Fランクまでしかないはずの世界でGランク判定された俺、どうすればいい!?

オフィス景

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13 セツゲツカ

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「何これ、嘘でしょーっ!?」

    受付嬢の悲鳴混じりの叫び声にギルド内の喧騒がピタリと止んだ。

    自分が注目を集めていることに気づき、受付嬢は立ち上がって頭を下げた。

「ごめんなさい。ちょっと驚いてしまって。お騒がせしました」

    その一言で皆通常業務に戻った。

    ただ、うちの由貴ちゃんだけはそうならなかったみたいでーー

「この薬草についてお聞きしたいことがありますので、別室へお越しいただけますか?」

「え、あ……その薬草摘んだのはあそこにいる彼なので、彼も一緒でいいですか?」

「もちろんです。お願いします」

「俊くん」

    呼ばれたからには行かねばならない。由貴ちゃんに並んで受付嬢さんの後に続いた。

    連れていかれたのは応接室で、少し待ってくれと言って、受付嬢さんは出ていった。

「何だろうね?」

「悪い話ではなさそうだけどな」

「そうね。俊くんが摘んだ草がよっぽど珍しかったのかしら?」

「その線かな」

    などと話していると、受付嬢さんが戻ってきた。ガッシリした体格の壮年男性と一緒だ。

「ギルドマスターのトーレスだ。早速だが、このセツゲツカ、どこで採取した?」

「セツゲツカ?」

「俊くんが取ってきたやつだよ」

「普通に森の手前の草原ですけど。依頼の薬草と一緒に生えてましたよ」

「森の奥へ踏み込んだ訳ではないのか?」

「Fランクとランク外ですから。そんな危険は犯せません」

「ランク外?」

「ええ、Gランクなんです、俺」

「聞いたことないぞ」

「だから登録もできなくて」

「そうなのか!?」

    ギルドマスターは驚いた声をあげた。

「このセツゲツカは君が採取したということで間違いないか?」

「はい」

「ならばFランクで登録しよう。俺の権限でそれくらいはできる。すぐにやってくれ」

「よろしいのですか?」

「セツゲツカを十本も採取するなどできる者が他にいるか?    実力者は評価するのがギルドの習わしだ。言う通りにしろ」

「わかりました。すぐに手続きします」

    受付嬢さんは急ぎ足で部屋を出ていった。

「あの、ありがとうございます」

「いや、礼を言うのはこちらだよ。あれだけの量のセツゲツカが持ち込まれるのは未だかつてなかったからな」

「あれってそんなに貴重な物なんですか?」

「市場に出れば薬師の間で争奪戦が起こるな。あれがあればハイポーションが作れる」

「そうなんですか」

    よくわからんが、普通に生えてたよな。それを見てたから、貴重な物と言われても、いまいちありがたみが実感できない。

    と思っていたらーー

「失礼します。手続き完了しました」

    受付嬢さんが戻ってきた。

「こちらが登録証になります。それと、シグナ草の採取報酬が一万G、セツゲツカの採取報酬が百万Gになります」

「「百万Gーっ!?」」

    由貴ちゃんとハモった。

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感想 1

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みんなの感想(1件)

邦太郎
2021.07.24 邦太郎

面白いお話ですね 作者さまは、一気に書いて、その後は期間を置くタイプでしょうか?
投稿日を見て、そう感じました

解除

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