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第十章 王都公認 案内人適性試験 最終試験 決勝戦編
150.ナヴィの気持ち
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「着いたわよ。医務室」
ナヴィは扉を開け、ベッドにサテラを寝かせる。
「ありがとうございます。あれナヴィさんどちらへ?」
「あー、トイレ! すぐ戻ってくるからそのまま安静にしといて」
笑顔で医務室を後にするナヴィ。
その頃、ケビンとナターシャも医務室に向かおうとしていた。
「あれ、ナヴィさん?」
「あら、ケビンにナターシャちゃん」
二人は医務室に向かう道中でナヴィに遭遇する。
ケビンはそのまま通り過ぎようとするナヴィに声を掛けた。
「ナヴィ。サテラの様子はどうだ?」
ナヴィはその問いかけに顔の向きを変えずに答える。
「……うん。とりあえず安静にしとけば大丈夫かな」
「そうか……お前は?」
「あたし? あたしは……ちょっとトイレに……」
「そうか……邪魔をしたな」
「……うん。それじゃ」
そのままトイレのある方へとナヴィは歩いていった。
「あ、あたしもトイレ行っておこうかな」
ナターシャはナヴィの後ろをついていこうと歩き出したその瞬間、ケビンに強く引き留められた。
「え、ケビンさん?」
「お前は治療が先だ。トイレに行くのは終わってからだ」
「えぇーなんでですかー! 漏れちゃいますよあたし!」
「そう思うなら早く医務室に向かうぞ」
「乙女にトイレを我慢させるなんてケビンさんはどこまであたしをいじめれば気が済むんですか」
「お前が歩き続けない限り俺の右手はグーのままだがいいんだな……?」
「あ、あはは。いや、冗談ですよ冗談、さぁ、早く医務室に行きましょう!」
「あぁ」
その後ナヴィの歩いてきた方向に足を進める二人。ケビンは一度トイレに向かうナヴィの背中をちらりと見た。
「音が何もない……なんかすごく心細いな……」
医務室で一人で寝込んでいたサテラ。扉が開いた音を聞いてピクリと体が動く。
「ナ、ナヴィさんかな! おかえりなさ……あ、ケビンさんとナターシャでしたか」
「サテラぁぁ!」
ナターシャは自分の怪我のことを忘れているのか、サテラと目が合った瞬間にサテラの寝込んでいるベッドに飛びついた。
「具合はどう? あたしあの状態になってからほとんど意識が無くて、どのくらい怪我させたとかあまり分かってなくてさ、サテラもぶっ倒れてたから殺しちゃったのかなって目が覚めた瞬間に思っちゃってもう、本当に焦っちゃって」
べらべらとマシンガンのように言葉を並べていくナターシャにサテラは動揺していた。
「あ、ナ、ナターシャ落ち着いて! 私は見ての通り大丈夫だから、傷もそうだけどどちらかというと魔力切れで今の状態になってるだけだし」
「そう、よかったぁー。とにかく今は安静にしててね、あたしもここで今から治療するけど」
「ナターシャ……お前……」
ナターシャの背後には拳を構えたケビンが待ち構えていた
「ひっ、ケ、ケビンさん。なんか黒いオーラが出てます……よ?」
「医務室がどんなところかわかってんのか? あ?」
「すすすすすみません。大人しくするのでその拳をお収めください」
「大丈夫だ強制的に大人しくさせてやる」
「ひ、や、やめ。ぎゃーー!!」
ナターシャの頭からゴンと大きな音が医務室中に鳴り響いた。
「い、痛すぎる……」
「お前が悪い、さぁ、そこに座れ」
「はい。治療する前に怪我増やしてどうするんですか」
ナターシャがボソッと呟いた。
「何か言ったか……?」
「いえ、な、何も! ってあれ、サテラ? もう立てるの?」
扉に手を掛けようとしていたサテラにナターシャが声を掛けた。
「あ、うん。魔力が戻りつつあるからもう歩くくらいは」
「サテラ、どこに行くんだ?」
「ケビンさん? 少し元気になったのでナヴィさんを探しに。どこにいるかご存じでしょうか?」
「ナヴィはトイレに行くと言っていた。それもお腹が痛いっつってめちゃくちゃ腹を押さえてたぞ。行ってもトイレの中だから意味ないと思うが」
「あ、そうなんですね」
ケビンの発言を聞いたナターシャは首を傾げケビンに問いかけた。
「え、ケビンさん。ナヴィさんそんなこと一言も、わっぷ!」
ケビンは急にナターシャの口を手で押さえた。
「それに立ち上がれたとしてもナターシャに受けた傷は相当深いだろ。安静にしてろ。ナヴィもきっとそう言うだろ」
「た、確かに今外出たら逆に怒られちゃうか……ケビンさんありがとうございます」
「いや、俺は別に」
サテラはドアノブに掛けていた手を下ろすとベッドへ戻っていった。
はぁ。俺もお人よしになったもんだな……。これは貸しにしておくぞナヴィ。
トイレの前ではナヴィが壁をどんと叩きそのまま身を任せて崩れ落ちていった。
「くそ。くそ。負けた。あぁ。ああぁ。畜生。畜生……」
あたしはまだまだだった。もっとサテラを信頼してあげていれば。余計なこと考えていなければ。あの子を優勝させることができていた。
完全にあたしの力不足だった。
サテラは持てる力を十二分に発揮して自分の殻を破った。けどあたしは何ができていた。
もっと。もっとできることが、やれることがあったはずなのに。
くそ。くそ。
「あぁぁぁぁぁ!!」
ナヴィの泣き叫ぶ声が廊下中に響き渡っていた。
ナヴィは扉を開け、ベッドにサテラを寝かせる。
「ありがとうございます。あれナヴィさんどちらへ?」
「あー、トイレ! すぐ戻ってくるからそのまま安静にしといて」
笑顔で医務室を後にするナヴィ。
その頃、ケビンとナターシャも医務室に向かおうとしていた。
「あれ、ナヴィさん?」
「あら、ケビンにナターシャちゃん」
二人は医務室に向かう道中でナヴィに遭遇する。
ケビンはそのまま通り過ぎようとするナヴィに声を掛けた。
「ナヴィ。サテラの様子はどうだ?」
ナヴィはその問いかけに顔の向きを変えずに答える。
「……うん。とりあえず安静にしとけば大丈夫かな」
「そうか……お前は?」
「あたし? あたしは……ちょっとトイレに……」
「そうか……邪魔をしたな」
「……うん。それじゃ」
そのままトイレのある方へとナヴィは歩いていった。
「あ、あたしもトイレ行っておこうかな」
ナターシャはナヴィの後ろをついていこうと歩き出したその瞬間、ケビンに強く引き留められた。
「え、ケビンさん?」
「お前は治療が先だ。トイレに行くのは終わってからだ」
「えぇーなんでですかー! 漏れちゃいますよあたし!」
「そう思うなら早く医務室に向かうぞ」
「乙女にトイレを我慢させるなんてケビンさんはどこまであたしをいじめれば気が済むんですか」
「お前が歩き続けない限り俺の右手はグーのままだがいいんだな……?」
「あ、あはは。いや、冗談ですよ冗談、さぁ、早く医務室に行きましょう!」
「あぁ」
その後ナヴィの歩いてきた方向に足を進める二人。ケビンは一度トイレに向かうナヴィの背中をちらりと見た。
「音が何もない……なんかすごく心細いな……」
医務室で一人で寝込んでいたサテラ。扉が開いた音を聞いてピクリと体が動く。
「ナ、ナヴィさんかな! おかえりなさ……あ、ケビンさんとナターシャでしたか」
「サテラぁぁ!」
ナターシャは自分の怪我のことを忘れているのか、サテラと目が合った瞬間にサテラの寝込んでいるベッドに飛びついた。
「具合はどう? あたしあの状態になってからほとんど意識が無くて、どのくらい怪我させたとかあまり分かってなくてさ、サテラもぶっ倒れてたから殺しちゃったのかなって目が覚めた瞬間に思っちゃってもう、本当に焦っちゃって」
べらべらとマシンガンのように言葉を並べていくナターシャにサテラは動揺していた。
「あ、ナ、ナターシャ落ち着いて! 私は見ての通り大丈夫だから、傷もそうだけどどちらかというと魔力切れで今の状態になってるだけだし」
「そう、よかったぁー。とにかく今は安静にしててね、あたしもここで今から治療するけど」
「ナターシャ……お前……」
ナターシャの背後には拳を構えたケビンが待ち構えていた
「ひっ、ケ、ケビンさん。なんか黒いオーラが出てます……よ?」
「医務室がどんなところかわかってんのか? あ?」
「すすすすすみません。大人しくするのでその拳をお収めください」
「大丈夫だ強制的に大人しくさせてやる」
「ひ、や、やめ。ぎゃーー!!」
ナターシャの頭からゴンと大きな音が医務室中に鳴り響いた。
「い、痛すぎる……」
「お前が悪い、さぁ、そこに座れ」
「はい。治療する前に怪我増やしてどうするんですか」
ナターシャがボソッと呟いた。
「何か言ったか……?」
「いえ、な、何も! ってあれ、サテラ? もう立てるの?」
扉に手を掛けようとしていたサテラにナターシャが声を掛けた。
「あ、うん。魔力が戻りつつあるからもう歩くくらいは」
「サテラ、どこに行くんだ?」
「ケビンさん? 少し元気になったのでナヴィさんを探しに。どこにいるかご存じでしょうか?」
「ナヴィはトイレに行くと言っていた。それもお腹が痛いっつってめちゃくちゃ腹を押さえてたぞ。行ってもトイレの中だから意味ないと思うが」
「あ、そうなんですね」
ケビンの発言を聞いたナターシャは首を傾げケビンに問いかけた。
「え、ケビンさん。ナヴィさんそんなこと一言も、わっぷ!」
ケビンは急にナターシャの口を手で押さえた。
「それに立ち上がれたとしてもナターシャに受けた傷は相当深いだろ。安静にしてろ。ナヴィもきっとそう言うだろ」
「た、確かに今外出たら逆に怒られちゃうか……ケビンさんありがとうございます」
「いや、俺は別に」
サテラはドアノブに掛けていた手を下ろすとベッドへ戻っていった。
はぁ。俺もお人よしになったもんだな……。これは貸しにしておくぞナヴィ。
トイレの前ではナヴィが壁をどんと叩きそのまま身を任せて崩れ落ちていった。
「くそ。くそ。負けた。あぁ。ああぁ。畜生。畜生……」
あたしはまだまだだった。もっとサテラを信頼してあげていれば。余計なこと考えていなければ。あの子を優勝させることができていた。
完全にあたしの力不足だった。
サテラは持てる力を十二分に発揮して自分の殻を破った。けどあたしは何ができていた。
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