KAKIDAMISHI -The Ultimate Karate Battle-

ジェド

文字の大きさ
132 / 132
第六章 運命

第六章 運命 18

しおりを挟む
「こちらこそ、よろしくお願い申し上げます」

正道と守央は互いに両掌を畳につけ、頭を下げ合った。

守央は頭を上げ、守善の方を振り向く。

「守善。今さら俺から言うことでもないが、これから志保さんと共に幸せな家庭を築いてくれ。両家にとっても、それが一番の幸せになる。俺たちが全員いてこその家族だ。困ったときは、いつでも俺たちを頼ってくれ」

「はい、父上。僕も新垣家の長男として、両家を繋ぐ架け橋となります」

守善がかしこまった様子を見せる中、正道も頭を上げて志保の方を振り向いていた。

「志保、おぬしもよき妻として守善殿を支えよ。此度の機会は、両家の発展と安寧に寄与するもの。その潮流が永劫のものとなるよう力を尽くすのじゃ」

「はい、お父様。この志保、守善様と共によき家庭を築くことを誓います」

「うむ。儂も平田家の当主として、両家の発展と安寧を支えられるよう尽力いたそう。此度の機会は、まさしく両家にとっての祝福。誠によい運命と巡り合えたものじゃな」

正道が口元に小さく笑みを浮かべると、腰付障子の向こうから美戸の声が聞こえてくる。

「失礼いたします」

腰付障子が開くと、母屋南側の縁側には美戸が正座していた。美戸は両掌を畳につけ、正道たちに向かって深く頭を下げる。

「ご昼食をお持ちいたしました」

美戸は食膳を手にして立ち上がり、三番座に足を踏み入れた。食膳にはクファジューシー(炊き込みご飯)、イナムドゥチ(豚の三枚肉と白味噌の汁物)、ソーキ(豚のあばら肉)の煮付け、白瓜の酢の物、泡盛が乗せられている。

美戸が食膳を正道の目の前に置くと、正道は料理の数々に目を向けた。

「ほう、これはまた豪勢ですな」

正道が感嘆の声を挙げると、守央は再び正道と話し始める。

「その豚肉は、湧田に住む知人から先日いただいたものです。かつては王府にも納めていた一品だそうで、この度の祝いにと……」

「かつての王府御用達の豚肉をいただけるとは……重ね重ねのお心遣い、誠に感謝申し上げます」

「こちらとしましても、お気に召していただければ大変嬉しい限りです。どうぞ、お召し上がりください」
守央がそう言うと、志保は立ち上がり、三番座から縁側へ出ようとする美戸に申し出た。

「お義母様かあさま、わたくしもお手伝いいたします」

「あら。いいのよ、志保さん。今日はお客様なんだから、もっとゆっくりくつろいでても……」

すると、今度は正道が美戸に申し出る。

「いえ、奥様。どうか、我が娘にも手伝わせてやってください。これから花嫁となる手前、それ相応の器量は身に付けておかねばなりません。ぜひ、奥様のような良妻の器量を我が娘にも学ばせていただきたく存じます」
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

本能寺からの決死の脱出 ~尾張の大うつけ 織田信長 天下を統一す~

bekichi
歴史・時代
戦国時代の日本を背景に、織田信長の若き日の物語を語る。荒れ狂う風が尾張の大地を駆け巡る中、夜空の星々はこれから繰り広げられる壮絶な戦いの予兆のように輝いている。この混沌とした時代において、信長はまだ無名であったが、彼の野望はやがて天下を揺るがすことになる。信長は、父・信秀の治世に疑問を持ちながらも、独自の力を蓄え、異なる理想を追求し、反逆者とみなされることもあれば期待の星と讃えられることもあった。彼の目標は、乱世を統一し平和な時代を創ることにあった。物語は信長の足跡を追い、若き日の友情、父との確執、大名との駆け引きを描く。信長の人生は、斎藤道三、明智光秀、羽柴秀吉、徳川家康、伊達政宗といった時代の英傑たちとの交流とともに、一つの大きな物語を形成する。この物語は、信長の未知なる野望の軌跡を描くものである。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

スーパー戦隊すみっこ語り

九情承太郎
エッセイ・ノンフィクション
日曜朝のお約束。スーパー戦隊に登場した味のある脇役たちを語ります。 100%筆者の趣味で書かれています。 ※他の投稿サイトでも公開しています。 表紙は、画像生成AIで出力したイラストです。

処理中です...