姉が異世界の人に迷惑をかけているみたいなので妹の私が責任をとって姉を〇せと言われましたコンチクショイ

ウツロうつつ

文字の大きさ
3 / 66
第1章~異世界チュートリアル~

第3話 異世界特典~姉ちゃんには良いの用意したよ~

しおりを挟む
「私の姉が何かしちゃいましたか?」

「私の姉?そんな嘘に私が騙されると思っているのか!!」

 予想通りの反応に、私はため息を吐く。前にも言ったが私と姉の一姫は一卵性双生児、所謂双子と言うやつだ。顔のつくりも体系もほぼほぼ同じ、親族と親しい友人以外には見分けがつかない。しかし、一姫と私では顔のつくりに明らかな違いのある個所がある。

「あの、すみません。姉の手配書とか今あります?」

「それならあるが」

 あるんかい。手配書まで作られてるなんて姉よ、本当に何をしでかしたのだ。
 しかし、姉の手配書あるとは僥倖だ。これで私の身のあかしを立てることができる。

「ほら、見てみろ。髪型は少し違うようだが顔はまったく同じではないか!!」

「ところがどっこい兵隊さん。私と子の手配書に載っている姉の顔とは決定的に違うところがあるのですよ」

「ほう、それは一体どこなのだ?」

 どうやら兵隊さんの興味を引くことが出来たようだ。

「ほら、私には右目に泣きボクロがあるのに、姉の一姫にはありません。触ってみても良いですよ」

 私は泣きボクロ指差しながら、ズイと右目を兵隊さんに向ける。すると、兵隊さんが私の顔と手配書に載った一姫の顔を交互に見比べる。

「確かに、では貴様は本当に――」

一姫かずき双葉ふたばの双子の妹、二姫るな双葉ふたばと申します」

 言って恭しく一礼する私。すると兵隊さんが、

「そうか、疑ってすまなかったな」

言って頭を深く下げる。自分の間違いを素直に認めて謝る。その姿勢尊敬に値します。

「それで、お姫様はご無事なのですか?」

「おお、そうだ!姫!姫はご無事か!?」

 言って兵隊さんは馬車の中にいる姫様の無事を確認する。すると馬車の中にいた姫様が言う。

「大丈夫、わたくしに異常はありません。だけど、盗賊たちはどうして何もせず立ち去っていったのです?」

「それは――」

 盗賊立ちが立ち去った理由を言い難そうにする兵隊さん。それならば姫様に私の顔を見てもらった方が早いだろう。

「ちょいと失礼いたしますよ」

 言いながら兵隊さんの間をするりと抜け、私は姫様の前に出る。

「あ、おい!馬鹿!」

 馬鹿とは失礼な。しかし、私の顔を姫様が見た途端、姫様は顔を青くしてフラリとその場に倒れこみ気絶した。
 双葉ふたば二姫るな17歳。生まれて初めて一目見られて気絶されました。う~ん割とショック。というか姉よ、本当に何をしでかしたのだ。

―――十数分後

「勘違いしたとはいえ、命の恩人の顔を一目見て気絶するなんて……本当に申し訳ありません」

 そう言って姫様は深々と頭を下げる。ちょっと、王族に頭を下げさせちゃってるよ私。周りの兵隊さんたちも戸惑っちゃってるって。

「頭を上げて下さい姫様。それに姫様たちを助けられたのもこの顔のおかげ?せい?ですし、お気になさらないで下さい」

「こうなるとわかっていたから止めたというのに……だからその点はこの娘――ルナの責任でもあります。姫様はお気になさらずに」

 イケおじの兵隊さんこと、ガルシアさんが言う。因みにガルシアさんの外見は茶髪を短く刈り込みブラウンの瞳をした整った顔立ちをしたイケおじで、体格はガッチリとした筋肉質身長は190センチメートルはありそうなくらいの高身長だ。

「ガルシア!ルナ様は私だけではなく、貴方たち皆の命の恩人でもあるのです。無礼は許しませんよ!!」

 姫様はそう言う。しかし、私としては助けたという実感がないため何とも言えない気分になる。ほら、ガルシアさんも微妙な顔をしている。

「すまん」

 あ、一応謝るんだ。謝られた私としても非常に微妙な気分だが、ここは姫様を立てるとしよう。

「いえ、別に気にしていませんので」

 私がガルシアさんの無礼?を許すと、姫様は花のような笑顔を私に向ける。因みに姫様の外見は、銀色の美しい髪を腰のあたりまで伸ばし、瞳は碧眼。服装はあまり豪奢でないシンプルなドレスを着用している。
 名前はロレーヌ・マグナというらしい。

「そういえば、ルナ様は何故このような場所に?」

「姫様、私に様付けは必要ございません」

「ならば私も不要ですロレーヌと、名前でお呼びください」

 私はガルシアさんに本当に良いのか?と視線を向けて確認する。するとガルシアさんはため息をつきながら姫の御随意に、とジェスチャーで知らせてくれる。よし、許可は取れた。これで無礼打ちなんてことにはならないだろう。

「それじゃあロレーヌ」

「はい!なんでしょうルナ!」

 花のような笑顔を私に向けてくれるロレーヌ。まぶしい、そして目の保養になる。

「ロレーヌは転移者ってしってる?」

「基礎知識程度なら」

「それって今聞いても良い?」

 私がロレーヌにそう質問すると、私とロレーヌの会話に割り込むようにガルシアさんが言う。

「それは駄目だ。姫には一刻も早く次の街へ行ってもらわねばならんからな」

「それってロレーヌの安全的な意味で、ですよね」

「それ以外に何がある」

「いえ、特には……」

 まだ私の事を姉と疑っている線を考えたが、どうやらその線はなさそうだ。話を進めてしまおう。

「それじゃあ私も一緒にこの馬車に乗せてください」

 一応命の恩人なのだ、これくらいは許してくれるだろう。ついでにロレーヌからこの世界についての話も聞けるし、安全に人里まで連れて行ってもらえる。一石三鳥、私ってあったま良いー。だが、

「そうなると私が同乗することになるが、それで良いなら許可しよう」

だよねー、流石に姫様とは二人きりにはしてくれないか。でもまあ、

「全然構いませんよ。ロレーヌはそれで良い?」

「はい、かまいません」

予想の内だ。むしろ予想通りに事が進みすぎて自分が恐ろしい。

「それではルナこちらへどうぞ」

「あいあい、お邪魔しますよっと」

 ロレーヌの案内で馬車に入る。馬車なんて初めての経験だ。うん、外見よりも中は広く感じる。これなら人里まで快適に過ごせそうだ。

―――数十分後

 そんな事を思っていた時期が私にもありました。
 この馬車揺れがひどすぎるし、お尻がとにかく痛い。そういやなんかの本(ラノベ)で見たことがある。初期の馬車の車輪にはサスペンションなんていう便利機構が存在しないため、お尻に衝撃がダイレクトアタックてくると、でもまあ、それでも一人よりは何千倍もマシだ。ロレーヌとお話(情報収集)も出来たし、良しとしよう。

「それで、ルナも魂喰らいソウルイーターと同じ異世界からの客人というわけですよね」

「そうなるね」

「では貴女もイーターを持っている。というわけですね」

「イーター?」

 なんだその中二心をくすぐる響きは。かなり気になる。

「イーターとは、異世界より転移、転生してきた者達が必ず持っている特殊な武器のことです。見たところルナは丸腰のようですし……」

 マズイ、ロレーヌとガルシアさんが私の事を怪しんで見ている。私は内心焦るが、それを表に出さずに、

「あ~それはね~」

 等と言いながら自分の服をまさぐりまくる。するとショートパンツのポケットの中から一枚のメモ用紙が出てきた。そのメモ用紙にはこう書いてあった。
 武器に困ったらこう言いな。

抜喰うバックウ

 バックウて、洒落かよアール。兎に角、必要な呪文?は唱えた。すると、私の右手に50センチメートルほどの長さの一本の棍棒が現われた。

「なんぞこれ?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

処理中です...