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第1章
第二話 ④ ~初デート・映画鑑賞は人気のアニメ作品~
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第二話 ④
カフェで少しだけ時間を潰し、映画館へと向かう。
観る映画は昔俺が彼女に貸した漫画の前日譚が描かれたアニメ作品。
話の内容は漫画を読んでるから知ってるし、なんなら一人で既に一度観ている作品だ。
しかし、彼女はまだ観てない。俺は既に観てるし、なんなら話の流れも全部知ってる。なんて無粋なことは口にするつもりなんて微塵もない。
「楽しみだねー!!」
コーラとキャラメル味のポップコーンを手にした彼女が、ニコニコ笑いながら近づいてくる。
既にチケットは電子予約で購入済。
烏龍茶と塩味のポップコーンを手にしていた俺は、
「そうだね。俺も映画館で見るのは初めてだから楽しみだよ」
と返す。
「悠斗くんに貸してもらった漫画もすごく面白かったし、今回の映画もすごく期待してるんだ!!」
「制作会社も悪くないし、俺も期待してるよ」
「おぉ!?制作会社!!悠斗くんならではの発言だね」
「あはは。ほら、俺って結構……いや、かなりかな。オタク趣味なところがあるからね。制作会社とか監督とか作画担当とか声優とかやっぱりそういう所にも目がいっちゃう」
「監督かぁ……私は有名な人を何人かーくらいしか知らないねー」
「いやいや。それが普通だって。俺だってバスケの選手とか有名どころとかしか知らないし」
「えへへーそうだね。でも不思議だね!!」
「え……何が?」
少しだけ首を傾げる俺に彼女が続ける
「だって趣味とかぜんぜん違うのに、悠斗くんと話してると楽しいからね!!」
「キュンキュンポイントが入りました」
「入っちゃったかぁ!!」
ストレートな彼女の愛情表現に頬を染めながら俺はそう返す。
その返しが気に入ったのか、彼女は楽しそうに笑う。
あぁ、楽しいなぁ。
予約していたカップルシートに腰を下ろし、烏龍茶とポップコーンを手元の穴に填める。
「私さぁ……あれがあまり好きじゃなくて」
「あれ?……あぁあの映画泥棒の」
スクリーンにはあの有名な頭がアレな奴が走っている。
確かに。あれはちょっと気持ち悪いよな。
「まぁでも映画泥棒はだめだよね。キチンとコンテンツにはお金を落とさないと」
「悠斗くんよく言ってるもんね。オタク産業は俺が支える!!って」
「あはは。ちょっと恥ずかしいな。でもそうだね。好きな作品を続けてもらうためには課金していかないと」
「じゃあ、私にも課金してくれるのかな?」
と、いたずらっぽく笑う彼女に、
「それは当然。まぁお昼は俺が出させてもらうよ」
と返す。
「おっと、男気溢れる発言が来ました」
「まぁバイトもしてるし、男の甲斐性を見せないとね」
と、俺が軽く笑みを浮かべた所で部屋の灯りが消え始める。
「お、そろそろ始まるね。静かにしようか」
「はーい」
俺たちは会話を辞め、スクリーンに目を向ける。
好きな作品の映画を好きな人と一緒に観る。
一年前はそんなこと夢にも思わなかったなぁ……
そんなことを考えていたが、上映が始まると俺は直ぐに作品の中へと意識を移して行った。
カフェで少しだけ時間を潰し、映画館へと向かう。
観る映画は昔俺が彼女に貸した漫画の前日譚が描かれたアニメ作品。
話の内容は漫画を読んでるから知ってるし、なんなら一人で既に一度観ている作品だ。
しかし、彼女はまだ観てない。俺は既に観てるし、なんなら話の流れも全部知ってる。なんて無粋なことは口にするつもりなんて微塵もない。
「楽しみだねー!!」
コーラとキャラメル味のポップコーンを手にした彼女が、ニコニコ笑いながら近づいてくる。
既にチケットは電子予約で購入済。
烏龍茶と塩味のポップコーンを手にしていた俺は、
「そうだね。俺も映画館で見るのは初めてだから楽しみだよ」
と返す。
「悠斗くんに貸してもらった漫画もすごく面白かったし、今回の映画もすごく期待してるんだ!!」
「制作会社も悪くないし、俺も期待してるよ」
「おぉ!?制作会社!!悠斗くんならではの発言だね」
「あはは。ほら、俺って結構……いや、かなりかな。オタク趣味なところがあるからね。制作会社とか監督とか作画担当とか声優とかやっぱりそういう所にも目がいっちゃう」
「監督かぁ……私は有名な人を何人かーくらいしか知らないねー」
「いやいや。それが普通だって。俺だってバスケの選手とか有名どころとかしか知らないし」
「えへへーそうだね。でも不思議だね!!」
「え……何が?」
少しだけ首を傾げる俺に彼女が続ける
「だって趣味とかぜんぜん違うのに、悠斗くんと話してると楽しいからね!!」
「キュンキュンポイントが入りました」
「入っちゃったかぁ!!」
ストレートな彼女の愛情表現に頬を染めながら俺はそう返す。
その返しが気に入ったのか、彼女は楽しそうに笑う。
あぁ、楽しいなぁ。
予約していたカップルシートに腰を下ろし、烏龍茶とポップコーンを手元の穴に填める。
「私さぁ……あれがあまり好きじゃなくて」
「あれ?……あぁあの映画泥棒の」
スクリーンにはあの有名な頭がアレな奴が走っている。
確かに。あれはちょっと気持ち悪いよな。
「まぁでも映画泥棒はだめだよね。キチンとコンテンツにはお金を落とさないと」
「悠斗くんよく言ってるもんね。オタク産業は俺が支える!!って」
「あはは。ちょっと恥ずかしいな。でもそうだね。好きな作品を続けてもらうためには課金していかないと」
「じゃあ、私にも課金してくれるのかな?」
と、いたずらっぽく笑う彼女に、
「それは当然。まぁお昼は俺が出させてもらうよ」
と返す。
「おっと、男気溢れる発言が来ました」
「まぁバイトもしてるし、男の甲斐性を見せないとね」
と、俺が軽く笑みを浮かべた所で部屋の灯りが消え始める。
「お、そろそろ始まるね。静かにしようか」
「はーい」
俺たちは会話を辞め、スクリーンに目を向ける。
好きな作品の映画を好きな人と一緒に観る。
一年前はそんなこと夢にも思わなかったなぁ……
そんなことを考えていたが、上映が始まると俺は直ぐに作品の中へと意識を移して行った。
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