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婚約は認めない
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「そ、それは・・・」
ダリスの言葉に、初めてバレスが意見をしようと口を開いた。
しかし、それは鋭いダリスの眼光によって遮られ、バレスはそれ以上口を開くことが出来なかった。
「私が・・・王に相応しくないと、そうおっしゃるのですか!?」」
バレスとは対照的に口がよく動くのはラルスだ。
無理もない。約束されていたはずの自分の未来が、今大きく変動しようとしているのだから。
「私が思うに、ラルスがもし玉座に就くことになれば、遠からず国は滅びの道を辿るだろう。まぁ、既に滅びの道に進んでいる可能性もあるがな。他でもないラルス、お前のせいでな」
既に滅びの道を進んでいる可能性があるとは、ショウの追放のことを責めてのことだろう。
また・・・ショウ。またショウのことだ!
ダリスは孫であり王族である自分よりも、たかが辺境伯家であるショウに重きを置いている。祖父はボケてしまったのではないか?ラルスはそうとしか考えていなかった。
「そんなわけでラルス。お前のルーベルト嬢との縁談を認めるわけには断じていかぬ。婚約者であるショウ・ルーデルを謀略で排除したお前が彼女と婚約したとあっては、王家の国民からの信頼を地の底まで落とすことになる」
「は・・・?ですからそれはあくまで噂であると・・・」
「あまり私を侮るなよ。ことの次第は全て耳に入っている」
元から真相は知っていたと、ダリスはそう言った。
ラルスの言葉を聞いてはいたが、全く信じてなどいなかったのだ。
それに気付いたラルスは羞恥と怒りで顔を真っ赤にさせた。
「それから辺境伯というのをあまり甘く見るなよ。例えばハルトマン家だ。もうすぐそこまでお前の寝首をかきに迫っているぞ。まぁ、お前だけでなく、王家そのものとの戦争になりかけているが」
「・・・え?」
ハルトマン・・・ショウと親睦を深めていたアーヴィガ・ハルトマンが寝首をかきに来る?
ラルスはダリスの言葉の意味がすぐには理解できなかった。
「正直なところラルス・・・お前一人の首を差し出して済むのなら、すぐにでも差し出したい気持ちだ」
「な、なんですって!?」
この言葉にはラルスも激昂するが、ダリスは取り合う様子もなく
「もうよい、伝えることは伝えた。ラルスは席を外せ」
手でしっしっと外に追いやるジェスチャーをしてそう言った。
「・・・は?」
「二度は言わん」
ダリスはラルスに退室を促した。
それは有無を言わせぬ迫力があった。
しかしそこで引き下がるわけにはいかないラルスはなおも食い下がろうとする。
「な、なにをする!?」
ダリスの目線を受けた兵士達が、左右からラルスの腕をそれぞれ取って力ずくで引きずっていく。
「無礼であろう!放せ!私を誰だと思っている!!」
そう叫ぶが、この場にいる兵士は皆ダリスの命令しか聞かないようになっている。
叫ぶラルスに全く怯みもせず、兵士達は彼を力づくで部屋の外まで連行した。
ラルスがいなくなると、静まり返った部屋の中では再度重苦しい空気が漂った。
「さて、バレスよ。お前とは話したいことが山のようにある」
先ほどまでのことなど無かったかのように気を取り直したダリスが、ニコニコと笑顔でそう言った。
バレスはプレッシャーのあまり意識を失いそうになった。
ダリスの言葉に、初めてバレスが意見をしようと口を開いた。
しかし、それは鋭いダリスの眼光によって遮られ、バレスはそれ以上口を開くことが出来なかった。
「私が・・・王に相応しくないと、そうおっしゃるのですか!?」」
バレスとは対照的に口がよく動くのはラルスだ。
無理もない。約束されていたはずの自分の未来が、今大きく変動しようとしているのだから。
「私が思うに、ラルスがもし玉座に就くことになれば、遠からず国は滅びの道を辿るだろう。まぁ、既に滅びの道に進んでいる可能性もあるがな。他でもないラルス、お前のせいでな」
既に滅びの道を進んでいる可能性があるとは、ショウの追放のことを責めてのことだろう。
また・・・ショウ。またショウのことだ!
ダリスは孫であり王族である自分よりも、たかが辺境伯家であるショウに重きを置いている。祖父はボケてしまったのではないか?ラルスはそうとしか考えていなかった。
「そんなわけでラルス。お前のルーベルト嬢との縁談を認めるわけには断じていかぬ。婚約者であるショウ・ルーデルを謀略で排除したお前が彼女と婚約したとあっては、王家の国民からの信頼を地の底まで落とすことになる」
「は・・・?ですからそれはあくまで噂であると・・・」
「あまり私を侮るなよ。ことの次第は全て耳に入っている」
元から真相は知っていたと、ダリスはそう言った。
ラルスの言葉を聞いてはいたが、全く信じてなどいなかったのだ。
それに気付いたラルスは羞恥と怒りで顔を真っ赤にさせた。
「それから辺境伯というのをあまり甘く見るなよ。例えばハルトマン家だ。もうすぐそこまでお前の寝首をかきに迫っているぞ。まぁ、お前だけでなく、王家そのものとの戦争になりかけているが」
「・・・え?」
ハルトマン・・・ショウと親睦を深めていたアーヴィガ・ハルトマンが寝首をかきに来る?
ラルスはダリスの言葉の意味がすぐには理解できなかった。
「正直なところラルス・・・お前一人の首を差し出して済むのなら、すぐにでも差し出したい気持ちだ」
「な、なんですって!?」
この言葉にはラルスも激昂するが、ダリスは取り合う様子もなく
「もうよい、伝えることは伝えた。ラルスは席を外せ」
手でしっしっと外に追いやるジェスチャーをしてそう言った。
「・・・は?」
「二度は言わん」
ダリスはラルスに退室を促した。
それは有無を言わせぬ迫力があった。
しかしそこで引き下がるわけにはいかないラルスはなおも食い下がろうとする。
「な、なにをする!?」
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「無礼であろう!放せ!私を誰だと思っている!!」
そう叫ぶが、この場にいる兵士は皆ダリスの命令しか聞かないようになっている。
叫ぶラルスに全く怯みもせず、兵士達は彼を力づくで部屋の外まで連行した。
ラルスがいなくなると、静まり返った部屋の中では再度重苦しい空気が漂った。
「さて、バレスよ。お前とは話したいことが山のようにある」
先ほどまでのことなど無かったかのように気を取り直したダリスが、ニコニコと笑顔でそう言った。
バレスはプレッシャーのあまり意識を失いそうになった。
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