村人Aは勇者パーティーに入りたい! ~圧倒的モブが史上最高の案内人を目指します~

凛 捺也

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第七章 王都公認 案内人適性試験編

72.ゴール目前

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 ナヴィ達を妨害し足止めさせたブランは、先に進んでいた四人の仲間と合流した。

「お、追いついたなブラン」

「うん、待たせて悪かったね。タパ」

「ちょっとーあたいも心配してたんだけどぉ」

「あぁありがとう。サルミラ、ほかの二人も大丈夫だったかい?」

 声を掛けられた二人は無言で頷いた。

「僕がいない間、ここまでのモンスターもそこまで苦労しなかっただろう?」

「えぇ、ブランのマッピングはすごいわね。モンスターの弱点まで書いてあったりしたからちゃんと準備してから戦闘に移れたし」

「ふふ、それは良かった」

 タパ、サルミラは優秀な上級ガイドだ。ちゃんと指示した通りに動いてくれた。

「タパ。トラップは仕掛け終わったかい?」

「もちろんだぜ。ほら、そろそろ引っかかるぞ?」


「「ぎゃぁーーーー」」

 遠くからタパのトラップにはまった受験者の声が聞こえた。


「いいねタパ。罠師と言われるだけのことはあるな」

「褒めてもなんも出ねぇぞ。しかしまぁこれでまた脱落者を出せたな」

「うん。半分くらいはもう脱落してるんじゃないかな?」

「そういえばあたいらが先進んでいる間、ブランの方はどうだったの?」

「あ、俺も気になる噂の『天才上級ガイド』のパーティーだな」


「あぁ、上手くいったよ。想像以上に現場に早く着かれたけど足止めは成功。倒せてはいないが、先着順のこの二次試験はで脱落だろうな」


「ふーん。なーんだ、大したことないのね。やっぱりブランの方がすごいんじゃない」

 ブランの方をうっとりとして見るサルミラ。

「筆記試験の結果が良くてもこのありさまじゃわけねぇわな」

「そうだね。さて、じゃあ我々も急ごうか」

 一応先着順だし、もしかしたらもうすぐ着くチームがあるかもしれないしな。

 ブラン率いる五人のパーティーは急いでゴールを目指した。


「そろそろか?」

 ゴールを目指し走りながらタパがブランに確認した。

「次の部屋が最後だ! ボスモンスターがいるかもしれないから気を付けて」

「ブランがあたいに気を使って……嬉しい」

「サルミラ、気持ち悪いからやめろ」

 タパが冷たい視線を向けた。

「あ、なんか言ったか? そのくそモヒカンを引きちぎってやろうか? あぁ?」

「サルミラ?」

「あ、ブラン、ななんでもないわ。気にしないで、あは。あははは」

「あっちが本性だもんな」

「タパ。それ以上なんか言ったら殺す」

 サルミラは右手をグーにし、タパに見せつける。

「二人ともいい加減にしろ。着くぞ!」


 五人はゴール手前の広い部屋にたどり着いた。

 そこには先にモンスターと戦っていた、四人組のパーティーがいた。


 その光景を見たタパがブランに尋ねる。
「おいブラン。どうする。加勢するか?」

 ブランは顎を摩り、にやりと笑った。

「あぁ、そうだな。加勢してあげようか」


 すると先に戦っていたパーティーの一人がブラン達に気づき、声を掛けた。

「おぉ、あんたはブランだろ!? 凄腕の上級ガイドの、良ければ手伝ってくれないか!? なかなか強いボスモンスターでかなり手を焼いているんだ」


 少しだけ間を置いた後、ブランは答えた。

「分かった。じゃあ、サルミラ頼む」

 右側の口角が上がった状態でサルミラに指示を出した。

 そしてそれを見たサルミラもブランの意図をくみ取り、杖を構えた。


「ブランさん、ありがとう! 助かる、補助魔法を掛けてくれ」

 安心したそのガイドは戦闘に意識を戻した。

「ふふ、分かったわ補助魔法ね……」

 サルミラが詠唱を始めた。

「…………地獄の業火よ、全てを焼き尽くせ!」


 先ほど声を掛けたガイドがブラン達のいる背後の異変に気付き振り向いた。

「え……赤い魔法陣? 補助魔法じゃない!」

 魔力を最大限まで溜めたサルミラがにやりと笑った。

「さようなら……」
<ドライマルインフェルノバースト!>

 最大火力の炎がサルミラの杖から一気に噴き出した。

 その炎に気づいた四人組のパーティーは驚愕した。

「待って、なんで私たちまで!」
「おい、手伝ってくれるんじゃなかったのか!?」
「炎の上級魔法……俺たちごと焼き尽くすつもりか!」
「は、早く避けろ!」

「「ぐあぁぁぁぁぁ!」」

 四人のパーティーと戦っていたボスモンスターにサルミラの魔法が直撃した。

「はははははは! 燃えろ! 燃えろ! 燃えカスになって消えちゃえぇぇ」


 それを横で見ていたタパとブランが他愛もない会話をしていた。

「なぁ、ブラン。あいつ上級ガイドなんだよな?」

「奇遇だね。タパ。僕も同じことを考えてたよ」


 サルミラの魔法で黒焦げになった四人はその場で倒れ、ピクリとも動かなくなった。

「はーい、四人脱らーく」

「あい、サルミラ、やりすぎじゃねぇのか?」

「知らないわ。弱いのがいけないのよ」

「ふん、まぁいいブラン。行くか?」

「あぁ、もうゴールはすぐそこだ」

 ブラン一行は倒れたパーティーを尻目にゴール地点までまた歩き始めた。


「これは……門か?」

「えぇ、特に何もないけど……」

「ゴールって書いてあるからそのまま行こう」


 ブランがゴールの門をくぐろうとした瞬間、ある声が聞こえた。

「あら、ブランさん。遅かったじゃないの?」

「……なんで君が」

「ごきげんよう。私たちを足止めしていた最中どこで油売ってたんでしょうか?」

「ナヴィ。どうして君が……」

 ゴール目前のブランの目の前にナヴィ、ケビン、ルナの三人が現れた。
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