異世界での喫茶店とハンター《ライト・ライフ・ライフィニー》

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第二章 アルヴィアン・ウォーター編

侵入者

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二十二話 侵入者


周囲に吹き抜ける風。
それが同時に体の体温をさらに冷たくさせる。
目の前に立つアルヴィアン・ウォーター女王レルティアの言葉に動揺を隠しきれない美野里は震える唇を動かし口を開いた。

「どうして…それを」
「ん? これでも女王ですから、とか」
「と、とぼけないでください!!」

話をはぐらかされたことに怒る美野里。対して、レルティアはクスクスと笑うとそのまま足を動かし、側に置かれたテーブルの椅子に腰を下ろした。
中庭に吹きあがる風が女王の長髪をなびかせ綺麗な細線は太陽の光によって輝きを見せる。
一瞬、その光景に見惚れてしまった美野里はすぐに頭を振り意識を戻そうとする。
そんな様子を見ていたレルティアは口元を緩ませ、

「それじゃ、色々とあるからお茶でもして話しましょうか?」

こうして、美野里は女王の茶会に誘われることとなるのだった。




アルヴィアン・ウォーターの大通り。
人の行列が波のように進み、ざわついた音が永遠と続く。
そんな中、通りに並ぶ店の屋根上に淡い光を体に纏わせた二人の少女が対立し睨み合う姿があった。
一人は数分前、美野里たちと裏路地で別れた上級魔法使いのアチャル。頭に被っていた黒フードを脱ぎ去り頭部に生えた猫耳がピクピクと動いている。
対して、もう一人の少女。
対極的な恰好でアチャルが黒なら、その少女は白。
長袖の膝まで伸びた白色の上衣に黒の太ももまであるソックス。首元には毛糸の淡い桃色マフラーに頭には白のニット帽が被られている。
アチャルはその姿形から異様な雰囲気を醸し出す少女を睨み警告を告げる。

「大人しく拘束されろ。抵抗するなら容赦はしない」

ボォウ!! と、空気を震える音と共にアチャルの右手から青く光る炎が生まれる。
それを見た少女は、唇を緩め口笛を鳴らす。


(なめられたものだな……)


余裕ある態度を見せる少女に眉を潜め苛立ちを覚えるアチャル。
とはいえ、実力もわからない敵に対し下手に動くことは致命的であることを十分に理解している彼女はその感情に従うことはしない。
目の前の少女を警戒しながら、アチャルは今から数時間前に女王ことレルティアから頼まれた依頼の内容を思い出す。


『ここに入り込んだ侵入者を捕まえてください』


にっこりと笑顔で笑いながらそう頼み込んだのはアルヴィアン・ウォーターの中で最強とも呼ばれる女王、レルティア。
彼女は外見からは穏やかで能天気な雰囲気を醸し出し、戦いに向いていない女性といった印象を皆に持たせている。しかし、アチャルはそんな彼女が腹黒丸出しの策士であることを昔から知っていた。だからこそ、最初にこの依頼を頼まれた時、アチャルはあまり乗り気にはなれなかった。
だが、彼女が言う。

詳細も不明なうえ危険度が高い侵入者には、隠密に加えて上級魔法使いが適任だと思うの、と。


(確かに、只の侵入者じゃないのは見てわかるが……)

今になってその言葉が正しかったとアチャルは舌打ちを打つ。
動きがバレないよう隠密で行動していたにも関わらず、侵入者を見つけるのに時間が掛った。
もし表立った部隊で動いていたら、追う以前に見つける事さえできなかっただろう。

(…………一瞬で仕留めるか)

今の状況から、警戒をこのまま伸ばしていてもこちらにメリットはない。
魔力の出力を高め、アチャルは右手に灯る魔法にさらに強力な追加魔法を加えようとした。
しかし、その時。

「?」

空気の変化。
炎の魔法を灯す右手以外の身体が突如として寒さを感じた事に疑問を抱いたアチャルは辺りを見回す。
そんな時、視界の端にあるモノが入った。
それは、上空。

「なっ………!?」

この時期。
決して降ることのない存在がゆらりと空から落ちてくる。
それは曇りのない小さな白雪だ。
一体何が起きているのかわからない。目の前に起きている現象に目を見開くアチャル。そんな中、その小さな肩に白雪がゆらりと落ち触れた。
その瞬間。

ギン!!!! と、雪が肩から飛び跳ねた直後に小さな爆発が起きた。


「ッあ!?」


至近距離の爆発に小さな声を上げるアチャル。
だが、その体には爆発によるダメージは無い。何故なら彼女が着る服には耐久強度に加えて、火の玉や牙を盾のように防ぎ弾き飛ばす上級魔法使いが扱う自動防御魔法が付け加えられていたからだ。
今起きた出来事に驚きを隠せないアチャル。しかし、頭では今の状況を正確に分析する。

落ちてきた雪が攻撃魔法の一種だ。
これで少女が同じ魔法使いだということが証明された。
しかし、それでも何かが変だ。
普通の攻撃魔法にしては何かが違う。
今の攻撃も敵対する相手に食らわせるには小さすぎる。


アチャルは白服の侵入者に警戒な視線を向ける。だが、そこで彼女は大きな問題に気づく。

ゆらりと今だ落ち続ける小さな魔法。
一向に消えることがない、そのまま地上に向かって落ちてゆく雪……、

「ッ!?」

その直後。
上級魔法使いの顔色が一瞬にして青白い肌色に変わった。
アチャルは素早い動きで視線を地上に向ける。

白雪が向かう先、そこには今も道を歩く人々で埋め尽くされた大通りがある。
そんな中で、もし何の防御も持たない彼らに攻撃魔法である雪が落ちたとなれば。
………大惨事は確実に免れない。

「ッ、貴様ァ!!」


アチャルは白服の少女を睨み、犬歯を剥きだしにする。
しかし、今はそれに構っている場合ではない。足場を蹴飛ばし屋根から一気に飛び降りたアチャルは鼻と耳、お互いの感覚を極限まで高め、白雪に宿る微かな魔力がどこまでの範囲に落ちるかを正確に分析し予測する。

(ここを中心に数キロ。ッ、ギリギリか!)

アチャルは宙に落ちる中で右手に灯された炎を力強く握りつぶした。
大規模な被害を防ぐには今よりさらに強力な魔法がいると判断したからだ。


(アレしか、ないかッ!!)

アチャルは大きく空気を肺に取り込み、落下する中で上空に片手を向け叫んだ。



「ボラデ・ガメル・イフリート!!!!!」



その瞬間。
右手から赤い魔法陣とともに現れる赤き炎。
莫大な形として現れた炎は上空で留まり次第に姿を変える。鍛えられた肉体、額に巨大な一角を生やし、鉤爪をギラリと鋭くさせた炎の巨人。

『炎精霊イフリート』

未だ落ちるアチャルはイフリートから零れ出た火の玉に足を乗せ、上げていた片腕に魔力を供給させる。
そして、広げていた掌を力強く握りしめ…。


「焼き尽くせ」


言霊。
大精霊に命令を下した直後。


『グゥガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!』


イフリートの雄たけびがその場一帯を支配した。
巨人は体を丸く固め、まるで木の実が内からはじけ飛ぶように姿を火の玉に変化し空に向かって飛び咲く。
まさに花火のような光景だ。
上空から落ちる雪に向かって正確に火の玉は直撃し小さな爆発が連続として続く。
大通りを歩く人々は何かの余興かとその場に止まり騒ついているが、彼女が咄嗟に動いていなければ、自分たちにその被害が及んでいたことなど知る由もない。

数分して、やっと白雪が炎によって全滅した。
荒い息を吐くアチャルは、辺り一帯の白雪を消滅させた事を確認し屋根の上に視線を向ける。
しかし、そこには白服を着た少女の姿は既になく周囲を見渡しても見つける事が出来なかった。

「逃げたかっ、クソッ!」

アチャルは舌打ちと共に火の玉を蹴飛ばし屋根の上に飛び降りる。
そして、再び追跡に足を動かした。




微かな空気の振動。
その小さな感覚に美野里は片眉をひそめる。
対して、レルティアは何もなかったように白のマグカップに入った茶を飲み干した。
テーブルの上には魔法により転移させた茶の入った容器と二つのマグカップが置いてあり、容器に入っている茶からは香ばしい匂いが漂っている。

(本当に魔法使いは何でもありなのね…)

軽い調子で茶会の用意をした女王を眺め、美野里は正直呆れた表情で手に持ったマグカップから茶を口の中に含ませた。

「私、一回でいいからアチルが大絶賛の美野里ちゃんの料理を食べてみたいわ」
「何なんですかいきなり……」
「だって、こっちじゃ本当に食べ物とかそのままですから」

そう言って頬に手を当てる能天気な表情のレルティア。
マグカップをテーブルに置き、空いた掌を何もない前に出す。と、そこからどう転移させたのか白色の殻に守られた卵が現われた。

「これとかここでよく取れるから何か美味しい食べ方とかないかな、って思って」
「え、それって卵ですか?」
「ええ、これが成長すると中から緑色の」
「っス、ストップです!! それ以上言うともう食欲がなくなりますから!!!」

そうかな? と卵を指先にのせ回すレルティア。
あまりの日常的な会話に本当にこの都市の女王なのかと疑いたくなる美野里。
………………………………。

「ってそんな話は後でいいんです!!!」
「え?」
「何で私の世界のことについて知っているんですか!! 異世界の話を聞かせてほしいって、もしかしてこの世界に私を呼んだのってあなた何んじゃ」
「いいえ、私じゃないですよ。それに、知ってたというよりかは視たっていう方が正しいですし」

そう言いつつ再びマグカップに茶を注ぎ、口にする女王。
冷静で落ちついた仕草の彼女だが、一方で彼女が今発した言葉に疑問を抱く美野里はそれどころではなかった。
目を見開いた状態で美野里は尋ねる。

「み、視たって何を?」
「あら、言ってなかったかしら? ……私の魔法は数キロ圏内にいる人の記憶を読み取ることが出来るって?」

さらり、とそう言い切るレルティア。
美野里は口を開けた状態のまま茫然と固まり、……………………………………………いっ。

「言ってません!!! 視たって記憶を盗み視たのことなんですか!? って、それじゃ今までのって!」
「もうちょっとで誘導尋問できたのになぁー、って。まぁ、する意味はないんですけどね」

てへっ、と舌を見せ笑みを浮かべ女王さま。
完璧にからかわれてた!? 美野里は驚愕の表情を浮かべながらも同時に額に青筋を浮かばせる。
そして、宮殿に入った時にアチルが言っていた言葉を不意に思い出した。

『いや、まぁ………それは、お母さんなら見張りもいらないって言うか』

確かに、記憶を読まれては何をどう工夫しようとも結果は失敗に終わる。
今になって彼女が言った言葉の意味を知り、果てしなくテーブルに突っ放したくなってしまう美野里。

「でも、知ったからには調べるだけ調べてみるつもりよ」

後から言っても機嫌は直るもんか!! と、美野里は頬を膨らませ拗ねた表情を浮かばせた。

「あら、それは残念」

キョトンとした顔を見せたレルティアは小さく口元を緩ませる。
普段から見せる綺麗な顔立ちには女王としての気品さが備わっている。だが、この時だけはただ素直な感情を見せた子供を見守るような母親の顔に変わっていた。
レルティアは我が子を見ているような目線で顔を美野里に近づけ、小さく驚く彼女に微笑みながら口を開く。


「美野里ちゃん、魔法使いの特色に興味とかありませんか?」




宮殿の奥。
地下へと続く階段を下りた先にある小さな個室にアチルの姿はあった。
その部屋には様々な薬品が棚に乗せられ、何かの実験室のような場所にも見える。そして、そんな中で椅子に座る彼女は上衣を脱ぎ上半身だけが裸となっている。
だが、そんな羞恥心すら考えられないほどにアチルは体を前に倒し荒い息を吐き続けていた。
頬には一筋の汗が溜まり眉間には力が籠る。その顔色から痛みを堪えているのが見て取れる。

「これで終わりだ」

不意に背後から声が掛かる。
そう声を上げたのはアチルの後ろに立つ黒の魔女姿に眼鏡をかけた短髪の女性。名前はデリル。
攻撃魔法や防御魔法とは違う魔法薬専門の魔法使いだ。
そして、同時に魔法陣等と言った魔法も得意とし、封印魔法は十八番と彼女は口にする。

「っは………はぁ、はぁ、ぁ……………あ、ありがとうございました…」
「今回は結構弄ったから痛みも凄かっただろ」
「は、はい……」

肩で息をするアチルは痛みが残る背中に手を近づける。
白い綺麗な肌、その上に刻み込まれた小文字と紋章を付け加えたような青い魔法陣。
普通の魔法ならこれほどの痛みは感じない。
しかし、封印魔法はまた別だ。

封印とは、簡単に言えば正常通りに動いている物を無理やり抑え込み閉じ込めるもの。

だが、蓋をされたことによりその場に動いていたものが詰まり圧迫を起こす。
そして、それが肉を切り裂くような激しい痛みへと変わり、その苦痛は尋常じゃないほどのものへと変貌する。
封印魔法とはつまりはそういう役割を持つ一種の蓋なのだ。


よろよろとした動きで息を吐き続けるアチルは上衣を着るのでさえ一苦労しているふうにも見える。
アチルは後ろで機材の片づけをするデリルに声を震わせながら尋ねた。

「デリル、さん、はぁ…、今回の魔法陣って、いつもと…何か違いますよね?」
「うん、女王の命令で封印を強化するってさ」
「強化……」
「アンタが多々問題を起こすからじゃないの? 今のだって女王直々の魔法陣だもん」

デリルが言った言葉にアチルは顔色を暗くさせた。
罰則による封印。
別に封印魔法を刻み込まれたことに対してはそれほど何とも思ってはいないわけではない。しかし、アチルはあの時の事を思い出す。
あの鍾乳洞で禁を破ってまで氷の魔法を使用した。
それなのに大切な友達である美野里を守るどころか助けることすらできなかった。


本当に何も、できなかったのだ……。






個室から出てすぐに宮殿中央部に続く道がある。
アチルとデリルは共にその道を歩き、封印魔法を刻んだ事と顔合わせのことも含めてレルティアの元に向かおうとしていた。
二人の間には会話はなく静寂が続く。
しかし、その沈黙を破ったのはアチルだった。

「デリルさん」
「ん、何?」
「………『衝光』という言葉をご存じですか?」

衝光。
インデール・フレイムの中でも少数しか使えないとされている力のことだ。

「衝光? へぇー、あっちに行ったばっかなのにもうそんな凄い人と会えたんだ」

デリルはその言葉に驚いた表情を浮かべる。
彼女の反応から、衝光とはやはり何か特別なものであるのだろう。
アチルが真剣に聞く中、デリルは片手を振り小さな手帳を転移させ口を動かす。

「アチルは知っていると思うけど、インデール・フレイムの衝光使いはハンターの中でもに最強って言われてるほどの実力者が開花させた力と言われているんだ」
「開花?」
「そう、光を操り具現化や強化といった力の発現。でも、それもほんの数人の一人か二人、奇跡に近いほどしか開花する奴はいない。だから、今だに詳細不明な力って言われている」
「…………………」

ほんの数人。
その中に入る、美野里と鍛冶師ルーサー。
実力者と聞く限り、確かに美野里は上級の実力を持つと思われる。
だが、そんな奇跡に近い確率で何故彼女にそんな力が開花したのか。
そして、どうしてあの時。

逆流したように血を吐き彼女は崩れ落ちたのか…。

アチルは衝光という力について深く考え込む。
しかし、デリルの話。
彼女の言葉はまだ終わってはいなかった。

「……ただ、衝光には一つ意味不審な言葉がある」
「え、言葉?」

デリルは手に持つ手帳をめくり、そこに書かれた文字を口にする。


「…………『衝光とはシンクロアーツの守りである。全ての武器扱いし者、人であり人であらず、世界に依存許されぬ存在を守護するためのもの』」


シンクロアーツ。
衝光とは違う単語。
しかし、アチルはその言葉に対し異様な悪寒が全身を通り抜けるを感じた。

「……シンクロ…アーツ」
「どういう意味かはわからない。でも、衝光を使うハンターだけがその言葉を理解しているって話よ?」

デリルは小さく息を吐き手帳を再び元あった場所に転移させた。
後数分と歩けばレルティアが指定した中庭につく。
気まずい再会にならなければいいけど、と彼女は溜め息を吐く。だが、一方でアチルはその言葉を聞いた瞬間に脳裏によぎった美野里の事を考えていた。
何故かわからない。
だが、今の言葉。


その言葉だけは絶対に彼女に言ってはいけない。


まるで何かの暗示でもあるかのように、その言葉に対しアチルの動揺を隠せずにいた。
しかし、その時だった。




「こんにちは」



不意に声が聞こえた。
アチルとデリルは驚いた表情で後ろに振り返る。
そこにいたのは、白服を身につけた一人の少女。姿形から異様な姿をしているが、その体から漏れ出る魔力は普通の物とは何かが違う。

「誰だ、貴様」

デリルはアチルの前に立ち、片手に魔力を意識させる。
現状で、封印魔法で体力を削られた彼女では太刀打ちは出来ないと判断したからだ。
だが、白服の少女は小さく溜め息を吐くと、

「全く、アンタには用がないのに」

どこもおかしくない、普通の仕草で手を上に向けかざす。
そして、


「用があるのは、そこのアルヴィアン・ウォーター女王の娘であり氷の魔法を扱う貴方だけなのよ?」


そう少女が口にした直後。
その場一体に凍りついたような冷たい寒気が覆いつくし、それに続き宙に小さな粉雪が突如として現れた。
デリルとアチルは目を見開き、共に警戒の表情で魔法を使おうとする。

だが、少女の冷酷な言葉はそれを待たずして告げられる。



「だから、アンタは死ね」



その瞬間。
小さな粉雪はデリルを一点にして落ち、そこから連鎖爆発が炸裂した。

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