戦隊ヒロイン16

うかかなむらる

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第50話『杏銀大学附属小中学校合同体育祭 第6回』

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 さぁ、戦いの始まりだ!
アナ「現在、黄組が1位です。しかし、青組も抜きそうです!赤組、頑張ってください!」
赤組がビリか……まぁ、まだ最初だから。
アナ「さぁ、次の走者にバトンが渡ります。おおっと!ここで赤組が青組を抜きましたーーーー!」
そう、2番目の子から急に速くなるから。大丈夫大丈夫。
アナ「しかし、黄組、速いです!」
ほんと、黄組が手強いわ……。その後も、黄、赤、青のまま、私の前の走者に、バトンは渡った。あ……み、みんなが見てる……戦隊ヒロイン関係者のみんなが見てる……さぁ、来たっ。前走者の「田中さんっ!」の声で、私は一気に駆け出した。
「はいっ!!」
バトンを受け取り、そのまま加速!黄組の子が近づく。い、行ける!追い越せる!!と、その時。
春軍「明乃ちゃーーん!」
夏チ「頑張ってーー!」
グパ「行けーー!」
冬軍「越せるよーー!」
みんなが応援してくれてる……そう、そうだよ!この声で私は、頑張れる!!
賢「行けーねぇちゃーーんっ!」
翼「黄組を追い越せーーー!」
行けるっ!あと、もう少しで!

アナ「越しましたーーーっ!現在、赤組が1位です!」

よしっ!やったっ!そして。
明「はいっ!!」
アンカーの背中を見送りつつ、クラスのリレー選手の列に戻る。
「お疲れー!!」
「やったね!明乃ちゃん!」
「やっぱりさすがー!」
「早かったよー!」
 無事、赤組が1位、2位はなんと青組、そしてはじめは1位だった黄組がまさかの3位という波乱の展開を魅せた。
 第10、11種目はスルーするとして、最終種目は色別対抗リレー。各学年から2人ずつ出場する。田中家が共演の唯一の競技。
賢「姉ちゃん、負けないからね。」
明「何?聞こえないんだけど。」
賢「ふふっ。」
毎年同じ、このやりとりをする。今年もこのやり取りができて良かった、のかな。
「位置について、用意の姿勢」

パァンッ

アナ「スタートしました!最初にリードしているのは、青組です!赤組、黄組と続きます。」
くー、青組ぃぃ。っていうか、あの青組の子、小1で相手は小2、3年なのに1位とか、すげぇ。
アナ「次の走者にバトンが渡りました。青組、ぐんぐんと赤組を突き放します!」
うおー!小1、速い~!
アナ「次の走者です!青組、すごく速いです!」
うわっ、賢大だぁ!!相変わらず速い!そして、もう1人の小6の子も速くて、結局順位はそのまま。
アナ「さぁ、ここから走者が中学生に移ります。おっと!ここで黄組が赤組を追い越しそうです!がしかし!赤組が負けじと突き放す!」
あーっ!負けるなー!よし……来たっ!
「はいっっ!!!」
一生懸命、青組との距離が少しでも縮むように走る。行け、行け!越されないように、追い越せるように……!

 校庭が静まり返る。
アナ「ただいまより、閉会式を始めます。一同、礼っ。」
体育祭が、今年も終わりを迎えた。
アナ「成績発表。得点を発表します。得点板に注目してください。」
神谷先輩の声で、全員が得点板の方を向く。
アナ「青組……1 3 5点。赤組……1 3 4点。」
あっ。
アナ「黄組……1 3 」
賢大と翼くんが優勝してっ……!
アナ「8点!優勝は、黄組です!」
あ……。黄組の列が"わぁっ!"と湧いた。青組には、悔し涙を流す者、悔しくて怒る者、ただただ静かに悔しがる者、色々いた。ちなみに赤組はといえば……
友「悔しいねー。」
明「黄組に負けるとは思わなかったわ。」
友「ねー、ほんと。来年こそは勝ちたいね!」
うん、平和。まだ来年がある、っていう余裕ね。
アナ「注目、直れ。以上で、成績発表を終わります。」
全員がまた、前を向き直す。
アナ「優勝旗、授与。引き続いて、校長先生のお話です。」
黄組の応援団長さんが、朝礼台の方に走って行く。
小学の校長先生「優勝おめでとう。」

パチパチパチパチパチ

色々な感情の拍手が校庭に響き渡る。
小「まずは、皆さん1日お疲れ様です!そして、黄組の皆さん、優勝おめでとうございます。1年生は初めての体育祭、6年生、中学3年生は最後の体育祭でしたが、どうでしたか?優勝は逃してしまいましたが、皆さんの輝きが、先生には眩しく感じました。赤組の皆さんは、体育祭にも慣れ、伸び伸びと自分の力を出し切って-うんたらかんたら-でした。」
校長先生のそこそこ長いお話が終わり、いよいよ最後の最後。
アナ「万歳三唱。」
PTA会長さんが音頭をとる。
PTA会長「ばんざーい!ばんざーい!ばんざーい!」
そして……
中学の校長先生「以上持ちまして、第132回杏銀大学附属小中学校合同体育祭を終了させていただきます。」
アナ「一同、礼!」
2学期の大きな行事の1つに、終止符が打たれた。

 総勢約20人での帰路。
賢「はぁー。悔しー!」
翼「黄組に負けるとは思ってなかったわ。」
明「それな。青組が勝つと思ってたなー。」
ス「いや、しかし!!若さを感じたねー!」
チ「青春、という感じでしたね。」
グ「眩しい眩しい。」
パ「私たちは、人間ほど盛大に体育祭というものをしませんしね。」
ペ「ほんとよねー!」
ロ「1から4時間目まで、とかだもんね。」
オ「1日中ずっと体育祭ってどんな感じなんだろ。」
冬「妖精は運動会、小さいんだねー!」
武「っていうことは、5、6時間目は普通に授業なんでか?」
グ「そーだねー。授業だよね?」
ス「だから、ただ単にだるい日って感じ。」
オ「だよねー。」
夏「私も去年までは体育祭あんまり好きじゃなかったけどね。」
翼「僕も。」
は「私は好きだなー。」
翔「授業が無いからだろ?」
は「うん、そーそー!」
ロ「さすがだわ、はるちゃん。」
こんな、みんなの話を後ろから聞きながら歩いた。すごい、人がいっぱいいる……。私は、1人で立ち止まる。
夏「……明乃ちゃん?」
明「み、みんなっ!」
みんなが振り返り、立ち止まる。
明「きょ、今日は!……来てくれてありがとう!!」
言えた。ずっと言いたかったこと。
賢「あ、ぼ、僕からも!ありがとうございます!」
企画してくれたであろう大人たちが、ものすごい優しい目で私たちのことを見た。嫌ぁ~恥ずかしいっ!
グ「どういたしまして!!」

『今日はちょっと特別だからさ。』

うん。本当に。きっと、この日のことは絶対忘れない。走っているときに聞こえてきた、私を応援する声。恵まれてるんだなぁ、私。私たちは、また各自の家に向かって歩き出した。
グ「アプリコット、来られなくて残念だったね。」
チ「そ、そうですねー。」
一瞬、ほんの一瞬だけ……夏湖ちゃんの瞳が曇った気がした。お、思い違いかな?
 夜。翼くんからメールが届いた。
『やっほ。どう?今日は、ビックリしてくれた?僕もドキドキしてたんだ。
今日という日が、明乃ちゃんにとって特別な1日になっていますように。
ちなみにだけど、お弁当に入っていた卵焼き、僕が作ったやつです。バレなかったみたいで良かった。
それじゃ、また来週の朝に会いましょ。おやすみ~。』


*本日の主要人物紹介*
・田中明乃
・田中賢大
・高畑翼
・春軍
・伊藤チェリー
・谷口夏湖
・高橋グレープ
・冬軍
・後輩妖精(加藤アプリコットを除く)

☆次回☆
『大切な人は…』
久々にケンカーズ4が登場!!



『杏銀大学附属小中学校合同体育祭 』完

To be continued…
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