世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~

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聖女と暗殺者、聖騎士殺しを計画する

 勇者と聖騎士を殺害する。口にすれば簡単だが実行するのは難しい。
「そういえば聖騎士ミラも偽勇者ゲイランも私の法衣と同じように投擲武器を弾く、または無効化します。殺害するのであればもっと別の方法がいいと思いますよ」
 それだけを伝えると聖女は部屋から出ていった。
「聖女から手を出して正解だったのかもしれないですね......」
 私は彼女目の底にある黒い部分を本能的に恐れていたのかもしれない。


「そういえばティーナとラナさんは昨日何を話していたんだ?」
 朝食を全員でとっていた時に勇者から食堂で質問される。当然の疑問だろう。
「私が勇者パーティーのルールを教えていたの。ほらラナって職業が暗殺者だからそれを気にしていたみたいで......」
 聖女が目配せをしてくる。私が口を開く前に完璧な回答をだす。流石数年勇者への殺意を面に微塵も出さなかった人間だというべきか。
 私は頷く。
「実は加入前から不安だったんです。暗殺者の私が入って勇者パーティーの名声を汚してしまわないか?そんなことをずっと考えていました......」
「ラナちゃん....そんなことを考えていたなんて」
「ラナさん!私はラナさんの味方ですことよ!いつでも私にも相談してくださいまし」
 間抜けな2人はすっかり聖女の掌の上で転がされていた。


 その夜、私と聖女はまた話をしていた。人払いと【静寂】の魔法を使い、絶対に盗み聞きをされないようにしている。
「この魔法前に私を殺そうとした時に使ったものですね」
「そうです。ただ今回は話し合いですので」
「そうでしたね。私としては同時に殺害するべきだと思うのですが如何でしょう?」
「同時となるとそれはかなりの難易度になるのではないですか?」
「確かにあの2人の装備を考えると難易度は高いですね。しかし片方が失踪したとなると真っ先に疑われるのは私達ですよ?」
「私は暗殺者です。対1人には優れていますが多人数戦は不慣れ....それに焦るのは良くないと思いますが」
「わかりました!今回は折れましょう。殺すのはどちらからにしますか?」
「それは勿論、聖騎士ミラでしょう。彼女であれば金を渡して証言を作ればある程度私達のアリバイを作りつつ自然な形で失踪させられる」
「貴女私から狙う目の良さといい、本当に暗殺者ですね......」
 嫌そうな顔をする聖女の言葉はよく理解できない。


 こほんと聖女がわざとらしい咳をして話を戻す。
「では聖騎士の装備についての話をしましょうか」
「お願いします」
「まずは鎧ですね。彼女は代々騎士の家系ですから鎧は相当良いものだったと記憶しています」
「具体的な性能はわからないのですか?」
「以前、投擲武器を私の法衣と同じく弾いたこと。それと彼女は魔法を相手取るのを苦手としている印象があります」
「魔法ですか。私はそこまで覚えがないですね。それこそこの【静寂】ぐらいなもので」
「バフやデバフは賢者ほどではないにしろなんとかなりますが、魔法火力については欠けますね。ただこれ以上、仲間を増やすわけにもいきませんし......。いざとなったら私のとっておきを使いましょう」
「とっておきですか?」
「ええまあ。それはその時のお楽しみで」


 話も終わりそうな頃、私は疑問を聖女をぶつける。
「そういえば聖女が聖騎士殺しを手伝ってくれるとは思いませんでした」
「私と貴女は同じ志を持つ仲間です。それに勇者の周りをちょろちょろされて、勇者殺害の失敗するのもいいことではありませんから。計画に失敗は許されないのですよ」
 微笑む彼女は並みの暗殺者よりも怖い笑顔だった。
 なんにせよ聖女は聖女なりのメリットがあったということだろう。ある程度の腕の立つ助っ人がいるのはいいことだ。そう思い、私は次の日の朝を迎えた。
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