追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます

黒崎隼人

文字の大きさ
21 / 24

第20話:黒幕の影、真の脅威

しおりを挟む
 アレスの断罪によって、事件は一件落着したかのように思われた。しかし、カイは一連の出来事に、ある違和感を覚えていた。

(アレス一人が、あれほど周到な計画を立て、禁術の魔道具まで手に入れられただろうか? まるで、誰かに操られていたかのようにさえ見える……)

 カイが、アレスが使っていた禁術の魔道具を【整理整頓】で鑑定してみると、衝撃の事実が判明した。

【名称:邪神の心臓(欠片)】
【効果:使用者の精神を汚染し、邪神復活の儀式の触媒とする】
【詳細:古代に封印された邪神を復活させようと目論む『終末教団』が作った魔道具。使用者の負の感情を増幅させ、暴走させることで、封印を解くためのエネルギーを蓄積する】

「……なんだって?」

 アレスの暴走は、単なる私怨によるものではなかった。彼は、古代の邪神を復活させ、その力で世界を混沌に陥れようとする、謎の教団に利用されていただけだったのだ。そして、法廷でのアレスの魔力暴走が、邪神復活の儀式の最後の仕上げになってしまった。

 その瞬間、王都全体が、まるで巨大な地震に見舞われたかのように激しく揺れた。
 王城の地下、古くから封印が施されていた場所から、天を衝くほどの巨大な黒い柱が立ち上る。

「ククク……永き眠りから、我は目覚めたり……。我が名は、混沌の邪神『ヴォイド』。この世界を、無に帰してやろうぞ」

 空に響き渡る、おぞましい声。黒い柱は、やがて巨大な異形の神の姿へと変わっていった。その体は実体を持たず、まるで空間の歪みそのものが形になったかのようだ。

 邪神ヴォイドが復活した影響で、世界中の魔物が凶暴化し、各地で天変地異が起こり始める。世界は、未曾有の危機に直面した。

「カイ殿、これは……!」
「アレスは、このために利用されていたんだ……!」

 王国の騎士団が、果敢にも邪神に攻撃を仕掛ける。しかし、剣も、魔法も、邪神の不定形な体には一切通じず、通り抜けてしまうだけだった。

「無駄だ、無駄だ。我は、この世界の理そのもの。物理法則の外にある存在なのだ。お前たちのような矮小な存在に、我を傷つけることなどできはしない」

 邪神は、嘲笑うかのように、王都に破壊の限りを尽くし始める。建物は崩壊し、人々は絶望の叫びを上げた。
 魔王すらも凌駕する、真の脅威。人類は、なすすべもなく滅びるしかないのか。

 誰もが諦めかけたその時、カイは邪神を真っ直ぐに見据えていた。
(世界の理そのもの……物理法則の外……。つまり、こいつは、この世界のシステムに発生した、巨大な〝バグ〟や〝エラー〟のような存在なんだ)

 通常の攻撃が効かないのなら、別の方法で対処するしかない。
 世界が乱れているのなら、それを正しく〝整理整頓〟すればいい。

「ルナ、エリアナさん、グラムさん。僕に、みんなの力を貸してください」

 カイは、仲間たちに向かって言った。その瞳には、覚悟の光が宿っている。

「僕のスキルの、本当の力を見せる時が来たみたいです。この世界の歪みを……僕が、綺麗に〝整理整頓”してみせます」

 仲間たちは、カイの言葉に力強く頷いた。
 世界の存亡を賭けた、最後の戦いが、今、始まろうとしていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

えっ、能力なしでパーティ追放された俺が全属性魔法使い!? ~最強のオールラウンダー目指して謙虚に頑張ります~

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
コミカライズ10/19(水)開始! 2024/2/21小説本編完結! 旧題:えっ能力なしでパーティー追放された俺が全属性能力者!? 最強のオールラウンダーに成り上がりますが、本人は至って謙虚です ※ 書籍化に伴い、一部範囲のみの公開に切り替えられています。 ※ 書籍化に伴う変更点については、近況ボードを確認ください。 生まれつき、一人一人に魔法属性が付与され、一定の年齢になると使うことができるようになる世界。  伝説の冒険者の息子、タイラー・ソリス(17歳)は、なぜか無属性。 勤勉で真面目な彼はなぜか報われておらず、魔法を使用することができなかった。  代わりに、父親から教わった戦術や、体術を駆使して、パーティーの中でも重要な役割を担っていたが…………。 リーダーからは無能だと疎まれ、パーティーを追放されてしまう。  ダンジョンの中、モンスターを前にして見捨てられたタイラー。ピンチに陥る中で、その血に流れる伝説の冒険者の能力がついに覚醒する。  タイラーは、全属性の魔法をつかいこなせる最強のオールラウンダーだったのだ! その能力のあまりの高さから、あらわれるのが、人より少し遅いだけだった。  タイラーは、その圧倒的な力で、危機を回避。  そこから敵を次々になぎ倒し、最強の冒険者への道を、駆け足で登り出す。  なにせ、初の強モンスターを倒した時点では、まだレベル1だったのだ。 レベルが上がれば最強無双することは約束されていた。 いつか彼は血をも超えていくーー。  さらには、天下一の美女たちに、これでもかと愛されまくることになり、モフモフにゃんにゃんの桃色デイズ。  一方、タイラーを追放したパーティーメンバーはというと。 彼を失ったことにより、チームは瓦解。元々大した力もないのに、タイラーのおかげで過大評価されていたパーティーリーダーは、どんどんと落ちぶれていく。 コメントやお気に入りなど、大変励みになっています。お気軽にお寄せくださいませ! ・12/27〜29 HOTランキング 2位 記録、維持 ・12/28 ハイファンランキング 3位

神罰カウントが見える追放技師は、兵器開発を断って辺境港で遺物工房をひらく

蒼月よる
ファンタジー
反宗教国家の遺物管理局で働いていた技師ジンは、危険な接続実験を止めたせいで「臆病者」として追放された。 彼には遺物の危険度――神罰までの目盛りが見える。 流れ着いた辺境港アルヴァスで、壊れたポンプを直し、止まった航路灯を点け、生活道具だけを作る小さな工房を始めるが、評判はすぐに軍と闇市場へ届いてしまう。 「兵器にしろ」と迫る圧力。 「便利なら危険でもいい」と進める上層。 数字が赤くなる前に、守るべきは誰の暮らしか。 追放技師の逆転工房譚。 この作品は以下の箇所にAI(Claude Code)を利用しています。 ・世界観・設定の管理補助 ・プロット段階の壁打ち ・作者による執筆後の校正

授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草

ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)  10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。  親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。  同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……── ※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました! ※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※ ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げています。

モンド家の、香麗なギフトは『ルゥ』でした。~家族一緒にこの異世界で美味しいスローライフを送ります~

みちのあかり
ファンタジー
10歳で『ルゥ』というギフトを得た僕。 どんなギフトかわからないまま、義理の兄たちとダンジョンに潜ったけど、役立たずと言われ取り残されてしまった。 一人きりで動くこともできない僕を助けてくれたのは一匹のフェンリルだった。僕のギルト『ルゥ』で出来たスープは、フェンリルの古傷を直すほどのとんでもないギフトだった。 その頃、母も僕のせいで離婚をされた。僕のギフトを理解できない義兄たちの報告のせいだった。 これは、母と僕と妹が、そこから幸せになるまでの、大切な人々との出会いのファンタジーです。 カクヨムにもサブタイ違いで載せています。

幼馴染パーティーから追放された冒険者~所持していたユニークスキルは限界突破でした~レベル1から始まる成り上がりストーリー

すもも太郎
ファンタジー
 この世界は個人ごとにレベルの上限が決まっていて、それが本人の資質として死ぬまで変えられません。(伝説の勇者でレベル65)  主人公テイジンは能力を封印されて生まれた。それはレベルキャップ1という特大のハンデだったが、それ故に幼馴染パーティーとの冒険によって莫大な経験値を積み上げる事が出来ていた。(ギャップボーナス最大化状態)  しかし、レベルは1から一切上がらないまま、免許の更新期限が過ぎてギルドを首になり絶望する。  命を投げ出す決意で訪れた死と再生の洞窟でテイジンの封印が解け、ユニークスキル”限界突破”を手にする。その後、自分の力を知らず知らずに発揮していき、周囲を驚かせながらも一人旅をつづけようとするが‥‥ ※1話1500文字くらいで書いております

【完結】スキルを作って習得!僕の趣味になりました

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》 どんなスキル持ちかによって、人生が決まる。生まれ持ったスキルは、12歳過ぎから鑑定で見えるようになる。ロマドは、4度目の15歳の歳の鑑定で、『スキル錬金』という優秀なスキルだと鑑定され……たと思ったが、錬金とつくが熟練度が上がらない!結局、使えないスキルとして一般スキル扱いとなってしまった。  どうやったら熟練度が上がるんだと思っていたところで、熟練度の上げ方を発見!  スキルの扱いを錬金にしてもらおうとするも却下された為、仕方なくあきらめた。だが、ふと「作成条件」という文字が目の前に見えて、その条件を達してみると、新しいスキルをゲットした!  天然ロマドと、タメで先輩のユイジュの突っ込みと、チェトの可愛さ(ロマドの主観)で織りなす、スキルと笑いのアドベンチャー。

A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる

国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。 持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。 これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。

【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」 貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。 しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった! 失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する! 辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。 これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!

処理中です...