9 / 15
第8話「王子様の決意と守るべき人」
しおりを挟む
リオネスに支えられたまま、リナはしばらく呆然としていた。
カイがもたらした情報は、あまりにも衝撃的で、彼女の頭は処理が追いつかなかった。
私の力は、呪いじゃなかった? セレーネに、騙されていた……?
今まで自分を縛り付けていた絶望が、偽りだったかもしれない。
その事実は、リナに安堵よりも大きな混乱をもたらした。
「……信じられない」
かろうじて絞り出した声は、自分のものではないように掠れていた。
「半年も……ずっと、私は自分のことを……」
自分は呪われていると信じ、人を避け、幸せになることを諦めて生きてきた。
その日々は、一体何だったのだろう。
リナの肩が、小刻みに震え始める。
「リナ、しっかりしろ」
リオネスの力強い声が、彼女を現実に引き戻した。
彼はリナの肩を掴むと、その瞳を真っ直ぐに覗き込んだ。
「カイの言うことが、まだ信じられないか? だったら、思い出してみろ。僕と一緒にいたこの一ヶ月、君のせいで誰か不幸になったか? 僕が派手に転んだり、雨漏りがしたりはしたけど、誰も傷ついてはいない。むしろ、君のおかげで助かったことばかりだ」
彼の言葉に、リナははっとした。
祭りの夜、女の子を助けたこと。
蜂の巣が見つかったこと。
言われてみれば、彼の言う通りだった。
「それは……」
「僕は、最初から分かっていたよ。君が幸運の女神様だってことはな」
ニッと笑うリオネス。
その笑顔は、いつもと変わらない太陽のような明るさで、リナの混乱した心を少しだけ照らしてくれた。
「殿下……」
カイが、神妙な面持ちで口を挟んだ。
「王都の状況は、深刻です。凶作と疫病は、日を追うごとに拡大しています。このままでは、国が滅びかねません」
その言葉に、リオネスの表情が険しくなる。
「セレーネは何をしている」
「祈りの儀式を繰り返していますが、効果はありません。いえ、むしろ逆効果です。民衆の不安と不満は、すでに限界に達しています」
「……そうか」
リオネスは短く答えると、リナから視線を外し、窓の外に広がるミモザ村の穏やかな風景を眺めた。
彼は今、一人の男としてではなく、この国の王子として、決断を迫られていた。
しばらくの沈黙の後、彼はゆっくりと口を開いた。
「カイ、王都に戻る準備をしろ。僕も行く」
「殿下!?」
「兄上や父上が、この事実をすんなり信じるとは思えない。僕が直接、説得する」
その決意に満ちた声には、普段の彼からは想像もできないような、王族としての威厳が宿っていた。
カイは、そんな主君の姿に一瞬目を見張ったが、すぐに深く頷いた。
「承知いたしました。すぐさま、準備を」
カイが部屋を出て行くと、室内にはリナとリオネスの二人だけが残された。
リナは、不安な気持ちでリオネスを見つめた。
「王子様……王都に、戻ってしまうのですか?」
「ああ。王子として、やらなければならないことがある」
彼はそう言うと、リナに向き直り、その両手を取った。
今度はもう、躊躇いはなかった。
「リナ。君は、どうしたい?」
「え……?」
「無理にとは言わない。王都に戻るのは、君にとって辛い記憶を思い出すことになるだろう。もし、君がこのままこの村で静かに暮らしたいと望むなら、僕はそれを尊重する。僕が、君の平穏を守ってみせる」
彼の温かい手が、リナの手を優しく包み込む。
「でも、もし。君が、自分の力を信じて、国を救いたいと思うなら……僕と一緒に、王都へ来てほしい。僕が、君の隣で戦う。君を一人にはしない」
真っ直ぐな青い瞳が、リナに選択を委ねている。
リナの心は、激しく揺れていた。
王都は、彼女にとって悪夢の場所だ。
石を投げられ、罵声を浴びせられたあの広場。
冷たく突き放した父の顔。
そして、自分を陥れたセレーネがいる場所。
怖い。
戻りたくない。
でも。
私が……国を救える……?
カイの言葉が蘇る。
『貴女様の力は、唯一の希望なのです』
今まで、自分の力は人を不幸にする呪いだと思っていた。
けれど、もし、それが間違いで、人を救うための力なのだとしたら。
苦しんでいる人たちがいる。
私が何もしなければ、国が滅んでしまうかもしれない。
何より。
この人の、隣で……。
リナは、自分の手を握るリオネスの顔を見上げた。
彼は、私のことを信じてくれている。
呪われた存在だと、誰もが罵った私を、「幸運の女神だ」と言ってくれた。
この人の隣に、立ちたい。
リナの中で、今まで感じたことのない、熱い感情が込み上げてきた。
それは、恐怖を乗り越える、小さな勇気の炎だった。
リナは、握られたリオネスの手に、そっと力を込めた。
「……行きます」
「リナ……?」
「私も、王都へ行きます。聖女ルナとして」
震える声だったが、その瞳には、確かな決意の光が宿っていた。
「私が本当に聖女なら、救うべき人たちがいます。そして……確かめなければならない。セレーネに。どうして、あんなことをしたのか」
リオネスは、リナの答えを聞くと、嬉しそうに、そして少しだけ切なそうに、微笑んだ。
「……そうか。分かった」
彼は、リナの手をそっと離すと、今度は彼女の頬に優しく触れた。
「辛い戦いになるだろう。だが、心配するな。僕が必ず、君を守る」
その言葉は、どんな慰めよりも、リナの心を強くした。
王子様の決意は、固まった。
そして、追放された聖女もまた、自らの運命に立ち向かうことを決めた。
二人の向かう先には、大きな困難が待ち受けているだろう。
だが、手を取り合った彼らは、もう一人ではなかった。
ミモザ村の穏やかな時間は、終わりを告げた。
今、国を救うための戦いが、始まろうとしていた。
カイがもたらした情報は、あまりにも衝撃的で、彼女の頭は処理が追いつかなかった。
私の力は、呪いじゃなかった? セレーネに、騙されていた……?
今まで自分を縛り付けていた絶望が、偽りだったかもしれない。
その事実は、リナに安堵よりも大きな混乱をもたらした。
「……信じられない」
かろうじて絞り出した声は、自分のものではないように掠れていた。
「半年も……ずっと、私は自分のことを……」
自分は呪われていると信じ、人を避け、幸せになることを諦めて生きてきた。
その日々は、一体何だったのだろう。
リナの肩が、小刻みに震え始める。
「リナ、しっかりしろ」
リオネスの力強い声が、彼女を現実に引き戻した。
彼はリナの肩を掴むと、その瞳を真っ直ぐに覗き込んだ。
「カイの言うことが、まだ信じられないか? だったら、思い出してみろ。僕と一緒にいたこの一ヶ月、君のせいで誰か不幸になったか? 僕が派手に転んだり、雨漏りがしたりはしたけど、誰も傷ついてはいない。むしろ、君のおかげで助かったことばかりだ」
彼の言葉に、リナははっとした。
祭りの夜、女の子を助けたこと。
蜂の巣が見つかったこと。
言われてみれば、彼の言う通りだった。
「それは……」
「僕は、最初から分かっていたよ。君が幸運の女神様だってことはな」
ニッと笑うリオネス。
その笑顔は、いつもと変わらない太陽のような明るさで、リナの混乱した心を少しだけ照らしてくれた。
「殿下……」
カイが、神妙な面持ちで口を挟んだ。
「王都の状況は、深刻です。凶作と疫病は、日を追うごとに拡大しています。このままでは、国が滅びかねません」
その言葉に、リオネスの表情が険しくなる。
「セレーネは何をしている」
「祈りの儀式を繰り返していますが、効果はありません。いえ、むしろ逆効果です。民衆の不安と不満は、すでに限界に達しています」
「……そうか」
リオネスは短く答えると、リナから視線を外し、窓の外に広がるミモザ村の穏やかな風景を眺めた。
彼は今、一人の男としてではなく、この国の王子として、決断を迫られていた。
しばらくの沈黙の後、彼はゆっくりと口を開いた。
「カイ、王都に戻る準備をしろ。僕も行く」
「殿下!?」
「兄上や父上が、この事実をすんなり信じるとは思えない。僕が直接、説得する」
その決意に満ちた声には、普段の彼からは想像もできないような、王族としての威厳が宿っていた。
カイは、そんな主君の姿に一瞬目を見張ったが、すぐに深く頷いた。
「承知いたしました。すぐさま、準備を」
カイが部屋を出て行くと、室内にはリナとリオネスの二人だけが残された。
リナは、不安な気持ちでリオネスを見つめた。
「王子様……王都に、戻ってしまうのですか?」
「ああ。王子として、やらなければならないことがある」
彼はそう言うと、リナに向き直り、その両手を取った。
今度はもう、躊躇いはなかった。
「リナ。君は、どうしたい?」
「え……?」
「無理にとは言わない。王都に戻るのは、君にとって辛い記憶を思い出すことになるだろう。もし、君がこのままこの村で静かに暮らしたいと望むなら、僕はそれを尊重する。僕が、君の平穏を守ってみせる」
彼の温かい手が、リナの手を優しく包み込む。
「でも、もし。君が、自分の力を信じて、国を救いたいと思うなら……僕と一緒に、王都へ来てほしい。僕が、君の隣で戦う。君を一人にはしない」
真っ直ぐな青い瞳が、リナに選択を委ねている。
リナの心は、激しく揺れていた。
王都は、彼女にとって悪夢の場所だ。
石を投げられ、罵声を浴びせられたあの広場。
冷たく突き放した父の顔。
そして、自分を陥れたセレーネがいる場所。
怖い。
戻りたくない。
でも。
私が……国を救える……?
カイの言葉が蘇る。
『貴女様の力は、唯一の希望なのです』
今まで、自分の力は人を不幸にする呪いだと思っていた。
けれど、もし、それが間違いで、人を救うための力なのだとしたら。
苦しんでいる人たちがいる。
私が何もしなければ、国が滅んでしまうかもしれない。
何より。
この人の、隣で……。
リナは、自分の手を握るリオネスの顔を見上げた。
彼は、私のことを信じてくれている。
呪われた存在だと、誰もが罵った私を、「幸運の女神だ」と言ってくれた。
この人の隣に、立ちたい。
リナの中で、今まで感じたことのない、熱い感情が込み上げてきた。
それは、恐怖を乗り越える、小さな勇気の炎だった。
リナは、握られたリオネスの手に、そっと力を込めた。
「……行きます」
「リナ……?」
「私も、王都へ行きます。聖女ルナとして」
震える声だったが、その瞳には、確かな決意の光が宿っていた。
「私が本当に聖女なら、救うべき人たちがいます。そして……確かめなければならない。セレーネに。どうして、あんなことをしたのか」
リオネスは、リナの答えを聞くと、嬉しそうに、そして少しだけ切なそうに、微笑んだ。
「……そうか。分かった」
彼は、リナの手をそっと離すと、今度は彼女の頬に優しく触れた。
「辛い戦いになるだろう。だが、心配するな。僕が必ず、君を守る」
その言葉は、どんな慰めよりも、リナの心を強くした。
王子様の決意は、固まった。
そして、追放された聖女もまた、自らの運命に立ち向かうことを決めた。
二人の向かう先には、大きな困難が待ち受けているだろう。
だが、手を取り合った彼らは、もう一人ではなかった。
ミモザ村の穏やかな時間は、終わりを告げた。
今、国を救うための戦いが、始まろうとしていた。
88
あなたにおすすめの小説
辺境に追放されたガリガリ令嬢ですが、助けた男が第三王子だったので人生逆転しました。~実家は危機ですが、助ける義理もありません~
香木陽灯
恋愛
「そんなに気に食わないなら、お前がこの家を出ていけ!」
実の父と義妹に虐げられ、着の身着のままで辺境のボロ家に追放された伯爵令嬢カタリーナ。食べるものもなく、泥水のようなスープですすり、ガリガリに痩せ細った彼女が庭で拾ったのは、金色の瞳を持つ美しい男・ギルだった。
「……見知らぬ人間を招き入れるなんて、馬鹿なのか?」
「一人で食べるのは味気ないわ。手当てのお礼に一緒に食べてくれると嬉しいんだけど」
二人の奇妙な共同生活が始まる。ギルが獲ってくる肉を食べ、共に笑い、カタリーナは本来の瑞々しい美しさを取り戻していく。しかしカタリーナは知らなかった。彼が王位継承争いから身を隠していた最強の第三王子であることを――。
※ふんわり設定です。
※他サイトにも掲載中です。
トカゲ令嬢とバカにされて聖女候補から外され辺境に追放されましたが、トカゲではなく龍でした。
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
リバコーン公爵家の長女ソフィアは、全貴族令嬢10人の1人の聖獣持ちに選ばれたが、その聖獣がこれまで誰も持ったことのない小さく弱々しいトカゲでしかなかった。それに比べて側室から生まれた妹は有名な聖獣スフィンクスが従魔となった。他にもグリフォンやペガサス、ワイバーンなどの実力も名声もある従魔を従える聖女がいた。リバコーン公爵家の名誉を重んじる父親は、ソフィアを正室の領地に追いやり第13王子との婚約も辞退しようとしたのだが……
王立聖女学園、そこは爵位を無視した弱肉強食の競争社会。だがどれだけ努力しようとも神の気紛れで全てが決められてしまう。まず従魔が得られるかどうかで貴族令嬢に残れるかどうかが決まってしまう。
聖女の力を妹に奪われ魔獣の森に捨てられたけど、何故か懐いてきた白狼(実は呪われた皇帝陛下)のブラッシング係に任命されました
AK
恋愛
「--リリアナ、貴様との婚約は破棄する! そして妹の功績を盗んだ罪で、この国からの追放を命じる!」
公爵令嬢リリアナは、腹違いの妹・ミナの嘘によって「偽聖女」の汚名を着せられ、婚約者の第二王子からも、実の父からも絶縁されてしまう。 身一つで放り出されたのは、凶暴な魔獣が跋扈する北の禁足地『帰らずの魔の森』。
死を覚悟したリリアナが出会ったのは、伝説の魔獣フェンリル——ではなく、呪いによって巨大な白狼の姿になった隣国の皇帝・アジュラ四世だった!
人間には効果が薄いが、動物に対しては絶大な癒やし効果を発揮するリリアナの「聖女の力」。 彼女が何気なく白狼をブラッシングすると、苦しんでいた皇帝の呪いが解け始め……?
「余の呪いを解くどころか、極上の手触りで撫でてくるとは……。貴様、責任を取って余の専属ブラッシング係になれ」
こうしてリリアナは、冷徹と恐れられる氷の皇帝(中身はツンデレもふもふ)に拾われ、帝国で溺愛されることに。 豪華な離宮で美味しい食事に、最高のもふもふタイム。虐げられていた日々が嘘のような幸せスローライフが始まる。
一方、本物の聖女を追放してしまった祖国では、妹のミナが聖女の力を発揮できず、大地が枯れ、疫病が蔓延し始めていた。 元婚約者や父が慌ててミレイユを連れ戻そうとするが、時すでに遅し。 「私の主人は、この可愛い狼様(皇帝陛下)だけですので」 これは、すべてを奪われた令嬢が、最強のパートナーを得て幸せになり、自分を捨てた者たちを見返す逆転の物語。
醜貌の聖女と呼ばれ、婚約破棄されましたが、実は本物の聖女でした
きまま
恋愛
王国の夜会で、第一王子のレオンハルトから婚約破棄を言い渡された公爵令嬢リリエル・アルヴァリア。
顔を銀の仮面で隠していることから『醜貌の聖女』と嘲られ、不要と切り捨てられた彼女は、そのまま王城を追われることになる。
しかし、その後に待ち受ける国の運命は滅亡へと向かっていた——
「醜い」と婚約破棄された銀鱗の令嬢、氷の悪竜辺境伯に嫁いだら、呪いを癒やす聖女として溺愛されました
黒崎隼人
恋愛
「醜い銀の鱗を持つ呪われた女など、王妃にはふさわしくない!」
衆人環視の夜会で、婚約者の王太子にそう罵られ、アナベルは捨てられた。
実家である公爵家からも疎まれ、孤独に生きてきた彼女に下されたのは、「氷の悪竜」と恐れられる辺境伯・レオニールのもとへ嫁げという非情な王命だった。
彼の体に触れた者は黒い呪いに蝕まれ、死に至るという。それは事実上の死刑宣告。
全てを諦め、死に場所を求めて辺境の地へと赴いたアナベルだったが、そこで待っていたのは冷徹な魔王――ではなく、不器用で誠実な、ひとりの青年だった。
さらに、アナベルが忌み嫌っていた「銀の鱗」には、レオニールの呪いを癒やす聖なる力が秘められていて……?
過労死コンサル、貧乏貴族に転生す~現代農業知識と魔法で荒地を開拓していたら、いつの間にか世界を救う食糧大国になっていました~
黒崎隼人
ファンタジー
農業コンサルタントとして過労死した杉本健一は、異世界の貧乏貴族ローレンツ家の当主として目覚めた。
待っていたのは、荒れた土地、飢える領民、そして莫大な借金!
チートスキルも戦闘能力もない彼に残された武器は、前世で培った「農業知識」だけだった。
「貴族が土を耕すだと?」と笑われても構わない!
輪作、堆肥、品種改良! 現代知識と異世界の魔法を組み合わせた独自農法で、俺は自らクワを握る「耕作貴族」となる!
元Sランク冒険者のクールなメイドや、義理堅い元騎士を仲間に迎え、荒れ果てた領地を最強の農業大国へと変えていく、異色の領地経営ファンタジー!
【完結】経費削減でリストラされた社畜聖女は、隣国でスローライフを送る〜隣国で祈ったら国王に溺愛され幸せを掴んだ上に国自体が明るくなりました〜
よどら文鳥
恋愛
「聖女イデアよ、もう祈らなくとも良くなった」
ブラークメリル王国の新米国王ロブリーは、節約と経費削減に力を入れる国王である。
どこの国でも、聖女が作る結界の加護によって危険なモンスターから国を守ってきた。
国として大事な機能も経費削減のために不要だと決断したのである。
そのとばっちりを受けたのが聖女イデア。
国のために、毎日限界まで聖なる力を放出してきた。
本来は何人もの聖女がひとつの国の結界を作るのに、たった一人で国全体を守っていたほどだ。
しかも、食事だけで生きていくのが精一杯なくらい少ない給料で。
だがその生活もロブリーの政策のためにリストラされ、社畜生活は解放される。
と、思っていたら、今度はイデア自身が他国から高値で取引されていたことを知り、渋々その国へ御者アメリと共に移動する。
目的のホワイトラブリー王国へ到着し、クラフト国王に聖女だと話すが、意図が通じず戸惑いを隠せないイデアとアメリ。
しかし、実はそもそもの取引が……。
幸いにも、ホワイトラブリー王国での生活が認められ、イデアはこの国で聖なる力を発揮していく。
今までの過労が嘘だったかのように、楽しく無理なく力を発揮できていて仕事に誇りを持ち始めるイデア。
しかも、周りにも聖なる力の影響は凄まじかったようで、ホワイトラブリー王国は激的な変化が起こる。
一方、聖女のいなくなったブラークメリル王国では、結界もなくなった上、無茶苦茶な経費削減政策が次々と起こって……?
※政策などに関してはご都合主義な部分があります。
「魔法を使わない魔術師を切り捨てた国は、取り返しのつかない後悔をする
藤原遊
ファンタジー
魔法を使わない魔術師は、役に立たない。
そう判断した王国は、彼女を「不要」と切り捨てた。
派手な魔法も、奇跡も起こさない。
彼女がしていたのは、魔力の流れを整え、結界を維持し、
魔法事故が起きないよう“何も起こらない状態”を保つことだけだった。
代わりはいくらでもいる。
そう思われていた仕事は、彼女がいなくなった途端に破綻する。
魔法は暴走し、結界は歪み、
国は自分たちが何に守られていたのかを知る。
これは、
魔法を使わなかった魔術師が、
最後まで何もせずに証明した話。
※主人公は一切振り返りません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる