社畜冒険者の異世界変態記

ぐうたら怪人Z

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第三話 ある社畜冒険者の一日 再びアフターファイブ編

②! お店の奥で※

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「―――ん?」

 ささっとトイレを済ませて席に帰ろうとした私の耳に何かの音が、聞こえてきた。
 酒場の雑音にほぼかき消されているが、しかし私の直感がこの音を聞き逃すなと訴えてくる。

「――ならば」

 <感覚強化>を使用し、全神経を傾けてその『音』を拾う。
 すると―――

  「……んっ……あぁっ……あぅっ……」

 これは……喘ぎ声!
 間違いない。
 この声の感じを、私が聞き間違えるはずが無い!
 女性の喘ぎ声が、店の奥から聞こえてくる。
 まさかひょっとして……

「確認しなければ…!」

 下半身から湧いてきた使命感を胸に、私は声が聞こえた方へ向かう。
 念のため、音を立てないよう自分に<静寂>をかける。
 私の存在がバレて色々誤魔化されたらつまらない。
 ――いや、ナニが起きてるか分からないから、つまらないも何も無いけどもね。

 周りから見つからないように注意しながら店の奥へと進む私。

 「……はぁんっ……んんぅっ……ん、くぅっ……」

 声がだんだんと大きくなる。
 どうやら、向こうの扉の先――確か更衣室だ――から聞こえてくるようだ。

 細心の注意を払って扉の前に来ると、ゆっくりと静かに扉を開ける。
 中に居る人に気付かれぬよう、開けるのは少しだけ。

 その開けた僅かな隙間から、<屈折視>を駆使して中を覗き込んだ。
 そこには―――



「んっ…あんっ…あっ…はぁっ…くぅうっ…」

 制服を肌蹴て綺麗なおっぱいを露出させ、悶えるリアさんの姿があった。



「へへ、大分感じるようになったじゃねぇか、なぁ?」

 ……そして、そんなリアさんに後ろから抱き付き、彼女の胸をごつい手で揉む、店長の姿も。


「………!」

 思わず声を上げようとする私だが、<静寂>のおかげで事なきを得る。
 一体二人は何を…!?

「ん、くっ……こんなことして……んんっ……ただで済むと……あんっ」

「あぁ? こんなに乳首ビンビンにおっ立てておいて、何言ってんやがんだ」

 店長は胸を揉んでいた手をリアさんの乳首へ――綺麗な桜色をした乳首へと移し、そこを弄り始める。

「んぁぁああ、あぅ…くぅっ……」

「いい反応だぜぇ、リア。
 お前もようやく男の悦ばせ方ってやつが分かってきたか」

「な、何勝手なこと言って……はぅっ…」

 片方の手で乳首を弄り、もう片方でおっぱいを揉みしだく店長。

「あああっ…んぁあああっ…はぁあああんっ」

 嬌声を上げるリアさん。
 店長はなおも彼女の胸を責め続ける。

「へへ、いい声で鳴きやがって…」

「んぅうっ…あぁあんっ……だ、誰のせいよっ……あ、んっ」

「俺のせいだよ、何か悪ぃか?」

 言いながら店長は、おっぱいを揉んでいた手を離し、リアさんのスカートの中へ突っ込んだ。

「あぁぁあああああっ!」

 彼に股間を弄られているのだろう、リアさんの喘ぎが激しくなる。

「おおう、何だこりゃ。
 リアお前もう、まんこがべちゃべちゃじゃねぇか。
 節操のねぇ女だなぁ」

「ん、くぅううううっ……好き、放題、言ってぇ…!」

 くちゅくちゅとわざとらしく音を立てながらスカートの中に入れた手を動かす店長。

「本当のことじゃねぇか。
 もう下は洪水だぜぇ?」

「ふ、んんぅうううっ……後で、絶対……あぁぁあああっ……ボコボコにしてやるから……はぁぁぁあああんっ」

 店長の顔がリアさんの顔に近づいた。

「へぇ、ボコボコにする、ねぇ……
 いいぜぇ、後でいくらでも俺を殴ればいいさ。
 その代わり……今は楽しんじまえよ」

 店長は舌でリアさんの耳を舐めまわした。

「ふぁぁああああああああっ!?」

 その刺激に堪えられなかったのか、リアさんが再び大きな嬌声を上げた。

「いいぞいいぞぉ……もっと気持ち良くなっちまえ……んむっ」

「んぁ、あああああああっ……あぁあああああっ…耳、止めな、さい、よぉ、んぅううっ」

「……なんだ、ここはそんなにダメかぁ?
 それならよぉ…」

 舌を耳から離した店長は、顔を彼女の正面に移し、そのまま口付けした。

「…ん!? ……んむぅっ……んんっ…や、やめ……んーっ……」

 ぺちゃぺちゃと音を鳴らしながら、二人の口付けは続く。

「……んんんぅっ……んぁっ……れろっ……んむっ……れろっ……」

 しばらくの後、店長はようやく彼女の口を開放した。
 それと同時に手も彼女から離し、一歩下がって距離を置く。

「おら、壁に手ぇついて、尻をこっちに突きだしな」

「………くっ」

 悔しそうに顔を歪めながらも、店長の指示通り、おずおずと前屈みになって尻を差し出すリアさん。
 スカートから純白のパンツと、それに包まれるお尻がはみ出している。

「へへ、文句言いながらも、俺の言うことには逆らえねぇってか?」

 店長がスカートを捲った。
 リアさんの綺麗なお尻が露わになる。



「おうおう、こいつはひでぇ。
 バケツの水でも被ったみてぇにびっちょびちょじゃねぇかよ、お前のパンツ」

「……何、文句でもあんの…!」

「別に何も?
 ただ、これを履いたまま仕事すんのは大変だなぁと思っただけよ」

 言いながら、パンツを下ろす。
 これで彼女の下半身を覆う物が全て無くなった。

「いいなぁ……相変わらずいいまんこだぁ」

 リアさんの女性器をじろじろと眺めながら、店長。
 そして、くんくんと匂いも嗅ぐ。

「へへへ、雌の匂いがぷんぷんするぜ。
 欲しくて欲しくてたまんねぇんだろぉ?」

「………下品な奴…!」

「その下品な奴に散々身体弄られてヨガってたのはどこのどいつだぁ、あぁ?」

 そういうと店長は顔をリアさんの股に近づける。
 そして、彼女の陰部を、陰核を、舐めまわした。

「あぁぁぁあああああああっ!」

 チュパチュパという音がこちらまで聞こえてくる。
 激しく、執拗に、店長の舌は彼女を責め立てた。

「んぅううううっ! あぅうううううっ!」

 リアさんにはもう、憎まれ口をたたく余裕も無いようだ。

「はぁぁあああああんっ! あん、あぁぁぁあああああっ!」

 店長の舌が鳴らす音が、大きくなっていく。
 さらに強く責めているということか。

「んぁぁあっ! あぅっあぅっあぅっあぅっ!」

 リアさんの喘ぎも、叫び声かと思う程に高まっていく。
 快感が全身に渡っているのか、彼女の身体がガクガクと揺れ始めた。

「んんぅぅうっ! ダメっ…あっあっあっあっあっ! もうダメっ……あぅっ! あたしイクっ!」

 リアさんが根を上げる。
 それは店長への敗北宣言に等しい。

「くぅうううっ! イクっ! んんぅっ! イクっ! あぁぁああああっ! イ――――」

 そこで、店長が止まった。

「……く、ん……?」

 絶頂に到達する直前で止められたリアさんは、何事かと店長を振り返る。
 彼は、いやらしい笑みを浮かべながら、

「今回はここまでだ」

「………え?」

 リアさんが、茫然とした声を出す。

「なんだぁ? 問題でもあんのか?」

「……だ、だってあたし、イって…」

「おいおい、なんだよスケベな女だなぁ、イカせて欲しかったかぁ?」

「そ、そんなこと言ってないでしょ!?」

「だったら問題ねぇよなぁ?」

 店長の言葉に言い返せず、リアさんは下を向く。

「じゃ、仕事に戻ってくれや。
 客も増えてきただろうからな」

「は? こ、こんなので仕事なんてできるわけ――」

 今のリアさん、顔は上気して仄かに赤く染まり、激しい責めによって身体はうっすら汗をかき、そして何より股間からは愛液が垂れている。
 ……人前に出たい、と思える状態ではないだろう。

「そんなだからいいんじゃねぇか」

 おもむろに店長はリアさんの尻を揉んだ。

「んぁぁああっ……な、何すんのよっ!」

 尻を触られただけでリアさんの口から嬌声が漏れる。
 気丈に振る舞っている物の、彼女の昂りは相当のようだ。

「お前の接客には色気がねぇんだよ。
 身体はこんなにエロいってのになぁ。
 ……へへ、雌になった今のお前なら、男共もさぞかし喜ぶだろうぜ」

「――あ、あんたっ!」

「ほらほら、もたもたしてんじゃねぇよ!
 客は待ってくれねぇぜ!」

 店長は自分で脱がしたパンツを、もう一度リアさんに履かせる。
 自らの愛液によってびしょびしょに濡れているパンツを。

「…ああぅうっ……せ、せめて下着は変えさせて…」

「ダメだね。
 そのまま仕事しな」

 リアさんの懇願をあっさり切って捨てる店長。

「じゃ、俺は厨房に戻るぜ。
 さっさとホールに出ろよ!」

 ……む、店長が部屋を出そうだ。
 私は彼らがこちらを振り返る前に扉をそっと閉める。
 そして、来るとき同様、音もなくその場を去るのだった。




「遅かったッスね、先輩。
 ションベンじゃなくて、大の方っスか?」

 戻った私を出迎えたのは、いきなりの下トークであった。
 同じ下半身でも、先程のアレとは偉い差である。

「いやぁ、なかなかしぶといヤツでして」

「お、分かります分かります。
 キツイッスよね、そういうのが出てくると」

 苦笑いしながら返答。
 ……食事のお店でする話題としては不適切だったか。

「お、ちょうどリアちゃんも戻ってきたみたいッスよ」

 言われてそちらを振り返れば、確かにリアさんの姿。
 店長の命令通り、すぐにこちらへ向かったようだ。

「あー、うー、でもチョッチ声かけにくいっスね…」

「……そうですね」

 私がトイレに行く前と異なり、お店には客が多く入っている。
 リアさん意外にも数人ウェイトレスはいるが、皆さんかなり忙しく動き回っていた。
 とてもではないが、私達との雑談をお願いできる状況では無い。

「……で、でも、何か、アレッスね。
 リアちゃん、妙に色っぽくないスか?」

 リアさんの姿をじっと見ていた柿村さんが呟く。

 彼の指摘の通り、今のリアさんはかなり色っぽい雰囲気を纏っている。
 顔はまだ上気しており、瞳は潤んで、やや視線が定まらない。
 制服の一部が汗で彼女の身体に張り付き、一層その肢体を強調している。
 脚を内股気味にして歩き、足取りも覚束ない。
 彼女の全身が、そんな淫猥さと危うさ――店長の言葉を借りれば、雌としての色気に満ちていた。

 周囲を見渡せば、彼女の姿に見惚れているような男性客がちらほらと居る。

「う、うぉぉお、すげぇエッチだ……
 どうしちゃったんスか、彼女は……」

「……体調を崩されているのではないでしょうか」

「お、おお! その考えは無かったッス。
 さっすが先輩、気配りのできる男ッスね!」

 なんとなく呟いた出まかせを信じる柿村さん。
 彼は少々私の言葉を信頼しすぎではなかろうか。

 しかし、今は興奮冷めやらぬといった状態のリアさんだが、時間が経てばその内治まってくるだろう。
 つまりこの淫らな姿を見られるのはそう長くないということ。
 しっかり目に焼き付けておかねば。
 柿村さんの話に適当に相槌を打ちながら、横目でリアさんの姿を凝視する。

 そうこうしている内に、リアさんが私達のテーブルの近くを通りがかった。

「あ、すいません、リアさん。
 食べ終わった食器を片付けて頂けますか?」

 私は彼女を呼び止める。
 実際、そろそろ帰ろうと思っていたので、不自然な呼びかけではない。

「………へ?
 あ、うん……分かった」

 言葉にいつものキレが無いリアさん。
 上の空といった様子で、少しもたつきながらも、食器を片付け始める。

 ―――この瞬間を待っていた!

 リアさんは今、すぐ触れられる程近くに居る。
 私の食器を片付けているのだから当然だが。
 そしてこの距離ならば、あのスキルが使用できる…!

 そう、<念動>である。

 <念動>の発動条件は2つ。
 1.対象が自分の周囲数十cm以内に在ること。
 2.対象を自分が知覚できていること。

 1つ目は前述の通り何の問題も無い。
 2つ目は少し厳しいが、<屈折視>の活用と、リアさんのパンツが濡れて股間に張り付いていることによって、達成できた。

 ―――即ち、<念動>によるクリトリスへの直接刺激である。
 <念動>を使えば、本人に一切触らず、周囲に気付かれることも無く、女性を責め立てることができるのだ。
 このスキルの効果は自分の腕力と同程度という制限も、この使用方法においては何の問題にもならない。

 私は全身全霊を持って<念動>を制御し、彼女の陰核を抓り上げた!

「―――――あ」

 リアさんの動きが止まる。

「…あふっ!?…ふっ!!?…んんっ!!?…んぐっ!!!」

 一瞬間を置いた後に、絶頂の快楽からか痙攣しだすリアさん。
 咄嗟に手を口に当て、声を出すことだけは防いだ様子。

「どうしましたリアさん!?」

「――!? くっ!」

 リアさんの身体を支えようと私は手を伸ばすが、それは振り払われる。
 彼女は私の食器を引っ手繰るように取ると、足早に店の奥へと去っていった。

「………ど、どうしちゃったんスかね、リアちゃん!?
 フツーじゃない反応でしたよ、今!」

「分かりません。
 ………本当に、体調を崩しているのかも」

 そんな彼女の反応を見て柿村さんは動揺を隠せないようだ。
 ただ、私の方も悠長に彼と付き合っているわけにもいかない。

「――と、すみません。
 こんな時で恐縮ですが、私はそろそろ帰らないと」

「おっ、もうそんな時間ッスか?」

「はい……もし彼女に何があったのか分かったら、後で教えて頂いても?」

「オッケーッス。
 リアちゃんは、この自分に任せておいて下さい!」

 私は手近に居た他のウェイトレスさんに食事の代金を渡して、店を出ることにした。
 ――まあ、ナニが起きているかはしっかり把握しているわけではあるのだが。

「さてと」

 黒の焔亭を出た私は、怪しまれないように気を配りながら店の玄関とは反対側へ回る。
 目的は、店の裏口。

 <静寂>を駆使して誰にも気づかれずそこへ到着した私は、裏口の扉を開けようとするが……

「……鍵がかかっているか」

 しかしそんなことは想定済み。
 <屈折視><闇視>を使って鍵穴を覗き、その構造を把握。
 しかる後に――<念動>。
 カチャリと音を立て、鍵は開いた。

「…他愛も無い」

 悦に浸ってみる。
 やってることは犯罪以外の何物でもないけれども。

 静かに仲へ入り込み、内側から改めて裏口の鍵を閉める。
 そして<感覚強化>を使用し、周囲の音を掻き集める。

  「……んっ……あっ……んんっ……」

 聞こえる……リアさんの喘ぎ声だ!
 場所は、先程と同じ更衣室か。

 比喩抜きに音も無くそちらへ移動する。

 「……あんっ……くぅっ……んぁっ……」

 喘ぎ声がより鮮明に聞こえてくる。
 場所は間違いないようだ。

 更衣室の扉を開けようとするも、再び鍵。

「……無駄なことを」

 裏口の時と同様の手順で更衣室の鍵も開ける。
 当然これも犯罪です、良い子は真似しないように。

 素早く扉を開け、中に滑り込む。

「……あっ……あぁっ……あんっ……んんっ……」

 部屋の中では、リアさんがオナニーの真っ最中だった。
 店長との行為中と同様、制服を肌蹴け、おっぱいを曝け出している。
 スカートも捲り上げており、パンツ丸出しだ。
 彼女は片方の手で乳首を弄り、そしてもう片方は下着の中へ入れて、股間を擦っていた。

「…は、んっ……あぅっ……あぁっ……んっ―――え?」

 ここで、彼女が私に気付いた。

「………え?……え?
 ちょ、ちょっと、何であんたここに居るのよ…?」

「いえ、リアさんの様子がおかしかったので、何かあったのかと見に来たのです」

 混乱するリアさんの言葉に返事をしながら、私は更衣室の鍵を閉めた。

「……なんで鍵閉めたの…?」

「今のリアさん、他の人に見られると不都合でしょう?」

 リアさんの方へ近づいていく。

「……な、何するつもりよ」

 今更ながら露出した胸を両手で隠し、私を警戒するリアさん。

「大分苦し気でしたので、私も鎮めるお手伝いをしようかと」

「……べ、別にそんなのいいから、出ていっ――――んんっ!?」

 彼女を無理やり抱き寄せ、キスをする。
 出て行ってと言われて出ていけるのならば、そもそもこんな所に来ていない。
 散々リアさんの痴態を見せられ、私の方も昂っているのだ。

「……んんっ……んむっ……んんんっ……んんーっ……」

 私の身体を押しのけようとするのを無理やり抑え込みながら、口付けを続ける。
 そして、両手で彼女の身体を味わっていく。
 今までの覗きで想像していた通り、彼女の肢体は素晴らしかった。

 胸は程よい大きさで美しい半球を描いており、弾力・柔らかさ共に申し分ない。
 巨乳と呼ぶには小ぶりであるものの、触り心地の良さは筆舌に尽くしがたい。
 乳輪の色合いも鮮やかな桜色で、鑑賞するだけでも価値がある。
 お尻にも同じことが言えた。
 決して大きいわけでは無いが、揉んだ時の柔らかさ・ハリの良さが堪らない。

 贅肉が全くと言っていい程存在しない、引き締まった身体をしていながら、この柔らかさは何事か。
 奇跡的なバランスで成り立った肢体と言える。

「……んぅっ……あんっ……れろっ……はむっ……」

 キスと愛撫を続けるうちに、リアさんの声にも熱が帯びてくる。
 最初は私の舌を拒んでいた唇が開き、互いの舌が絡まっていく。

「……あ、ふっ……れろっ……んむぅっ……はぁ、んっ……」

 私を拒否していた力が完全になくなる。
 リアさんの方からも舌を絡ませてくるようになり、身体は私の為すがままだ。

 この程度の責めでこうも従順になるとは、大した淫乱っぷりである。
 店長の手腕のなせる業か。

 彼女の口を離し、私は告げた。

「壁に手をついて、尻をこちらへ突きだして下さい」

「………!」

 店長が言ったのと同じ言葉。
 それに何かを感じったのか、リアさんの身体が硬直した。

「……み、見てたの?」

 先程の、店長とのやり取りについて聞いているのか。
 すっとぼけてもいいが、ここは素直に答えよう。

「ええ、拝見させて頂きました。
 ――とても気持ち良さそうでしたね?」

「………この、変態…!」

 悪態をつきながらも、しかし身体は私の言う通りに動かすリアさん。
 おずおずと私へ向けて尻を差し出してくる。
 私が覗いたのと、同じ姿勢。

 早速、スカートを捲る。
 先程見た以上に、パンツは愛液で濡れ濡れだった。
 下着で押し留められなかった愛液が、幾筋か太ももにまで垂れている。
 濡れたパンツはリアさんの股間にピッチリと張り付いて、下着越しでも性器や陰核の形が分かる程だ。

「………雌の匂い」

 思わず呟く。
 男を惹きつけてやまない香りが、彼女のそこから湧き出てくる。

「変なこと言わないでよ!」

「褒めているんですよ、リアさん」

 彼女は私を睨み付けるが、私はそれに意を介さない。

 何もせずにここまで男を誘える雌もそうはいないだろう。
 最早言葉に力を入れられない彼女を、私は素直に称賛した。

 そして、パンツをずり下ろす。
 現れる、彼女の女性器。

 こちらも綺麗なピンク色をしている。
 早く男が欲しいと訴えるかのように、ひくついていた。

「………では」

 私は自分のイチモツを取り出す。
 当たり前だが、もう十二分に勃起していた。

 後背位の姿勢をとって、私はソレを彼女の性器へと――

「……ま、待ってよクロダ!
 あたし、まだ……んひぃいいいいいいいっ!!」

 リアさんの言葉が途中だったが、待つことなどできるはずが無かった。
 一気に彼女の膣を貫く。

「………おや?」

 違和感があった。
 男根を挿れた際に、何かを破るような感触が。

「まさか」

 私と彼女の結合部を確認すると、そこからは血が流れ出ている。

「リアさん、処女だったのですか」

 店長からあれだけのことをされていたのだ、とうに経験済みだと思っていた。
 いや、あんな光景を見せられて、処女だったなどと誰が予想できるものか。

「んっ、んぉおっ…だ、だから待ってって…あ、ぐっ…言った、のにぃっ!」

「これは、申し訳ありません」

 想定外の出来事に、思わず謝罪してしまう。
 ……だが、ここからの展開は、私をさらに驚かせた。

「……ん、くぅっ……謝ればいいってもんじゃ……はぁっんっ……無いでしょっ!……あぁあんっ……」

「………!?」

 口で私をなじりながら、リアさんは自分から腰を動かし始めたのだ。
 たった今処女を失くしたはずの、彼女が。
 普通、処女膜が破られればその痛みでセックスどころではなくなるというのに。

「んぁあああっ…店長も、あんたもっ…あ、ぁぁぁあああっ…最低よっ……んんんんんっ……」

 なおも腰を動かし続ける彼女。
 女性器からは、血と愛液が混じった液体が流れ落ちる。
 初めて男を受け入れたはずの膣は、私から精液を絞りたくて仕方がないというようにイチモツを締め上げる。
 ただ力任せの締め付けではない、私が欲しいと思った箇所を的確に刺激してくれる。
 ―――名器。それも極上の名器だ。

「はぁぁあああんっ…あぁああああっ…んんんぅうううっ」

 次第に私への罵りは影を潜め、ただただ嬌声を上げるだけになる。

 ――店長の調教によるもの、だけではないだろう。
 元々、彼女には才能があったのだ。
 男を悦ばせる、雌としての才能が。

「………さて」

 いつまでも呆けている場合ではない。
 女性にリードを任せっぱなしでは男が廃る。
 私は彼女の腰の動きに合わせ、腰を打ち付けた。

「んぉおおおおっ!? ちょっ! 激しっ! いいぃいいいっ!?」

 リアさんの喘ぎが一際大きくなった。
 同時に、私の男根を刺激する膣の動きも激しくなる。

「お、おぉおおっ!…んあっあぁっああっあっ!…んくっあんっあぅっあぁあっ!」

 強くイチモツを叩き込めば叩き込むほど、彼女の膣は私に快楽を提供してくれた。
 彼女の中のうねりは、私を射精の高みへと連れていこうとする。

「あひぃいいっ! あぅっあんんんっ! んぅううううっ!」

 リアさんもまた、私の動きに合わせて腰を動かす。
 もっと快楽を貪りたいという、彼女の想いが伝わってくるようだ。

 私は彼女に覆いかぶさり、おっぱいを揉んだ。
 手から感じる彼女の柔らかさと弾力が、さらに私を興奮させる。

「は、ひぃ、んぁああああっ! ああっあっあんっあぅっあああぁあっ!」

 そろそろ、彼女も私も限界が近い。
 ラストスパートのピストン運動…!

「あぁあっあっあっあっあっ! も、ダメっ! イクっ! んあっあっあぅっあぅっあっ!!」

「いいですよ、思いっきり、イキなさい!」

「イッく、んぅうっ! ああああぁあああぁああああああっ!!」

「……くぅっ!」

 リアさんの身体が弓なりにのけ反った。
 同時に私も彼女の中へ精を吐き出す。

「あっあっあっ、あああっ、あぁああっ……ん、ふぅっ……はぁあああぁあ……」

 何度かガクガクと震えるリアさんの身体。
 盛大に絶頂したようだ。

「はぁあああああああっ……あ、あぁあああああ……」

 絶頂の後も、リアさんは余韻を味わうように腰をくねらせる。
 その動きに合わせて、彼女の膣は私のイチモツを絞り、最後の一滴まで精液を奪っていった。
 これはまた……気持ちいい。

「ああぁああ……はぁああんっ………はっ……はっ……はっ……はっ……」

 ひとしきり私の男根を味わうと、彼女はぐったりとして、荒く息をつき始めた。

「……良かったですよ、リアさん。
 初めてとはとても思えませんでした」

 リアさんの頭を撫でながら、私はそう告げる。
 しかしその直後、まだ私は彼女を甘く見ていたことに気付かされた。

「……はっ……はっ……んっ…あっ…はぁんっ…あぁあっ…」

 リアさんが、また腰を振り出したのだ。
 当然、彼女の膣も再び動き、私を締め付けてくる。

「………ははは」

 思わず苦笑いしてしまった。
 一度絶頂した程度では満足できないらしい。
 ついさっき処女を失った生娘だというのに。

「いいでしょう」

 とはいえ、それは私も望むところ。
 こちらも負けじとピストン運動を始める。

「んんぅうううっ! ああぅううっ! んぁあああっ!」

 嬌声がまた響く。
 彼女が求めるのならば、何度だって応える覚悟である。





 それから幾ばくかの時間が過ぎ―――

「……ふぅ。
 良かったですよ、リアさん」

 額に流れる汗を拭きながら、私は目の前に横たわるリアさんに声をかけた。

「………お、おおっ……あひっ……んお、おっ……んっんぅっ……おっ……」

 私の精液にまみれた彼女は、意味のない呻き声を上げながら、びくびくと痙攣を繰り返していた。
 私の声など、届いてはいないだろう。

「…しかし、どうしましょうかね、これは」

 更衣室は、私とリアさんの体液でかなり汚れている。
 店長になんと言い訳すれば…

「どうしようもクソもねぇだろうが、この馬鹿」

「うおわっ!?」

 いきなり後ろから声をかけられる。
 急いで振り向くと―――何時からそこにいたのか、店長が立っていた。

「て、店長、何故こんなところに!?
 お店はどうしたんですか!?」

「あんだけアンアンアンアン喚いてりゃ嫌でも気づくわ!
 あと店はとっくに閉店だっつうの!
 …ったく、何時間ヤリ続けりゃ気が済むんだおめぇは!」

 そんなに時間が経っていたのか。
 一度セックスを始めると時を忘れてしまう、私の悪癖が発動してしまったらしい。

「あーあ、ひでぇもんだなこりゃ」

 店長は、リアさんの方に近づいた。

「……あふっ……おぉおっ……んひっ……ふひっ……」

「………こいつ、もうコワレちまったんじゃねぇか?」

 リアさんの様子を眺めながら、店長。
 彼女は変わらず、痙攣を続けている。

「大丈夫、リアさんは強い人です。
 この程度でへこたれるようなことはありませんよ」

 たぶん。

「……だと良いがな。
 おうおう、大事に取っといた処女もきっちり破られちまってまぁ…」

 リアさんの股を開き、彼女の性器を確認しながら店長は言った。
 その言葉に私は、先程から抱いていた疑問をぶつけてみる。

「そういえば、何故店長はリアさんの処女を奪わなかったんですか?
 別に抵抗したわけでは無いでしょう、彼女」

「いやなに、カキムラにくれてやろうと思っててな」

「…柿村さんに、ですか?」

 意外な答えが返ってきた。

「カキムラの奴、結構いい男だっつぅのに、どうも女運が無ぇじゃねぇか。
 そこでまぁ、リアをしっかり仕込んで宛がってやるつもりだったのよ。
 カキムラも、リアには満更じゃねぇ感じだったしな」

「なるほど、そういうことでしたか。
 ……彼には、悪いことをしましたね」

「全くだぜ。
 今度、一杯奢ってやんな」

「そうします」

 疑問は解消された。
 あとは……

「この部屋の掃除ですね」

「今日の内にしっかり綺麗にしろよ。
 このままじゃ更衣室が使えねぇからな」

 ん、ということは?

「―――ここを使ってた他のウェイトレスさん達はどうしたんですか?」

「上手いこと言って今日はそのまま帰したよ!
 感謝しろよてめぇ」

 店長が気を利かせてくれたらしい。
 その優しさが、何とも嬉しい。

「じゃ、俺は店の片付けしてくるからな。
 終わったら呼べよ」

「分かりました」





「あー、しっかし、これでリアもお前の餌食になっちまったかー」

「餌食だなんてそんな、人聞きの悪い」

 掃除も終わり、今は店のカウンターで一息ついているところだ。
 客は当然だれもおらず、店長と二人で酒を飲んでいる。

「なぁにが『人聞きが悪い』だ。
 他に言いようなんざねぇだろうが」

「……手を出したのは、店長が先でしょう?」

「ほぅ、吠えやがるな。
 流石、うちのウェイトレスをみんな喰っちまった男は言うことが違うねぇ?」

「それを貴方が言いますか…」

 いや、確かに黒の焔亭で働いているウェイトレスとは全員と関係を結んだが。
 しかし、それは店長が彼女らを手込めにした後の話である。

 このゲルマンという男、お店で働く女性には例外なく裏で手を出している。
 私などの一部の例外を除き、ほとんどの客には知られていないが。
 とはいえ、昔は大分女遊びの激しい人だったようで、これでも大人しくなった方なのだとか。

「そっくりその台詞お返しするぜぇ。
 ……お前のランクアップ祝い用に仕込んどいた女も、いつの間にか喰っちまってるしよぉ」

「そういえばそんなこともありましたね」

 店長の言うランクとは、冒険者ランクのことだ。
 ただ結局のところ、私は冒険者ランクが上がったことは一度も無いので、先にその女性をつまみ食いしたのはむしろ正解と言えるのではなかろうか。

「ああ、そういやランクアップで思い出した」

 ふと、店長が話題を切り替えた。

「前々から気にはなってたんだがな。
 お前、何でランクEに留まっていられるんだ?」

「はい?
 それは、私が初心者用区域から一歩も出ないからで…」

「つってもよぉ、お前だって魔物の落とす魔晶石やら素材やらを売って生活してるわけだろ?」

「ええ、それは勿論」

「おかしいじゃねぇか。
 確か、ギルドに売り払った額がある程度行きゃぁ、それだけでもランクDにはなれるはずだろう?」

 ああ、そのことか。

「店長、知らないんですか?」

「何をだ?」

「魔晶石や素材は、ギルドに渡すよりも直接商店に流した方が、換金効率が良いのですよ」

「…………」

 店長が沈黙した。

「……お前、いつだったか自分の事を誠実だとかなんとか抜かしてなかったか?」

「いや……ウィンガストでならともかく、東京ではこれ位日常茶飯事ですよ?」

「そうなのか――俺ぁ、トーキョーってやつはもっと平穏な所だと思ってたぜ」

 納得してもらえたようで何より。
 ―――と、そこへ。

「……………まだ居たの、あんたら」

 憮然とした表情の、リアさんがやってきた。
 服装は制服から私服(前と同じく、Tシャツとカーディガン、それとスパッツだ)へ着替えている。

「おぅ、リア、無事だったか。
 どうよ、疲れ飛ばしに一杯やってくか?」

「……………帰る」

 店長からの誘いを無視し、力のない足取りで出口に向かう彼女。
 それを見ながら、店長が私に語りかけて来た。

「なあ、クロダよぉ」

「どうしました?」

「『誠実な男』ってのは、あんな状態の女を一人で帰しちまうもんなのか?」

 言って、ニヤっと笑う。
 ―――なるほど。

「いいのですか?」

「何がだ?
 俺は、自分とこの店員を心配してるだけだぜぇ?」

「……ありがとうございます」

「へへ、いいってことよ」

 店長へ礼を言うと、私は足早にリアさんへ近づく。

「…………何よ」

「いえ、こんな夜遅くに女性を一人歩きさせるわけにはいきませんから。
 私がリアさんの家まで、送って差し上げますよ」

「……!?
 そ、それって…!」

 私からの申し出に、何を思ったのか彼女は慌て出した。

「い、いらない!
 そんな必要、無いから――――んむっ!?」

 拒もうとする彼女の口を、私の唇で塞ぐ。
 同時に両手で彼女の身体を抱き寄せる。

「……ん、んんーっ……んんっ……んぅっ……」

 片手をスパッツの中へ入れ、彼女の下半身を弄る。
 秘部をなぞってやると、既に濡れだしていた。

「……んっ……あっ……あんっ……んぁっ……」

 リアさんから、急速に力が抜けていく。
 それを確認して、私は彼女を離した。

「さ、行きましょう、リアさん。
 大丈夫、しっかりエスコートしますから。
 私に身を委ねて下さい」

 彼女の腰に手を回す。

「……待って……お願い……
 こ、これ以上されたら……あたし、本当にコワレちゃう……」

 怯えるような瞳で私を見つめるリアさん。
 何だろう、凄く嗜虐心を刺激する表情だ。

「大丈夫ですよ。
 人間、そう簡単に壊れたりしないものです」

「ヒッ……」

 私の言葉に、何故か恐怖で引き攣ったかのような表情を浮かべる。
 まあ、手を振り解いたりしないところを見るに、彼女も本心では嫌がっていないのだろう。

 さて、夜はまだまだこれからだ。
 私は意気揚々と、黒の焔亭を後にするのだった。



 第三話 完






 後日談。
 次の日の話。

 やっぱり今日も黒の焔亭に食事をしに来る私であった。
 昨日はほとんど寝ていないので、かなり疲労が溜まっている。
 こういう時は、美味しい食事をするに限るのである。

「ごめんください」

「ああ、いらっしゃい、クロダ」

 入口の扉をくぐると、早速ウェイトレスが挨拶を返してくれる。
 この声は、リアさんか。
 昨日の今日で心配だったが、ちゃんと仕事ができるまでに体力は回復した様子。

「――――おや?」

 そこで、気がついた。
 店内が妙に暗い。
 明かりが故障でもしたのだろうか?

 私は<闇視>を使って辺りを見渡して―――

「…………!!!?」

 ―――後悔した。

 何故気付けなかったのか。
 ……他に客が一人もいないことに。

 何故気付けなかったのか。
 ……店内に漂う、血の臭いに。

 何故気付けなかったのか。
 ……今日お休みのはずのリアさんが、いる意味を。

 暗い店の中央には――店長が、縄で逆さ吊りにされていた。

「……あ、あぁ……!?」

 身体中に打撲痕がある。
 腕や足が、全て変な方向へ曲がっている。
 意識は無いのだろう、白目を剥いている。
 無事な箇所を探す方が難しい―――いや、無事な箇所などあるのか。

「……!?」

 背後で、扉の閉まる音がした。
 カチャリと、鍵の閉まる音も。

 私は、おそるおそる後ろを振り返る。

「―――り、リアさん」

 そこには、予想通りリアさんが立っていた。

「……な、何故、鍵を閉めたのでしょうか?」

 何とか声を絞り出して、答えの分かり切っている質問をした。
 彼女はそれに取り合わず、

「あたしね、昨日と今日でよーく分かったの」

 そんな言葉を口にした。

「……何が、分かったのでしょう?」

 聞き返してしまう。
 別に質問の答えが欲しかったわけではない。
 単に、何かを喋らないと、この空気に耐えられないだけだ。

 リアさんは、今回の質問には答えてくれた。

「―――『人間って、そう簡単に壊れない』のね」

 ………彼女が、嗤う。

「……ヒッ、ヒィィイイイイイイイイイイ!!!?」

 店内に、私の悲鳴が響き渡った。




 この日。
 私は『人間がそう簡単に壊れない』ことを、身をもって実感できたのだった。


 後日談 完
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