7 / 13
第6話「ギルドマスターからの招待状」
夕暮れ時、食材が底をつき、屋台を閉めようとしていた時だった。
例のフードの男が、俺の前に音もなく近づいてきた。
近くで見ると、その体躯は大きく、隙のない立ち振る舞いをしていることが分かる。フードの下から覗く顎には、古傷のような痕が見えた。
「テオドール、といったか」
低い、よく通る声だった。
「ああ、そうだけど。肉ならもう売り切れだよ」
「いや、肉を食いに来たわけではない。お前に話があって来た」
男は懐から一通の封筒を取り出し、俺に差し出した。
封筒には、剣と盾を交差させた紋章が蝋で封印されている。
俺はその紋章に見覚えがあった。冒険者ギルドの紋章だ。
「私は冒険者ギルド、キルシェ支部のマスター、ガランドだ」
周りにいた客たちが息を呑む気配がした。
ガランドといえば、かつて「雷帝」と呼ばれたSランク冒険者で、引退した今もその武勇伝は語り継がれている。この町の裏も表も仕切る、実質的な支配者の一人だ。
「ギルドマスターが、俺のような屋台の主人に何の用で?」
俺は平静を装いながら問い返す。内心では心臓が早鐘を打っていたが、舐められたら終わりだ。前世での交渉経験を総動員して、虚勢を張る。
「単刀直入に言おう。お前のその『目』と『腕』を借りたい」
ガランドはフードを外し、白髪交じりの短髪と、猛禽類のような鋭い瞳を露わにした。
「ここ数日、お前の屋台を観察させてもらった。捨てられるはずの内臓や舌を、極上の料理に変える技術。そして何より、魔物の肉質を一目で見抜き、最適な調理法を瞬時に判断するその観察眼。……ただの農家のせがれにしては、出来すぎている」
見抜かれていたか。
やはり、ただ者ではない。
「お前が何者かは問わん。重要なのは、お前が利益を生み出す才能を持っているということだ」
ガランドはニヤリと笑った。それは捕食者の笑みではなく、有能なビジネスパートナーを見つけた商人の顔だった。
「明日の正午、ギルド本部の応接室に来い。お前に提案がある。悪い話ではないはずだ」
彼はそれだけ言い残すと、返事も聞かずに背を向けて去っていった。
残された俺の手には、重厚な封筒だけが残っていた。
「テ、テオ……大変なことになったぞ。あのガランド様から直々に呼び出しなんて……」
父のマルコが青い顔をして震えている。
「大丈夫だよ、父さん。むしろチャンスだ」
俺は封筒を握りしめた。
屋台の成功はあくまで第一段階。次のステップへ進むための鍵が、向こうからやってきたのだ。
翌日。
俺は一張羅に着替え(といっても清潔な麻の服だが)、ギルド本部へと向かった。
石造りの巨大な建物は威圧感があり、ロビーには武装した冒険者たちがたむろしている。
受付で封筒を見せると、すぐに奥の部屋へと通された。
応接室には、ガランドが革張りのソファーに深々と腰掛けて待っていた。テーブルの上には、俺が昨日焼いたはずのタン塩の残骸――持ち帰りにした皿が置かれている。
「座れ」
俺は対面のソファーに座った。クッションが柔らかすぎて落ち着かない。
「冷めても美味い。それがお前の料理の評価だ」
ガランドがいきなり切り出した。
「脂が固まっていない。肉質が変化していない。どんな魔法を使った?」
「魔法じゃありません。処理と焼き方の工夫です。脂の融点が低い部位を選び、繊維を断ち切るように包丁を入れただけです」
「フン、口で言うのは簡単だがな」
ガランドは身を乗り出した。
「本題に入ろう。テオドール、ギルド直営の酒場で、お前のメニューを出さないか?」
「……直営酒場で?」
「ああ。今の酒場の飯は不味い。冒険者たちからの不満が溜まっている。お前の料理があれば、酒の売上も伸びるし、冒険者たちの士気も上がる。場所と食材はギルドが提供する。売上の三割をお前に渡す。どうだ?」
悪くない条件だ。場所代も材料費もかからず、リスクなしで利益が得られる。
だが、俺の目的はそこではない。
俺は首を横に振った。
「お断りします」
「……ほう?」
ガランドの目が細められた。室内の温度が下がったような錯覚を覚える。
「俺は雇われ料理人になるつもりはありません。俺がやりたいのは、自分の店を持つことです。自分の城で、自分の信じる肉を焼く。それ以外に興味はありません」
「生意気だな、小僧。この町で俺の誘いを断って、まともに商売ができると思っているのか?」
脅し文句だが、本気ではない。試されているのだ。
俺は真っ直ぐにガランドの目を見つめ返した。
「脅しには屈しません。ですが、取引なら歓迎します」
「取引だと?」
「ええ。ギルド酒場のメニュー開発と調理指導、これを請け負います。その代わり、報酬は金ではなく『権利』でいただきたい」
「何の権利だ?」
「ギルドが管理する魔物素材の『優先買取権』と、廃棄部位の『独占使用権』です」
ガランドが目を見開いた。そして数秒の沈黙の後、腹を抱えて笑い出した。
「ハハハハ! 面白い! ゴミを独占したいだと? そんなことを言った奴は初めてだ!」
「俺にとってはゴミじゃありません。宝の山です」
「いいだろう! 気に入った!」
ガランドはテーブルを叩いて立ち上がった。
「その条件、飲もう。ただし、一つだけ条件を追加する」
「なんでしょう?」
「一ヶ月後に開催される『収穫祭』。そこで行われる料理コンテストに出場し、優勝しろ。そうすれば、お前の実力を公に認め、ギルドとして全面的にバックアップしてやる。店舗の物件も紹介してやろう」
料理コンテスト。町の有名店がこぞって参加する一大イベントだ。そこで優勝すれば、知名度は一気に跳ね上がる。
願ってもないチャンスだ。
「分かりました。その勝負、受けます」
俺は立ち上がり、ガランドと握手を交わした。
その手は大きく、分厚く、そして熱かった。
こうして俺は、屋台から一歩踏み出し、町一番の料理人を目指す戦いに身を投じることになった。
だがその時、俺はまだ知らなかった。
そのコンテストには、王都から派遣された「宮廷料理人」がゲスト参加するという噂があることを。
そして、俺が革命を起こそうとしているこの世界の食文化には、根深い既得権益と古い因習が蔓延っていることを。
肉を焼く煙の向こうに、新たな嵐の予感がしていた。
例のフードの男が、俺の前に音もなく近づいてきた。
近くで見ると、その体躯は大きく、隙のない立ち振る舞いをしていることが分かる。フードの下から覗く顎には、古傷のような痕が見えた。
「テオドール、といったか」
低い、よく通る声だった。
「ああ、そうだけど。肉ならもう売り切れだよ」
「いや、肉を食いに来たわけではない。お前に話があって来た」
男は懐から一通の封筒を取り出し、俺に差し出した。
封筒には、剣と盾を交差させた紋章が蝋で封印されている。
俺はその紋章に見覚えがあった。冒険者ギルドの紋章だ。
「私は冒険者ギルド、キルシェ支部のマスター、ガランドだ」
周りにいた客たちが息を呑む気配がした。
ガランドといえば、かつて「雷帝」と呼ばれたSランク冒険者で、引退した今もその武勇伝は語り継がれている。この町の裏も表も仕切る、実質的な支配者の一人だ。
「ギルドマスターが、俺のような屋台の主人に何の用で?」
俺は平静を装いながら問い返す。内心では心臓が早鐘を打っていたが、舐められたら終わりだ。前世での交渉経験を総動員して、虚勢を張る。
「単刀直入に言おう。お前のその『目』と『腕』を借りたい」
ガランドはフードを外し、白髪交じりの短髪と、猛禽類のような鋭い瞳を露わにした。
「ここ数日、お前の屋台を観察させてもらった。捨てられるはずの内臓や舌を、極上の料理に変える技術。そして何より、魔物の肉質を一目で見抜き、最適な調理法を瞬時に判断するその観察眼。……ただの農家のせがれにしては、出来すぎている」
見抜かれていたか。
やはり、ただ者ではない。
「お前が何者かは問わん。重要なのは、お前が利益を生み出す才能を持っているということだ」
ガランドはニヤリと笑った。それは捕食者の笑みではなく、有能なビジネスパートナーを見つけた商人の顔だった。
「明日の正午、ギルド本部の応接室に来い。お前に提案がある。悪い話ではないはずだ」
彼はそれだけ言い残すと、返事も聞かずに背を向けて去っていった。
残された俺の手には、重厚な封筒だけが残っていた。
「テ、テオ……大変なことになったぞ。あのガランド様から直々に呼び出しなんて……」
父のマルコが青い顔をして震えている。
「大丈夫だよ、父さん。むしろチャンスだ」
俺は封筒を握りしめた。
屋台の成功はあくまで第一段階。次のステップへ進むための鍵が、向こうからやってきたのだ。
翌日。
俺は一張羅に着替え(といっても清潔な麻の服だが)、ギルド本部へと向かった。
石造りの巨大な建物は威圧感があり、ロビーには武装した冒険者たちがたむろしている。
受付で封筒を見せると、すぐに奥の部屋へと通された。
応接室には、ガランドが革張りのソファーに深々と腰掛けて待っていた。テーブルの上には、俺が昨日焼いたはずのタン塩の残骸――持ち帰りにした皿が置かれている。
「座れ」
俺は対面のソファーに座った。クッションが柔らかすぎて落ち着かない。
「冷めても美味い。それがお前の料理の評価だ」
ガランドがいきなり切り出した。
「脂が固まっていない。肉質が変化していない。どんな魔法を使った?」
「魔法じゃありません。処理と焼き方の工夫です。脂の融点が低い部位を選び、繊維を断ち切るように包丁を入れただけです」
「フン、口で言うのは簡単だがな」
ガランドは身を乗り出した。
「本題に入ろう。テオドール、ギルド直営の酒場で、お前のメニューを出さないか?」
「……直営酒場で?」
「ああ。今の酒場の飯は不味い。冒険者たちからの不満が溜まっている。お前の料理があれば、酒の売上も伸びるし、冒険者たちの士気も上がる。場所と食材はギルドが提供する。売上の三割をお前に渡す。どうだ?」
悪くない条件だ。場所代も材料費もかからず、リスクなしで利益が得られる。
だが、俺の目的はそこではない。
俺は首を横に振った。
「お断りします」
「……ほう?」
ガランドの目が細められた。室内の温度が下がったような錯覚を覚える。
「俺は雇われ料理人になるつもりはありません。俺がやりたいのは、自分の店を持つことです。自分の城で、自分の信じる肉を焼く。それ以外に興味はありません」
「生意気だな、小僧。この町で俺の誘いを断って、まともに商売ができると思っているのか?」
脅し文句だが、本気ではない。試されているのだ。
俺は真っ直ぐにガランドの目を見つめ返した。
「脅しには屈しません。ですが、取引なら歓迎します」
「取引だと?」
「ええ。ギルド酒場のメニュー開発と調理指導、これを請け負います。その代わり、報酬は金ではなく『権利』でいただきたい」
「何の権利だ?」
「ギルドが管理する魔物素材の『優先買取権』と、廃棄部位の『独占使用権』です」
ガランドが目を見開いた。そして数秒の沈黙の後、腹を抱えて笑い出した。
「ハハハハ! 面白い! ゴミを独占したいだと? そんなことを言った奴は初めてだ!」
「俺にとってはゴミじゃありません。宝の山です」
「いいだろう! 気に入った!」
ガランドはテーブルを叩いて立ち上がった。
「その条件、飲もう。ただし、一つだけ条件を追加する」
「なんでしょう?」
「一ヶ月後に開催される『収穫祭』。そこで行われる料理コンテストに出場し、優勝しろ。そうすれば、お前の実力を公に認め、ギルドとして全面的にバックアップしてやる。店舗の物件も紹介してやろう」
料理コンテスト。町の有名店がこぞって参加する一大イベントだ。そこで優勝すれば、知名度は一気に跳ね上がる。
願ってもないチャンスだ。
「分かりました。その勝負、受けます」
俺は立ち上がり、ガランドと握手を交わした。
その手は大きく、分厚く、そして熱かった。
こうして俺は、屋台から一歩踏み出し、町一番の料理人を目指す戦いに身を投じることになった。
だがその時、俺はまだ知らなかった。
そのコンテストには、王都から派遣された「宮廷料理人」がゲスト参加するという噂があることを。
そして、俺が革命を起こそうとしているこの世界の食文化には、根深い既得権益と古い因習が蔓延っていることを。
肉を焼く煙の向こうに、新たな嵐の予感がしていた。
あなたにおすすめの小説
モンド家の、香麗なギフトは『ルゥ』でした。~家族一緒にこの異世界で美味しいスローライフを送ります~
みちのあかり
ファンタジー
10歳で『ルゥ』というギフトを得た僕。
どんなギフトかわからないまま、義理の兄たちとダンジョンに潜ったけど、役立たずと言われ取り残されてしまった。
一人きりで動くこともできない僕を助けてくれたのは一匹のフェンリルだった。僕のギルト『ルゥ』で出来たスープは、フェンリルの古傷を直すほどのとんでもないギフトだった。
その頃、母も僕のせいで離婚をされた。僕のギフトを理解できない義兄たちの報告のせいだった。
これは、母と僕と妹が、そこから幸せになるまでの、大切な人々との出会いのファンタジーです。
カクヨムにもサブタイ違いで載せています。
追放悪役令嬢は、絶品農業料理で辺境開拓!気づけば隣国を動かす「食の女王」になってました
緋村ルナ
ファンタジー
身に覚えのない罪を着せられ、婚約者である王子から追放された公爵令嬢ベアトリス。絶望の辺境で、彼女は前世の知識と持ち前の負けん気を糧に立ち上がる。荒れた土地を豊かな農地へと変え、誰もが食べたことのない絶品料理を生み出すと、その美食は瞬く間に国境を越え、小さなレストランは世界に名を馳せるようになる。
やがて食糧危機に瀕した祖国からのSOS。過去の恩讐を乗り越え、ベアトリスは再び表舞台へ。彼女が築き上げた“食”の力は、国家運営、国際関係にまで影響を及ぼし、一介の追放令嬢が「食の女王」として世界を動かす存在へと成り上がっていく、壮大で美味しい逆転サクセスストーリー!
無能だと追放された「雑用係」のハル、現代の知恵(ライフハック)を駆使したら、呪われた魔王城が聖域化して伝説の賢者と呼ばれ始めた
ユネ
ファンタジー
「君のような無能な掃除係は必要ない!」
勇者パーティーからゴミのように捨てられた雑用係のハル。だが彼女には、前世で培った【家事のプロとしてのライフハック】があった。
移り住んだのは、誰もが恐れる『呪われた魔王城』。しかしハルにとっては、ただの「掃除のしがいがある大型物件」に過ぎなかった!
重曹とクエン酸で呪いを浄化し、アルミホイルで魔物を除け、ジャガイモの皮で伝説の鏡を蘇らせる。
魔法より便利な知恵で、お城はいつの間にか世界一快適な聖域に。
一方、ハルを失った勇者たちは、汚部屋と化した拠点と自らの無知に絶望することになり――。
これは、一人の「掃除好き」が知恵と工夫だけで異世界に革命を起こし、最高のスローライフを手に入れるまでの物語。
【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
僕だけレベル1~レベルが上がらず無能扱いされた僕はパーティーを追放された。実は神様の不手際だったらしく、お詫びに最強スキルをもらいました~
いとうヒンジ
ファンタジー
ある日、イチカ・シリルはパーティーを追放された。
理由は、彼のレベルがいつまでたっても「1」のままだったから。
パーティーメンバーで幼馴染でもあるキリスとエレナは、ここぞとばかりにイチカを罵倒し、邪魔者扱いする。
友人だと思っていた幼馴染たちに無能扱いされたイチカは、失意のまま家路についた。
その夜、彼は「カミサマ」を名乗る少女と出会い、自分のレベルが上がらないのはカミサマの所為だったと知る。
カミサマは、自身の不手際のお詫びとしてイチカに最強のスキルを与え、これからは好きに生きるようにと助言した。
キリスたちは力を得たイチカに仲間に戻ってほしいと懇願する。だが、自分の気持ちに従うと決めたイチカは彼らを見捨てて歩き出した。
最強のスキルを手に入れたイチカ・シリルの新しい冒険者人生が、今幕を開ける。
追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件
言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」
──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。
だが彼は思った。
「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」
そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら……
気づけば村が巨大都市になっていた。
農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。
「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」
一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前!
慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが……
「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」
もはや世界最強の領主となったレオンは、
「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、
今日ものんびり温泉につかるのだった。
ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!
転生調理令嬢は諦めることを知らない!
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
貧乏奨学生の子爵令嬢は、特許で稼ぐ夢を見る 〜レイシアは、今日も我が道つき進む!~
みちのあかり
ファンタジー
同じゼミに通う王子から、ありえないプロポーズを受ける貧乏奨学生のレイシア。
何でこんなことに? レイシアは今までの生き方を振り返り始めた。
第一部(領地でスローライフ)
5歳の誕生日。お父様とお母様にお祝いされ、教会で祝福を受ける。教会で孤児と一緒に勉強をはじめるレイシアは、その才能が開花し非常に優秀に育っていく。お母様が里帰り出産。生まれてくる弟のために、料理やメイド仕事を覚えようと必死に頑張るレイシア。
お母様も戻り、家族で幸せな生活を送るレイシア。
しかし、未曽有の災害が起こり、領地は借金を負うことに。
貧乏でも明るく生きるレイシアの、ハートフルコメディ。
第二部(学園無双)
貧乏なため、奨学生として貴族が通う学園に入学したレイシア。
貴族としての進学は奨学生では無理? 平民に落ちても生きていけるコースを選ぶ。
だが、様々な思惑により貴族のコースも受けなければいけないレイシア。お金持ちの貴族の女子には嫌われ相手にされない。
そんなことは気にもせず、お金儲け、特許取得を目指すレイシア。
ところが、いきなり王子からプロポーズを受け・・・
学園無双の痛快コメディ
カクヨムで240万PV頂いています。