元Sランク冒険者のお爺さんの残した遺品は、物凄い宝の詰まった指輪でした。

チョコクッキー

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第一章 始まりの数々

入寮と契約

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学園の図書室で粗方の資料を揃えるとアランと共に、学園の北側の森を雑談しながら歩く。

「この森のずっと先には、演習場にもなってる狩場があるそうだ。中々、手強い魔獣もいるらしいよ。」

ニコニコしながら歩くアランに畏怖などの感情は無い。同じクラスらしいが、記憶に無いのは俺が意識して居なかったからか?…。

「へぇ~、アランは、よく知ってるね。情報屋みたいだ。あは。」

「うん。結構いい線かも。」
枝を振りながら、歩くアランは、ただの平民には見えない。が【鑑定】では、おかしな情報もない。

暫くすると、木造三階建ての大きな寮が見えてきた。流石に国立だけあり立派な施設だ。

ドアを開けると、管理人室がある。

「へぇ~、こんな可愛い男の子が入ってくるとはねぇ。今年は当たりかしら。あはは。簡単な事は、案内状にも書いてあったし生徒手帳にも書いてあるさね。それ以外で分からない事が有れば、私に聞きな。寮母のマリアナさね。宜しくね。」

「ユウマ・フォン・ラゲットです。宜しくお願いします。」
軽く右腕を出し握手をすると笑顔を向ける。

「アラン・ピッツバーグです。宜しく。」

【鑑定】
マリアナ・フォン・グロッサ
ハーフエルフ※※※歳
寮母職
騎士(レベル100)傭兵(レベル75)魔術師(レベル100)
~称号~ 賢者見習い 緋の魔術師 
力  100(+※※※)
体力 100(+※※※)
魔力 100(+※※※)
素早さ 75(+※※※)
知力 100(+※※※)
運   82(+※※)
学園支給の服
サンダル
※※※※
アイテム レア 身代わりネックレス 
智識のイヤリング
昇運の指輪
魔法 火属性(極)水属性(極)土属性(極)雷属性(上級)
   闇属性(上級)聖属性(上級)
特技※※※※  ※※  ※※※※
※※を※※※※※する

均整のとれた体つきにエルフの緑の髪に少し長い耳、顔は、やはり若々しく歳通りには、見えない。

…何だろう。解らない所がある。こんなこと初めてだ…
ユウマにとって初めての事だが顔には出さない。

「さぁーて、新人も皆んな揃ったし晩御飯にするかねぇー。」
マリアナは、伸びをしながら食堂へと歩いていく。

「おぉー。流石に首席様。部屋は、3階の角部屋かぁ。いいな~。」
掲示板を見ながら、アランが声を漏らす。

「部屋なんて何処でも同じだろ?余り、気にするなよ。」
貴族出のユウマにとって、さしたる不満は無いのだが…

「両方に部屋があると必然的に声も両方から聴こえるだろ?試験の後なんか五月蝿いぜ…」

凹みながら部屋へと向かうアランの背中を意味が解らずに見送るユウマ。僅か2年の少しの苦痛位、我慢しろよ…………と肩で表現するのであった。

ユウマは、3階の部屋まで来ると魔力認証式のドアを触れ、魔力を流す。

「カチッ。」
すぐに反応して開いたようだ。少し警戒しながら中にはいる。

「おっと…あれが父上の運んでいたものか…。厄介なものを…。」
一見、ただの水晶玉のようだが、この世界の監視カメラである。

ユウマは、バレないように闇魔法 結界で覆い、幻影魔法をかける。

①朝、起きる→着替える→食事に行く→戻ってくる
②学園へ向かう→時間通り帰ってくる。机に向かう→食事に行く
③寝る→たまに、寝言や呼吸をわざとらしく入れる

以上である。

「他には、無いだろうな。」軽くあたりを見渡すと右目に魔力を集める。【魔眼】遺伝されたユウマの能力である。祖父より高性能で使い勝手もいいが、見た目にバレるので使う事が少ない。

おや…壁に結界を見つける。セバスチャンの魔力では無いし、先程の寮母アリアナとも違う。もっと、古式的な結界魔法だ。恐る恐る、手を伸ばし魔力を同調させる。パスを開き、中を見るためだ。そこには、妖精に似た生き物が眠っていた。

軽く指でデコピンする。

「痛いです。痛いです。何なんです?」
飛び起きたのは、部屋の守り人ルームドーラーであった。チンチクリンのモフモフ。可愛い。

「新しい住民だ。ユウマと言う。」
素早く抱きしめ、強く包容する。

「だー!やめて!」
ダークシルバーのフサフサの毛に短い尻尾。特徴的な三角形の耳にまん丸のお腹に短い手足。

「君の名前は?年齢は?今まで寝てたの?」
頬摺りしながら、謎のルームドーラーに問いかける。

「あ~!鬱陶しい奴が主になったです。拒否です。寝るです。とにかく、放すです!」
ルームドーラーをそっと両手を伸ばして抱えながら魔眼に魔力を込める。【契約・コントラクト】

「俺、ユウマと契約を命じる。」

「わかったでやす。私、モッフはユウマ様と契約致します。」
魔眼で強制的に契約を結ばれる事は、対等な魔力を有してないと拒否できない為、モッフは契約を結ぶしかなかった。

「さぁー、夕飯までゆっくりとお互いの自己紹介をしよう!」
ユウマは、モッフを両手で支えながらベッドへとダイブするのであった。

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