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66.馬車で移動中
しおりを挟む100/10/3(月)12:00 馬車の中
スマホというチートアイテムを持つプレイヤー。
そのチート能力は、異世界の人たちから神の御使いとして恐れ、敬われている。
といっても、俺も含めて今は地方の領主に認められただけ。
現在、国から正式に神の御使いと認定されているのは、光魔法を使う光の巫女だけだ。
今回、俺たちが転移した国。
イセカイキングダムの王は、各地の神の御使いを召集。
王宮の教会で洗礼の儀を行い、正式に神の御使いとして認定。
今後は国を挙げて支援するという。
王からの誘いとあらば、勇者が応じない訳にもいくまい。
ファーの街から王都まで。
王国の用意する馬車に揺られて、俺は王都を目指していた。
王宮到着まで1週間。
その間に、他のプレイヤーについて整理しておくとしよう。
【鑑定】は、未習得であっても、スキルの詳細を見ることができる。
カモナーに調べてもらった結果がこれだ。
【強奪】……強奪する者。職業が強奪主になる。
獲得したスマホから、無償でスキルを強奪する。
触れた相手から、天文学的確率でスキルを強奪する。
殺した相手から、低確率でスキルを強奪する。
食した相手から、高確率でスキルを強奪する。
触れた相手からスキルを強奪するとか、死ねよ。泥棒野郎が!
【予知】……未来を視る者。職業が未来巫女になる。
1ヵ月以内に起こる事象を、夢に視る。
1週間以内に起こる事象を、ぼんやりと視る。
1日以内に起こる事象を、うっすらと視る。
1秒以内に起こる事象を、はっきりと視る。
うーむ。予知か。
ぼんやりとかうっすらとか曖昧すぎて、よく分からない。
そして、1秒後に起こることが分かっても、手遅れな気がする。
つまり、雑魚である。
【豪運】……運に愛される者。職業が神徒になる。
全ての行動に、上昇補正。
経験値の獲得量に、上昇補正。
ゴールド変換率に、上昇補正。
ポイント獲得量に、上昇補正。
ラッキーマンだな。
宝くじを買うなら必須スキルだが、俺は金には困っていない。
運が良いに越したことはないが、勇者は運すら凌駕する存在。
ようするに雑魚である。
【不老不死】……死と老いを超越した者。職業が超越者になる。
肉体年齢を20歳で固定する。
破壊された肉体を、自動で高速再生する。
失われた部位を、自動で低速再生する。
切り離された部位を、自由に操る。
死なないなら、動けないよう縛れば良くね?
やはり雑魚である。
ここまでは、俺とカモナー。
そして、スキルを習得した本人しら知らない情報。
ここからは誰もが知る情報。
毎月1日に更新されるプレイヤーのランキングだ。
【ランキング】
1.ゲイム・オタク レベル35 勇者
2.タローシュ・ノロ レベル33 強奪主
3.コウキ・キソ レベル23 パラディンナイト
4.カモナー・アンドウ レベル22 真贋主
8.ヒカリ・ミト レベル15 未来巫女
15.カズコ・アワセ レベル4 村人
ランキングから分かるのは、現在、生き残っているプレイヤーは15人だということ。
異世界に転移した66人のうち、すでに半数以上が地球に死に戻りしたわけだ。
そして、10Pスキルの習得者。
プレイヤーの職業は、最も高LVのスキルに応じたものになる。
【勇者】を習得した俺は、他に何のスキルを習得しようと職業は勇者のままだ。
これに【鑑定】で調べた10Pスキルの情報をあわせると──
勇者の俺 :【勇者】
真贋主のカモナー :【鑑定】
強奪主のタローシュ:【強奪】
未来巫女のヒカリ :【予知】
こうなるわけだ。
後は、【魔王】のサマヨちゃん。
ここまでは10Pスキルの行方が判明している。
残る10Pスキルは【不老不死】と【豪運】
スマホの表示はグレーアウト。
俺が習得しようと思った時には、すでに誰かに習得された後だった。
にもかかわらず、ランキングにスキル習得者が見当たらない。
考えられるのは2つ。
1つは、サマヨちゃんと同様、課金モンスターに習得させた可能性。
だが、【豪運】はともかく【不老不死】
課金モンスターが【不老不死】となっても、本体のプレイヤーが死んでは意味がない。
となると、可能性が高いのは残る1つ。
何者かが10Pスキルを、複数習得している。
プレイヤーの職業は、最も高LVのスキルに応じたものになる。
同じ10Pスキルであれば、最初に習得した職業のまま変わらないはずだ。
つまり、タローシュかヒカリ。
どちらかが10Pスキルを複数習得している可能性がある。
開いていた画面を閉じて、俺はスマホをポケットに入れる。
まあ、同じ10Pスキルといっても勇者と他では格が違う。
雑魚がいくら集まろうが勇者の敵ではない。
ただし、強奪だけは話が別だ。
奴が雑魚スキルをいくら強奪しようが構わない。
しかし、もしも俺の勇者が強奪されたのでは、世界は破滅する。
俺が王の召集に応じた理由。
どこにいるか分からない強奪野郎に怯えるより先に。
強奪主。タローシュを見つけて殺す。
それが今回の目的の全てだ。
王の支援や神の御使いの認定など、俺にはどうでも良い。
認められるまでもなく、勇者が神の使徒であることは明白。
ちょうど良くプレイヤーが集まるというなら、利用させてもらうまでだ。
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