ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。

あずももも

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15章 「聖女」を巡る、人類と魔王の戦い@出海道

448話 【悲報・力が抜けるミラーボール】

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走り去っていくエリーたちを見送る魔王たちは――うつむいたサキュバスを眺める。

「――だから、異なりすぎる種族と番になるのは不幸なのだ」
「然り」

「魔王様の眷属となれば寿命など関係は無くなるのだが……そうでない世界の方が多い故、致し方あるまいて」
「しかし、この世界ももう傘下に収められるつもりなのでは? 聖女なる人間にいたくご執心のようだと……」

ざわざわ。

珍しい一行が去った――実はエリーたちについてきていたキマイラたちは、たらふくのおやつをもらう代わりにモフられていた――のを眺める魔王たち。

彼らは、魔に属する存在に対してはとことんに友好的だった。

「人間も寿命さえあればおとなしくなるものだしな」
「エルフみたいに怠惰になる代わりに驚くほど従順になる不思議な種族だな、人間というのは」

「逆に数十年の寿命のせいか、個体によっては恐ろしい進化を遂げるものよ」
「我もかつては……」

ざわざわ。
互いに高位だからこそ互いを畏れない彼らは、談笑にふける。

しかし、

「……だが、先の淫魔は……」

魔王たちの視線は――彼らの保護対象である、幼い見た目のサキュバスへ注がれる。

「良いのよ。私たち淫魔族は、人間と相性が良いんだから。……寿命の差は、無理なことも多い。でも、だからこそ美しいこともあるの。――そのうちまた素敵な恋ができるわ。ね?」

「………………………………」

少女は――なだれ込んだ情報に翻弄されながらも、何かを思案していた。





「「「………………………………」」」

彼女たちは「それ」を目にして硬直する。

「?」

「?」

「?」

それを理解――できず、首をかしげる。
よく見ると、メイドもやはりかしげている。

なんならその部屋で待機していたと思われる――近づかないで室内の隅に立ったままの彼女たちも、同時にひねっている。

だって、理解が追いつかないのだから――なにもかも。

【???】
【?????】
【なぁにこれぇ……】
【本当に……この、何……?】
【わかんにゃい……】
【なんだろうねぇ】
【わからないねぇ】

【もうやだぁぁぁ!! やだのぉぉぉぉ!!! ままぁぁぁぁ!!!】
【あははははははおだんごたべるのぉぉぉ!!】

【かわいそうに……】
【本当にかわいそうで……】
【ああ、鱗粉の耐性があったばかりにこんな配信観続けちゃって、摂取量が規定値を……】
【草】

【マジメな人って脆いよね】
【ああ、理不尽に対して抵抗しすぎて自壊するからな】
【こわいよー】

【考えるな、感じろ  じゃないと……やばい】
【脳が……踊る……】
【だってここ、ダンスホールだもん】
【踊らなきゃソンだよね】
【草】

――ずん、ずん、ずん、ずん。

重低音とノリノリの電子音が鳴り響いている。

【で……】
【ああ……】

ちかちかちかちかと、見ているだけでも脳を強制的に興奮させる光が、薄暗い空間を埋め尽くしている。

【これ、さ】
【おう……】

そしてミラーボールは――回転している!

ただし――直径が20メートルほどはありそうな、巨大な質量をたたえ、空中を浮遊しながら自転している「ミラーボール」が――不気味に、けれども無性に踊りたくなる何かを発しながら、静かに回転運動を行っている!

しかも巨大ゆえに、手を触れたら――人間なら間違いなくケガをする速度で!

近づくと風を切る音がすさまじい!

【こわい】
【こわいよー】
【こわすぎる】
【意味分からないものの方が怖いんだよ……】
【不気味なものが不気味な理由で不気味な静けさで回転している……】

【ユズちゃん……どうして……】
【なぁにこれぇ……】
【コミカルなのに恐怖しかない】
【草】

【あの、これ、歴史の授業とかで観たことあるんだけど】

【奇遇だな、俺もだよ】
【昔の映像とかで観たことある】
【年末年始とかのテレビで観た】
【なんだっけこれ  動画無限再生してるとき見たことある気がする】

【歴史……うっ(心停止】

【※ディスコブームは1975~1995くらいが最盛期です】
【※今はそういうとこに行かない人の方が多数派です】
【※ていうかその時代からも行ったことないわ】

【    】
【    】
【    】
【    】

【どうしてそんなこというの……どうして……】
【知ってる? 事実って人を傷つけるんだよ】
【そうだよな……ミラーボールなんて、もうほとんど……】
【今どきはクラブとか一部の場所にしか……】

【? マジで見たことないんだけど、なにこれ】

【悪意のないコメントが……】
【つらい】
【草】
【まーたユズちゃんが視聴者にダメージ負わせてる……】

【※推定10歳くらいのユズちゃんはブームの最後あたりでも、まだ生まれてもいません】

【あっ】

【       】
【       】
【       】
【       】

【むごいことを……】
【歳を取るのは悪いことじゃないんだ  ただ、メンタルへのダメージがすさまじいだけで……】
【もうやめたげてよぉ!】
【脳が……懐古する……】
【草】

「なー、エリー。あのキラキラきれーな玉、俺様も欲しいんだけど。でっかくてきれー! 宝石……ダイヤってやつか? 俺様もどっかで手に入れられるか?」

ぴょんぴょんと飛び跳ねるおやびんは楽しそうだ。

背中の羽もぱたぱたと、まるで柚希のような喜びっぷり。

この場面で――唯一の希望だった。

【かわいいね】
【かわいいね】
【もうこれで良いや】

【おやびんちゃん……おいしいもの食べな…… \5000】

【草】
【扱いがユズちゃんで草】
【だって、精神年齢≒ユズちゃんだし……】
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