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第四章 『上級ガイド』のダンジョン探索編
29.悪戯の鍾乳洞
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レイの依頼があってから数日後。
「それじゃ、行ってきます!」
装備を整えたナヴィが小屋の外からエンフィーに手を振る。
「お姉ちゃん! 一人は初めてなんだから気を付けてね!」
「もちろんよ。あ、あとデニスさんが好き勝手やらないようにちゃんと見張っといてね!」
「し、しませんよそんなこと」
苦笑いのデニスもナヴィに手を振った。
その後ナヴィが見えなくなるまで手を振った二人は仕事に戻る。
「さぁデニスさん、仕事に戻るわよ」
「……えぇ、今日も頑張ります」
ん? まぁいいか。
「それじゃそっちの店番よろしくね」
「かしこまりました」
まぁ今回の探索は三日程度って言ってたし、心配するほどじゃないわよね。
ナヴィは村から西の方角ある『悪戯の鍾乳洞』というダンジョンを目指していた。
んー本当は乗り気じゃなかったけどあんなこと言われたらねぇ。
依頼を受けた日のこと。
「あの、実はもうすぐ妹の誕生日で……本当はそのダンジョンにあるレアアイテムをそのまま渡したいのですが、そうすると勝手にダンジョン攻略されたと妹は嘆くんです」
「ですから、マップや攻略情報をプレゼントとして、手助けできればなと思って……」
「す、素敵です……」
ハンカチで目から出てきた水滴を拭くナヴィ。
レイの手を取り目を光らせながら言った。
「承知しました! 必ずやこの私が、妹様が安全安心でダンジョン攻略ができるマップと攻略情報を手に入れてみせます!」
「あ、ありがとうございます!」
とはいえ勢いで引き受けてしまったけどやっぱり一人は寂しいわね。
「いやぁでも、素敵ね。兄弟愛というものは素晴らしいわ」
「現実世界のあたしのお兄様は元気かしらね。昔は一度たりともそんなこと思ったことないけど」
そんな中ことを呟いているうちにナヴィはダンジョンの入り口に到達した。
「なんか、全体的に暗いわね……鍾乳洞だから当たり前かしら」
海岸沿いに位置する『悪戯の鍾乳洞』は暗いが中は広く、洞窟のようなエリアになっている。
さて、行くとしますか。
ダンジョンに入り少しするとナヴィの体がブルっと震えた。
「うぅ、寒いし暗いわね、まぁローブがあるから幾分は大丈夫だけど」
<リヒト!>
杖の先端が輝きあたり一帯を照らした。
「ふむふむ、まずは光系の補助魔法必須ね。寒さも凌げる防具ならなおよしっと」
ナヴィの持ち物には常に情報を書き留めておくノートがあり、今日もそれが活躍していた。
メモをしながら歩いていると左足で踏み込んだ岩がスイッチのように下に埋まっていった。
「ん? あたしなんか踏んだ?」
その岩を踏んだ瞬間、ナヴィの目の前に鉄球のようなものが目の前すれすれを通っていった。
あんぐりと口を開けたナヴィ。
「忘れてたわ。ここ『悪戯の鍾乳洞』だったかしら。そりゃトラップたくさんあるわよね……」
やばいやばい、これ一回でも引っかかったら死ぬやつじゃん。
ここでナヴィはハッとあることに気づく。
「待って、でもこれって探索だし攻略情報を調べないといけないから全部の罠を調べる必要があるってことよね……?」
「な、なるほどね、だから一人行動ができるのも『上級ガイド』レベルじゃないといけないってことなのね……」
あたし、今日生きて帰れるかしら……
そんなことを呟いていると前には三つに分岐された道が見えた。
「んー、これに関してもあたしの予感は確実に右側なのよね。でもそしたら中央と左に何があるかわからないし……まぁいいか、ここまで来たらこのダンジョンの全てを調べるつもりで行くわ!」
そういうと左側にある道をへとナヴィは進んだ。
「キュイキュイ! キュイキュイ!」
「わ、可愛いイルカ型のモンスター!」
ナヴィの数メートル先にある水溜まりから、近くの水溜まりへと素早く移動していくモンスター。
「素早いわね。初見だから倒すのまだもったいないし……」
<ディレイムーブ!>
モンスターの動きが急激に遅くなった。
「ちょっと近くで見せてねー。」
「魔力を高めて持続時間を伸ばしてっと。さぁお絵描きターイム!」
これがナヴィの常套手段である。魔法を掛けスケッチをしたり、攻撃方法を確認したりしながらデータ収集していく。
「おっけい。もう終わった! じゃあいくよ」
魔力を一気に高める。
<エアシュート!>
空気の弾丸が遅くなったモンスターの弱点を正確に当て一撃で倒した。
「ふぅ、まぁこの程度のレベルのモンスターならいくらでも相手にできるわね。ん? あれは……」
モンスターの死骸が消えナヴィの身体のサイズほどある大きな宝箱に変わっていった。
「おぉ、大きな宝箱ね、中は何かしら。」
うきうきとした気分でその宝箱を開けると中から紫色のガスが大量に放出された。
「え!ちょっ、これ、毒ガス?」
慌ててローブで口元を塞ぐナヴィ。
「ちょっと吸っちゃったじゃないの、これも悪戯ってことね。ノートに書いておかなくちゃ。」
「イルカのモンスターを倒すと宝箱が。中に毒ガスが入っているため開けないように……と、よしオーケー」
ナヴィはノートを取り終えると自分の身体が紫色に変色していることに気づいた。
「あら、毒にかかっちゃった」
<エンジェルキュア!>
「これで良し、さっきから状態異常のトラップを見かけるので、アイテムか状態異常回復系魔法が必須……と」
その先を進んでみると行き止まりとなっていた。
んーやっぱり行き止まりね。行き損だったかしら。はーあ。冒険者は楽でいいわね。あたしから情報聞いたらこんな罠にも引っかからないし時間も無駄にならないし。もっと感謝してほしいわ。
「さぁ来た道戻って中央ね」
中央の道ではモンスターは出現しなかったが、大掛かりなトラップがいくつもあり。ナヴィはそのすべてのトラップにかかっていた。
「くそ、今ので何個目よ。普通に食らっちゃったじゃない」
<ヒール!>
トラップで受けたダメージを回復した。
「あら? 奥のところに宝箱かしら……」
今度はナヴィの腰の位置くらいの中くらいの宝箱である。
「さっきみたいに毒ガス出たら嫌だけど、これも探索よね」
一度躊躇はするが、勢いよく宝箱をあけ、ナヴィは下にしゃがみ込む。
「何も起きない、普通にアイテムが入ってるじゃない」
『罠外し』
一定の距離にある罠をすべて解除する。
「凄いいいアイテムじゃない! 探索のあたしには使えないしこの大掛かりな罠の先にあるっていうのがなんとも皮肉っぽいけど。一応これも書いておこうかしら」
これで中央の道も終わりね、流石あたし。やっぱり右側の道だったわね。もうトラップもめんどくさいし早く終わらせたい……
右側の道を進むとその先を見てナヴィは一度立ち止まった。
「え、次は四つの分かれ道……」
……か、帰りたい。
目に涙を浮かべながらダンジョン探索を続けていくナヴィであった。
「それじゃ、行ってきます!」
装備を整えたナヴィが小屋の外からエンフィーに手を振る。
「お姉ちゃん! 一人は初めてなんだから気を付けてね!」
「もちろんよ。あ、あとデニスさんが好き勝手やらないようにちゃんと見張っといてね!」
「し、しませんよそんなこと」
苦笑いのデニスもナヴィに手を振った。
その後ナヴィが見えなくなるまで手を振った二人は仕事に戻る。
「さぁデニスさん、仕事に戻るわよ」
「……えぇ、今日も頑張ります」
ん? まぁいいか。
「それじゃそっちの店番よろしくね」
「かしこまりました」
まぁ今回の探索は三日程度って言ってたし、心配するほどじゃないわよね。
ナヴィは村から西の方角ある『悪戯の鍾乳洞』というダンジョンを目指していた。
んー本当は乗り気じゃなかったけどあんなこと言われたらねぇ。
依頼を受けた日のこと。
「あの、実はもうすぐ妹の誕生日で……本当はそのダンジョンにあるレアアイテムをそのまま渡したいのですが、そうすると勝手にダンジョン攻略されたと妹は嘆くんです」
「ですから、マップや攻略情報をプレゼントとして、手助けできればなと思って……」
「す、素敵です……」
ハンカチで目から出てきた水滴を拭くナヴィ。
レイの手を取り目を光らせながら言った。
「承知しました! 必ずやこの私が、妹様が安全安心でダンジョン攻略ができるマップと攻略情報を手に入れてみせます!」
「あ、ありがとうございます!」
とはいえ勢いで引き受けてしまったけどやっぱり一人は寂しいわね。
「いやぁでも、素敵ね。兄弟愛というものは素晴らしいわ」
「現実世界のあたしのお兄様は元気かしらね。昔は一度たりともそんなこと思ったことないけど」
そんな中ことを呟いているうちにナヴィはダンジョンの入り口に到達した。
「なんか、全体的に暗いわね……鍾乳洞だから当たり前かしら」
海岸沿いに位置する『悪戯の鍾乳洞』は暗いが中は広く、洞窟のようなエリアになっている。
さて、行くとしますか。
ダンジョンに入り少しするとナヴィの体がブルっと震えた。
「うぅ、寒いし暗いわね、まぁローブがあるから幾分は大丈夫だけど」
<リヒト!>
杖の先端が輝きあたり一帯を照らした。
「ふむふむ、まずは光系の補助魔法必須ね。寒さも凌げる防具ならなおよしっと」
ナヴィの持ち物には常に情報を書き留めておくノートがあり、今日もそれが活躍していた。
メモをしながら歩いていると左足で踏み込んだ岩がスイッチのように下に埋まっていった。
「ん? あたしなんか踏んだ?」
その岩を踏んだ瞬間、ナヴィの目の前に鉄球のようなものが目の前すれすれを通っていった。
あんぐりと口を開けたナヴィ。
「忘れてたわ。ここ『悪戯の鍾乳洞』だったかしら。そりゃトラップたくさんあるわよね……」
やばいやばい、これ一回でも引っかかったら死ぬやつじゃん。
ここでナヴィはハッとあることに気づく。
「待って、でもこれって探索だし攻略情報を調べないといけないから全部の罠を調べる必要があるってことよね……?」
「な、なるほどね、だから一人行動ができるのも『上級ガイド』レベルじゃないといけないってことなのね……」
あたし、今日生きて帰れるかしら……
そんなことを呟いていると前には三つに分岐された道が見えた。
「んー、これに関してもあたしの予感は確実に右側なのよね。でもそしたら中央と左に何があるかわからないし……まぁいいか、ここまで来たらこのダンジョンの全てを調べるつもりで行くわ!」
そういうと左側にある道をへとナヴィは進んだ。
「キュイキュイ! キュイキュイ!」
「わ、可愛いイルカ型のモンスター!」
ナヴィの数メートル先にある水溜まりから、近くの水溜まりへと素早く移動していくモンスター。
「素早いわね。初見だから倒すのまだもったいないし……」
<ディレイムーブ!>
モンスターの動きが急激に遅くなった。
「ちょっと近くで見せてねー。」
「魔力を高めて持続時間を伸ばしてっと。さぁお絵描きターイム!」
これがナヴィの常套手段である。魔法を掛けスケッチをしたり、攻撃方法を確認したりしながらデータ収集していく。
「おっけい。もう終わった! じゃあいくよ」
魔力を一気に高める。
<エアシュート!>
空気の弾丸が遅くなったモンスターの弱点を正確に当て一撃で倒した。
「ふぅ、まぁこの程度のレベルのモンスターならいくらでも相手にできるわね。ん? あれは……」
モンスターの死骸が消えナヴィの身体のサイズほどある大きな宝箱に変わっていった。
「おぉ、大きな宝箱ね、中は何かしら。」
うきうきとした気分でその宝箱を開けると中から紫色のガスが大量に放出された。
「え!ちょっ、これ、毒ガス?」
慌ててローブで口元を塞ぐナヴィ。
「ちょっと吸っちゃったじゃないの、これも悪戯ってことね。ノートに書いておかなくちゃ。」
「イルカのモンスターを倒すと宝箱が。中に毒ガスが入っているため開けないように……と、よしオーケー」
ナヴィはノートを取り終えると自分の身体が紫色に変色していることに気づいた。
「あら、毒にかかっちゃった」
<エンジェルキュア!>
「これで良し、さっきから状態異常のトラップを見かけるので、アイテムか状態異常回復系魔法が必須……と」
その先を進んでみると行き止まりとなっていた。
んーやっぱり行き止まりね。行き損だったかしら。はーあ。冒険者は楽でいいわね。あたしから情報聞いたらこんな罠にも引っかからないし時間も無駄にならないし。もっと感謝してほしいわ。
「さぁ来た道戻って中央ね」
中央の道ではモンスターは出現しなかったが、大掛かりなトラップがいくつもあり。ナヴィはそのすべてのトラップにかかっていた。
「くそ、今ので何個目よ。普通に食らっちゃったじゃない」
<ヒール!>
トラップで受けたダメージを回復した。
「あら? 奥のところに宝箱かしら……」
今度はナヴィの腰の位置くらいの中くらいの宝箱である。
「さっきみたいに毒ガス出たら嫌だけど、これも探索よね」
一度躊躇はするが、勢いよく宝箱をあけ、ナヴィは下にしゃがみ込む。
「何も起きない、普通にアイテムが入ってるじゃない」
『罠外し』
一定の距離にある罠をすべて解除する。
「凄いいいアイテムじゃない! 探索のあたしには使えないしこの大掛かりな罠の先にあるっていうのがなんとも皮肉っぽいけど。一応これも書いておこうかしら」
これで中央の道も終わりね、流石あたし。やっぱり右側の道だったわね。もうトラップもめんどくさいし早く終わらせたい……
右側の道を進むとその先を見てナヴィは一度立ち止まった。
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……か、帰りたい。
目に涙を浮かべながらダンジョン探索を続けていくナヴィであった。
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