戦隊ヒロイン16

うかかなむらる

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Winteror

第97話

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 今日も僕より先に家を出て、僕より後に帰ってくる。
「おかえり。」
僕は夜ごはんを準備して帰りを待つ。
「ただいま!」
ごはんを見て、目を輝かせる。
「いただきます。」
ふたりでごはんを食べる。代わり映えのない日々。周りの子どもたちが目まぐるしく成長していくのを、僕たちは見守る。変化を求めない性格。こんな僕が、君の配偶者で良いのだろうか、と思う時がある。そんな事を言っても君は、
「なんでそんなこと言うの!」
って笑ってくれるんだろうけど。

 夜11時。夜ごはんを食べて、リビングでくつろぐ。
「……梨子ちゃん、疲れてる?」
「えっ、分かるの?」
「うん。お疲れな顔してる。」
そう言って、みっくんは私の頭を撫でた。
「部活で、問題が起きてさ。」
「ありゃ。」
「1年の無断欠部に副部がブチ切れたらしくて、部長が私に助けを求めてきた。そんなの自分たちで解決してよ、ってちょっと思っちゃった。」
「高校生だもんね。」
「うん。たかが高校生で無断欠部とか調子乗ってんのって感じだし、副部もそれごときでブチ切れる意味、って感じ。」
イライラした。なかなか強くならないし、仲は悪いし、幽霊部員も多いし。
「……はぁ。顧問なんて断れば良かった……。」
涙が出そう。私は、みっくんの膝に寝そべった。
「梨子ちゃん、膝枕好きだよね。」
「うん、好き。」
「僕もう梨子ちゃんの頭の感触覚えたもん。」
「嫌じゃない?」
「嫌なわけない。しっかり者の梨子ちゃんが、本当は甘えん坊さんなの、僕はよく知ってるから。」
「……えへへ。」
「またテニス部員がやらかしたら、僕に愚痴ってね。」
「……ありがと。」
私のネチネチした愚痴を、みっくんは嫌な顔ひとつせずに聞いてくれる。うんうんって頷いて、梨子ちゃん頑張ってるねってなでなでしてくれる。優しさで私が消えてしまいそうなくらいに優しい。私はそんなあなたに頼りっぱなしなのに。家事もしないのに。あなたが私と居て、メリットなんてあるのかなぁって、こんな私があなたの配偶者で良いのかなぁって思う時がある。そんな事を言ったらあなたは、
「そんなの僕のセリフだよ。」
って微笑んでくれるんだろうけど。
「もう寝よっか。」
みっくんが、私の目尻を撫でながらそう言った。
「……梨子ちゃん。無理はしないでね。お仕事が大変そうで、僕は心配。」
みっくんの優しい声に、涙が出た。あ、だからみっくんは私の目尻を撫でたのか。
「よしよし……。」
みっくんのお腹に顔を埋める。
「大丈夫大丈夫。梨子ちゃんなら大丈夫だよ。」
この無責任で根拠のない慰めが、いつも私の心を軽くする。過多に私に期待して、私を信じて、私は壁を乗り越えられると思ってくれる。私はそれに安心する。
「う、うっ……。」
「頑張らなくて良いんだよ。」
「っ……みっくん……好き……。」
「うん、僕も。梨子ちゃんが大好き。……お仕事が大変なら、産休と育休が取れるようにしようか。」
 変化を求めない性格。君の幸せに、変化なんていらない。


○本日の出演キャラ
・渡辺蜜樹(28)
・渡辺梨子(25)



To be continued…
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