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第8話「白き柔らかさと、迫りくる黒い影」
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農園の朝は早い。だが、その早起きさえも苦にならないほど、最近の私は充実していた。
窓を開けると、ひんやりとした朝の空気が流れ込んでくる。そこには土と緑の匂い、そして朝露に濡れた作物が放つ生命の香りが混じり合っている。
かつては死の世界だったこの場所が、今や見渡す限りの緑に覆われているのだ。
村人たちも増えた。噂を聞きつけて集まってきた人々は五十人を超え、仮設住宅も増設された。彼らは皆、朝早くから畑に出て、愛おしそうに土の手入れをしている。
今日は、新しい試みをする日だ。
私は収穫したばかりの大量の大豆を水に浸しておいた桶の前に立った。
一晩水を吸って、倍以上の大きさに膨らんだ大豆たち。つやつやとした乳白色の肌が美しい。
「よし、マメゾウ。準備はいいか?」
私の足元から、ひょっこりと緑色の頭が現れる。
「マメー! オイシイノ、ツクル?」
「ああ、今日は『豆腐』を作るぞ」
豆腐。それは日本食の基本であり、変幻自在の食材だ。この世界の人々はまだ、大豆の真の可能性を知らない。
私は石臼を使って、水を吸った大豆を丁寧に挽いていく。ゴリゴリという重い音が響き、白濁した液体が滴り落ちる。これが「生呉《なまご》」だ。
青臭いような、濃厚な大豆の香りがあたりに漂う。
挽いた生呉を大鍋に移し、焦げ付かないように慎重に火にかける。木べらでゆっくりとかき混ぜながら、沸騰するのを待つ。
やがて、鍋からカニの泡のようにふつふつと泡が立ち上がり、甘い香りが強くなる。
ここだ。この瞬間の見極めが肝心だ。
火から下ろし、清潔な布袋に入れて絞る。熱いうちにやらなければならない。
じゅわーっと音を立てて絞り出される乳白色の液体。これが豆乳だ。そして袋に残るのがおから。どちらも宝の山だ。
セシリアが物珍しそうに覗き込んでくる。
「ハルト殿、それは……ミルクか?」
「近いな。大豆のミルクだ。飲んでみるか?」
私は小さな器に汲んで渡した。
彼女はふーふーと息を吹きかけ、一口すする。
「……! 濃厚だ。豆の風味が詰まっているのに、滑らかで……砂糖を入れていないのに甘い」
「ここに『にがり』を入れるんだ」
塩田を作った際に副産物として採れたにがりを、慎重に垂らす。
木べらで十字に切るように混ぜ、蓋をして蒸らす。
静寂の時間。液体が固体へと姿を変える、魔法の時間だ。
数分後。蓋を開けると、そこにはフルフルと揺れる純白の塊が出来上がっていた。
「固まった……?」
セシリアが目を丸くする。
私はそれを木枠に移し、重石を乗せて水を切る。
そして完成したのが、木綿豆腐だ。
包丁を入れると、スッと吸い込まれるような柔らかさ。
今日はこれを、シンプルに冷奴で食べることにした。かつお節はないので、干し魚を削ったものと、刻んだネギ、そして先日作った醤油をたらりと垂らす。
黒い醤油が白い肌を伝い、美しいコントラストを描く。
一口食べたセシリアは、言葉を失った。
「……消えた」
「ん?」
「口に入れた瞬間、大豆の香りを残して溶けてしまった。なんだこの儚さは。それなのに、後味はしっかりとしている。これは……畑の肉どころか、畑の雲だ」
詩的な表現だ。
村人たちにも振る舞うと、彼らは驚いた。
「これが、あの硬い豆からできたのか?」
「歯がなくても食えるぞ!」
「神様の食べ物だぁ……」
平和な昼下がり。白い豆腐がもたらした穏やかな時間。
しかし、その平穏は長くは続かなかった。
夕暮れ時。西の空が、不自然なほど赤く染まっていた。いや、赤いのではない。どす黒い雲が渦を巻き、太陽の光を遮っているのだ。
風が止まった。鳥の声も虫の声も消え失せた。
肌にまとわりつくような、不快な湿気。
マメゾウが震えながら、私の足にしがみついてきた。
「アルジ……コワイ……オッキイノ、クル」
精霊であるマメゾウがこれほど怯えるとは、ただ事ではない。
セシリアが剣を帯びて走ってきた。その表情は真っ青だ。
「ハルト殿! 偵察からの報告だ。北の山脈から、『黒い波』が押し寄せていると」
「黒い波?」
「『大厄《たいやく》の泥流』だ。数百年前に一つの王国を飲み込んだと言われる、厄災そのものだ!」
私の脳裏に、あの警告がよみがえる。
『季節外れの【大厄】が接近中』
それは、魔物の群れなどという生易しいものではなかった。
私は遠くを見つめる。山の稜線を超えて、黒いヘドロのような何かが、ゆっくりと、しかし確実にこちらへ向かって溢れ出していた。
触れた木々を枯らし、大地を腐らせながら。
私が必死によみがえらせたこの緑の大地を、飲み込もうとしている。
「……させるかよ」
私は静かに怒りを燃やした。
豆腐の白さが象徴する平和を、あの黒い泥になど奪わせてたまるか。
私は村人たちに向かって声を張り上げた。
「全員、避難準備! だが、逃げるためじゃない! 戦うための準備だ!」
農夫ハルトの、最大の防衛戦が始まろうとしていた。
窓を開けると、ひんやりとした朝の空気が流れ込んでくる。そこには土と緑の匂い、そして朝露に濡れた作物が放つ生命の香りが混じり合っている。
かつては死の世界だったこの場所が、今や見渡す限りの緑に覆われているのだ。
村人たちも増えた。噂を聞きつけて集まってきた人々は五十人を超え、仮設住宅も増設された。彼らは皆、朝早くから畑に出て、愛おしそうに土の手入れをしている。
今日は、新しい試みをする日だ。
私は収穫したばかりの大量の大豆を水に浸しておいた桶の前に立った。
一晩水を吸って、倍以上の大きさに膨らんだ大豆たち。つやつやとした乳白色の肌が美しい。
「よし、マメゾウ。準備はいいか?」
私の足元から、ひょっこりと緑色の頭が現れる。
「マメー! オイシイノ、ツクル?」
「ああ、今日は『豆腐』を作るぞ」
豆腐。それは日本食の基本であり、変幻自在の食材だ。この世界の人々はまだ、大豆の真の可能性を知らない。
私は石臼を使って、水を吸った大豆を丁寧に挽いていく。ゴリゴリという重い音が響き、白濁した液体が滴り落ちる。これが「生呉《なまご》」だ。
青臭いような、濃厚な大豆の香りがあたりに漂う。
挽いた生呉を大鍋に移し、焦げ付かないように慎重に火にかける。木べらでゆっくりとかき混ぜながら、沸騰するのを待つ。
やがて、鍋からカニの泡のようにふつふつと泡が立ち上がり、甘い香りが強くなる。
ここだ。この瞬間の見極めが肝心だ。
火から下ろし、清潔な布袋に入れて絞る。熱いうちにやらなければならない。
じゅわーっと音を立てて絞り出される乳白色の液体。これが豆乳だ。そして袋に残るのがおから。どちらも宝の山だ。
セシリアが物珍しそうに覗き込んでくる。
「ハルト殿、それは……ミルクか?」
「近いな。大豆のミルクだ。飲んでみるか?」
私は小さな器に汲んで渡した。
彼女はふーふーと息を吹きかけ、一口すする。
「……! 濃厚だ。豆の風味が詰まっているのに、滑らかで……砂糖を入れていないのに甘い」
「ここに『にがり』を入れるんだ」
塩田を作った際に副産物として採れたにがりを、慎重に垂らす。
木べらで十字に切るように混ぜ、蓋をして蒸らす。
静寂の時間。液体が固体へと姿を変える、魔法の時間だ。
数分後。蓋を開けると、そこにはフルフルと揺れる純白の塊が出来上がっていた。
「固まった……?」
セシリアが目を丸くする。
私はそれを木枠に移し、重石を乗せて水を切る。
そして完成したのが、木綿豆腐だ。
包丁を入れると、スッと吸い込まれるような柔らかさ。
今日はこれを、シンプルに冷奴で食べることにした。かつお節はないので、干し魚を削ったものと、刻んだネギ、そして先日作った醤油をたらりと垂らす。
黒い醤油が白い肌を伝い、美しいコントラストを描く。
一口食べたセシリアは、言葉を失った。
「……消えた」
「ん?」
「口に入れた瞬間、大豆の香りを残して溶けてしまった。なんだこの儚さは。それなのに、後味はしっかりとしている。これは……畑の肉どころか、畑の雲だ」
詩的な表現だ。
村人たちにも振る舞うと、彼らは驚いた。
「これが、あの硬い豆からできたのか?」
「歯がなくても食えるぞ!」
「神様の食べ物だぁ……」
平和な昼下がり。白い豆腐がもたらした穏やかな時間。
しかし、その平穏は長くは続かなかった。
夕暮れ時。西の空が、不自然なほど赤く染まっていた。いや、赤いのではない。どす黒い雲が渦を巻き、太陽の光を遮っているのだ。
風が止まった。鳥の声も虫の声も消え失せた。
肌にまとわりつくような、不快な湿気。
マメゾウが震えながら、私の足にしがみついてきた。
「アルジ……コワイ……オッキイノ、クル」
精霊であるマメゾウがこれほど怯えるとは、ただ事ではない。
セシリアが剣を帯びて走ってきた。その表情は真っ青だ。
「ハルト殿! 偵察からの報告だ。北の山脈から、『黒い波』が押し寄せていると」
「黒い波?」
「『大厄《たいやく》の泥流』だ。数百年前に一つの王国を飲み込んだと言われる、厄災そのものだ!」
私の脳裏に、あの警告がよみがえる。
『季節外れの【大厄】が接近中』
それは、魔物の群れなどという生易しいものではなかった。
私は遠くを見つめる。山の稜線を超えて、黒いヘドロのような何かが、ゆっくりと、しかし確実にこちらへ向かって溢れ出していた。
触れた木々を枯らし、大地を腐らせながら。
私が必死によみがえらせたこの緑の大地を、飲み込もうとしている。
「……させるかよ」
私は静かに怒りを燃やした。
豆腐の白さが象徴する平和を、あの黒い泥になど奪わせてたまるか。
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「全員、避難準備! だが、逃げるためじゃない! 戦うための準備だ!」
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