスと言います。宜しく……」
眼帯の男性は軽く礼をしながら挨拶をする。
「よ……宜しくね」
少し風変わりな男性達が現れてリーミアは戸惑ったが……直ぐに元の振る舞いをして、周囲を見回した。
「これで全員見たいですね。では……グループの参加者の方と募集で来てくれた皆様は、作戦会議をしますので、会議室に集まってください」
そう言ってリーミアはティオロの手を繋いで階段を上がって行く。
それを見ていた参加しなかったナレフやレメミィ、ロディオ、アデル、レティウは、少し困惑した表情で盟主を見ていた。
「盟主が連れ添っていた男性、元恋人らしいな……」
「そうか……」
レティウは軽く返事をしながら酒を呑む。
「お前が彼女を奪い取るには、あの男性よりも上の実力が必要になるな」
「別に……俺は、盟主が好きな訳では無い。まあ……新しい剣を購入してくれたのには感謝するが……」
彼はそう言って、自分の側に置いてある新しい剣を見つめた。先日……会議の後、彼は盟主と一緒に武器屋に行き、そこで新しい武器を選んだ。その中で盟主が選んだ武器が、以前使っていた武器よりも高額な値段の剣だった。
武器屋の主人が勘定する時、「金貨50枚」と、聞いた時にレティウは自分の耳を疑ってしまった。彼が以前使っていた武器は金貨5枚だった。約10倍の値段の武器と知って、彼は少し震えた。しかし……盟主は、平然としながら支払いを済ませてしまった。
それを見たレティウは、全く動じない盟主に対して、最初会った頃の様な彼女を見下す様な振る舞いを辞めて、忠実なメンバーになる事を決意した。
彼は空になったコップを持って、食堂へ行き、新しく酒を注ぎ込んで席に戻って来た。
会議室に入ると、今回は残念ながら参加出来なかったアルファリオが、広いテーブルの上に大きな地図を広げて、彼等が来るのを待っていた様子だった。
「ようこそ、そちらの方々は初めまして。副盟主のアルファリオです」
と、彼は初対面の人達に向かって軽く挨拶をする。
ティオロが会議室に入ると、見覚えのある顔があった。
「あ……アーレスさん、サリサさん久しぶりです」
彼は、アーレスとサリサに向かって挨拶をする。彼等もティオロに向かって「やあ」と、軽く手を振った。
それを見たアルファリオが2人に向かって言う。
「彼とは、お知り合いだったのですか?」
「光の洗礼の時に一緒だったのだよ」
アーレスが笑いながら答える。
「ほお……意外な所で会ってたのですね」
「まあ、彼の事は……また後日話します。それよりも作戦会議を始めましょう」
リーミアがアルファリオに向かって言うと、それを聞いたアルファリオも、「そうですね」と、返事をしながら会議の進行を行う。
この時、側に居たシャリナは、リーミアがティオロの手を握って離さないのを見ていた。
(もう、盟主様ったら……)
と、彼女は内心少し呆れた様子でリーミアを見ていた。
「えー……本日、皆様に集まって頂いたのは。この光花のグループの盟主であるリーミア様が魔剣士から奪われた聖魔剣が魔の森で、魔剣士と一緒にある事が分かり、それを奪還する為に、集まって頂いたのです。魔の森は……ここの地図に書き記してある様に、北東部が岩山に囲まれて、南西部が高原に覆われた地域です。その地域を遮る様に、西側と南側には流域が広がっていて、その地域一角が、ほぼ森に覆われた場所です」
彼は、皆に見える様に棒を使って、その領域を詳しく説明した。
「そもそも……何故、魔剣士がこの様な場所に留まっているのかは不明ですが……。彼は、以前、盟主がこちらに居る、フォルサさんと湿地帯で魔物狩りしている時に、魔剣士に襲われて、大事な聖魔剣を奪われてしまったのです」
「ちょっと、良いですか?」
シュラムと言う男性が手を上げて、話を遮った。
「何でしょうか?」
「聖魔剣を奪われた……と、言う事は……つまり弱くなっている、と……言う事ですね?」
「まあ……弱くはなってるかも知れませんが、逆に強くなったかも知れませんね」
「どう言う事?」
「盟主は、今……光の聖魔剣を手にしてます」
それを聞いた初対面の男性達は驚いた。
「それって……つまり、王位に就ける資格があるんじゃないの?」
シュラムは唖然としながら言う。
その一方でメオスは困惑した表情で居た。
「どうしたの?」
側に居たアーレスが声を掛ける。
「いや……ただ、聖魔剣て……そんなに簡単に手に入るものなのか……と、思ってしまって……」
「我が国には2本だけあったのだよ。そのうちの1本は彼女の手元にあったんだ。ちなみに……ごく普通の一般の人では、仮に手にする事が出来ても、剣を鞘から抜き出す事は出来ないさ……。彼女も扱えるまでに、相当な鍛錬をしたと思うよ」
「そうだったんだ……」
彼は納得した表情で答える。
「少し話が逸れてしまいましたが……皆様には今回、光花の盟主と同行して、聖魔剣を魔剣士から奪い返して貰いたいと思います」
「それって、魔剣士と決闘しても構わない……と言う事でしょうか?」
メオスがアルファリオに向かって言う。
「非公式の場での決闘は禁止されてます」
「では……仮に相手が襲って来たら、どう対応すれば良いのですか?」
「その時は、僕達が相手します」
アーレスがメオスに向かって言う。
「はい?」
「一応……僕には王国騎士団としての資格があってね。あと……こちらに居る女性も、神官剣士なんだ。仮に魔剣士が現れたら、僕達が応戦するよ。君達は魔物と戦ってくれれば良いよ」
さりげなく言うアーレスに対して、メオスは「そ……そうなんだ」と、慌てながら返事をした。
「何か、聞きたい事はありますか?」
その質問にシュラムが再び手を上げる。
「どうぞ」
「ここに集まっているメンバーだけで魔の森に行くのか?」
「そうですが……」
「聞いた所だと、魔の森は数千匹の魔物が住み着いてると聞いたけど……」
「まあ、一般のギルド参加者だけでは、攻略し難い場所ですね。ですが……」
アルファリオは、盟主、アーレス、サリサ……を見た。
「僕から見れば、このメンバーだったら、魔物の数なんて大した事は無いと思うけど……」
それを聞いたフォルサは、以前……リーミアが本気を出して魔物達と戦ったのを思い出した。現在は転生者の能力が封印されているが、光の聖魔剣を手にしている以上、以前と同じ位の戦いができると感じた。そう言う意味でも、魔の森なら何とか攻略出来るだろうと期待した。
それ以降も参加希望をする声が何人かあった……と、受付のレナは言っていた。
数日後、早朝……
魔の森へ行く参加者達が光花の宿舎に集まった。
レネラが玄関入り口に立ち、参加者達を広間へと案内した。集まった人達をリーミアが出迎えようと広間で待っていると、参加者達の中に見覚えのある顔があった。
「あら、貴方は!」
リーミアが驚いた様な口調で、目の前に立つ男性と女性を見る。
「よう、久しぶり」
「こんにちは」
そう挨拶をして来たのは以前湿地帯で一緒だったフォルサとアメリだった。
「しばらく振りだな。まさか……あの時、チームを選んでいた嬢ちゃんが、短期間でグループを結成して、こんな宿舎まで持ってしまうとはね……」
「まあ……色んな人に支えられて、出来た事ですよ」
リーミアは愛想笑いしながら答える。
「あっ!アメリー!」
突然大声でシャリナが、駆け寄りながらアメリの方へと走って行く。
「あら、シャリナ久しぶり。ここのグループに居たのね!」
2人は手を合わせながら喜び合う。
「何だ、お前さん等……知り合いだったのか?」
「同じ魔法学校で勉強した仲なのよ」
「へえ……そうだったのか」
フォルサが関心した様子で答える。
「ところでよ、嬢ちゃん……アンタに会いたがってたヤツも来ているぜ」
「え?私に会いたがっている人って……?」
そう言いながら玄関の方を見ると、玄関入り口に立っているティオロの姿に気付いた。
「やあ」
彼は軽く手を上げながら挨拶をする。
「ティオロ!」
リーミアは思わず、彼の側まで近付き彼の手を握る。約2ヶ月半振りの再会だが……2人にとっては数年ぶりの再会にも思えた。
「元気だった?体は無事かしら、何とも無い……?」
「あ、ああ……元気だったよ」
ティオロは少し戸惑いながら答える。ほんの少し離れていただけだが……以前と比べて、少し身体が大きく逞しくなった様に思えた。
「コイツは、今じゃ俺達のチームには欠かせない人材だよ。称号も青で、あと少しで灰色になるまで来ているよ」
フォルサがリーミアの近くへ来て話す。
「そうだったの、頑張っていたのね。嬉しいわ!」
リーミアは嬉々しながら話す。彼女のその振る舞いに対して、その場に居たグループのメンバー達は皆驚いた。これまでリーミアが今まで一度も誰に対しても見せた事のない嬉しそうな表情に周囲は少し困惑した。
「盟主のあんな表情、初めて見たわ……」
レネラはそばに居たマイリアに向かって話す。
「初恋の相手との、運命の再開……て言うところかしらね?」
マイリアも珍しく、少し意地悪そうな言い方をする。
「そうかもしれないけど……でも、他のメンバー達が居る前で、あんな風な振る舞いは、どうかと思うわ……。彼だけ特別に扱うのは、グループ内に対してあまり良い感じがしないわね」
「そうね、あまりいい感じしないわね。でも……どうせなら、いっその事……彼も光花に入隊させてみるのも悪く無いかも?」
「貴女はグループ内が修羅場と化すのを見て見たいの?」
レネラが険しい表情でマイリアを見つめる。
「え……あ、いや……そう言う意味で言ったわけではないけどね……」
彼女は、愛想笑いしながら答える。
彼等が話していると、更に玄関入り口から背丈の大きい男性達2人が入って来た。1人は頭にターバンを巻いていた。もう1人は左目に黒の眼帯をしていた。
「こんちわ。僕はシュラムと言います」
と、挨拶したのは頭にターバンを巻いた男性で、少しカタコトの話し方をしていた。
「初めまして、俺はメオスと言います。宜しく……」
眼帯の男性は軽く礼をしながら挨拶をする。
「よ……宜しくね」
少し風変わりな男性達が現れてリーミアは戸惑ったが……直ぐに元の振る舞いをして、周囲を見回した。
「これで全員見たいですね。では……グループの参加者の方と募集で来てくれた皆様は、作戦会議をしますので、会議室に集まってください」
そう言ってリーミアはティオロの手を繋いで階段を上がって行く。
それを見ていた参加しなかったナレフやレメミィ、ロディオ、アデル、レティウは、少し困惑した表情で盟主を見ていた。
「盟主が連れ添っていた男性、元恋人らしいな……」
「そうか……」
レティウは軽く返事をしながら酒を呑む。
「お前が彼女を奪い取るには、あの男性よりも上の実力が必要になるな」
「別に……俺は、盟主が好きな訳では無い。まあ……新しい剣を購入してくれたのには感謝するが……」
彼はそう言って、自分の側に置いてある新しい剣を見つめた。先日……会議の後、彼は盟主と一緒に武器屋に行き、そこで新しい武器を選んだ。その中で盟主が選んだ武器が、以前使っていた武器よりも高額な値段の剣だった。
武器屋の主人が勘定する時、「金貨50枚」と、聞いた時にレティウは自分の耳を疑ってしまった。彼が以前使っていた武器は金貨5枚だった。約10倍の値段の武器と知って、彼は少し震えた。しかし……盟主は、平然としながら支払いを済ませてしまった。
それを見たレティウは、全く動じない盟主に対して、最初会った頃の様な彼女を見下す様な振る舞いを辞めて、忠実なメンバーになる事を決意した。
彼は空になったコップを持って、食堂へ行き、新しく酒を注ぎ込んで席に戻って来た。
会議室に入ると、今回は残念ながら参加出来なかったアルファリオが、広いテーブルの上に大きな地図を広げて、彼等が来るのを待っていた様子だった。
「ようこそ、そちらの方々は初めまして。副盟主のアルファリオです」
と、彼は初対面の人達に向かって軽く挨拶をする。
ティオロが会議室に入ると、見覚えのある顔があった。
「あ……アーレスさん、サリサさん久しぶりです」
彼は、アーレスとサリサに向かって挨拶をする。彼等もティオロに向かって「やあ」と、軽く手を振った。
それを見たアルファリオが2人に向かって言う。
「彼とは、お知り合いだったのですか?」
「光の洗礼の時に一緒だったのだよ」
アーレスが笑いながら答える。
「ほお……意外な所で会ってたのですね」
「まあ、彼の事は……また後日話します。それよりも作戦会議を始めましょう」
リーミアがアルファリオに向かって言うと、それを聞いたアルファリオも、「そうですね」と、返事をしながら会議の進行を行う。
この時、側に居たシャリナは、リーミアがティオロの手を握って離さないのを見ていた。
(もう、盟主様ったら……)
と、彼女は内心少し呆れた様子でリーミアを見ていた。
「えー……本日、皆様に集まって頂いたのは。この光花のグループの盟主であるリーミア様が魔剣士から奪われた聖魔剣が魔の森で、魔剣士と一緒にある事が分かり、それを奪還する為に、集まって頂いたのです。魔の森は……ここの地図に書き記してある様に、北東部が岩山に囲まれて、南西部が高原に覆われた地域です。その地域を遮る様に、西側と南側には流域が広がっていて、その地域一角が、ほぼ森に覆われた場所です」
彼は、皆に見える様に棒を使って、その領域を詳しく説明した。
「そもそも……何故、魔剣士がこの様な場所に留まっているのかは不明ですが……。彼は、以前、盟主がこちらに居る、フォルサさんと湿地帯で魔物狩りしている時に、魔剣士に襲われて、大事な聖魔剣を奪われてしまったのです」
「ちょっと、良いですか?」
シュラムと言う男性が手を上げて、話を遮った。
「何でしょうか?」
「聖魔剣を奪われた……と、言う事は……つまり弱くなっている、と……言う事ですね?」
「まあ……弱くはなってるかも知れませんが、逆に強くなったかも知れませんね」
「どう言う事?」
「盟主は、今……光の聖魔剣を手にしてます」
それを聞いた初対面の男性達は驚いた。
「それって……つまり、王位に就ける資格があるんじゃないの?」
シュラムは唖然としながら言う。
その一方でメオスは困惑した表情で居た。
「どうしたの?」
側に居たアーレスが声を掛ける。
「いや……ただ、聖魔剣て……そんなに簡単に手に入るものなのか……と、思ってしまって……」
「我が国には2本だけあったのだよ。そのうちの1本は彼女の手元にあったんだ。ちなみに……ごく普通の一般の人では、仮に手にする事が出来ても、剣を鞘から抜き出す事は出来ないさ……。彼女も扱えるまでに、相当な鍛錬をしたと思うよ」
「そうだったんだ……」
彼は納得した表情で答える。
「少し話が逸れてしまいましたが……皆様には今回、光花の盟主と同行して、聖魔剣を魔剣士から奪い返して貰いたいと思います」
「それって、魔剣士と決闘しても構わない……と言う事でしょうか?」
メオスがアルファリオに向かって言う。
「非公式の場での決闘は禁止されてます」
「では……仮に相手が襲って来たら、どう対応すれば良いのですか?」
「その時は、僕達が相手します」
アーレスがメオスに向かって言う。
「はい?」
「一応……僕には王国騎士団としての資格があってね。あと……こちらに居る女性も、神官剣士なんだ。仮に魔剣士が現れたら、僕達が応戦するよ。君達は魔物と戦ってくれれば良いよ」
さりげなく言うアーレスに対して、メオスは「そ……そうなんだ」と、慌てながら返事をした。
「何か、聞きたい事はありますか?」
その質問にシュラムが再び手を上げる。
「どうぞ」
「ここに集まっているメンバーだけで魔の森に行くのか?」
「そうですが……」
「聞いた所だと、魔の森は数千匹の魔物が住み着いてると聞いたけど……」
「まあ、一般のギルド参加者だけでは、攻略し難い場所ですね。ですが……」
アルファリオは、盟主、アーレス、サリサ……を見た。
「僕から見れば、このメンバーだったら、魔物の数なんて大した事は無いと思うけど……」
それを聞いたフォルサは、以前……リーミアが本気を出して魔物達と戦ったのを思い出した。現在は転生者の能力が封印されているが、光の聖魔剣を手にしている以上、以前と同じ位の戦いができると感じた。そう言う意味でも、魔の森なら何とか攻略出来るだろうと期待した。
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