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第十二章 ナヴィとグローリア案内所
198.ナヴィの覚悟
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「さぁ再戦といこうじゃないか。案内人ナヴィ・マクレガン!」
両手を広げ見開いた目でナヴィを威嚇するヴィオネット。
「ナヴィ。条件は前と同じでいいな? お前がレミアに勝ったらここで雇うのを認め好きにしていいぞ」
「はい。そのつもりで来ましたから」
「だが負けたらここで立ち去ってもらう。今度こそてめぇの田舎くせぇ村に戻ってもらうぞ」
「もちろんです……」
「ふーん」
顔色一つ変わんねぇな。やはり相当な覚悟を持って戻ってきたって感じだな。
「レミア」
「はい」
レミアはゆっくりとナヴィの元へと向かっていった。
「昨日に引き続きね。レミア」
「はい。ですがナヴィさん。昨日あれだけ私にコテンパンにされたのによくこの再戦を受け入れましたね」
「……そうね。でも今回は違うよ」
「違う……?」
「うん。あたしは案内人だからさ」
「……その言葉の意味が分かってなかったから忠告のつもりで昨日あれだけやったのに」
レミアの体内に溜まっていた魔力が感情の変化とともに勢いよく漏れ出した。
「!? これは……」
「ナヴィさん。私は同情なんてしません。あなたのそういう態度、私には理解できません。ですから。全力で叩き潰します!」
「すごい魔力ね……でもそうじゃないと困るわ」
「はい?」
「そのくらいじゃないとあなたたち二人にあたしの覚悟が伝わらなもの」
「……この期に及んでまだそんなことを」
「さぁレミア、リベンジマッチよ」
「ふざけないでください! ナヴィさんが私に勝つなんて不可能です!」
レミアの右腕が龍の鱗に包まれていく。
「あの腕……前の戦闘で最後に見せた……そう、最初から決めるつもりね」
「一瞬で終わらせてあげますよ」
「きなさい。レミア!」
「はぁぁぁぁ!」
レミアはナヴィに向かい全速力で突っ込んでいった。
私は『天才』という言葉が嫌いだ。
しかし神様はなんと意地悪なことをするんだろう。
不運にもその天才と呼ばれる人物が一番近くにいる環境で育った。
姉さまは紛れもなく天才だった。
魔力量も、代々受け継がれていたドラゴン属の力も私とは比べ物にならないほどの素質があった。
そしてもっと嫌いだったのはそんな姉さまがその才能に胡坐をかかなかったこと。
誰だってそんな才能があったら、周りを見下して努力を怠るはず。
でも姉さまはそうじゃなかった。
いつだって人一倍努力して誰よりも人のためにその力を使おうとしていた。
その背中を追いかけて、死ぬほど努力した。
でもそれはただの凡人の努力でしかない。
天才の努力には追いつくことはできないんだから。
生まれた時からずっと『天才ヴィオネットグローリアの妹』そういう覚え方をされてきた。
私はそれがたまらなく嫌だった。
そしていま私の目の前にいるナヴィさん。
彼女は力の使い方を誤っていた。
かわいそうだと思った。どうしてそんな才能を持っているのにそれと向き合おうとしないのか。
でも内心はほっとしていた。これで私と同じだ……と。
今目の前にいるあなたはそんな人……だった。
けど今ナヴィさんはきっとその殻を破ろうと必死に足掻こうとしている。
また天才が私を一人置いていく……。
私だって。姉さまやナヴィさんみたいになりたかった。形は違えど二人のような才能があればきっと誰よりも……。
ごめんなさいナヴィさん。あなたのことは応援したい。
でも私はもう自分が凡人だって、天才には敵わないって思いたくないの。
だからどんなことをしてでもあなたを倒す。ここで天才を倒せば私だって周りにきっとそうやって見てもらえる。
「悪く思わないでください、ナヴィさん」
「え?」
昨日は大雨。炎の威力は半減されていたけど今日は快晴だった。
そして私は今この最初の一撃に全力の魔力を注いでいる。
ナヴィさんがどんな強力な攻撃魔法を使っても、どんな強靭な盾魔法を繰り出してもその全てを押しつぶす。
あなたが唯一持っていない魔術の才能を!
「はぁぁぁぁぁ!」
<ドラグレットブレイズ!>
レミアの右手から超高密度の炎でできた光線のようなものが発射された。
その時だった。
「へ、こ、これは!?」
レミアが光線を発射した瞬間ナヴィの顔が一瞬だけ見えた。
「ごめんねレミア」
「!?」
「あたしはあなたには勝てないよ。だからね」
ナヴィが杖を構え魔法の詠唱を始めた。
「くっ、これに勝る魔法なんて」
でもおかしい、この魔力の波長は何!? 前回の戦闘でも感じなかった。
「あたしは案内人。冒険者じゃないからね」
詠唱が終わったナヴィは一瞬レミアに微笑みかけ、レミアが発射した炎の光線に対し、両手を広げ全身で受け止める体勢を取った。
そして、その光線が周りの野原を焼け焦がしながらナヴィに襲い掛かっていった。
「うわっすっげぇ威力だな。驚いたぜレミア、お前いつの間に……」
「はぁ、はぁ、はぁ。姉さま。いえ、違います」
魔力が枯渇し呼吸が乱れた状態でレミアはヴィオネットに応答した。
「違うって……今日は晴れだぜ、昨日よりも威力は増すとは思っていたがまさかレミアの炎がここまでとは……これは俺もうかうかしてられな……」
「だから違うんです姉さま! 私の身体よく見てください」
レミアは顔を下に向け怒鳴り声を上げた。
「ん……? お前その青い光……それに微量だが筋肉量と魔力向上の」
「まさか、こんな答えの返し方をされるなんて……」
「レミア……?」
「私が気づかずそのまま直撃させていたらどうしたんですか」
「あ、あはは。まぁその時はその時だね」
光線の余韻で発生していた煙が徐々に晴れ、その中から黒焦げになったナヴィが現れた。
「なんであのタイミングで私に強化魔法を掛けたのですか……」
涙目になりながらナヴィに問いかけるレミア。
「それが、あたしの目指す案内人だから」
両手を広げ見開いた目でナヴィを威嚇するヴィオネット。
「ナヴィ。条件は前と同じでいいな? お前がレミアに勝ったらここで雇うのを認め好きにしていいぞ」
「はい。そのつもりで来ましたから」
「だが負けたらここで立ち去ってもらう。今度こそてめぇの田舎くせぇ村に戻ってもらうぞ」
「もちろんです……」
「ふーん」
顔色一つ変わんねぇな。やはり相当な覚悟を持って戻ってきたって感じだな。
「レミア」
「はい」
レミアはゆっくりとナヴィの元へと向かっていった。
「昨日に引き続きね。レミア」
「はい。ですがナヴィさん。昨日あれだけ私にコテンパンにされたのによくこの再戦を受け入れましたね」
「……そうね。でも今回は違うよ」
「違う……?」
「うん。あたしは案内人だからさ」
「……その言葉の意味が分かってなかったから忠告のつもりで昨日あれだけやったのに」
レミアの体内に溜まっていた魔力が感情の変化とともに勢いよく漏れ出した。
「!? これは……」
「ナヴィさん。私は同情なんてしません。あなたのそういう態度、私には理解できません。ですから。全力で叩き潰します!」
「すごい魔力ね……でもそうじゃないと困るわ」
「はい?」
「そのくらいじゃないとあなたたち二人にあたしの覚悟が伝わらなもの」
「……この期に及んでまだそんなことを」
「さぁレミア、リベンジマッチよ」
「ふざけないでください! ナヴィさんが私に勝つなんて不可能です!」
レミアの右腕が龍の鱗に包まれていく。
「あの腕……前の戦闘で最後に見せた……そう、最初から決めるつもりね」
「一瞬で終わらせてあげますよ」
「きなさい。レミア!」
「はぁぁぁぁ!」
レミアはナヴィに向かい全速力で突っ込んでいった。
私は『天才』という言葉が嫌いだ。
しかし神様はなんと意地悪なことをするんだろう。
不運にもその天才と呼ばれる人物が一番近くにいる環境で育った。
姉さまは紛れもなく天才だった。
魔力量も、代々受け継がれていたドラゴン属の力も私とは比べ物にならないほどの素質があった。
そしてもっと嫌いだったのはそんな姉さまがその才能に胡坐をかかなかったこと。
誰だってそんな才能があったら、周りを見下して努力を怠るはず。
でも姉さまはそうじゃなかった。
いつだって人一倍努力して誰よりも人のためにその力を使おうとしていた。
その背中を追いかけて、死ぬほど努力した。
でもそれはただの凡人の努力でしかない。
天才の努力には追いつくことはできないんだから。
生まれた時からずっと『天才ヴィオネットグローリアの妹』そういう覚え方をされてきた。
私はそれがたまらなく嫌だった。
そしていま私の目の前にいるナヴィさん。
彼女は力の使い方を誤っていた。
かわいそうだと思った。どうしてそんな才能を持っているのにそれと向き合おうとしないのか。
でも内心はほっとしていた。これで私と同じだ……と。
今目の前にいるあなたはそんな人……だった。
けど今ナヴィさんはきっとその殻を破ろうと必死に足掻こうとしている。
また天才が私を一人置いていく……。
私だって。姉さまやナヴィさんみたいになりたかった。形は違えど二人のような才能があればきっと誰よりも……。
ごめんなさいナヴィさん。あなたのことは応援したい。
でも私はもう自分が凡人だって、天才には敵わないって思いたくないの。
だからどんなことをしてでもあなたを倒す。ここで天才を倒せば私だって周りにきっとそうやって見てもらえる。
「悪く思わないでください、ナヴィさん」
「え?」
昨日は大雨。炎の威力は半減されていたけど今日は快晴だった。
そして私は今この最初の一撃に全力の魔力を注いでいる。
ナヴィさんがどんな強力な攻撃魔法を使っても、どんな強靭な盾魔法を繰り出してもその全てを押しつぶす。
あなたが唯一持っていない魔術の才能を!
「はぁぁぁぁぁ!」
<ドラグレットブレイズ!>
レミアの右手から超高密度の炎でできた光線のようなものが発射された。
その時だった。
「へ、こ、これは!?」
レミアが光線を発射した瞬間ナヴィの顔が一瞬だけ見えた。
「ごめんねレミア」
「!?」
「あたしはあなたには勝てないよ。だからね」
ナヴィが杖を構え魔法の詠唱を始めた。
「くっ、これに勝る魔法なんて」
でもおかしい、この魔力の波長は何!? 前回の戦闘でも感じなかった。
「あたしは案内人。冒険者じゃないからね」
詠唱が終わったナヴィは一瞬レミアに微笑みかけ、レミアが発射した炎の光線に対し、両手を広げ全身で受け止める体勢を取った。
そして、その光線が周りの野原を焼け焦がしながらナヴィに襲い掛かっていった。
「うわっすっげぇ威力だな。驚いたぜレミア、お前いつの間に……」
「はぁ、はぁ、はぁ。姉さま。いえ、違います」
魔力が枯渇し呼吸が乱れた状態でレミアはヴィオネットに応答した。
「違うって……今日は晴れだぜ、昨日よりも威力は増すとは思っていたがまさかレミアの炎がここまでとは……これは俺もうかうかしてられな……」
「だから違うんです姉さま! 私の身体よく見てください」
レミアは顔を下に向け怒鳴り声を上げた。
「ん……? お前その青い光……それに微量だが筋肉量と魔力向上の」
「まさか、こんな答えの返し方をされるなんて……」
「レミア……?」
「私が気づかずそのまま直撃させていたらどうしたんですか」
「あ、あはは。まぁその時はその時だね」
光線の余韻で発生していた煙が徐々に晴れ、その中から黒焦げになったナヴィが現れた。
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