ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。

あずももも

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12章 気恥ずかしさと再スタート

361話 すってんてんになった  気がしてた

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「……お金って、儚いね」

ああ。
僕は淡い夢を見ていたんだ。

「そうだよね……僕がお金持ちなんて、やっぱりおかしいよね……」

ああ。
そうだよ、全てがあまりにもうまく行きすぎていたんだ。

「ごめんねお母さん……また今日から野菜オンリーだよ……」

ああ。
今夜は、僕、庭に生えてる雑草でも食べようかな。

味も臭いもえぐいけども、お腹壊すのと壊さないのを識別できるから最低限の栄養は採れる気がするんだ。

「家も……ダンジョンの前になっちゃったから、入れるかどうか……最悪は野宿だね……」

ああ。
なぜか家の前に、ド真ん前にダンジョンの入り口ができちゃったせいで、今はご近所さんが高額で買収されて立ち退きでのすごい勢いの工事が進んでいるらしい。

仮にお家に入れたとしても……騒音と振動で眠れないかもね。

「最近は野宿とかすると厳しいけど……ああ、バイト先の店長さんに甘えたらバックヤードでひと晩くらいなら寝られるかなぁ……」

ああ。
けども僕は長く続けてきたバイトを……途中でダンジョン関係のあれこれがあったにしても、シフトとか投げ出して急にやめちゃったんだ。

きっと怒られるだろう。
でも優しい人だから、きっとひと晩くらいなら……怒りつつも寝させてくれるはずだ。

「おまんじゅう……」
「きゅい?」

「……とりあえず毛、羊さんみたいに剃って食費の足しにさせてね……」
「!?」

この、白いもふもふ。
地肌はピンク色だったし、きっとピンク色にしっとりしたおまんじゅうになるんだろう。

「……そうすると、いよいよに本当のおまんじゅう……チキンの丸焼き……馬肉……」

「     」

「ふふ、ふふふふふ……」

「……あ、あの……えっと……」
「柚希先輩、元気出してください」

「そうだよ? ていうか普通にゆうちゃんに許可取ってもらって初心者ダンジョンに急げばふつーにふつーの夕ご飯食べられるだけ稼げるよ? ね?」

「え? ええ……と言いますか、柚希さん……」

「ひなたちゃん、2人とも、ありがとう……優さん、僕、施しとかは受けないって――」

「いえ、その。柚希さん……魔族討伐と魔王ミヅチ討伐の代金、まだ大半が計算できていませんし……今、預金口座が減っていたとしても、無一文とかではありませんよ?」

「だから………………………………え?」

「はい……といいますか、今後……その、討伐と功績に見合った金額の一時金と年金が、うちの国を始めとして複数の国からもらえるはずですし……」

「………………………………?」

???

こてん。

「う゛っ」

目の前で不思議そうな顔をしている優さん――あれ、なんで今発情し始めたの?

「……柚希先輩、とりあえず落ち着きましょう?」
「ゆうちゃんをかわいさで倒しちゃっても意味ないよ?」

「ほら、柚希さん……バリカンを手から離してあげましょう? おまんじゅうちゃんが怯えていますよ?」

「え? あ、はい……」

「きゅひ……」
「ぴ!」

いろんなことを考えて頭の中が止まりかけてる僕は……とりあえずで施しとかじゃないって分かったから、しぶしぶとお金のなる気になりそうなおまんじゅうを手放す。

「ええと……リリスモードには?」
「したくない……」

「では、現状認識からですね。柚希さん、周囲を見てみましょう?」

「周囲……」

おまんじゅうとチョコをお胸で圧迫しているあやさんの目線を追って、僕は周りを見る。

「装備品のお店……」

「そうですね。私たちは今日、装備を更新しに来ています」
「ひなたたち、初心者用のやつであんな大変な目にあったからぼろぼろだもん!」

たくさんの――かっこいい武器とか防具とかアクセサリーとかが置いてある、広いお店。

「………………………………」
「………………………………」

「……店員の人たちが、机で寝てる」

「違います……柚希先輩に……その……」
「かわいいことし過ぎちゃったから撃沈しちゃったんだよ?」

「?」

僕が?
なんで?

「……柚希さんは、もう少し……ご自分のかわいらしさを」
「僕はかわいくありません」

「でも――」

「そんなこと言う優さん、嫌いです」
「!?」

びくん、と跳ねて――真っ青になる優さん。
今日は――ああ、確かあやさんにせがまれて、しぶしぶでお淑やかな格好になってるね。

うん、これなら高身長でかっこいい系の女性の私服って感じになってる。

ちなみにあやさんもそっくり――そもそも優さんのはあやさんの服だけど、胸元と腰つきでシルエットは全然違っている。

あと優さんはショートであやさんはロングだし……あ、でも、優さん、最近伸ばしてきてるからぱっと見の印象も柔らかくなってきた気がする。

「ふ……ぐっ……っ」

「ゆずきちゃん。そういうのでキライとか言っちゃ、だめ」
「え、でも」

「ひなたね、聞いたの。優ちゃんみたいな、実は隠れたろりこんさんって人たちは、ゆずきちゃんみたいなことすると余計に効くんだって」

「効く?」

「ぐはぁっ」
「ほらね」

優さんが――うずくまってる。

しかも、匂いが――

「どう?」

「うん、はつじょ――」
「お願いですからせめて外でその発言はぁ!」

「……あー、優さん、女性が好きなのにハーレムの人たちには手を出していなかったのは……」
「ご友人たちは全員知っていたご様子でしたね。自制は効くとのことで問題はなかったようですし……今までは」

「大丈夫! 女神様のこと『たん』とか呼んだりヘンタイさんなことしてるお姉さんに比べたら――お医者さんにお願いして『きょうせい』しないで済むから!」
「ひっ……」

「?」

ひなたちゃん……ちょっと怒ってるけど、そこまでじゃない匂い。
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