『しっぽのきもち』♡猫族ミアの旅♡気持ちが分かれば仲良しに。

炭酸水『しっぽのきもち』

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レトナーク編

第21話 やりたい放題

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 ミア達は思いのほか早く仕事が片付き、まだ昼にもなっていない。出来れば早く村に戻り、村人に採掘場への確認に来てもらいたいと考えていた。

 仕留めたワイバーンはつがいがなく、採れた魔石はそれまでのクエストでは大きいものだった。

 ミアは、数個ほど琥珀のカケラを拾っていたが、やはりワイバーンの巣の背になっていた崖の中腹にある岩が気になる。

「ミア、あれが気になる? 流石ね。よく分かったわね」

 ロゼがミアに声を掛ける。

「地層に沿って奥まで大きそう……」

 ミアは突き出た塊を凝視した。

「ミアのお父さん地質学者だったものね」

「へぇ、そうなんだ」

 ワイバーンの魔石を取り終えたギルが話を聞いていた。

「ミアのお父さんは? 」

「10年前に岩盤事故で亡くなってるの。身寄りがほかになかったミアは、しばらくうちで暮らしてたんだけど、冒険者になるって残った家に住んでいるのよ。そのままうちの子になれば良かったのに」

「そうか、10年前ね……」

 不意に自分の話をされてミアは耳を伏せる。自分の身の上を話すことも聞くことも久々過ぎて、慣れていない。

「あの琥珀の塊、話には聞いてるわ。国宝級に途轍とてつもなく大きいかもしれないから、足場を組んでから掘り出そうとしてたのよ。挟まれた地層がちょっと硬くてね。だから、ここ、少し窪んでるでしょ? そこをワイバーンに居座られちゃって。でもこれで採掘が進むわね」

 ロゼがそう話すと、ギルはガイに剣を貸してと言い出した。琥珀の大きさを想像して、ミアのしっぽが膨らむ。

「試していい? 」と、ロゼに確認をする。

「……割れたら大損害よ。リンド王国一の大金持ちが買い取るか、または国王に献上するしかないサイズの可能性があるわ。もちろん、品質によりけりもあるけど……ギル、失敗したら買い取れるの? 」

「ハワゼット相場でふっかけるなよ」

 そう言うと、ギルは崖の中腹まで登り、ガイの剣を琥珀の塊の少し下に軽く突き刺したかと思うと、魔力を込めて一気に突き刺した。

 爆破が起きて、ギルが飛び退くとバキバキと真横に亀裂が起きて、琥珀の下の地層が砂利になり流れ落ちた。琥珀の塊の全体像が見えた。

「わぁ、大きい……きれい!」

 ミアが感嘆の声を漏らすと、砂利になった地層の上を琥珀が滑るように落ちてきた。ガイとミアが大きな琥珀の塊に駆け寄る。破損もなくガイの身体優に3つ分はある。ところどころ、陽を浴びて青く発光している。青い琥珀ブルーアンバーだ。

ミアとガイが駆け寄る。

「すごいな……って、あ、俺の剣折れてるじゃないか~~!折れてると言うか粉砕?……あーぁ」

 琥珀の下にガイの剣の残骸がある。刃が砕けてバラバラになっていた。

「あー、ガイ、ごめん。ロゼ、レトナーク産のミスリル製の剣の方を買い取るよ。それ、ガイにくれないか。ロゼには刀身長過ぎるでだろ」

「えっ? あ、うん、それで良いけど。ガイさん、これどうぞ……すみません、一回使っちゃってますけど」

 ロゼは、腰の剣のベルトホルダーごとミスリル製の剣をガイに渡した。

「えっ? いいの? って、俺、貰っちゃって。ありがとう」

「良いんですよ。ギルが粉砕しちゃったんですから。それよりも、ガイさんAランクなんだから武具こだわったらどうですか?提供しますよ? 」

「ロゼ、ヘッドハンティングはダメだよ。ガイは俺と契約してんだから」

 尽かさずギルが突っ込んでくる。ロゼはたじろいだ。

「そ、そういう意味じゃないわよ」

「じゃ、どういう意味? 」

「いや……あれよ、なんでも良いじゃない。パーティーなんだから。それに昔から王都で会ってるじゃない」

 と、声がちょっとずつ小さくなる。

「ふーん」

 ギルが話に興味が薄れた返事をした。ロゼはホッとする。ミアと目を合わせ、二人でにんまりした。渡せなかったプレゼントが、ギルのお陰で渡せたのには相違ない。

 なんだか、ミアとガイをギルと取り合っているような気がして、ロゼはクスッと笑った。ギルとは変なところで気が合っている気がした。

 憎まれ口を軽く言い合うぐらいで、結構楽しくやれているパーティーに、ロゼは満足している。このままのんびりやれたら良いのにと思った。
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