追放の破戒僧は女難から逃げられない

はにわ

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魔物じじい・ちょっと怖い話

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ルドルフの襲撃が起きてから十日後・・・

ついに魔物じじいが研究を終えてやってきた。


「今回は随分お早いですね・・・」


十数日も研究に籠っておいて早いというシュウの発言に、本来ならもっと時間かけてたんかいとフローラが唖然とする。


「今回はそれほど時間をかけるわけにいかなくての。早めに切り和えて来たんじゃ」


「「えっ!?」」


早めに切り上げたという魔物じじいの発言を聞いて、シュウとオーガ君が思わず揃って声を上げた。
例え世界の終わりが訪れても、魔物じじいは自分の研究に対する情熱を第一に大事にしそうだと思っていたからだ。
だが、次に来る魔物じじいの言葉は、シュウを更に驚愕させることになった。


「例のスライムがの、ちっとばかしヤバいんじゃ」


「えっ・・・」


眉を寄せて語る魔物じじいは、研究後はいつも興奮気味にいろいろと語りだすのがシュウの知る姿だった。
だが、今の魔物じじいの態度はシュウ達の知るそれとはかけ離れている。


(研究を頼んだスライムが、そんなにヤバいのか・・・?)


自然とシュウは佇まいを直し、ゴクリと唾をのんで魔物じじいの次の言葉を待った。
フローラも空気を読み、特に言葉を挟もうとしない。それはいつもシュウにべったりでフローラを刺激しているジーラも一緒だった。


「ほれ、ちょっと前に古代の魔王とやらが檻から脱走して人間に憑りついておったじゃろ?例のスライム、研究しながらどこかで見たと思っていたんじゃが、その魔王と似た組織で形成されておったことに気付いたんじゃ」


古代の魔王・・・脱走したことで騒がせてくれたが、最終的にはいつの間にか魔物じじい宅に侵入していたマルスに憑りつき、彼ごと魔物じじいに連れていかれた哀れな存在・・・というシュウの印象だった。


「で、結論を言うと、このスライムはどうあっても消滅させることが出来ん。産んだら産みっぱなし。例の魔王と同じじゃ。本当の意味で始末に負えんぞ」


そう言って、魔物じじいは封印の施されてスライムの閉じ込められた瓶をテーブルの上にゴトリと置く。


「燃しても水蒸気からやがて元の形に戻り、聖属性の魔法で消滅させてようとしても小さなカスが残って、そこからやがて再生する。どれだけ小さくしても復元し、決して弱ることも消滅することもない。正直この存在を消すのは不可能じゃ」


消しても消えない存在。
それだけでも驚愕する話だが、続く魔物じじいの話は更にシュウを混乱に陥れた。


「しかもこれ、量産しやすいようにするためなのか極めてシンプルに構築されておる。これ作ったやつはこのスライムをひたすら量産するつもりのようだが、今のうちに手を打っておかんととんでもないことになるぞ。魔王なんて目じゃないくらいのな。笑えるじゃろうハハハ」


そう言って魔物じじいは本当に笑うが、シュウは冗談でも笑うことが出来なかった。
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