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第十二章 ナヴィとグローリア案内所
207.方向性
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「さぁ、早速だが俺に魔法をかけてみろ!」
両腕を広げナヴィの前に立つヴィオネット。
「え、いいんですか!? 攻撃しちゃいますよ!?」
「ばかか! お前の攻撃魔法は使い物になんねぇって言ってんだろ使うのは強化魔法だ!」
「わ、分かってますよ。冗談ですよ、冗談!」
「姉さま、とりあえず今までの通りのナヴィさんの強化魔法を受けてから比較した方が良いのでは?」
「レミア。ナイスアイディアだ。そういうことだ! まず普通にかけてみてくれ」
「あ、はい! えーっと確か」
<アタックグロウ!>
ヴィオネットの身体に赤いオーラが纏わりついた。
「ふむ。これは確かに中々の強化魔法だな。ナヴィ。今のは今までと本当に同じやり方か?」
「は、はい」
「なるほど」
さすがトニーさんの孫娘というべきか……正直今強化されている感じからして魔法への理解度は素人に毛が生えた程度だし掛け方もすげぇ雑だ。だが、その状態でここまでの効力とは。
「あのーヴィオネさん。そろそろ解除してもいいですか」
「あぁすまんな」
「ふぅ。強化魔法の発動中は魔力が常に吸い取られていく感覚がして結構しんどいんですよね……それで、次あたしはどうやって強化させればいいんですかね?」
「さーな」
「え!?」
ヴィオネットの他人行儀な回答に驚くナヴィ。
「な、なんでですか?」
「いや、別に意地悪しようなんて思っては無いんだが」
「じゃあレミアは」
ナヴィは涙目になりながらレミアの方に視線を移した。
「あの、ナヴィさん。そもそも私たち獣人族は魔法があまり得意ではありません。それに攻撃魔法ならまだしも強化魔法となると更に特殊で……」
「あ、そっか、そういうことか」
「はい。魔法の基本的な仕組みや考え方は統一されたものがありますが各魔法のイメージに関することは魔法を使う当人によるものですので」
「レミアの言う通りだ。さっきの<ファイアーボール>は例として一番分かりやすいから提示したまでだ。お前のような強化魔法を主体でやっていくやつの感覚は俺には分からん」
「そ、そんなはっきり言わなくても」
苦笑いで応えるナヴィ。
「まぁいい。とりあえずやってみろ。失敗しても死にゃしねぇだろ」
「し、そうですね……」
ヴィオネットと少し距離を取り杖を構えたナヴィ。
「ん-と。アタックグロウ平たく言えば肉体強化。ということは全体にかけていくイメージよりかは、筋肉に働きかけるようなイメージなのかしら……やってみよう」
ナヴィの杖が練り上げられた魔力に反応し光りだす。
「行きます!」
<アタックグロウ!>
杖の先端から出た光とともにヴィオネットの身体に赤いオーラ纏わりついていく。
「ん……これは?」
「あ、あれ、全然ヴィオネさんに掛からない……?」
「ナヴィさんのさっきかけたときの赤いオーラが……今度は剥がれ落ちていってる?」
「うそ、魔力は放出しているはずなのに……」
「失敗だな……まぁ今はそんなもんだろ。概念や仕組みを理解しただけでできるほど魔法はそんなに甘くねーってことだな」
「……はい」
「気に病むな。こういうのはここまでやりゃ後は気合と根性だ。こういう漠然としたイメージは研鑽してこそ磨かれる」
「わ、分かりました」
ヴィオネットは落ち込むナヴィの杖に視線を移した。
「……ナヴィ。お前強化魔法は自分に掛けられんのか?」
きょとんとした顔をするナヴィ。
「え? まぁ。さっきやった程度なら」
「ふむ。ならもしかしたら強化系の魔法は自分自身に掛けて体感すんのが良さそうだな。俺のに掛けても、俺の感覚でしか感想は伝えられんしな。次のレクチャーしてやる日まで、自分に掛け続けてみて一つ一つのその実験の内容と効果をまとめてみろ」
「た、確かにそうかもしれないですね。自分に掛けるってあんまりやってこなかったので試してみたいかもです」
「<アタックグロウ>だけじゃなくて他の強化魔法も同じはずだ。なんか掴んだらその時また呼べ」
「分かりました!」
「んじゃお前のレクチャーは終わりだ。後は部屋でも森の中でもできるだろ。さ、行った行った」
手をしっしと払うヴィオネットにナヴィは頬を膨らませた。
「えー、ここじゃダメなんですか?」
「言ったろ、『お前の』レクチャーは終わったって」
ヴィオネットはにやりと笑いレミアを見た。
その視線にナヴィは自分だけじゃないということに気が付いた。
「そっか、レミアも……レミアはどんな特訓をするんですか」
「今日は魔法って言ったろ、だがさっきも話したが、お前と俺らとでは系統が違いすぎる。だからもともと
別でやろうっつー話だ」
ヴィオネットの気味の悪い笑顔を見たレミアは特訓の内容に気が付いた。
「姉さま。まさか……」
「あぁ、準備してこい」
「え、え! ちょっとレミア? あれ、案内所に戻っちゃうの!?」
レミアの行動に戸惑うナヴィ。
「ナヴィ。お前もいいからさっさとこっから退け」
「……分かりました。自室で特訓します」
「あぁ、そうしてろ、そして外に出てくんなよ」
「え? どうしてですか」
「……すぐに分かるさ」
ナヴィはヴィオネットが突然出し始めた覇気のようなものに恐怖を感じた。
そのままそそくさと自室へ戻ろうと案内所の階段を登ってる時、ナヴィの目の前には完全武装をしたレミアがいた。
「あれ、レミア?」
「あ、ナヴィさん。外へ出てはいけないですからね。多分死にますよ」
レミアはナヴィに向かい微笑みながら階段をゆっくりと下っていった。
両腕を広げナヴィの前に立つヴィオネット。
「え、いいんですか!? 攻撃しちゃいますよ!?」
「ばかか! お前の攻撃魔法は使い物になんねぇって言ってんだろ使うのは強化魔法だ!」
「わ、分かってますよ。冗談ですよ、冗談!」
「姉さま、とりあえず今までの通りのナヴィさんの強化魔法を受けてから比較した方が良いのでは?」
「レミア。ナイスアイディアだ。そういうことだ! まず普通にかけてみてくれ」
「あ、はい! えーっと確か」
<アタックグロウ!>
ヴィオネットの身体に赤いオーラが纏わりついた。
「ふむ。これは確かに中々の強化魔法だな。ナヴィ。今のは今までと本当に同じやり方か?」
「は、はい」
「なるほど」
さすがトニーさんの孫娘というべきか……正直今強化されている感じからして魔法への理解度は素人に毛が生えた程度だし掛け方もすげぇ雑だ。だが、その状態でここまでの効力とは。
「あのーヴィオネさん。そろそろ解除してもいいですか」
「あぁすまんな」
「ふぅ。強化魔法の発動中は魔力が常に吸い取られていく感覚がして結構しんどいんですよね……それで、次あたしはどうやって強化させればいいんですかね?」
「さーな」
「え!?」
ヴィオネットの他人行儀な回答に驚くナヴィ。
「な、なんでですか?」
「いや、別に意地悪しようなんて思っては無いんだが」
「じゃあレミアは」
ナヴィは涙目になりながらレミアの方に視線を移した。
「あの、ナヴィさん。そもそも私たち獣人族は魔法があまり得意ではありません。それに攻撃魔法ならまだしも強化魔法となると更に特殊で……」
「あ、そっか、そういうことか」
「はい。魔法の基本的な仕組みや考え方は統一されたものがありますが各魔法のイメージに関することは魔法を使う当人によるものですので」
「レミアの言う通りだ。さっきの<ファイアーボール>は例として一番分かりやすいから提示したまでだ。お前のような強化魔法を主体でやっていくやつの感覚は俺には分からん」
「そ、そんなはっきり言わなくても」
苦笑いで応えるナヴィ。
「まぁいい。とりあえずやってみろ。失敗しても死にゃしねぇだろ」
「し、そうですね……」
ヴィオネットと少し距離を取り杖を構えたナヴィ。
「ん-と。アタックグロウ平たく言えば肉体強化。ということは全体にかけていくイメージよりかは、筋肉に働きかけるようなイメージなのかしら……やってみよう」
ナヴィの杖が練り上げられた魔力に反応し光りだす。
「行きます!」
<アタックグロウ!>
杖の先端から出た光とともにヴィオネットの身体に赤いオーラ纏わりついていく。
「ん……これは?」
「あ、あれ、全然ヴィオネさんに掛からない……?」
「ナヴィさんのさっきかけたときの赤いオーラが……今度は剥がれ落ちていってる?」
「うそ、魔力は放出しているはずなのに……」
「失敗だな……まぁ今はそんなもんだろ。概念や仕組みを理解しただけでできるほど魔法はそんなに甘くねーってことだな」
「……はい」
「気に病むな。こういうのはここまでやりゃ後は気合と根性だ。こういう漠然としたイメージは研鑽してこそ磨かれる」
「わ、分かりました」
ヴィオネットは落ち込むナヴィの杖に視線を移した。
「……ナヴィ。お前強化魔法は自分に掛けられんのか?」
きょとんとした顔をするナヴィ。
「え? まぁ。さっきやった程度なら」
「ふむ。ならもしかしたら強化系の魔法は自分自身に掛けて体感すんのが良さそうだな。俺のに掛けても、俺の感覚でしか感想は伝えられんしな。次のレクチャーしてやる日まで、自分に掛け続けてみて一つ一つのその実験の内容と効果をまとめてみろ」
「た、確かにそうかもしれないですね。自分に掛けるってあんまりやってこなかったので試してみたいかもです」
「<アタックグロウ>だけじゃなくて他の強化魔法も同じはずだ。なんか掴んだらその時また呼べ」
「分かりました!」
「んじゃお前のレクチャーは終わりだ。後は部屋でも森の中でもできるだろ。さ、行った行った」
手をしっしと払うヴィオネットにナヴィは頬を膨らませた。
「えー、ここじゃダメなんですか?」
「言ったろ、『お前の』レクチャーは終わったって」
ヴィオネットはにやりと笑いレミアを見た。
その視線にナヴィは自分だけじゃないということに気が付いた。
「そっか、レミアも……レミアはどんな特訓をするんですか」
「今日は魔法って言ったろ、だがさっきも話したが、お前と俺らとでは系統が違いすぎる。だからもともと
別でやろうっつー話だ」
ヴィオネットの気味の悪い笑顔を見たレミアは特訓の内容に気が付いた。
「姉さま。まさか……」
「あぁ、準備してこい」
「え、え! ちょっとレミア? あれ、案内所に戻っちゃうの!?」
レミアの行動に戸惑うナヴィ。
「ナヴィ。お前もいいからさっさとこっから退け」
「……分かりました。自室で特訓します」
「あぁ、そうしてろ、そして外に出てくんなよ」
「え? どうしてですか」
「……すぐに分かるさ」
ナヴィはヴィオネットが突然出し始めた覇気のようなものに恐怖を感じた。
そのままそそくさと自室へ戻ろうと案内所の階段を登ってる時、ナヴィの目の前には完全武装をしたレミアがいた。
「あれ、レミア?」
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レミアはナヴィに向かい微笑みながら階段をゆっくりと下っていった。
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