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魔王の天敵
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シュウ達のいる空間は、いつの間にやら天井も壁も床も、全てが黒に染まっていた。
まるで暗闇に飲み込まれたような感覚に陥ったが、本当の恐怖はこれから始まるのだから、シュウは気が抜けなかった。
「多分、対象は彼だ」
ジーラがじっとルドルフを凝視する。
確かにこの空間において、もっとも弱い・・・というか弱らせられていると思われるのはルドルフだ。
ミケランジェロは恐怖に怯えてこそいるが、ルドルフよりはずっと健常なので、古の魔王とやらが憑りつくとしたら、やはりこの場では一人しかいない・・・その場にいた皆がそう思っていた。
だが、実際に古の魔王が憑りつく対象に選んだのは、ルドルフではなかった。
「・・・一体、あいつら何をやっているんだ・・・?」
シュウ達の様子をこっそりと見ていたマルスは、いつの間にか古の魔王が迫っていたことにギリギリまで気が付かなかった。
『ほう・・・肉体のレベルは低いが、心は素晴らしいほどに邪な気に満ちた持ち主だ』
「だ、誰だ!?」
突如、頭の中に直接響くような声がしたかと思うと、マルスはすぅっと意識が遠くなっていく感覚に襲われた。
「一体・・・何が・・・?」
『喜べ。お前の体を余が使ってやろう。お前ほどの邪悪な心の持ち主であれば、私の力を思う存分に発揮することが出来るだろう。余の復活のための礎となることが出来ることに感謝するが良い』
マルスの疑問に答えるように、頭の中に声が響く。
そう、古の魔王が憑りつくことにしたのは、シュウ達が気付いていなかった存在・・・マルスだった。
あの場においては満身創痍のルドルフより更に弱い人間であり、かつ邪悪な心の持ち主だから・・・という理由もあるが、実際はちょっとだけジーラに滅されるのを恐れた魔法が、彼らに気付かれぬ相手を選んだというのが要因としては大きかった。
深層階でジーラと戦ったことで彼女に怯えている、意外と小心者な魔王である。
「お、おおおおおぉぉぉぉ!!」
ある意味消去法で選んだようなマルスだったが、魔王は彼の持つ意外なほどの適正に驚いた。
この魔王、憑依した相手の肉体のレベルで強さが決まるのではない。依り代がどれだけ邪な心を持ち、汚れているかが肝だった。
「これなら、これなら勝てる!余が再び地上に返り咲くことが・・・!」
勝利を確信し、歪な笑みを浮かべるマルスを、彼が雇っていた冒険者が怪訝な目で見ていたときだった。
突如、マルス(魔王)の肩を何者かがガッと掴んだのだ。
「無礼者!余を何だと心得る!!」
マルス(魔王)が振り向くと、そこにいたのは何と魔物じじいだった。
「・・・あ・・・」
マルス(魔王)は戦慄する。
「お前、なんだ古の魔王だったか。いつの間にか逃げ出したんか?悪いやっちゃのう・・・」
ニッコリと笑う魔物じじい。
彼は気まぐれでスライムの研究の手を一旦止め、小休止しようと出てきていたのだった。
「そういえばお前、人に憑依したときのデータは取ってなかったのう。ちょうど良い。これから調べてみるかの!」
「ちょ、まっ・・・!」
強力な力を得たはずなのに、マルス(魔王)は逆らうことが出来ずに、あれよあれよ言う間に連れられていった。
まるで暗闇に飲み込まれたような感覚に陥ったが、本当の恐怖はこれから始まるのだから、シュウは気が抜けなかった。
「多分、対象は彼だ」
ジーラがじっとルドルフを凝視する。
確かにこの空間において、もっとも弱い・・・というか弱らせられていると思われるのはルドルフだ。
ミケランジェロは恐怖に怯えてこそいるが、ルドルフよりはずっと健常なので、古の魔王とやらが憑りつくとしたら、やはりこの場では一人しかいない・・・その場にいた皆がそう思っていた。
だが、実際に古の魔王が憑りつく対象に選んだのは、ルドルフではなかった。
「・・・一体、あいつら何をやっているんだ・・・?」
シュウ達の様子をこっそりと見ていたマルスは、いつの間にか古の魔王が迫っていたことにギリギリまで気が付かなかった。
『ほう・・・肉体のレベルは低いが、心は素晴らしいほどに邪な気に満ちた持ち主だ』
「だ、誰だ!?」
突如、頭の中に直接響くような声がしたかと思うと、マルスはすぅっと意識が遠くなっていく感覚に襲われた。
「一体・・・何が・・・?」
『喜べ。お前の体を余が使ってやろう。お前ほどの邪悪な心の持ち主であれば、私の力を思う存分に発揮することが出来るだろう。余の復活のための礎となることが出来ることに感謝するが良い』
マルスの疑問に答えるように、頭の中に声が響く。
そう、古の魔王が憑りつくことにしたのは、シュウ達が気付いていなかった存在・・・マルスだった。
あの場においては満身創痍のルドルフより更に弱い人間であり、かつ邪悪な心の持ち主だから・・・という理由もあるが、実際はちょっとだけジーラに滅されるのを恐れた魔法が、彼らに気付かれぬ相手を選んだというのが要因としては大きかった。
深層階でジーラと戦ったことで彼女に怯えている、意外と小心者な魔王である。
「お、おおおおおぉぉぉぉ!!」
ある意味消去法で選んだようなマルスだったが、魔王は彼の持つ意外なほどの適正に驚いた。
この魔王、憑依した相手の肉体のレベルで強さが決まるのではない。依り代がどれだけ邪な心を持ち、汚れているかが肝だった。
「これなら、これなら勝てる!余が再び地上に返り咲くことが・・・!」
勝利を確信し、歪な笑みを浮かべるマルスを、彼が雇っていた冒険者が怪訝な目で見ていたときだった。
突如、マルス(魔王)の肩を何者かがガッと掴んだのだ。
「無礼者!余を何だと心得る!!」
マルス(魔王)が振り向くと、そこにいたのは何と魔物じじいだった。
「・・・あ・・・」
マルス(魔王)は戦慄する。
「お前、なんだ古の魔王だったか。いつの間にか逃げ出したんか?悪いやっちゃのう・・・」
ニッコリと笑う魔物じじい。
彼は気まぐれでスライムの研究の手を一旦止め、小休止しようと出てきていたのだった。
「そういえばお前、人に憑依したときのデータは取ってなかったのう。ちょうど良い。これから調べてみるかの!」
「ちょ、まっ・・・!」
強力な力を得たはずなのに、マルス(魔王)は逆らうことが出来ずに、あれよあれよ言う間に連れられていった。
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