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2話
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「ウィリアム殿下、近頃魔物の動きが活発化しております、現在調査中ですが、いかがいたしましょうか。」
「アドルフ、調査結果がでたらすぐに知らせてくれ。」
「御意。」
側近のアドルフが執務室から出て行った。
アドルフが置いて行った婚約者候補の絵姿を横にどけ、執務机に両肘をつき、先日起こったことに思いをはせる。
魔物が町に出没したと知らせを受けた時、私は一人で調査のため町にでていた。
騎士という肩書だけでもてるのだが、この容姿のせいで女性からのアプローチが多く、煩わしいとさえ思ってしまう。まだ恋愛というものをしたことがない。
先日16歳になったばかりだ。
王太子であるため18歳で成人の儀が行われるにあたり、まわりも婚約者候補を押し付けてくる。
それを今のところはうまくかわしているが、まったく迷惑な話だ。
「きゃああ、でたああ」
と悲鳴が聞こえてきた。
思わずその方向へ駆け出したところ、少女を見つけた。
その少女は美少女といっていいくらいの、容姿をしていたがそんなことにかまっている暇はなかった。
「早く子供はここから立ち去れ、殺されたいのか!」
焦っていたため、怒ったように言ってしまった。
少女は振り返り「申し訳ございません。」と言って立ち去ろうとしたところ、魔物が少女に襲いかかろうとしていた。
「あぶないっ」と少女をかばい、剣で魔物に切りかかった。
私はこの国一番の魔法騎士で、騎士団の団長の任についている。
そうこうしていると、魔物が仲間を呼び2体になった。
一人では少女が危ないと思ったところ、少女が「こちらの魔物は私が対処します!」と言って、もう一体の魔物の相手をしだした。
私は驚愕した。あんな可憐な美少女が魔物を退治?
思わず固まったが、今はそれどころではない。
早くこの魔物を倒して少女に加勢しなくてはと必死だった。
ようやく魔物を倒して少女の方を見ると、パンチ、キックを繰り出しているではないか。
見たことのない構えで、どこからそんな力がでているのか不思議で加勢するのも忘れ、少女の戦いに見入っていた。
少女が魔物を倒してこちらを向いたが、私の驚愕している顔におびえたのか、あとずさりあわててその場から走り去っていった。
少女が何者か知りたかったため「あ、待ちたまえ、君」と声をかけ、おいかけたが、見失ってしまった。
彼女は消えてしまったが、なんだか胸があつく今まで経験したことのない感覚だった。
それ以来、ずっと彼女のことが頭から離れない。
絶対見つけてみせる。もう一度会いたい・・・
「アドルフ、調査結果がでたらすぐに知らせてくれ。」
「御意。」
側近のアドルフが執務室から出て行った。
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魔物が町に出没したと知らせを受けた時、私は一人で調査のため町にでていた。
騎士という肩書だけでもてるのだが、この容姿のせいで女性からのアプローチが多く、煩わしいとさえ思ってしまう。まだ恋愛というものをしたことがない。
先日16歳になったばかりだ。
王太子であるため18歳で成人の儀が行われるにあたり、まわりも婚約者候補を押し付けてくる。
それを今のところはうまくかわしているが、まったく迷惑な話だ。
「きゃああ、でたああ」
と悲鳴が聞こえてきた。
思わずその方向へ駆け出したところ、少女を見つけた。
その少女は美少女といっていいくらいの、容姿をしていたがそんなことにかまっている暇はなかった。
「早く子供はここから立ち去れ、殺されたいのか!」
焦っていたため、怒ったように言ってしまった。
少女は振り返り「申し訳ございません。」と言って立ち去ろうとしたところ、魔物が少女に襲いかかろうとしていた。
「あぶないっ」と少女をかばい、剣で魔物に切りかかった。
私はこの国一番の魔法騎士で、騎士団の団長の任についている。
そうこうしていると、魔物が仲間を呼び2体になった。
一人では少女が危ないと思ったところ、少女が「こちらの魔物は私が対処します!」と言って、もう一体の魔物の相手をしだした。
私は驚愕した。あんな可憐な美少女が魔物を退治?
思わず固まったが、今はそれどころではない。
早くこの魔物を倒して少女に加勢しなくてはと必死だった。
ようやく魔物を倒して少女の方を見ると、パンチ、キックを繰り出しているではないか。
見たことのない構えで、どこからそんな力がでているのか不思議で加勢するのも忘れ、少女の戦いに見入っていた。
少女が魔物を倒してこちらを向いたが、私の驚愕している顔におびえたのか、あとずさりあわててその場から走り去っていった。
少女が何者か知りたかったため「あ、待ちたまえ、君」と声をかけ、おいかけたが、見失ってしまった。
彼女は消えてしまったが、なんだか胸があつく今まで経験したことのない感覚だった。
それ以来、ずっと彼女のことが頭から離れない。
絶対見つけてみせる。もう一度会いたい・・・
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