19 / 45
聖女と暗殺者、聖騎士殺しを計画する
勇者と聖騎士を殺害する。口にすれば簡単だが実行するのは難しい。
「そういえば聖騎士ミラも偽勇者ゲイランも私の法衣と同じように投擲武器を弾く、または無効化します。殺害するのであればもっと別の方法がいいと思いますよ」
それだけを伝えると聖女は部屋から出ていった。
「聖女から手を出して正解だったのかもしれないですね......」
私は彼女目の底にある黒い部分を本能的に恐れていたのかもしれない。
「そういえばティーナとラナさんは昨日何を話していたんだ?」
朝食を全員でとっていた時に勇者から食堂で質問される。当然の疑問だろう。
「私が勇者パーティーのルールを教えていたの。ほらラナって職業が暗殺者だからそれを気にしていたみたいで......」
聖女が目配せをしてくる。私が口を開く前に完璧な回答をだす。流石数年勇者への殺意を面に微塵も出さなかった人間だというべきか。
私は頷く。
「実は加入前から不安だったんです。暗殺者の私が入って勇者パーティーの名声を汚してしまわないか?そんなことをずっと考えていました......」
「ラナちゃん....そんなことを考えていたなんて」
「ラナさん!私はラナさんの味方ですことよ!いつでも私にも相談してくださいまし」
間抜けな2人はすっかり聖女の掌の上で転がされていた。
その夜、私と聖女はまた話をしていた。人払いと【静寂】の魔法を使い、絶対に盗み聞きをされないようにしている。
「この魔法前に私を殺そうとした時に使ったものですね」
「そうです。ただ今回は話し合いですので」
「そうでしたね。私としては同時に殺害するべきだと思うのですが如何でしょう?」
「同時となるとそれはかなりの難易度になるのではないですか?」
「確かにあの2人の装備を考えると難易度は高いですね。しかし片方が失踪したとなると真っ先に疑われるのは私達ですよ?」
「私は暗殺者です。対1人には優れていますが多人数戦は不慣れ....それに焦るのは良くないと思いますが」
「わかりました!今回は折れましょう。殺すのはどちらからにしますか?」
「それは勿論、聖騎士ミラでしょう。彼女であれば金を渡して証言を作ればある程度私達のアリバイを作りつつ自然な形で失踪させられる」
「貴女私から狙う目の良さといい、本当に暗殺者ですね......」
嫌そうな顔をする聖女の言葉はよく理解できない。
こほんと聖女がわざとらしい咳をして話を戻す。
「では聖騎士の装備についての話をしましょうか」
「お願いします」
「まずは鎧ですね。彼女は代々騎士の家系ですから鎧は相当良いものだったと記憶しています」
「具体的な性能はわからないのですか?」
「以前、投擲武器を私の法衣と同じく弾いたこと。それと彼女は魔法を相手取るのを苦手としている印象があります」
「魔法ですか。私はそこまで覚えがないですね。それこそこの【静寂】ぐらいなもので」
「バフやデバフは賢者ほどではないにしろなんとかなりますが、魔法火力については欠けますね。ただこれ以上、仲間を増やすわけにもいきませんし......。いざとなったら私のとっておきを使いましょう」
「とっておきですか?」
「ええまあ。それはその時のお楽しみで」
話も終わりそうな頃、私は疑問を聖女をぶつける。
「そういえば聖女が聖騎士殺しを手伝ってくれるとは思いませんでした」
「私と貴女は同じ志を持つ仲間です。それに勇者の周りをちょろちょろされて、勇者殺害の失敗するのもいいことではありませんから。計画に失敗は許されないのですよ」
微笑む彼女は並みの暗殺者よりも怖い笑顔だった。
なんにせよ聖女は聖女なりのメリットがあったということだろう。ある程度の腕の立つ助っ人がいるのはいいことだ。そう思い、私は次の日の朝を迎えた。
「そういえば聖騎士ミラも偽勇者ゲイランも私の法衣と同じように投擲武器を弾く、または無効化します。殺害するのであればもっと別の方法がいいと思いますよ」
それだけを伝えると聖女は部屋から出ていった。
「聖女から手を出して正解だったのかもしれないですね......」
私は彼女目の底にある黒い部分を本能的に恐れていたのかもしれない。
「そういえばティーナとラナさんは昨日何を話していたんだ?」
朝食を全員でとっていた時に勇者から食堂で質問される。当然の疑問だろう。
「私が勇者パーティーのルールを教えていたの。ほらラナって職業が暗殺者だからそれを気にしていたみたいで......」
聖女が目配せをしてくる。私が口を開く前に完璧な回答をだす。流石数年勇者への殺意を面に微塵も出さなかった人間だというべきか。
私は頷く。
「実は加入前から不安だったんです。暗殺者の私が入って勇者パーティーの名声を汚してしまわないか?そんなことをずっと考えていました......」
「ラナちゃん....そんなことを考えていたなんて」
「ラナさん!私はラナさんの味方ですことよ!いつでも私にも相談してくださいまし」
間抜けな2人はすっかり聖女の掌の上で転がされていた。
その夜、私と聖女はまた話をしていた。人払いと【静寂】の魔法を使い、絶対に盗み聞きをされないようにしている。
「この魔法前に私を殺そうとした時に使ったものですね」
「そうです。ただ今回は話し合いですので」
「そうでしたね。私としては同時に殺害するべきだと思うのですが如何でしょう?」
「同時となるとそれはかなりの難易度になるのではないですか?」
「確かにあの2人の装備を考えると難易度は高いですね。しかし片方が失踪したとなると真っ先に疑われるのは私達ですよ?」
「私は暗殺者です。対1人には優れていますが多人数戦は不慣れ....それに焦るのは良くないと思いますが」
「わかりました!今回は折れましょう。殺すのはどちらからにしますか?」
「それは勿論、聖騎士ミラでしょう。彼女であれば金を渡して証言を作ればある程度私達のアリバイを作りつつ自然な形で失踪させられる」
「貴女私から狙う目の良さといい、本当に暗殺者ですね......」
嫌そうな顔をする聖女の言葉はよく理解できない。
こほんと聖女がわざとらしい咳をして話を戻す。
「では聖騎士の装備についての話をしましょうか」
「お願いします」
「まずは鎧ですね。彼女は代々騎士の家系ですから鎧は相当良いものだったと記憶しています」
「具体的な性能はわからないのですか?」
「以前、投擲武器を私の法衣と同じく弾いたこと。それと彼女は魔法を相手取るのを苦手としている印象があります」
「魔法ですか。私はそこまで覚えがないですね。それこそこの【静寂】ぐらいなもので」
「バフやデバフは賢者ほどではないにしろなんとかなりますが、魔法火力については欠けますね。ただこれ以上、仲間を増やすわけにもいきませんし......。いざとなったら私のとっておきを使いましょう」
「とっておきですか?」
「ええまあ。それはその時のお楽しみで」
話も終わりそうな頃、私は疑問を聖女をぶつける。
「そういえば聖女が聖騎士殺しを手伝ってくれるとは思いませんでした」
「私と貴女は同じ志を持つ仲間です。それに勇者の周りをちょろちょろされて、勇者殺害の失敗するのもいいことではありませんから。計画に失敗は許されないのですよ」
微笑む彼女は並みの暗殺者よりも怖い笑顔だった。
なんにせよ聖女は聖女なりのメリットがあったということだろう。ある程度の腕の立つ助っ人がいるのはいいことだ。そう思い、私は次の日の朝を迎えた。
あなたにおすすめの小説
神々に見捨てられし者、自力で最強へ
九頭七尾
ファンタジー
三大貴族の一角、アルベール家の長子として生まれた少年、ライズ。だが「祝福の儀」で何の天職も授かることができなかった彼は、『神々に見捨てられた者』と蔑まれ、一族を追放されてしまう。
「天職なし。最高じゃないか」
しかし彼は逆にこの状況を喜んだ。というのも、実はこの世界は、前世で彼がやり込んでいたゲーム【グランドワールド】にそっくりだったのだ。
天職を取得せずにゲームを始める「超ハードモード」こそが最強になれる道だと知るライズは、前世の知識を活かして成り上がっていく。
【完結】魅了の魔法にかけられて全てを失った俺は、最強の魔法剣士になり時を巻き戻す
金峯蓮華
ファンタジー
戦に負け、国が滅び、俺ひとりだけ生き残った。愛する女を失い、俺は死に場所を求め、傭兵となり各地を漂っていた。そんな時、ある男に声をかけられた。
「よぉ、にいちゃん。お前、魅了魔法がかかってるぜ。それも強烈に強いヤツだ。解いてやろうか?」
魅了魔法? なんだそれは?
その男との出会いが俺の人生を変えた。俺は時間をもどし、未来を変える。
R15は死のシーンがあるための保険です。
独自の異世界の物語です。
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
妹が聖女に選ばれました。姉が闇魔法使いだと周囲に知られない方が良いと思って家を出たのに、何故か王子様が追いかけて来ます。
向原 行人
ファンタジー
私、アルマには二つ下の可愛い妹がいます。
幼い頃から要領の良い妹は聖女に選ばれ、王子様と婚約したので……私は遠く離れた地で、大好きな魔法の研究に専念したいと思います。
最近は異空間へ自由に物を出し入れしたり、部分的に時間を戻したり出来るようになったんです!
勿論、この魔法の効果は街の皆さんにも活用を……いえ、無限に収納出来るので、安い時に小麦を買っていただけで、先見の明とかはありませんし、怪我をされた箇所の時間を戻しただけなので、治癒魔法とは違います。
だから私は聖女ではなくて、妹が……って、どうして王子様がこの地に来ているんですかっ!?
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す
名無し
ファンタジー
パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。
竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります
しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。
納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。
ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。
そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。
竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。