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03 街についた!タクトはエッチに誘われた!
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森を抜け、村々を抜け、にぎわう場所に着いた。『街』だ。
「ヨカドウの街だ。大体なんでもある。役所に行く前に、腹ごしらえをしよう」
「お、俺、お金持ってない…」
「そのくらい、奢るから気にするな…賞金が手に入るんだ。後で返してくれてもいい」
お腹は空いた。本当だったら今頃昼食の時間を過ぎている。
通りの両脇にたくさんの店が軒を連ねている。二階建ての店が多い。食堂、バー、小間物屋、服屋、旅館、武器屋なんてのもある。
見たことのない文字ばかりだが、看板の字の意味がわかる!と、俺は喜んだ。そういえば、言葉も通じるのだ。ありがたい!
ただ、看板を見ていると、あやしげな店がやけに多いのだ。
ここも娼館、あそこも娼館、向こうにも娼館…!
「おい、タクト!ここに入ろう」
サユはリューバを店の横に並んだ杭の一つに繋ぎ、店に入って行く。俺も続いた。生首はと言うと、しっかりサユの手にぶら下げられている。うええ…!
店内は五分の入りだ。サユは空いている席の一つに座ると、生首はテーブルの下に置いた。
「メニューはわかるか?」
「えーと…」
俺は生首のことを忘れようと努力した。これから食事するのだ。それにしても、周りの人間皆、生首を見ても驚かない。よくあることなのか…。
メニューだが、文字の意味はなんとなくわかる…が、どんな料理かわからないし、値段も高いのか安いのかわからない。
ベフとレベラの煮込み、ドリートの煮凝り、アンゼット焼き、リューバの串焼き…。
リューバは食用にもするんだなあ…。
「わ、わからん…」
「じゃあ、俺が適当に頼もう。おーい、注文だ!」
サユは、ベフとレベラの煮込みと、ワジのステーキと、タパ、それからロウジ酒を注文した。
俺はどんな料理が出てくるのか、期待半分、戦慄半分で待った。
まず、ロウジ酒の瓶がドン!と置かれ、木製のカップが二つ用意された。
サユが二つのカップに酒をドクドク、じゃぶじゃぶ注ぐ。
「えっ…お、お酒飲んだことない…」
「嘘だろ?!へえ~…まあ、飲んでみろ」
「う、うん…」
ちびりと飲むと甘く痺れる味が口に広がった。不快ではない。美味しいかもしれない。
「うん。美味しい」
次々に、料理が運ばれる。
緑色のどろどろしたシチューのようなもの…これが煮込みか…。丸く平べったいステーキ、タパはパンのようなものだった。
カトラリーはナイフと、歯が二本だけのフォーク、レンゲのようなスプーン。
恐る恐る、切り分け、すくい、ちぎり、口に運んだ。
あ、うまい。と、俺は思った。空腹のせいだろうか。煮込みは香辛料が強く、タパはパンよりもぱさぱさしてるし酸味を感じたが、気にならない。ステーキも何の肉かわからないが柔らかくうまい。
「美味しい!」
「口に合ってよかった」
「うん!」
「へー、やっと笑ったな…」
サユは興味深げに俺を見た。そして、その青みがかった灰色の瞳がハッとしたように丸くなった。凝視してくる。
「タクト、お前よく見ると…」
「えっ」
「よく見ると美しいな…濡れたような大きな目をして…肌もきれいだ…」
「な…なんだ、急に…俺のどこがそんな…」
「男たちに輪姦されてたの、すげえエロかったなー…ああ、今になって思い出してきた…うん…したくなってきた…」
「な…」
サユは率直に言ってきた。
「タクト、俺と寝ようか」
「う……」
俺は思った。助けてもらったし、街まで連れてきてもらったし、ご飯も食べさせてもらったし…。
「うん…」
それに、あのごつい男たちにアナルに押し込まれた、おかしな薬かなんかの影響がまだ、残っていたのだ。たぶん。
「親父ーっ!二階は空いてるかー!」
「一室、空いてるよ!」
「運がいい」
サユは飯の代金と、部屋代をカウンターに置いて、鍵を受け取った。
「行こう」
しっかり生首を持ったサユに手を引かれて二階へと上がる。ドアが四つあった。
部屋の中からだろう。廊下までエッチな声が漏れて来ている。
ぎしぎしと激しくベッドを揺らす音と、ああーとかいいーとか…。
「す…すご…」
俺はかーっと顔が熱くなった。昨日まで、こんなこととは無縁だったのに…!こんなエッチなところで、エッチなことしちゃうのか?本当に?サユと?こんなまだ明るいうちから…。
「この部屋だな」
サユは鍵を開けて中に入った。俺も続く。
中には木製のベッドが一台、小さなサイドテーブルにランプが置いてある。それから小瓶がいくつか。
サユが服を脱ぎだした。俺も服を脱いでいく。生首は部屋の隅に置かれた。
「そんなにセックスしたことないんだよな。というか、今朝が初体験か」
「う…うん…」
二人とも全裸になって、ベッドへ横になった。
すぐにサユのエッチなキスと、情熱的な愛撫が始まった。
「あ……っ♡」
「ヨカドウの街だ。大体なんでもある。役所に行く前に、腹ごしらえをしよう」
「お、俺、お金持ってない…」
「そのくらい、奢るから気にするな…賞金が手に入るんだ。後で返してくれてもいい」
お腹は空いた。本当だったら今頃昼食の時間を過ぎている。
通りの両脇にたくさんの店が軒を連ねている。二階建ての店が多い。食堂、バー、小間物屋、服屋、旅館、武器屋なんてのもある。
見たことのない文字ばかりだが、看板の字の意味がわかる!と、俺は喜んだ。そういえば、言葉も通じるのだ。ありがたい!
ただ、看板を見ていると、あやしげな店がやけに多いのだ。
ここも娼館、あそこも娼館、向こうにも娼館…!
「おい、タクト!ここに入ろう」
サユはリューバを店の横に並んだ杭の一つに繋ぎ、店に入って行く。俺も続いた。生首はと言うと、しっかりサユの手にぶら下げられている。うええ…!
店内は五分の入りだ。サユは空いている席の一つに座ると、生首はテーブルの下に置いた。
「メニューはわかるか?」
「えーと…」
俺は生首のことを忘れようと努力した。これから食事するのだ。それにしても、周りの人間皆、生首を見ても驚かない。よくあることなのか…。
メニューだが、文字の意味はなんとなくわかる…が、どんな料理かわからないし、値段も高いのか安いのかわからない。
ベフとレベラの煮込み、ドリートの煮凝り、アンゼット焼き、リューバの串焼き…。
リューバは食用にもするんだなあ…。
「わ、わからん…」
「じゃあ、俺が適当に頼もう。おーい、注文だ!」
サユは、ベフとレベラの煮込みと、ワジのステーキと、タパ、それからロウジ酒を注文した。
俺はどんな料理が出てくるのか、期待半分、戦慄半分で待った。
まず、ロウジ酒の瓶がドン!と置かれ、木製のカップが二つ用意された。
サユが二つのカップに酒をドクドク、じゃぶじゃぶ注ぐ。
「えっ…お、お酒飲んだことない…」
「嘘だろ?!へえ~…まあ、飲んでみろ」
「う、うん…」
ちびりと飲むと甘く痺れる味が口に広がった。不快ではない。美味しいかもしれない。
「うん。美味しい」
次々に、料理が運ばれる。
緑色のどろどろしたシチューのようなもの…これが煮込みか…。丸く平べったいステーキ、タパはパンのようなものだった。
カトラリーはナイフと、歯が二本だけのフォーク、レンゲのようなスプーン。
恐る恐る、切り分け、すくい、ちぎり、口に運んだ。
あ、うまい。と、俺は思った。空腹のせいだろうか。煮込みは香辛料が強く、タパはパンよりもぱさぱさしてるし酸味を感じたが、気にならない。ステーキも何の肉かわからないが柔らかくうまい。
「美味しい!」
「口に合ってよかった」
「うん!」
「へー、やっと笑ったな…」
サユは興味深げに俺を見た。そして、その青みがかった灰色の瞳がハッとしたように丸くなった。凝視してくる。
「タクト、お前よく見ると…」
「えっ」
「よく見ると美しいな…濡れたような大きな目をして…肌もきれいだ…」
「な…なんだ、急に…俺のどこがそんな…」
「男たちに輪姦されてたの、すげえエロかったなー…ああ、今になって思い出してきた…うん…したくなってきた…」
「な…」
サユは率直に言ってきた。
「タクト、俺と寝ようか」
「う……」
俺は思った。助けてもらったし、街まで連れてきてもらったし、ご飯も食べさせてもらったし…。
「うん…」
それに、あのごつい男たちにアナルに押し込まれた、おかしな薬かなんかの影響がまだ、残っていたのだ。たぶん。
「親父ーっ!二階は空いてるかー!」
「一室、空いてるよ!」
「運がいい」
サユは飯の代金と、部屋代をカウンターに置いて、鍵を受け取った。
「行こう」
しっかり生首を持ったサユに手を引かれて二階へと上がる。ドアが四つあった。
部屋の中からだろう。廊下までエッチな声が漏れて来ている。
ぎしぎしと激しくベッドを揺らす音と、ああーとかいいーとか…。
「す…すご…」
俺はかーっと顔が熱くなった。昨日まで、こんなこととは無縁だったのに…!こんなエッチなところで、エッチなことしちゃうのか?本当に?サユと?こんなまだ明るいうちから…。
「この部屋だな」
サユは鍵を開けて中に入った。俺も続く。
中には木製のベッドが一台、小さなサイドテーブルにランプが置いてある。それから小瓶がいくつか。
サユが服を脱ぎだした。俺も服を脱いでいく。生首は部屋の隅に置かれた。
「そんなにセックスしたことないんだよな。というか、今朝が初体験か」
「う…うん…」
二人とも全裸になって、ベッドへ横になった。
すぐにサユのエッチなキスと、情熱的な愛撫が始まった。
「あ……っ♡」
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