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賢者とお姫様、暗殺者と協力する

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 俺とノアさんは王国を目指していた。
 ティーナは恐らく聖剣と神に魅入られている。それをどうにかしないともう元の関係には戻れない。
「ノアさんは実際どう思いますか?その悪神について」
「どうもこうも文献が残ってなさすぎるんですよ。私、一度聖王国について勉強する為に信仰している神について調べたことがあるんです」
「結果は芳しくなかったと」
「ええ。例えば農民の間で信じられている神は豊作や降雨をもたらす神というように信仰した結果がわかるものがほとんどです。ですが、聖王国の神についてはそれもわかりません」
「名前はわかっているんですか?」
「はい。確か聖王国を訪れた際にアルデバラン様に祈りをと言っていたのを覚えています」
「アルデバランですか....」
「聞き覚えがあるんですか?」
「いえ、ないはずなんですが不思議と聞いたことがあるような気もします」
「マギまでアルデバランに魅入られたら私1人ではどうにもできないので気をつけてくださいね」
「分かってます。『魅力耐性』を最大限自分にもノアさんにも付与しておきます」
「それがいいでしょう」
 悪神アルデバランなんていう存在をどうして聖王国は信仰するようになってしまったのだろう。そんな疑問を俺は抱いた。


「そういえばかなり昔の聖王国の文献を読みましたが昔はアルカイドという神を信仰していたらしいですね」
「アルカイドですか?」
「ええ、確か泣き叫ぶ少女の絵が至る所で残っていたとかで。今信仰されているアルデバランとは似ても似つかないと一時期言われてましたね。その噂もすぐ消えましたが」
「アルカイド....。こっちは明確に聞いたことがある気がします。どこでかまでは覚えてませんが」「もしかしたらアルカイドという神がこの状況をどうにかする鍵になっているかもしれません」
「そうですね。ティーナを見つけられなかったら昔のアルカイドの祠を探すの手ですね」 
 神に気軽に会うことは基本できないがこちらには聖剣もある。なんとか会うことぐらいはできるかもしれない。


 俺とノアさんは王都の入り口まで辿り着いた。ここまで何に襲われるでもなく、平和な旅路だった。
「もしかしたら思い過ごしだったのかも知れませんね」
「いえ、そんなことはありません」
 後ろから不意に聞き覚えのある声がする。これは恐らくラナさんだ。
「あら、ラナさん。それはどういうことですか?」
「聖女が聖剣を持ったまま行方不明になりました。そして王国と聖王国の狭間で聖騎士の死体が大量に発見されました」
「それがティーナの仕業であると?」
「ええ、恐らくは。しかしそう遠くまでは行っていないのも事実です。お二人共ここは協力してくれませんか?」
「元々それが目的で赴いたのです。いいでしょう」
「ではまず、王都近辺の森を捜索しましょうか。聖剣を持っているのであれば目立つはずです」
 こうして俺とノアさんにラナさんを加えた3人は聖女を探すことにした。
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