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いざ、学校へ

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…家から出て、まだ早い時間で人が居ない道を空腹で鳴るお腹を擦りながら歩く。

今頃彼女は私の分まで母の愛情たっぷりの暖かな料理を食べているだろうな…。

…本当は、私だって食べたいし幸せになりたい…でも、もう諦めた…何度転生する度に私なりに力を尽くしても結局は壊される。

家族からの着信…声を聞いてしまえば、決心が揺らぐからとれないよ…ごめんね…。

ようやく鳴り止めば、やはり彼女から心配を装った自慢LINEが来た。

[今日も顔出さないでいなくなっちゃってて、ママやパパにお兄ちゃん達と私もとても心配だよ~泣]

言葉と共に送られてきたのは、私が居なくて楽しくご飯食べている様子の家族団欒風景。

ちなみに、中学の頃から無理矢理交換させられ毎日いいねやコメントしてねと言われたSNSのには色んな家族との写真に毎日誰と何した、これプレゼントして貰った等の明らかに私はもう邪魔だとアピールだらけだ。

…今日中に住む所決めよう、幸い私には転生する度に身に付けた力や記憶と経験がある。

スマホをポケットにしまう。

コンビニに入ってサンドイッチとお茶を買って高校の近くのどこか寂しげな公園に入りベンチに座って食べる。

…いざ口に入れたらお腹すいてる筈なのに、食欲が消えてしまった…。

誰もいないのを確認してサンドイッチを置いて、煙草に火を付けて空を見ながら肺に入れる…また開きそうな悲しい記憶や気持ちを煙として吐き出す…。

神様、今日も私は生きてるよ…

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