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第1章~異世界チュートリアル~
第10話 模擬戦1~いいね、いいね、順調に進んでるよ~
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「模擬戦ですか!?」
「何をそんなに驚くことがある。お前の実力を知る上で模擬戦を行うのが一番手っ取り早いだろう?」
「そりゃそうですけど……」
いきなり模擬戦はやりすぎじゃないか?こちとらちょっと喧嘩の出来る女子高生だぞ。その相手が兵隊、しかも隊長クラスこれはボコボコにされるんじゃなかろうか。
「心配するな私からは攻撃はしない。胸を借りるつもりでドンとこい」
「それなら良いですけど」
攻撃してこないならボコボコにされる心配はない。ガルシアさんの言うように胸を借りるつもりでドンと行こう。
「ああそれとルナ、イーターもちゃんと使うように」
「えぇマジですかぁ~」
私は露骨に嫌な顔をする。百歩譲ってあの棍棒を使うのは良い。ただ、あのダッサイ召喚呪文?を唱えるのが嫌でたまらない。
「ルナは武器も使えるんだろう」
「あり?良くわかりましたね。たしかに使えますよ、素人のに毛が生えた程度ですが」
「そういう体の動かし方をしていたからな」
あ、この人本物だ。こりゃ本気でかからないと怒られるな。
「抜喰」
私がイーターの召喚呪文?を唱えると右手に白い棍棒が現われる。すると私は、棍棒をガルシアさんに突き出すように半身に構える。
「いつでもきていいぞ」
ガルシアさんは無手のまま、こんにゃろう完全に舐めてるな。こうなりゃ一泡吹かせてやる。私は構えを解いてガルシアさんにゆっくり近づいて行く、そして私の間合いに入った瞬間、
「せい!!」
イーターを使わず右足を蹴り上げる。狙うは勿論金的だ。棍棒を使うと見せかけての金的による奇襲、これは避けられないだろう。が、しかし、私の蹴りはガルシアさんの右手に阻まれてしまう。
「ふむ、狙いは正確、威力も容赦がない。いい蹴りだ」
その蹴りを完璧に防いでおいてよく言うよ。私は蹴りが失敗するとすぐにガルシアさんから距離を取り再びイーターを構え、今度はガルシアさんの隙を探す。ガルシアさんは自然体だというのに隙が無い。この人剣術だけでなく体術も相当やるんじゃないか?
「ガルシアさんもしかしてステータスの魔法使った時に隠蔽の魔法使いませんでした?」
「おお!良くわかったな」
驚いた様に言うガルシアさん、くそうまんまと騙された。これじゃあ私のステータス見せ損じゃないか。ていうか、
「そんな魔法もあるんですね」
「必須魔法の一つだ。この模擬戦が終わったら教えてやる」
「了解」
さて、次はどう攻めたものか。このまま当たって砕けろ精神で突っ込んでみるか?いいや、それじゃ意味がない。ガルシアさんは私の実力を見たいと言っていたのだ。当たって砕けろなんて捨て身の戦法、今まで一度たりとも取ったことがない、ではどうするか……私が棍棒ことイーターを構えながら攻めのプランに悩んでいると、
「おい小娘」
とイーターの奴が話しかけてきた。
「小娘じゃないルナ」
「それじゃあルナ、一つアドバイスしてやる」
「アドバイス?ただの棍棒のあんたにしてもらうアドバイスなんてないよ」
「まあ聞け、相手は自分より格上、隙を探しても見つからない。そんな相手に我武者羅に当たって行って意味がない」
「そんなこと言われないでもわかってるよ」
「だろうな、ならばどうするか答えは簡単だ。相手に隙を作らせればいいのだ」
「隙を作らせる?それをガルシアさんがするとでも?」
「ああ、相手の意表を突けばいいのだからな」
「そこんとこ詳しく」
「ああこうすればいい」
私はイーターの作戦を聞く、その間もガルシアさんはその場に立ったまま、そりゃそうだ自分からは攻めないと言ったのだから。しっかしそんな作戦上手くいくものかね?だけど、
「このまま突っ立ってても意味ないしね」
そう言うと私はガルシアさんに正対した状態からクルリと反転、背を向けるとガルシアさんとは逆方向にスタートを切った。
「あ、おい!」
意表を突かれたガルシアさんは、驚きの声をあげて右手を私に向かって伸ばした。隙あり、私はそれを目の端で捉えると反復横跳びの要領で方向転換、ガルシアさんの胴体に向かってイーターを放ち打つ。その一撃は見事にガルシアさんの胴体にヒットしたかのように思えたが、気付けば私の視線は空の方を向いていた。
「え?」
そして、次の瞬間にはガルシアさん正拳が私の鼻先でピタリと静止していた。
「一本。といったところか」
その声で私はやっと自身がガルシアさんに投げられたことに気付く。
「うむ、ほぼ反射で受け身も取れていたし、隙を作るという発想も良し、基本は出来ているな」
言いながらガルシアさんは私に向かって右手を差し出す。私がその手を取るとガルシアさんは私を引き上げ立たせてくれた。
「あれー一本取ったと思ったんだけどなー」
「はっはっは、そう簡単に取らせはせんよ」
「なぜだ、俺の作戦は完璧だったはず……」
イーターの奴がショックを受けている。確かにいい作戦だったんだけどね。
「それだけガルシアさんが強かったってだけでしょ」
「うむぅ……」
イーターは納得いっていないようだ。しかし結果は結果、受け入れる他はない。
「イーター」
「なんだルナ」
「いくら納得いってなくても負けは負け、受け入れて強くなればいいだけだよ」
「――わかった。俺も今回の負けを受け入れよう」
「それでは、後は強くなるだけだな」
「「はい(うむ)!!」」
こうして、私の訓練の日々が始まった。
「何をそんなに驚くことがある。お前の実力を知る上で模擬戦を行うのが一番手っ取り早いだろう?」
「そりゃそうですけど……」
いきなり模擬戦はやりすぎじゃないか?こちとらちょっと喧嘩の出来る女子高生だぞ。その相手が兵隊、しかも隊長クラスこれはボコボコにされるんじゃなかろうか。
「心配するな私からは攻撃はしない。胸を借りるつもりでドンとこい」
「それなら良いですけど」
攻撃してこないならボコボコにされる心配はない。ガルシアさんの言うように胸を借りるつもりでドンと行こう。
「ああそれとルナ、イーターもちゃんと使うように」
「えぇマジですかぁ~」
私は露骨に嫌な顔をする。百歩譲ってあの棍棒を使うのは良い。ただ、あのダッサイ召喚呪文?を唱えるのが嫌でたまらない。
「ルナは武器も使えるんだろう」
「あり?良くわかりましたね。たしかに使えますよ、素人のに毛が生えた程度ですが」
「そういう体の動かし方をしていたからな」
あ、この人本物だ。こりゃ本気でかからないと怒られるな。
「抜喰」
私がイーターの召喚呪文?を唱えると右手に白い棍棒が現われる。すると私は、棍棒をガルシアさんに突き出すように半身に構える。
「いつでもきていいぞ」
ガルシアさんは無手のまま、こんにゃろう完全に舐めてるな。こうなりゃ一泡吹かせてやる。私は構えを解いてガルシアさんにゆっくり近づいて行く、そして私の間合いに入った瞬間、
「せい!!」
イーターを使わず右足を蹴り上げる。狙うは勿論金的だ。棍棒を使うと見せかけての金的による奇襲、これは避けられないだろう。が、しかし、私の蹴りはガルシアさんの右手に阻まれてしまう。
「ふむ、狙いは正確、威力も容赦がない。いい蹴りだ」
その蹴りを完璧に防いでおいてよく言うよ。私は蹴りが失敗するとすぐにガルシアさんから距離を取り再びイーターを構え、今度はガルシアさんの隙を探す。ガルシアさんは自然体だというのに隙が無い。この人剣術だけでなく体術も相当やるんじゃないか?
「ガルシアさんもしかしてステータスの魔法使った時に隠蔽の魔法使いませんでした?」
「おお!良くわかったな」
驚いた様に言うガルシアさん、くそうまんまと騙された。これじゃあ私のステータス見せ損じゃないか。ていうか、
「そんな魔法もあるんですね」
「必須魔法の一つだ。この模擬戦が終わったら教えてやる」
「了解」
さて、次はどう攻めたものか。このまま当たって砕けろ精神で突っ込んでみるか?いいや、それじゃ意味がない。ガルシアさんは私の実力を見たいと言っていたのだ。当たって砕けろなんて捨て身の戦法、今まで一度たりとも取ったことがない、ではどうするか……私が棍棒ことイーターを構えながら攻めのプランに悩んでいると、
「おい小娘」
とイーターの奴が話しかけてきた。
「小娘じゃないルナ」
「それじゃあルナ、一つアドバイスしてやる」
「アドバイス?ただの棍棒のあんたにしてもらうアドバイスなんてないよ」
「まあ聞け、相手は自分より格上、隙を探しても見つからない。そんな相手に我武者羅に当たって行って意味がない」
「そんなこと言われないでもわかってるよ」
「だろうな、ならばどうするか答えは簡単だ。相手に隙を作らせればいいのだ」
「隙を作らせる?それをガルシアさんがするとでも?」
「ああ、相手の意表を突けばいいのだからな」
「そこんとこ詳しく」
「ああこうすればいい」
私はイーターの作戦を聞く、その間もガルシアさんはその場に立ったまま、そりゃそうだ自分からは攻めないと言ったのだから。しっかしそんな作戦上手くいくものかね?だけど、
「このまま突っ立ってても意味ないしね」
そう言うと私はガルシアさんに正対した状態からクルリと反転、背を向けるとガルシアさんとは逆方向にスタートを切った。
「あ、おい!」
意表を突かれたガルシアさんは、驚きの声をあげて右手を私に向かって伸ばした。隙あり、私はそれを目の端で捉えると反復横跳びの要領で方向転換、ガルシアさんの胴体に向かってイーターを放ち打つ。その一撃は見事にガルシアさんの胴体にヒットしたかのように思えたが、気付けば私の視線は空の方を向いていた。
「え?」
そして、次の瞬間にはガルシアさん正拳が私の鼻先でピタリと静止していた。
「一本。といったところか」
その声で私はやっと自身がガルシアさんに投げられたことに気付く。
「うむ、ほぼ反射で受け身も取れていたし、隙を作るという発想も良し、基本は出来ているな」
言いながらガルシアさんは私に向かって右手を差し出す。私がその手を取るとガルシアさんは私を引き上げ立たせてくれた。
「あれー一本取ったと思ったんだけどなー」
「はっはっは、そう簡単に取らせはせんよ」
「なぜだ、俺の作戦は完璧だったはず……」
イーターの奴がショックを受けている。確かにいい作戦だったんだけどね。
「それだけガルシアさんが強かったってだけでしょ」
「うむぅ……」
イーターは納得いっていないようだ。しかし結果は結果、受け入れる他はない。
「イーター」
「なんだルナ」
「いくら納得いってなくても負けは負け、受け入れて強くなればいいだけだよ」
「――わかった。俺も今回の負けを受け入れよう」
「それでは、後は強くなるだけだな」
「「はい(うむ)!!」」
こうして、私の訓練の日々が始まった。
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