国外追放者、聖女の護衛となって祖国に舞い戻る

はにわ

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ダグラスの躍進

ダグラスは国の秘密研究機関『魔法研究所』にスカウトされた。
極秘研究に勧誘されたのはダグラス自身の類稀なる魔法学への熱意と、その知識を買われた面もあるが、才女であるブレアの存在も大きかった。なぜなら魔法研究にはテスターとなる優秀な魔法使いの存在が必要だからだ。
熱意ある魔法研究者である夫、極めて高い才のある魔法使いである妻。この夫婦に目を付けられるのは必然といえば必然と言えた。それもダグラスは魔法によって名を上げたいと躍起になっていたから尚更だった。

ダグラスはこの話に一も二も無く食いついた。魔法学の最先端に携われることに至高の喜びを感じたからだ。そうなると妻ブレアも彼の意に沿い、夫婦は揃ってスカウトを受け入れることになった。


ダグラスは魔法研究所で頭角を現す。
まず死人の種を使った研究に関しては周囲の誰もが思っていた以上に簡単に受け入れた。元々魔法についての勉強をしていく中で、死人の種という存在が魔法学の研究に多いに役に立つという知識はあったのである。禁忌の研究であることは認識しつつも、彼はそれを嫌悪することなく積極的に研究に取り組んだ。
魔法使いとしては才能の無かったダグラスだったが、熱意と積み重ねた知識が生かされて魔法学の研究に関しては成果を出していく。
魔力を回復させる薬マナ・ポーションの効力を上げることに成功したり、より効力のある新たな別のポーションの開発をしたりと当人ですら想像しえなかったほどには研究所では活躍をしてみせた。

そして、ダグラスはそこから更に一歩飛躍した成果を出そうとしていた。
それが魔法力の強化研究である。

人間の魔力の適正は生まれ持った素質が大きく影響し、予め定められた適正以上には魔力はその人間に馴染まない・・・とされていたのが常識であった。
その常識を覆し、適正を越えた魔力を人体に馴染ませるようにし、魔法の使えない人間は使えるように、使える人間は更に強力な魔法を使えるようにと人体改造をするという研究がなされ、理論までは完成した。後は実験をするのみだった。


「ブレア・・・何も君がやることは・・・」


被検者は誰にするか、それについてダグラスは当初揉めた。
まずは魔力適正を持たぬ人間に、魔力が宿るようになるかの実験からだとダグラスは主張したが、国はブレアを被験者にしろと要求してきたのだ。
才ある強力な魔法使いを更に強力にする・・・これが成功すれば、ランドールは今ある魔法強国の立ち位置から更に一歩前進することができるだろうからだった。

ダグラスは悩んだ。抵抗した。
理論は完成していたつもりだったが、それでもどこかに穴があるかもしれない、言いたくはないが、最初に大事な身内に被験させるのは気が咎めたのだ。

だがブレアは言った。


「ぜひ、私を使ってくださいまし。私は貴方のお役に立ちとうございます」


最終的に、ダグラスは折れ、ブレアを最初の実験の被験者とすることに決めた。
ダグラスはこの決断を後悔することになる。

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