最強勇者無双 ~異世界召喚された俺が勇者だ~

くろげブタ

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10.お風呂

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 100/7/6(水)18:00
 【所持金】 23万ゴールド


 ダモンさんのスマホを発見してから4日が経過した。
 連日のように小屋周辺を探索するが、日帰りできる範囲に人里は確認できていない。

 レベルは順調に上昇しており、俺のレベルは8、サマヨちゃんは13まで上昇している。

 周辺のモンスターに遅れをとることもない。
 もっとも初日に遭遇して以来、オオカミ獣には遭遇していない。
 正確には真っ黒なオオカミ獣に遭遇していないというべきか。

 オオカミ獣それ自体には遭遇しているが、体毛は灰色で黒い煙を吐き出すこともないため、なんなく退治している。

 思えばあの真っ黒なオオカミ獣は特別なモンスターだったのだろう。

 誤算だったのはレベルアップにともなう獲得ポイント。

 レベルが3つ上がったにも関わらず、ポイントを一切獲得できていない。
 つまり、俺のポイントはレベル5の時と同じ4ポイントでしかない。

 今後もレベルアップではポイントを獲得できないのか。それとも特定レベルになれば獲得できるのか。それは今後の動向を見なければ分からない。

 いえることは【魔王】習得に必要な10ポイントを集めるには、苦労しそうだということだ。

 もっともそれは他プレイヤーも同様で、未だ【魔王】【予知】【豪運】の3つを習得した者は居ない。

 その代わりといっては何だが、1~4ポイントで習得できるスキルが徐々にグレーアウトし始めている。

 ポイントを獲得できなくなったプレイヤーが、今あるポイントでスキルを習得しているのだろう。

 だが、それは安物買いの銭失いでしかない。
 慌てる乞食は貰いが少ないともいう。

 雑魚がいくら集まっても雑魚でしかない。
 10ポイントスキルに対抗できるのは、同じ10ポイントスキルだけだ。

 ポイントは必ず獲得する方法がある。
 何故なら、スマホの各種機能はプレイヤー間での競争を推進する節があるからだ。

 いくら他プレイヤーのスマホを獲得しても、ポイントがなければスキルを習得できない。
 他プレイヤーを倒す意義が薄くなれば、競争は起きづらくなる。

 それでは面白くない。
 三国志で魏呉蜀の三国が同盟を組むようなものだ。
 ドラマも何もない。

 最初のメッセージは「死ぬまでの間、このゲームを楽しんでいってくれ」だ。
 俺たちを異世界に送り込んだ者は、あきらかにゲーム感覚で楽しんでいる。

 だから俺はポイントを温存する。

 最もこれは【勇者】スキルを習得した俺の余裕がなせるわざである。
 もしも雑魚スキルしか習得していない状況なら、俺ですら焦るかもしれない。
 いや。あまり他プレイヤーを悪く言うのはよしておこう。
 勇者は弱者にも寛大なのだから。

 今考えるべきことは、セーフハウスの結界が切れるまであと2日ということだ。

 衣食住に不自由はしていない。
 周辺に脅威は存在していない。
 とはいえ、いつまでも森の中に引きこもっているわけにもいかない。

 他プレイヤーとの競争であれば、先行した者が有利になるからだ。
 誰よりも先にうまい狩場を発見する。
 誰よりも先にうまい取引を独占する。

 そして、他プレイヤーが力をつける前に始末する。

 確かに【勇者】スキルを習得した俺は圧倒的に有利な立ち位置。
 だが、勇者に慢心はない。
 雑魚を駆除するにも全力をつくす。

 何よりモンスターが跋扈ばっこする異世界。
 人々はモンスターの被害に苦しんでいることが予想される。

 人々が勇者を求めているのであれば、勇者である俺が行かねばならない。

 一刻も早く人々の元へとおもむき、モンスターを退治する。
 さすが勇者様。抱いて。などの褒美は、おまけでしかない。

「というわけで、明日からは人里を探して旅に出ようと思う。サマヨちゃんも良いかな?」

 カタカタ

 今晩はこの小屋で過ごす最後の夜というわけだ。

 これまでのモンスター退治で稼いだゴールドを使って【ショップ】で買い物をする。

 五右衛門風呂……20万ゴールド
 お風呂セット……1万ゴールド

 所持金:23万 → 2万ゴールド

 念願かなってようやくお風呂に入ることができる。
 森で集めた薪を焚けばあっという間に熱々風呂の完成だ。

「サマヨちゃん。お風呂に入ったことはあるかな?」

 えーサマヨお風呂はいったことないのー

「仕方ないなあ。それじゃ俺と一緒にお風呂に入ろうか。初めてだとよく分からないだろうしね。いやー俺はロリコンじゃないのに困ったなあ」

 勇者さま優しいー大好きー結婚してー

 という筋書きだな。

 風呂釜の前で服を脱ぎながらさりげなく話しかけるが、サマヨちゃんは無言で立ち尽くすのみだ。

 そういえばサマヨちゃんは服を脱ぐ必要がないのか。
 いつも裸ってことだ。
 年頃の美少女がいつも裸というのはよろしくない。
 あとで服を着せてあげよう。

「それじゃ、お風呂の前に身体を綺麗にしないとね。サマヨちゃん洗ってあげるよ」

 立ち尽くすサマヨちゃんにお湯をかけていく。
 適度に全身が濡れたところでタオルにボディソープをかけて泡立てる。

 まずは腕から。
 サマヨちゃんの身体は骨ばっているがスラリと良いスタイルをしている。

 腕から肩、そしていよいよ胸へと手を伸ばす。
 固い。それでも美少女の胸板である。
 両手を使って全体をなでるように丁寧に洗っていく。

 お腹はないので次は、下半身、骨盤へとタオルを移動させる。
 ここがサマヨちゃんの大事なところというわけだ。
 なら、俺も気合を入れて洗わなければ。
 骨盤のすみずみまで、俺は丁寧に丁寧にタオルを動かしていく。

「サマヨちゃん。俺のテクニックはどう? 気持ち良いだろう?」

 恥ずかしがっているのか、サマヨちゃんは無言のままだ。

 そのまま足の骨先まで、ずっと裸足だったため一本ずつ含むように汚れを落とす。

 さて、最後は頭を洗うのだが、サマヨちゃんの頭部は当然ツルツルだ。

 このままボディーソープで良いかな。
 いや、女性にとって髪は命と聞く。
 今はツルツルだが、地肌を痛めないようしっかりシャンプーリンスで手入れをするべきだ。

 頭蓋骨にシャンプーを振りかけ、手のひらで丁寧に泡立て洗い流す。
 最後にリンスを洗い流して終了だ。

 連日の探索と戦闘で灰色に染まっていたサマヨちゃんが、今は綺麗な白い骨を見せていた。
 頭蓋骨にいたっては、漆黒に怪しく輝き、表面は鏡のように光を反射している。

「うんうん。サマヨちゃん綺麗だよ」

 毎日タオルで拭いてはいたが、やはりしっかり洗ってあげないとね。


 それじゃ俺も自分の身体を洗うか。
 タオルを使ってゴシゴシ洗う。

 が、待てよ。俺はサマヨちゃんの身体を洗ってあげた。
 なら、次はサマヨちゃんが俺の身体を洗うのが自然の流れではないのか?

 「サマヨちゃん。ちょっと背中を洗ってくれないかな。自分では洗いずらいんだよね」

 サマヨちゃんにタオルを持たせて背中を向ける。
 スケルトンに自我はない。
 自分から考えて行動することはないが、俺の命令には忠実に従う。
 それが召喚モンスターの仕組みなのだろう。

 ゴシゴシ

 タオルを掴んだサマヨちゃんが背中を洗う。

 ふう。気持ち良い。
 二つの膨らみが背中に当たったりするアクシデントがあればさらに良いのだが、スケルトンなら仕方がない。
 それでも、美少女に背中を洗ってもらう、この状況に俺は昂たかぶりを覚えつつあった。

 「サマヨちゃん。ありがとう。その、できればここも洗ってくれないかな」

 俺はサマヨちゃんの手を誘導する。

 実はこれまでもサマヨちゃんの手を利用しようと試したことがある。
 だが、いくら美少女とはいえサマヨちゃんはスケルトン。
 骨ばった、というより骨そのものの指による刺激は、少々難易度が高かった。

 だが、今のサマヨちゃんはタオルを持っている。
 骨ばって固い指が、タオルを通すことで絶妙のあんばいになっていた。

「うう……なんてことだ……サマヨちゃん。いつの間にこんなテクニックを……ああっ!!!」

 その後、髪の毛を洗い終えていよいよ風呂釜へと入る。

 ザブーン

 ふいー。極楽極楽。
 時刻は夜。空には満点の星空が広がり、目の前には一面の森林が広がっている。
 自然の中での露天風呂。生きてて良かったって感じだ。

「サマヨちゃんもおいで。気持ち良いよ」

 手招きするがなかなか入ろうとしないサマヨちゃんの腕を引っ張りこむ。

 ザブーン

 決して広いとはいえない五右衛門風呂。
 サマヨちゃんを抱えるように二人重なって暖まるのであった。


 風呂をあがった今は、室内でスマホを操作して【ショップ】からサマヨちゃんの服を検討する。

 【ショップ】の品ぞろえは、異世界のアイテム限定となっており、現代日本で美少女たちが着ているキラキラした服は置いていない。
 その代わり、昔の貴族が着るようなゴテゴテしたドレスは豊富にラインナップされている。
 だが、当然高い。

 そもそも美少女は何を着ても美少女だ。
 おっさんがTシャツにトランクスとか見たくもないが、美少女がTシャツにトランクスなら話しは別だ。

 そんなわけで美少女のサマヨちゃんなら安い服でも、いや、安い服のほうが美少女っぷりが、より映えるというものだ。

 村娘の服一式を購入する。

 所持金:2万 → 1万2000ゴールド

 麻で織られた茶色い地味な服で、長袖上衣にスカートの組み合わせだ。
 靴と下着もセットでついてくるので一緒に履かせる。

 よし。村娘風サマヨちゃんの完成だ。

 遠くから見ればスケルトンだと分からなくなったんじゃないか?
 うん駄目だ。頭の頭蓋骨が目立ちすぎる。

 再度【ショップ】を開いて追加でフードを購入する。

 所持金:1万2000 → 1万1000ゴールド

 フードを深く被らせてと……できた。
 遠目にはフードを被った村娘の完成だ。
 もっとも手足の骨は見えるが、一見しただけでは気づかないだろう。
 ズボンを履かせれば解決できる問題ではあるが、やっぱり美少女はスカートに限る。

 スカートから覗く生骨が艶めかしい。
 何より戦闘中にスカートが捲まくれたりするアクシデントにも期待できる。

「それじゃ今日はもう寝ようか。明日からは遠出するからしっかり休んでおこう」

 サマヨちゃんをベッドへと連れ込み俺は眠りについた。
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