4 / 16
第3話「豆の精霊、爆誕する」
翌朝。
私は筋肉痛で目が覚めた。昨夜の「大豆乱れ撃ち」の代償だ。
小屋の外に出て、昨晩の戦場を確認する。
そこには、もはや赤鬼の死体(といっても消滅したので残っていないが)の痕跡はなく、代わりに驚くべき光景が広がっていた。
黒々とした豊かな大地が、見渡す限り広がっていたのだ。
昨夜、私は無我夢中で豆を投げまくった。豆が赤鬼に当たるたびに浄化の光が弾け、その余波で周囲の土壌が改良されていったらしい。
結果として、廃村の周り一帯が、極上の農地へと姿を変えていた。
「これ、トラクター何日分の仕事だよ……」
私は呆然とつぶやく。
そして、その畑の中心に、あの大豆の木が朝日を浴びて輝いていた。
近づいてみると、様子がおかしい。
木の下の方にある大きな鞘の一つが、妙に発光している。さらに、ゴソゴソと動いているような気がする。
「風のせいか? いや、明らかに揺れている」
私は警戒しつつ、その鞘に手を伸ばした。
鞘に触れた瞬間、パカッと自然に割れた。
「まめ?」
中から転がり出てきたのは、豆ではなかった。
鮮やかな緑色をした、二頭身の奇妙な生き物。丸い体に、小さな手足と、つぶらな瞳がついている。頭のてっぺんからは、双葉のような触角が生えていた。
大きさはソフトボールくらいだろうか。
そいつは地面に着地すると、私の顔を見上げて、愛くるしい声で鳴いた。
「マメッ!」
「……なんだこれ」
私はしゃがみこみ、その生き物をつついてみた。ぷにぷにとした弾力がある。高野豆腐とグミの中間のような感触だ。
『アビリティ効果により、精霊が誕生しました』
『個体名:大豆の精霊(未命名)』
『役割:栽培補助、土壌管理、害虫駆除』
精霊、だと?
豆から生まれたから、豆太郎か? いや、それだと某桃太郎のお供みたいだな。
「お前の名前は……マメゾウだ。どうだ?」
「マメーッ! マメゾウ、スキッ!」
どうやら気に入ったらしい。マメゾウは短い手足をバタつかせ、喜びのダンスを踊り始めた。
言葉が通じるのか。これは心強い。
「よろしくな、マメゾウ。俺はこの場所で畑を作ろうと思ってるんだ」
「マメゾウ、テツダウ! ココ、イイトコ! ツチ、ウマイ!」
マメゾウは地面の土をひとつまみ掬い、パクっと食べた。土を食うのか……まあ、植物の精霊なら養分なのだろう。
マメゾウが加わったことで、作業効率は劇的に向上した。
彼(?)は土の中を自由に泳ぐことができ、固い地面を一瞬で耕してくれる。さらに、どの場所に何を植えればよく育つかを、直感的に教えてくれるのだ。
「アルジ、ココ、ミズ、チカイ! イネ、ソダツ!」
マメゾウが指差したのは、川に近い湿地帯だった。
「稲か……米が食えたら最高だな」
しかし、稲の種も苗もない。あるのは無限に増える大豆だけだ。
そう思ってポケットを探ると、昨夜の残りの大豆があった。
ふと、思いついた。
【節分】スキルには、豆まき以外の使い道はないのだろうか?
例えば、節分には「恵方巻」という文化がある。あれは元々、商売繁盛や無病息災を願うものだ。
そして恵方巻には、七福神にちなんで7種類の具材を入れる。
具材……食材……。
「もしかして、豆を『変換』できないか?」
私は無茶な想像をしてみた。この大豆は万能だ。なら、この大豆を対価(エネルギー)にして、他の種を生み出せたりしないだろうか。
『アビリティ:【五穀豊穣】の解放条件を満たしました』
『大豆(SSS)を100粒消費して、ランダムな作物の種を入手しますか?』
キタ! やっぱりあるじゃないか!
ゲーム脳で助かった。私はすぐに「イエス」を選択する。昨夜の戦いで回収した大豆は数百粒ある。100粒くらい安いものだ。
手元の袋から大豆が消え、代わりに私の手のひらに小さな種もみが現れた。
黄金色に輝く、米の種もみだ。
「米だ……!」
私は震えた。日本人として、米がない生活は考えられない。パンもいいが、やはり白米だ。炊きたての、湯気が立つ白銀の宝石。
「マメゾウ! これを見てくれ! 米だぞ!」
「コメ? ウマソウ! マメゾウ、ガンバル!」
私たちは早速、湿地帯の開拓に取り掛かった。
クワの代わりに、落ちていた平らな石と木の棒を蔦で縛って作った即席の農具を使う。マメゾウが土を柔らかくし、私が畝を作る。
アビリティ【福は内】による成長促進を使えば、稲作特有の手間のかかる工程もショートカットできるはずだ。
汗を流し、泥にまみれる。
現代日本では体験しなかった、肉体労働の疲労感。だが、それは不思議と心地よかった。自分の手で、生きるための糧を作る喜び。
夕方になる頃には、小さな水田が完成していた。
私は一粒の種もみを、水に浸した苗床に蒔いた。
「大きくなれよ」
願いを込めて【福は内】を発動する。
再びの光。
そして、水面から青々とした稲が顔を出し、風に揺れた。
まだ収穫までは時間がかかりそうだが、この成長速度なら数日で実るだろう。
その夜、私は大豆を茹でて食べた。調味料は岩塩のようなものを近くの崖で見つけたので、それを使った。
シンプルな塩茹で枝豆。
小屋の隙間から星空を見上げながら、マメゾウと並んで豆を食べる。
「うまいな」
「マメー」
一人じゃない。それだけで、不安の半分は消し飛んだ気がした。
しかし、平和な時間は長くは続かない。
遠くから、馬の蹄の音が聞こえてきたのだ。
赤鬼の足音ではない。もっと規則正しく、重々しい響き。
人間か?
こんな辺境の、しかも魔物の巣窟と言われる場所に、誰が来るというのか。
私は緊張と共に立ち上がった。
私は筋肉痛で目が覚めた。昨夜の「大豆乱れ撃ち」の代償だ。
小屋の外に出て、昨晩の戦場を確認する。
そこには、もはや赤鬼の死体(といっても消滅したので残っていないが)の痕跡はなく、代わりに驚くべき光景が広がっていた。
黒々とした豊かな大地が、見渡す限り広がっていたのだ。
昨夜、私は無我夢中で豆を投げまくった。豆が赤鬼に当たるたびに浄化の光が弾け、その余波で周囲の土壌が改良されていったらしい。
結果として、廃村の周り一帯が、極上の農地へと姿を変えていた。
「これ、トラクター何日分の仕事だよ……」
私は呆然とつぶやく。
そして、その畑の中心に、あの大豆の木が朝日を浴びて輝いていた。
近づいてみると、様子がおかしい。
木の下の方にある大きな鞘の一つが、妙に発光している。さらに、ゴソゴソと動いているような気がする。
「風のせいか? いや、明らかに揺れている」
私は警戒しつつ、その鞘に手を伸ばした。
鞘に触れた瞬間、パカッと自然に割れた。
「まめ?」
中から転がり出てきたのは、豆ではなかった。
鮮やかな緑色をした、二頭身の奇妙な生き物。丸い体に、小さな手足と、つぶらな瞳がついている。頭のてっぺんからは、双葉のような触角が生えていた。
大きさはソフトボールくらいだろうか。
そいつは地面に着地すると、私の顔を見上げて、愛くるしい声で鳴いた。
「マメッ!」
「……なんだこれ」
私はしゃがみこみ、その生き物をつついてみた。ぷにぷにとした弾力がある。高野豆腐とグミの中間のような感触だ。
『アビリティ効果により、精霊が誕生しました』
『個体名:大豆の精霊(未命名)』
『役割:栽培補助、土壌管理、害虫駆除』
精霊、だと?
豆から生まれたから、豆太郎か? いや、それだと某桃太郎のお供みたいだな。
「お前の名前は……マメゾウだ。どうだ?」
「マメーッ! マメゾウ、スキッ!」
どうやら気に入ったらしい。マメゾウは短い手足をバタつかせ、喜びのダンスを踊り始めた。
言葉が通じるのか。これは心強い。
「よろしくな、マメゾウ。俺はこの場所で畑を作ろうと思ってるんだ」
「マメゾウ、テツダウ! ココ、イイトコ! ツチ、ウマイ!」
マメゾウは地面の土をひとつまみ掬い、パクっと食べた。土を食うのか……まあ、植物の精霊なら養分なのだろう。
マメゾウが加わったことで、作業効率は劇的に向上した。
彼(?)は土の中を自由に泳ぐことができ、固い地面を一瞬で耕してくれる。さらに、どの場所に何を植えればよく育つかを、直感的に教えてくれるのだ。
「アルジ、ココ、ミズ、チカイ! イネ、ソダツ!」
マメゾウが指差したのは、川に近い湿地帯だった。
「稲か……米が食えたら最高だな」
しかし、稲の種も苗もない。あるのは無限に増える大豆だけだ。
そう思ってポケットを探ると、昨夜の残りの大豆があった。
ふと、思いついた。
【節分】スキルには、豆まき以外の使い道はないのだろうか?
例えば、節分には「恵方巻」という文化がある。あれは元々、商売繁盛や無病息災を願うものだ。
そして恵方巻には、七福神にちなんで7種類の具材を入れる。
具材……食材……。
「もしかして、豆を『変換』できないか?」
私は無茶な想像をしてみた。この大豆は万能だ。なら、この大豆を対価(エネルギー)にして、他の種を生み出せたりしないだろうか。
『アビリティ:【五穀豊穣】の解放条件を満たしました』
『大豆(SSS)を100粒消費して、ランダムな作物の種を入手しますか?』
キタ! やっぱりあるじゃないか!
ゲーム脳で助かった。私はすぐに「イエス」を選択する。昨夜の戦いで回収した大豆は数百粒ある。100粒くらい安いものだ。
手元の袋から大豆が消え、代わりに私の手のひらに小さな種もみが現れた。
黄金色に輝く、米の種もみだ。
「米だ……!」
私は震えた。日本人として、米がない生活は考えられない。パンもいいが、やはり白米だ。炊きたての、湯気が立つ白銀の宝石。
「マメゾウ! これを見てくれ! 米だぞ!」
「コメ? ウマソウ! マメゾウ、ガンバル!」
私たちは早速、湿地帯の開拓に取り掛かった。
クワの代わりに、落ちていた平らな石と木の棒を蔦で縛って作った即席の農具を使う。マメゾウが土を柔らかくし、私が畝を作る。
アビリティ【福は内】による成長促進を使えば、稲作特有の手間のかかる工程もショートカットできるはずだ。
汗を流し、泥にまみれる。
現代日本では体験しなかった、肉体労働の疲労感。だが、それは不思議と心地よかった。自分の手で、生きるための糧を作る喜び。
夕方になる頃には、小さな水田が完成していた。
私は一粒の種もみを、水に浸した苗床に蒔いた。
「大きくなれよ」
願いを込めて【福は内】を発動する。
再びの光。
そして、水面から青々とした稲が顔を出し、風に揺れた。
まだ収穫までは時間がかかりそうだが、この成長速度なら数日で実るだろう。
その夜、私は大豆を茹でて食べた。調味料は岩塩のようなものを近くの崖で見つけたので、それを使った。
シンプルな塩茹で枝豆。
小屋の隙間から星空を見上げながら、マメゾウと並んで豆を食べる。
「うまいな」
「マメー」
一人じゃない。それだけで、不安の半分は消し飛んだ気がした。
しかし、平和な時間は長くは続かない。
遠くから、馬の蹄の音が聞こえてきたのだ。
赤鬼の足音ではない。もっと規則正しく、重々しい響き。
人間か?
こんな辺境の、しかも魔物の巣窟と言われる場所に、誰が来るというのか。
私は緊張と共に立ち上がった。
あなたにおすすめの小説
没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~
土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。
しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。
そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。
両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。
女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。
過労死コンサル、貧乏貴族に転生す~現代農業知識と魔法で荒地を開拓していたら、いつの間にか世界を救う食糧大国になっていました~
黒崎隼人
ファンタジー
農業コンサルタントとして過労死した杉本健一は、異世界の貧乏貴族ローレンツ家の当主として目覚めた。
待っていたのは、荒れた土地、飢える領民、そして莫大な借金!
チートスキルも戦闘能力もない彼に残された武器は、前世で培った「農業知識」だけだった。
「貴族が土を耕すだと?」と笑われても構わない!
輪作、堆肥、品種改良! 現代知識と異世界の魔法を組み合わせた独自農法で、俺は自らクワを握る「耕作貴族」となる!
元Sランク冒険者のクールなメイドや、義理堅い元騎士を仲間に迎え、荒れ果てた領地を最強の農業大国へと変えていく、異色の領地経営ファンタジー!
出来損ないと追放された俺、神様から貰った『絶対農域』スキルで農業始めたら、奇跡の作物が育ちすぎて聖女様や女騎士、王族まで押しかけてきた
黒崎隼人
ファンタジー
★☆★完結保証★☆☆
毎日朝7時更新!
「お前のような魔力無しの出来損ないは、もはや我が家の者ではない!」
過労死した俺が転生したのは、魔力が全ての貴族社会で『出来損ない』と蔑まれる三男、カイ。実家から追放され、与えられたのは魔物も寄り付かない不毛の荒れ地だった。
絶望の淵で手にしたのは、神様からの贈り物『絶対農域(ゴッド・フィールド)』というチートスキル! どんな作物も一瞬で育ち、その実は奇跡の効果を発揮する!?
伝説のもふもふ聖獣を相棒に、気ままな農業スローライフを始めようとしただけなのに…「このトマト、聖水以上の治癒効果が!?」「彼の作る小麦を食べたらレベルが上がった!」なんて噂が広まって、聖女様や女騎士、果ては王族までが俺の畑に押しかけてきて――!?
追放した実家が手のひらを返してきても、もう遅い! 最強農業スキルで辺境から世界を救う!? 爽快成り上がりファンタジー、ここに開幕!
追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件
言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」
──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。
だが彼は思った。
「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」
そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら……
気づけば村が巨大都市になっていた。
農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。
「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」
一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前!
慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが……
「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」
もはや世界最強の領主となったレオンは、
「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、
今日ものんびり温泉につかるのだった。
ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!
農業機器無双! ~農業機器は世界を救う!~
あきさけ
ファンタジー
異世界の地に大型農作機械降臨!
世界樹の枝がある森を舞台に、農業機械を生み出すスキルを授かった少年『バオア』とその仲間が繰り広げるスローライフ誕生!
十歳になると誰もが神の祝福『スキル』を授かる世界。
その世界で『農業機器』というスキルを授かった少年バオア。
彼は地方貴族の三男だったがこれをきっかけに家から追放され、『闇の樹海』と呼ばれる森へ置き去りにされてしまう。
しかし、そこにいたのはケットシー族の賢者ホーフーン。
彼との出会いで『農業機器』のスキルに目覚めたバオアは、人の世界で『闇の樹海』と呼ばれていた地で農業無双を開始する!
芝刈り機と耕運機から始まる農業ファンタジー、ここに開幕!
たどり着くは巨大トラクターで畑を耕し、ドローンで農薬をまき、大型コンバインで麦を刈り、水耕栽培で野菜を栽培する大農園だ!
米 この作品はカクヨム様でも連載しております。その他のサイトでは掲載しておりません。
インターネットで異世界無双!?
kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。
その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。
これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。
社畜サラリーマン、異世界でパンと魔法の経営革命
遊鷹太
ファンタジー
過労死寸前の30代サラリーマン・佐藤健は、気づけば中世ヨーロッパ風の異世界に転生していた。与えられたのは「発酵魔法」という謎のスキルと、前世の経営知識。転生先は辺境の寒村ベルガルド――飢えと貧困にあえぐ、希望のない場所。「この世界にパンがない…だと?」健は決意する。美味しいパンで、人々を笑顔にしよう。ブラック企業で培った根性と、発酵魔法の可能性。そして何より、人を幸せにしたいという純粋な想い。小さなパン屋から始まった"食の革命"は、やがて王国を、大陸を、世界を変えていく――。笑いあり、涙あり、そして温かい人間ドラマ。仲間たちとの絆、恋の芽生え、強大な敵との戦い。パン一つで世界を救う、心温まる異世界経営ファンタジー。
キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~
サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。
ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。
木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。
そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。
もう一度言う。
手違いだったのだ。もしくは事故。
出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた!
そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて――
※本作は他サイトでも掲載しています