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番外編1:リリアナ『声なき世界で、あなたを見つけた』
私の世界には、音がなかった。
『沈黙の呪い』は、私の声を奪い、私の歌を奪い、そして私の存在そのものを世界から薄れさせていった。家族も、友人も、私のことを少しずつ忘れていった。道行く人は私にぶつかっても気づかない。話しかけても、その声は誰にも届かない。私は、生きながらにして幽霊になった。
絶望だけが、私の心を支配していた。もういっそ、このまま消えてしまいたい。何度もそう思った。
死ぬこともできず、ただあてもなく街をさまよう日々。そんな時だった。国境沿いの寂れた街で、私は一軒の不思議な店を見つけた。
『物語の揺りかご』。
古い骨董品店。でも、なぜかその店だけが、私の目に温かい光を放っているように見えた。まるで、ここに来なさいと手招きされているような。
吸い寄せられるようにドアを開けると、そこに一人の青年がいた。優しそうな瞳をした、少し困ったように笑う人。
「い、いらっしゃいませ」
彼は、私を見て、そう言った。
私のことが、見えている。
それだけのことが、どれほどの奇跡だったか。彼は、私の存在をはっきりと認識してくれたのだ。何年も、何年も、誰からも気づかれなかった私を。
筆談で「温かいものを」と求めると、彼は何も聞かずに、熱いミルクティーを淹れてくれた。その温かさが、凍てついていた私の心にじんわりと染み渡っていく。
この人は、違う。この人なら、私の声なき声を聞いてくれるかもしれない。
あの日、あなたの店から漏れる光を見つけた時、私の止まっていた物語は、再び動き始めた。
アルト。あなたを見つけたあの日が、私の新しい誕生日。
『沈黙の呪い』は、私の声を奪い、私の歌を奪い、そして私の存在そのものを世界から薄れさせていった。家族も、友人も、私のことを少しずつ忘れていった。道行く人は私にぶつかっても気づかない。話しかけても、その声は誰にも届かない。私は、生きながらにして幽霊になった。
絶望だけが、私の心を支配していた。もういっそ、このまま消えてしまいたい。何度もそう思った。
死ぬこともできず、ただあてもなく街をさまよう日々。そんな時だった。国境沿いの寂れた街で、私は一軒の不思議な店を見つけた。
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あの日、あなたの店から漏れる光を見つけた時、私の止まっていた物語は、再び動き始めた。
アルト。あなたを見つけたあの日が、私の新しい誕生日。
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