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3.王と神殿
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あれから1週間
怪我もだいぶ回復し、聖力も全開になった。
今は侍女として付いてくれているラズとラピナが私のドレスを選んでくれている。
今日は国王への謁見と神殿での鑑定が行われる日。
「カノン様には青のドレスがいいです!」
「そんなことないわ、この白のドレスがいいに決まってるわ!」
この2人は姉妹らしくこの1週間あんな感じのやり取りが何回もあり、微笑ましいなって思って見ている。
「2人とも私はなんでもいいわよ」
「「それはダメです!」」
そんな時は息ぴったりなのに
「…じゃあ、今日は神殿にも行くし白のドレスにするわ。ラズごめんね」
「…はい、かしこまりました。」
「かしこまりました!」
そして、白のドレスにラズがヘアセットをしてくれて国王様の待っている王の間へ向かう。
「カノン。昨日ぶりだね」
「ウォルター様」
王太子殿下と出会ってから1週間たった今、私は毎日看病という名目で部屋へ通ってくれた王太子殿下・ウォルター様に心惹かれ、昨日婚約の了承をした。
「昨日のことが夢のようだよ」
「…夢なのは困ります」
「ふふ、そうだね。本当にカノンと婚約できて嬉しい」
「私もです。…では行きましょうか、」
今日、国王の謁見では私のここまでの経緯と住民になる許可そして婚約者になるという報告をする。
緊張しながらも扉が開くのをウォルター様と待つ。ウォルター様はなんともない顔をしているから頼もしい。
「ウォルター・アクアライト王太子殿下!
カノン・ティレーネ様!お入りください」
そう言われ私とウォルター様は1歩を踏み出した。
中に入るとそこにはウォルター様に似ているが威厳がある国王が玉座に座っていた。
部屋の中にいる重鎮貴族からの視線が針のように刺さり今すぐにでもこの場から逃げたくなる。
「そのものがカノン・ティレーネか、」
「はい。森の中で意識を失っていたところ私が保護を致しました」
「ほう、カノン嬢。表を上げ今までの経緯を説明していただけるか、」
「はい」
そしては私はウォルター様に伝えたことを伝え、そしてウォルター様には伝えなかった、シルジュ親王国で3年間聖女として仕事をしていたことも伝えた。
「聖女か、」
「はい、そして現在は召喚の儀で召喚された白鳥麗華様という方が大聖女となっています」
「…なるほどな、してカノン嬢は今後どうしたい」
「私はアクアライト帝国の国民としてこれからの一生を過ごそうと思っております」
私の今日伝えたいことは全て伝え、国民になる許可も国王から得た。
「父上、この場を借りてよろしいでしょうか」
「あぁ」
「では、失礼致します。
私、ウォルター・アクアライトはこちらのカノン・ティレーネ嬢と婚約をしたいと思っております」
「…婚約とな、その意味をわかっているのか」
「はい!カノン嬢は隣国で聖女としての身分があります。王妃になるには申し分ないかと思います。
そして、私個人的にカノン嬢をお慕いしています。カノン嬢と一生を共にできないなら王太子としての身分をも捨ててもいいと思っています!」
「な、!」
ウォルター様は何を言っているのか、
私が止めようと思ったら王が先に制した。
「覚悟はわかった。先まで隣国の者だった者を王太子の婚約にできるほど甘くは無い。
今日はこれで以上だ」
その王の一言で今日の謁見は終了された。
だが、今日は神殿での鑑定もある。
ウォルター様と共に馬車に乗り神殿へ向かう。
「…本気なのですか、身分を捨てるなんて」
「あぁ、王太子としてはダメな事だと思っている。だがカノンと共に生きていたい」
「…私もです。
お父様に認めて貰えるように頑張りましょう」
そんな話をしながら神殿につき、神殿では神官の方に迎えられ鑑定の間へ案内してもらった。
「ではこちらの水晶に手を置き、こちらの本をお持ちください」
この国では今ある能力が全て本に記されるらしい。
祖国では主能力と聖力、魔力のみ記されるからすごく楽しみ。
「わかりました」
そして、私は水晶に手を置いた。
目の前一面が暖かな光に包まれ、その光が鎮まった頃には全ての能力が本へも記されていた。
その本には…
全属性魔法(上位)
鑑定魔法(上位)
治癒魔法(中位)
聖魔法(中位)
魔力10万 聖力1万
となっていた。
それを見たウォルター様と神官は驚きの表情をしていた
「すごいね、規格外だ」
「え?」
「基本は1人1属性多くても2属性だ。
そして魔力は平均1万。
聖力なんてこの国では持っている人も半分ぐらいで聖力平均は5千。
あとは全て中位以上の能力ということ」
あ~なるほど。
私は平均をありえないぐらいに飛び越えているということ、
「…失礼を承知で申しますが、聖女様になっては貰えませんか?!」
「…え、」
そう言われた瞬間、私の中の聖女として過ごしてきた全ての記憶が蘇ってきた。
あんな思いもうしたくない……
そして目の前が暗くなった。
怪我もだいぶ回復し、聖力も全開になった。
今は侍女として付いてくれているラズとラピナが私のドレスを選んでくれている。
今日は国王への謁見と神殿での鑑定が行われる日。
「カノン様には青のドレスがいいです!」
「そんなことないわ、この白のドレスがいいに決まってるわ!」
この2人は姉妹らしくこの1週間あんな感じのやり取りが何回もあり、微笑ましいなって思って見ている。
「2人とも私はなんでもいいわよ」
「「それはダメです!」」
そんな時は息ぴったりなのに
「…じゃあ、今日は神殿にも行くし白のドレスにするわ。ラズごめんね」
「…はい、かしこまりました。」
「かしこまりました!」
そして、白のドレスにラズがヘアセットをしてくれて国王様の待っている王の間へ向かう。
「カノン。昨日ぶりだね」
「ウォルター様」
王太子殿下と出会ってから1週間たった今、私は毎日看病という名目で部屋へ通ってくれた王太子殿下・ウォルター様に心惹かれ、昨日婚約の了承をした。
「昨日のことが夢のようだよ」
「…夢なのは困ります」
「ふふ、そうだね。本当にカノンと婚約できて嬉しい」
「私もです。…では行きましょうか、」
今日、国王の謁見では私のここまでの経緯と住民になる許可そして婚約者になるという報告をする。
緊張しながらも扉が開くのをウォルター様と待つ。ウォルター様はなんともない顔をしているから頼もしい。
「ウォルター・アクアライト王太子殿下!
カノン・ティレーネ様!お入りください」
そう言われ私とウォルター様は1歩を踏み出した。
中に入るとそこにはウォルター様に似ているが威厳がある国王が玉座に座っていた。
部屋の中にいる重鎮貴族からの視線が針のように刺さり今すぐにでもこの場から逃げたくなる。
「そのものがカノン・ティレーネか、」
「はい。森の中で意識を失っていたところ私が保護を致しました」
「ほう、カノン嬢。表を上げ今までの経緯を説明していただけるか、」
「はい」
そしては私はウォルター様に伝えたことを伝え、そしてウォルター様には伝えなかった、シルジュ親王国で3年間聖女として仕事をしていたことも伝えた。
「聖女か、」
「はい、そして現在は召喚の儀で召喚された白鳥麗華様という方が大聖女となっています」
「…なるほどな、してカノン嬢は今後どうしたい」
「私はアクアライト帝国の国民としてこれからの一生を過ごそうと思っております」
私の今日伝えたいことは全て伝え、国民になる許可も国王から得た。
「父上、この場を借りてよろしいでしょうか」
「あぁ」
「では、失礼致します。
私、ウォルター・アクアライトはこちらのカノン・ティレーネ嬢と婚約をしたいと思っております」
「…婚約とな、その意味をわかっているのか」
「はい!カノン嬢は隣国で聖女としての身分があります。王妃になるには申し分ないかと思います。
そして、私個人的にカノン嬢をお慕いしています。カノン嬢と一生を共にできないなら王太子としての身分をも捨ててもいいと思っています!」
「な、!」
ウォルター様は何を言っているのか、
私が止めようと思ったら王が先に制した。
「覚悟はわかった。先まで隣国の者だった者を王太子の婚約にできるほど甘くは無い。
今日はこれで以上だ」
その王の一言で今日の謁見は終了された。
だが、今日は神殿での鑑定もある。
ウォルター様と共に馬車に乗り神殿へ向かう。
「…本気なのですか、身分を捨てるなんて」
「あぁ、王太子としてはダメな事だと思っている。だがカノンと共に生きていたい」
「…私もです。
お父様に認めて貰えるように頑張りましょう」
そんな話をしながら神殿につき、神殿では神官の方に迎えられ鑑定の間へ案内してもらった。
「ではこちらの水晶に手を置き、こちらの本をお持ちください」
この国では今ある能力が全て本に記されるらしい。
祖国では主能力と聖力、魔力のみ記されるからすごく楽しみ。
「わかりました」
そして、私は水晶に手を置いた。
目の前一面が暖かな光に包まれ、その光が鎮まった頃には全ての能力が本へも記されていた。
その本には…
全属性魔法(上位)
鑑定魔法(上位)
治癒魔法(中位)
聖魔法(中位)
魔力10万 聖力1万
となっていた。
それを見たウォルター様と神官は驚きの表情をしていた
「すごいね、規格外だ」
「え?」
「基本は1人1属性多くても2属性だ。
そして魔力は平均1万。
聖力なんてこの国では持っている人も半分ぐらいで聖力平均は5千。
あとは全て中位以上の能力ということ」
あ~なるほど。
私は平均をありえないぐらいに飛び越えているということ、
「…失礼を承知で申しますが、聖女様になっては貰えませんか?!」
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