ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。

あずももも

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8章 「ユズワールド」脱出と、新顔2匹/人と

252話 僕たちは魔族だったらしい

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「?」

僕の視界が傾く。

「?」
「?」

お母さんは半分魔族?

僕の視界が、反対側に傾く。

「?」
「?」

僕も、幼かったから似たようなもので?

もっかい反対側へ。

お母さんの頭もおんなじ方向へ傾いている。

「??」
「??」

そのせいでダンジョン適性が分からなかった?

もっかい反対側に――してたら、お母さんと目が合う。

「……?」
「……?」

お母さんの顔がもっかい傾いて、釣られて僕ももっかい傾く。

【かわいい】
【かわいい】
【なんにも分かってない顔が2つ】
【これが天国か……】
【何これ素敵】

【ふたりして右に左に首傾けててかわいいね】
【かわいいね】
【私知ってる、これ、犬とか猫がよく分からないもの見たときにするやつだよね】
【草】
【ダブルユズだからね、小動物だからね】
【やはり本能はそっちだったか……】

「???」
「???」

僕たちの目が、ぱっちりと合い続ける。

『分かる?』『ううん、分かんない』って。

バイト代から理不尽に引かれてた「控除」ってやつが書かれた紙を見ながらふたりして考え込んでたあのときみたいに。

「あの、すみません…………柚希先輩たち、ついてけてません」
「いえ、それはさすがに……ショックで動揺しているのでは?」

「ゆずきちゃーん」

ひなたちゃんが後ろからのハグを止めて、目の前にきて手をぱたぱたしてる。

「………………………………?」
「………………………………?」

でも、僕たちの目は合い続ける。

お母さんの具合悪かった理由がダンジョン?

お母さんが半分魔族?
僕もそんな感じ?

僕が今さら適性出たのもダンジョンのせい?

「………………………………???」
「………………………………???」

【これが噂の……!】
【ああ……!】
【喜べ、今回は2人分のなんにもかんがえてない顔だよ】
【贅沢な時間だな……!】
【草】

【ひどくない??】
【そうだよ、あやちゃんが言ったみたいに、きっと動揺してるんだよ】
【優しいなぁお前は……】
【女神かな?】
【草】

「……ユズ様たちに対する要らぬ警戒を起こさせないように説明だけ致しますね」

どたどたどたって音で、僕たちの意識が逸れる。

「ぜえ……ぜえ……お、お願いします……」
「ああ、柚希さんの居るときはいつもこうだ……」

【ああ、被害担当】
【月岡にプラスで教官のお姉さんもか】
【かわいそう】
【かわいそう】
【こういうときって、常識人かつ大人って大変よね……】

「?」

なんか思考がまとまらないままに見ると、なぜか息の荒い優さんと教官さんが居た。

しかも靴履いてるし……床、後で拭かないとなぁ。

【ダブルユズが音のする方向を見るだけのbotになってる】
【草】
【NPCかな?】
【今、思考が存在しないという意味ではまさしく】
【ひでぇ】
【草】

【ま、まあ、いきなり「お前は魔族だ」って言われたら誰だって……いやいや1分も2分もこれはないか……】
【草】
【追い打ち掛けてて草】

「こほん。 まず、魔族というのは単純に保有魔力――厳密には、貯蔵して1度に行使できる魔力の多い存在の総称です」

「エリーちゃん、それなら人間の魔族さんもいるの?」

「ええ、そうでございますひなた様。 多くの世界では、それらの存在は『勇者』『超越者』『英雄』『神人』などと呼称されているようです」
「へー」

僕たちはみんなの発言を追う。

なんとかその意味を理解しようと食いついているんだ。

「魔力の多い個体は、自然同種から好かれ、尊敬されます。 ゆえに、その種族の中でも高い地位に就き、多数を引き連れていることが多いのです」

「人間だと、健康そうな人は好かれやすい……とかありますけど、似たようなものでしょうか」

【なるほど】
【理央様が冷静だ】
【ユズちゃんのことだからね】
【大好きな女の子のことだからね】
【でもヘタレ……】
【草】

「それが魔物……モンスターですと、魔王軍を自称して他種族を征服する動機に繋がります。 基本的に、多くの世界は弱肉強食――力こそ正義ですから」

力こそ正義。

「………………………………?」
「………………………………?」

僕とお母さんの目が合う。

【マジかよ】
【てかエリーちゃんがこっちサイドに着いたおかげで情報がぽんぽん出て来るな】
【大丈夫? 研究者さんたち生きてる?】
【大丈夫大丈夫、何回か三途の川で爺さんに追い返されたから】
【草】

「こちらの世界でどのように呼ぶかは存じませんが……とにかく、お姉様が半分ほどその領域に至っているとは言いましても危険はない――と、魔族のワタシが言っても説得力はないかもしれませんが」

「いや、良いんだ……そんな嘘を言う必要もないからね……」
「柚希さんたちを言いくるめる方法ならいくらでもあったものね……」

【確かに】
【こういうとき、無駄に頭回ると大変そう】
【大変そう】
【かわいそう】
【かわいそう】

【今回ので月岡のヘイトがマイナスになるほどにかわいそう】
【草】
【「ユズちゃんたちを守ってやって」って応援が入るくらいだからなぁ、月岡の配信】
【「貴重な常識枠なの! ユズワールドに飲み込まれないで!」っていう懇願もな】
【草】
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