21 / 24
20 氷の辺境伯の溺愛宣言
国中が歓喜と祝福に沸く中、セレスティナとリアムの正式な結婚式が、王都の大聖堂で盛大に執り行われた。
国王をはじめ、国中の貴族たちが参列し、沿道は二人の英雄をひと目見ようという国民で埋め尽くされた。誰もが、真の聖女とその夫となる辺境伯に、心からの祝福を送っていた。
純白のウェディングドレスに身を包んだセレスティナは、まるで天から舞い降りた女神のように美しかった。そして、その隣に立つリアムは、いつもの冷徹な雰囲気は鳴りを潜め、愛する人を見守る優しい喜びに満ち溢れていた。
厳かな誓いの儀式が終わり、二人は正式に夫婦となった。
その夜、王宮で開かれた祝宴の後、二人はバルコニーで、二人きりの時間を過ごしていた。眼下には、まだ祝福の灯りが煌めく王都の夜景が広がっている。
「夢のようですわ」
セレスティナが、リアムの腕に寄り添いながら幸せそうに呟いた。
追放同然にこの都を去ったあの日には、想像もできなかった未来。
「夢じゃない。現実だ」
リアムは、セレスティナの肩を優しく抱き寄せた。そして、彼女の髪に飾られた陽光の薔薇の髪飾りに、そっと口づけを落とす。
「セレスティナ」
彼が、甘く、真剣な声で彼女の名前を呼んだ。セレスティナが顔を上げると、彼の凍てつく湖のようだったアイスブルーの瞳が、今は熱を帯びて、ただ一人、彼女だけを映している。
「お前と出会うまで、俺の世界は色も音もない、凍てついたものだった。だが、お前が俺の世界に、光と、温もりと、愛を教えてくれた」
彼は、セレスティナの頬を優しく撫でながら、言葉を続けた。
「これからは、俺がお前を守る。呪いからも、どんな困難からも。夫として、お前を世界一幸せにすると、ここに誓う」
そして、彼はセレスティナを優しく抱きしめ、その耳元で、はっきりと囁いた。
「愛している、セレスティナ。心の底から、お前だけを」
それは、彼が初めて口にした、直接的な愛の言葉。不器用で、口下手な彼が、すべての想いを込めて紡いだ、これ以上ないほどの溺愛宣言だった。
セレスティナの瞳から、一筋の涙が零れ落ちた。それは、悲しみの涙ではない。満たされた幸福と、あふれんばかりの愛しさからくる、温かい涙だった。
「わたくしも……わたくしも、愛しております、リアム様」
セレスティナは、涙に濡れた瞳で、最高に幸せな笑顔を浮かべた。
リアムは、その笑顔に応えるように優しく微笑むと、彼女の涙を拭い、その唇に、永遠の愛を誓う、深く、甘いキスを落としたのだった。
国王をはじめ、国中の貴族たちが参列し、沿道は二人の英雄をひと目見ようという国民で埋め尽くされた。誰もが、真の聖女とその夫となる辺境伯に、心からの祝福を送っていた。
純白のウェディングドレスに身を包んだセレスティナは、まるで天から舞い降りた女神のように美しかった。そして、その隣に立つリアムは、いつもの冷徹な雰囲気は鳴りを潜め、愛する人を見守る優しい喜びに満ち溢れていた。
厳かな誓いの儀式が終わり、二人は正式に夫婦となった。
その夜、王宮で開かれた祝宴の後、二人はバルコニーで、二人きりの時間を過ごしていた。眼下には、まだ祝福の灯りが煌めく王都の夜景が広がっている。
「夢のようですわ」
セレスティナが、リアムの腕に寄り添いながら幸せそうに呟いた。
追放同然にこの都を去ったあの日には、想像もできなかった未来。
「夢じゃない。現実だ」
リアムは、セレスティナの肩を優しく抱き寄せた。そして、彼女の髪に飾られた陽光の薔薇の髪飾りに、そっと口づけを落とす。
「セレスティナ」
彼が、甘く、真剣な声で彼女の名前を呼んだ。セレスティナが顔を上げると、彼の凍てつく湖のようだったアイスブルーの瞳が、今は熱を帯びて、ただ一人、彼女だけを映している。
「お前と出会うまで、俺の世界は色も音もない、凍てついたものだった。だが、お前が俺の世界に、光と、温もりと、愛を教えてくれた」
彼は、セレスティナの頬を優しく撫でながら、言葉を続けた。
「これからは、俺がお前を守る。呪いからも、どんな困難からも。夫として、お前を世界一幸せにすると、ここに誓う」
そして、彼はセレスティナを優しく抱きしめ、その耳元で、はっきりと囁いた。
「愛している、セレスティナ。心の底から、お前だけを」
それは、彼が初めて口にした、直接的な愛の言葉。不器用で、口下手な彼が、すべての想いを込めて紡いだ、これ以上ないほどの溺愛宣言だった。
セレスティナの瞳から、一筋の涙が零れ落ちた。それは、悲しみの涙ではない。満たされた幸福と、あふれんばかりの愛しさからくる、温かい涙だった。
「わたくしも……わたくしも、愛しております、リアム様」
セレスティナは、涙に濡れた瞳で、最高に幸せな笑顔を浮かべた。
リアムは、その笑顔に応えるように優しく微笑むと、彼女の涙を拭い、その唇に、永遠の愛を誓う、深く、甘いキスを落としたのだった。
あなたにおすすめの小説
ベールを上げた新郎は『君じゃない』と叫んだ
ハートリオ
恋愛
結婚式で新郎に『君じゃない』と叫ばれたのはウィオラ。
スピーナ子爵家の次女。
どうやら新郎が結婚する積りだったのは姉のリリウム。
ウィオラはいつも『じゃない方』
認められない、
選ばれない…
そんなウィオラは――
中世ヨーロッパ風異世界でのお話です。
よろしくお願いします。
【結婚式当日に捨てられました】身代わりの役目は不要だと姉を選んだ王子は、隣国皇帝が私を国ごと奪いに来てから後悔しても手遅れです。
唯崎りいち
恋愛
結婚式当日、私は“替え玉”として捨てられた。
本物の姉が戻ってきたから、もう必要ないのだと。
けれど——
私こそが、誰も知らなかった“本物の価値”を持っていた。
世界でただ一人、すべてを癒す力。
そして、その価値を知るただ一人の人が、皇帝となって私を迎えに来る。
これは、すべてを失った少女が、本当に必要とされる場所へ辿り着く物語。
『魔力ゼロの欠陥品』と蔑まれた伯爵令嬢、卒業パーティーで婚約破棄された瞬間に古代魔法が覚醒する ~虐げられ続けた三年間、倍返しでは足りない~
スカッと文庫
恋愛
「貴様のような無能、我が国の王妃には相応しくない。婚約を破棄し、学園から追放する!」
王立魔道学園の卒業パーティー。きらびやかなシャンデリアの下、王太子エドワードの声が冷酷に響いた。彼の隣には、愛くるしい表情で私を嵌めた男爵令嬢、ミナが勝ち誇ったように寄り添っている。
伯爵令嬢のリリアーヌは、入学以来三年間、「魔力ゼロの欠陥品」として学園中の嘲笑を浴び続けてきた。
婚約者であるエドワードからは一度も顧みられず、同級生からはゴミのように扱われ、ミナの自作自演による「いじめ」の濡れ衣まで着せられ……。
それでも、父との「力を隠せ」という約束を守るため、泥を啜るような屈辱に耐え抜いてきた。
――だが、国からも学園からも捨てられた今、もうその約束を守る必要はない。
「さようなら、皆様。……私が消えた後、この国がどうなろうと知ったことではありませんわ」
リリアーヌが身につけていた「魔力封印の首飾り」を自ら引き千切った瞬間、会場は漆黒の魔力に包まれた。
彼女は無能などではない。失われた「古代魔法」をその身に宿す、真の魔道の主だったのだ。
絶望する王太子たちを余目に、隣国の伝説の魔術師アルベルトに拾われたリリアーヌ。
彼女の、残酷で、甘美な復讐劇が今、幕を開ける――。
冤罪で殺された聖女、生まれ変わって自由に生きる
みおな
恋愛
聖女。
女神から選ばれし、世界にたった一人の存在。
本来なら、誰からも尊ばれ大切に扱われる存在である聖女ルディアは、婚約者である王太子から冤罪をかけられ処刑されてしまう。
愛し子の死に、女神はルディアの時間を巻き戻す。
記憶を持ったまま聖女認定の前に戻ったルディアは、聖女にならず自由に生きる道を選択する。
「通訳など辞書で足りる」と追放された令嬢——三国会談で、婚約者は一言も話せなくなった
歩人
ファンタジー
宮廷通訳官エレノーラは五つの言語を操り、婚約者クラウスの外交を陰で支えてきた。
だがクラウスは言った。「通訳など辞書で足りる。お前は要らない」
追放されたエレノーラは隣国で新たな道を歩み始める。
一方、クラウスは三国会談の場で辞書片手に立ち往生。
誤訳が外交問題に発展し、窮地に陥ったその場に、隣国の通訳官として現れたのは——。
「その言葉は、もう翻訳できません」
悪役令嬢発溺愛幼女着
みおな
ファンタジー
「違います!わたくしは、フローラさんをいじめてなどいません!」
わたくしの声がホールに響いたけれど、誰もわたくしに手を差し伸べて下さることはなかった。
響いたのは、婚約者である王太子殿下の冷たい声。
わたくしに差し伸べられたのは、騎士団長のご子息がわたくしを強く床に押し付ける腕。
冷ややかな周囲のご令嬢ご令息の冷笑。
どうして。
誰もわたくしを信じてくれないまま、わたくしは冷たい牢の中で命を落とした。
婚約破棄されたので、隠していた聖女の力で聖樹を咲かせてみました
Megumi
恋愛
偽聖女と蔑まれ、婚約破棄されたイザベラ。
「お前は地味で、暗くて、何の取り柄もない」
元婚約者である王子はそう言い放った。
十年間、寡黙な令嬢を演じ続けた彼女。
その沈黙には、理由があった。
その夜、王都を照らす奇跡の光。
枯れた聖樹が満開に咲き誇り、人々は囁いた。
「真の聖女が目覚めた」と——
【完結】追放された地味令嬢、実は王国唯一の“魔力翻訳者”でした 〜役立たずと言われましたが、もう契約は終了です〜
あめとおと
恋愛
王太子から「魔法が何も起こらない役立たず」と断罪され、婚約破棄された伯爵令嬢リリア。
追放された彼女の能力は――
魔法の“意味”を読み解き、術式そのものを理解する力《魔力翻訳》。
辺境の魔導研究所でその才能を見出された彼女は、
三百年解読不能だった古代魔法を次々と再生させていく。
一方、彼女を失った王都では魔法事故が連鎖。
国家結界すら崩壊寸前に――。
「戻ってきてほしい」
そう告げられても、もう遅い。
私を必要としてくれる場所は、
すでに別にあるのだから。
これは、役立たずと呼ばれた令嬢が
本当の居場所と理解者を見つける物語。