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第6章~原初の○○~
第43話 犯人――ルルルールー、ルルルールールルー
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「そんな!!一体どこの誰が!!」
ベラが叫ぶように言う。
「それはまだわかりません。だけど僕が必ず犯人を見つけてやります!!」
「じっちゃんの名にかけてってか!!」
リンネが突然現れてそう言った。その場にいたレイを除く全員が、突然現れたリンネを見て、驚きの声をあげる。
「リンネ……現れるのなら空気を読んでから出てきてください」
レイが呆れたように言う。
「空気を読んだ結果がさっきの登場タイミングだったんだけど」
「それならリンネの空気を読む力は絶望的ですね」
「うん、よく言われる」
レイが盛大にため息をつく。
「それでリンネ、何の用ですか?」
「いや、人類初の殺人事件があったと聞いてね(管理者部屋の窓で見ていた)これは一度生で見ておこうかなと思って」
「ならもっと遠巻きから見るとかにしてください」
「はは、次からはそうするよ」
次なんかがあってたまるか。とレイは思った。
「主、そいつは一体誰だい?」
ベラが恐る恐るレイに訊く。
「僕の知り合いです。皆さんは無視しててかまいませんよ」
レイの厳しい言葉にリンネは「ひど!!」と言うが、他の者たちは「はぁ」と戸惑いを見せながらも了承する。
「兎に角、ラルゴを殺した犯人を何としてでも見つけねばなりません――それにはまず」
「死因の特定、はもうしてるから犯行場所の特定かな?」
リンネが言う。
「それも必要ですが今は凶器の発見を優先します」
「それもそうか。凶器を隠滅されたら証拠が失くなるもんね」
レイが首肯で返す。
「でも、そんなもんどうやって見つけるんだい?」
ベラが訊く。
「簡単ですよ。僕の『検索』の権能をもってすれば、ですね」
「うわ!ズッルー」
リンネが何やら文句を言うが、レイはそれを無視。早速管理者ウィンドウを開いて『検索』の権能を使用して、ラルゴ殺害に使用された凶器のありかを検索する。すると、
「え!?」
レイはその検索結果を見て衝撃を受ける。なぜならその場所はエルバの家の納屋と表示されていたからである。
「主、一体どうしちまったんだい?」
ベラが心配そうにレイを見る。レイは気付かれないようにチラリとエルバの方を見る。するとエルバは激しく動揺し、冷や汗を大量にかいていた。その様子を見てレイは確信する。ラルゴ殺害の犯人はエルバであると。何故エルバが……レイは数瞬の間、犯行の動機に考えを巡らせるが、今はそんなこと考えている場合ではないと思い直し、
「エルバ」
犯人を追及することにした。
「は、はい!!」
エルバが激しく動揺した様子で返事をする。
「僕に貴方の家の納屋を――」
「何もありません!!」
レイの言葉に被せるようにエルバが言う。
「リンネ」
「はーいよ!」
「エルバを動けないようにしてください」
「なんで私が?レイ君も出来るでしょ」
「実はミルストリスの写真はあと一種類ありま――」
「了解!!『エルバ動くな』」
ミルストリスの写真に釣られたリンネの言霊により、エルバは石像のように固まり、動かなくなる。
「ではエルバの家の納屋に向かいましょう」
こうして一同はエルバの家の納屋に向かって行った。
―――エルバの家、納屋
一同がエルバの家の納屋に着くと、レイは早速納屋の中を歩きだす。納屋の中には鎌や斧、鉈といった凶器として使用出来そうな物が大量に目につくが、レイはそれらには目もくれず『検索』の権能で表示された場所に向かっていく。そして、
「ここですね」
一つの大きな道具箱を見つけ、道具箱を開けると、血濡れの鍬が見つかった。
「リンネ」
「あいよ」
以心伝心、レイの一言を受けたリンネは担いで連れてきていたエルバは床に下ろし、言霊による拘束を解いた。
「エルバ、貴方ですねラルゴを殺した犯人は」
エルバは答えない。ただ呆然と前を見つめるのみであった。
「エルバ!!あんたがうちのラルゴを、なんでだい!?あんなに仲が良かったのに」
ベラが涙ながらに語る。するとエルバが、
「違う!!」
と叫ぶように否定する。
「俺とラルゴは決して仲良くなんかない!!あいつは俺に会うといつもいつも主に誉められたって自慢ばかり、俺だって主に認めて、誉めて欲しいと思っていたのに……それなのにあいつときたら――今日なんかわざわざ俺の畑まで来て主の話をしだしたんだ!!だから――」
「殺してしまったと」
レイが悲しみを帯びた目で言う。
「エルバ、ラルゴが今日貴方の畑まで行った本当の理由を知っていますか?」
「本当の理由?」
エルバが訊く。
「ラルゴは今日、僕と貴方を会わせようとしてくれていたのですよ」
「なんで……そんなこと……」
「わかんねぇのか!!」
ベラが叫ぶように言う。その目には涙を湛えていた。
「ラルゴはいつも言ってたんだ。エルバの野菜は地球一だって。主は物を食べられないけど、エルバの畑を見たらきっとエルバのことを誉めてくれるって!エルバこそ地球一の農家だって言ってくれるって!!」
言ってエルバは泣き崩れる。それを聞いたエルバはただただ呆然とし、
「そんな……俺…なんてことを……ラルゴ、そんな……」
うわ言のように言い続ける。そんなエルバにレイは言う
「エルバ、貴方は自信の思い込みによって大変な罪を犯してしまいました」
エルバがレイの顔を見る。
「ラルゴはベラにとって代わりのない夫であり、僕にとってもかけがえのない友人でした。それを貴方は奪っていったのです」
「殺してくれ……」
エルバがそう呟く。しかし、レイは首を横に振る。
「殺しません。しかし、罰は受けてもらいます。エルバ貴方はラルゴの分まで生き続けなさい。そして死ぬまでラルゴのことを悼み、想い続けるのです。それが僕が貴方に科す罰です。ベラもそれでよろしいですか?」
ベラは涙ながらにコクリと頷く。すると、エルバはフラフラと立ち上がり、そのまま外に歩き出した。
「どこへいくのですか?」
レイがエルバに訊く。
「俺はもうここにはいられません。だからここではない何処かへ行こうと思います。そして、今後一切農業に関わることを止めます。それがラルゴから畜産を、一番大切なものを奪った俺が俺に科す罰です」
「そうですか……」
言ってレイはそのままラルゴのことを見送った。
「リンネ」
レイが言う
「なんだい?」
リンネが応じる。
「今回の件――」
「流石の私も今回ばかりは関わってないよ!!」
リンネが焦ったように否定する。しかし、
「違います」
レイはそれを否定する。そして、
「今回の件は僕の人類への過干渉が原因で起こってしまった事件です」
悔恨する。
「かもね」
「僕は見誤っていたのです。僕と言う存在の大きさを、影響力を……」
「それでどうするつもりだい?」
リンネが訊く。
「人類への干渉を今後は可能な限り控えるようにします」
「後悔はしないかい?」
リンネが優しく訊くと、レイは自嘲するようにクスリと笑い、
「するでしょうね。今でもちょっとしてますし」
そう言い「でも」と区切り
「今回みたいな事件はもう二度と起こしたくはありませんので仕方ありません」
そう言ってレイは目を閉じ、ラルゴの死を悼んだ。
トガビト_ワールドクリエイション。第三部~原初の殺人編~了
ベラが叫ぶように言う。
「それはまだわかりません。だけど僕が必ず犯人を見つけてやります!!」
「じっちゃんの名にかけてってか!!」
リンネが突然現れてそう言った。その場にいたレイを除く全員が、突然現れたリンネを見て、驚きの声をあげる。
「リンネ……現れるのなら空気を読んでから出てきてください」
レイが呆れたように言う。
「空気を読んだ結果がさっきの登場タイミングだったんだけど」
「それならリンネの空気を読む力は絶望的ですね」
「うん、よく言われる」
レイが盛大にため息をつく。
「それでリンネ、何の用ですか?」
「いや、人類初の殺人事件があったと聞いてね(管理者部屋の窓で見ていた)これは一度生で見ておこうかなと思って」
「ならもっと遠巻きから見るとかにしてください」
「はは、次からはそうするよ」
次なんかがあってたまるか。とレイは思った。
「主、そいつは一体誰だい?」
ベラが恐る恐るレイに訊く。
「僕の知り合いです。皆さんは無視しててかまいませんよ」
レイの厳しい言葉にリンネは「ひど!!」と言うが、他の者たちは「はぁ」と戸惑いを見せながらも了承する。
「兎に角、ラルゴを殺した犯人を何としてでも見つけねばなりません――それにはまず」
「死因の特定、はもうしてるから犯行場所の特定かな?」
リンネが言う。
「それも必要ですが今は凶器の発見を優先します」
「それもそうか。凶器を隠滅されたら証拠が失くなるもんね」
レイが首肯で返す。
「でも、そんなもんどうやって見つけるんだい?」
ベラが訊く。
「簡単ですよ。僕の『検索』の権能をもってすれば、ですね」
「うわ!ズッルー」
リンネが何やら文句を言うが、レイはそれを無視。早速管理者ウィンドウを開いて『検索』の権能を使用して、ラルゴ殺害に使用された凶器のありかを検索する。すると、
「え!?」
レイはその検索結果を見て衝撃を受ける。なぜならその場所はエルバの家の納屋と表示されていたからである。
「主、一体どうしちまったんだい?」
ベラが心配そうにレイを見る。レイは気付かれないようにチラリとエルバの方を見る。するとエルバは激しく動揺し、冷や汗を大量にかいていた。その様子を見てレイは確信する。ラルゴ殺害の犯人はエルバであると。何故エルバが……レイは数瞬の間、犯行の動機に考えを巡らせるが、今はそんなこと考えている場合ではないと思い直し、
「エルバ」
犯人を追及することにした。
「は、はい!!」
エルバが激しく動揺した様子で返事をする。
「僕に貴方の家の納屋を――」
「何もありません!!」
レイの言葉に被せるようにエルバが言う。
「リンネ」
「はーいよ!」
「エルバを動けないようにしてください」
「なんで私が?レイ君も出来るでしょ」
「実はミルストリスの写真はあと一種類ありま――」
「了解!!『エルバ動くな』」
ミルストリスの写真に釣られたリンネの言霊により、エルバは石像のように固まり、動かなくなる。
「ではエルバの家の納屋に向かいましょう」
こうして一同はエルバの家の納屋に向かって行った。
―――エルバの家、納屋
一同がエルバの家の納屋に着くと、レイは早速納屋の中を歩きだす。納屋の中には鎌や斧、鉈といった凶器として使用出来そうな物が大量に目につくが、レイはそれらには目もくれず『検索』の権能で表示された場所に向かっていく。そして、
「ここですね」
一つの大きな道具箱を見つけ、道具箱を開けると、血濡れの鍬が見つかった。
「リンネ」
「あいよ」
以心伝心、レイの一言を受けたリンネは担いで連れてきていたエルバは床に下ろし、言霊による拘束を解いた。
「エルバ、貴方ですねラルゴを殺した犯人は」
エルバは答えない。ただ呆然と前を見つめるのみであった。
「エルバ!!あんたがうちのラルゴを、なんでだい!?あんなに仲が良かったのに」
ベラが涙ながらに語る。するとエルバが、
「違う!!」
と叫ぶように否定する。
「俺とラルゴは決して仲良くなんかない!!あいつは俺に会うといつもいつも主に誉められたって自慢ばかり、俺だって主に認めて、誉めて欲しいと思っていたのに……それなのにあいつときたら――今日なんかわざわざ俺の畑まで来て主の話をしだしたんだ!!だから――」
「殺してしまったと」
レイが悲しみを帯びた目で言う。
「エルバ、ラルゴが今日貴方の畑まで行った本当の理由を知っていますか?」
「本当の理由?」
エルバが訊く。
「ラルゴは今日、僕と貴方を会わせようとしてくれていたのですよ」
「なんで……そんなこと……」
「わかんねぇのか!!」
ベラが叫ぶように言う。その目には涙を湛えていた。
「ラルゴはいつも言ってたんだ。エルバの野菜は地球一だって。主は物を食べられないけど、エルバの畑を見たらきっとエルバのことを誉めてくれるって!エルバこそ地球一の農家だって言ってくれるって!!」
言ってエルバは泣き崩れる。それを聞いたエルバはただただ呆然とし、
「そんな……俺…なんてことを……ラルゴ、そんな……」
うわ言のように言い続ける。そんなエルバにレイは言う
「エルバ、貴方は自信の思い込みによって大変な罪を犯してしまいました」
エルバがレイの顔を見る。
「ラルゴはベラにとって代わりのない夫であり、僕にとってもかけがえのない友人でした。それを貴方は奪っていったのです」
「殺してくれ……」
エルバがそう呟く。しかし、レイは首を横に振る。
「殺しません。しかし、罰は受けてもらいます。エルバ貴方はラルゴの分まで生き続けなさい。そして死ぬまでラルゴのことを悼み、想い続けるのです。それが僕が貴方に科す罰です。ベラもそれでよろしいですか?」
ベラは涙ながらにコクリと頷く。すると、エルバはフラフラと立ち上がり、そのまま外に歩き出した。
「どこへいくのですか?」
レイがエルバに訊く。
「俺はもうここにはいられません。だからここではない何処かへ行こうと思います。そして、今後一切農業に関わることを止めます。それがラルゴから畜産を、一番大切なものを奪った俺が俺に科す罰です」
「そうですか……」
言ってレイはそのままラルゴのことを見送った。
「リンネ」
レイが言う
「なんだい?」
リンネが応じる。
「今回の件――」
「流石の私も今回ばかりは関わってないよ!!」
リンネが焦ったように否定する。しかし、
「違います」
レイはそれを否定する。そして、
「今回の件は僕の人類への過干渉が原因で起こってしまった事件です」
悔恨する。
「かもね」
「僕は見誤っていたのです。僕と言う存在の大きさを、影響力を……」
「それでどうするつもりだい?」
リンネが訊く。
「人類への干渉を今後は可能な限り控えるようにします」
「後悔はしないかい?」
リンネが優しく訊くと、レイは自嘲するようにクスリと笑い、
「するでしょうね。今でもちょっとしてますし」
そう言い「でも」と区切り
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