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第十三章 ブラッディフェスト 序章
247.姉と師
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「カレンデュラ神殿の方向に向かって何枚も何枚も落ちていたぞ」
「……姉さまの龍鱗が」
軽傷の冒険者の報告で呆然と立ち尽くすだけとなったレミア。そのレミアの姿を見たナヴィがすぐさま声肩に手を置いた。
「レミア。大丈夫?」
「あ、はい……」
レミアは顔を俯かせため息を大きく吐いた。
「ふー」
息を吐き切ったレミアがぱっと顔を上げ、意を決したような表情を見せた。
「レミア!」
「!?」
走り始めようと態勢を取ったレミアの様子を察知したナヴィが両腕を広げ彼女の前に立ち塞がる。
「なんの真似ですか。ナヴィさん」
「あなたがヴィオネさんの元に行こうとしているのを止めているの……」
「……通してください」
「だめよ。あなたが行ってもどうにもならないし、ヴィオネさんの足手まといになるだけよ」
冷たい言葉で現実を言い放つナヴィの言葉に苛立つレミア。
「どいてください」
「嫌よ。それに他のあなたがここから離れたら他の冒険者はどうするの」
「……知りません。でも、私はいかなきゃダメなんです!!」
「!?」
レミアは右腕を龍の腕に変えナヴィに攻撃を仕掛けた。
その攻撃を見たナヴィは臆すことはなく両腕を下げようとはせず、真っ直ぐにレミアを見つめた。
「そこをどいてください!!」
「くっ!」
レミアの攻撃が目と鼻の先の距離となりナヴィは目を瞑る。
「……あれっ」
攻撃が止まった……?
目を開けるとそこには拳を寸前で止め、涙目となっているレミアが立っていた。
「ナヴィさんお願いです。私の、私のたった一人の大切な姉なんです」
「……」
寸前で止めていた右腕をゆっくりとナヴィの胸に当てる。
「今行かなかったら絶対後悔しそうな気がして」
「分かってる。でもここの守りはどうするの」
「……分かりません。でも」
「でも……?」
「私がこのままここに残っていたとしても、姉さまのことでいっぱいになって気が気じゃなくなってしまいます」
「レミア……」
右手が震えてる。
そっか……たった一人の肉親だもんね。
もしあたしがエンフィーと同じようなことになったら。
「はぁー」
ナヴィはわざとらしく大きくため息をついた。
「ナ、ナヴィさん?」
目を真っ赤にしながら不思議そうにナヴィを見つめるレミア。
「しゃーない。あたしも行く!」
「「「え!?」」」
「ニーナさん」
「あ、はい!」
探知専門の案内人にナヴィは声を掛けた。
「ここ、そちらの冒険者さまと一緒にお願いしてもいいですか?」
「え……で、でも」
ナヴィの突然の要望に動揺が隠せないニーナ。
「先ほどこっそりとですがニーナさんの魔力にあたしの魔力を干渉させていただきました」
「それって……」
「はい、今現在あたしとニーナさんは離れた場所にいても魔力間で繋がることができています。言葉を交わさずとも魔力を通じて随時情報を交換していきましょう」
「いつの間にそんなことを。まぁ、分かりました。ここは任せてください」
「ありがとうございます。そして冒険者さま」
ナヴィは軽傷の冒険者の手を握った。
「ここの守りを少しの間お願いいたします。すぐに戻って参りますので」
「……あ、あぁ」
ナヴィの真剣な眼差しに顔を赤らめる冒険者。
「あの、ナヴィさん。いいんですか……」
レミアは不安そうな顔でナヴィを見つめた。
「えぇ、すぐに戻ってくれば何とかなるでしょ。それに……」
「?」
「レミアにとっては大切な姉かもしれないけど、あたしにとってもたった一人の大切な師よ。こんなところで死なせるわけにはいかないわ!」
ナヴィはレミアの不安が吹き飛ぶほどの笑顔を見せる。
「ナヴィさん……」
「さぁ、行きましょう。ヴィオネットさんを助けて、ここの守りも疎かにならないようにしないとね。ここからは時間の問題よ」
「……はい!!」
数分後。
二人は完全武装をし、玄関の前に立った。
「じゃあ二人とも、ここを少しの間よろしくお願いいたします!」
「おう!」
「ナヴィさん、レミアさん」
ニーナが二人に近づく。
「はい?」
「ただいまヴィオネットさんとクオードさまの魔力がカレンデュラ神殿の入り口で止まりました。おそらく二人は今合流して中へ入ろうとしているでしょう」
「姉さま……」
「そしてこのカレンデュラ神殿。気を付けてください」
固唾を飲み胸に手を当ててニーナは話した。
「どういうことですか?」
「上手くは言えませんが、この神殿の最深部、今までに感じたことのない強大な魔力を感じます。クオードさまとヴィオネットさんが合わさっても越えられないほどの……」
「そう……ですか」
その情報でレミアの顔が一気に青ざめた。
「なにしけた顔してるのレミア」
「え、ちょ、何するんですかナヴィさん」
レミアの頬を軽く叩いたナヴィ。
「だからあたし達が行くんでしょ!」
「っ!! はい」
「二人とも安心してください。今のはあくまでも魔力量の話です。それがそのまま実力差として表れるかは別問題ですから。それに私自身あの二人が負ける姿は想像ができません」
二人を安心させようとニーナは笑顔で二人の手を取った。
「どうか、ご無事で」
「「はい!!」」
「では行ってきます!」
こうしてナヴィとレミアはヴィオネットとクオードが向かったカレンデュラ神殿に向け走り出した。
「……姉さまの龍鱗が」
軽傷の冒険者の報告で呆然と立ち尽くすだけとなったレミア。そのレミアの姿を見たナヴィがすぐさま声肩に手を置いた。
「レミア。大丈夫?」
「あ、はい……」
レミアは顔を俯かせため息を大きく吐いた。
「ふー」
息を吐き切ったレミアがぱっと顔を上げ、意を決したような表情を見せた。
「レミア!」
「!?」
走り始めようと態勢を取ったレミアの様子を察知したナヴィが両腕を広げ彼女の前に立ち塞がる。
「なんの真似ですか。ナヴィさん」
「あなたがヴィオネさんの元に行こうとしているのを止めているの……」
「……通してください」
「だめよ。あなたが行ってもどうにもならないし、ヴィオネさんの足手まといになるだけよ」
冷たい言葉で現実を言い放つナヴィの言葉に苛立つレミア。
「どいてください」
「嫌よ。それに他のあなたがここから離れたら他の冒険者はどうするの」
「……知りません。でも、私はいかなきゃダメなんです!!」
「!?」
レミアは右腕を龍の腕に変えナヴィに攻撃を仕掛けた。
その攻撃を見たナヴィは臆すことはなく両腕を下げようとはせず、真っ直ぐにレミアを見つめた。
「そこをどいてください!!」
「くっ!」
レミアの攻撃が目と鼻の先の距離となりナヴィは目を瞑る。
「……あれっ」
攻撃が止まった……?
目を開けるとそこには拳を寸前で止め、涙目となっているレミアが立っていた。
「ナヴィさんお願いです。私の、私のたった一人の大切な姉なんです」
「……」
寸前で止めていた右腕をゆっくりとナヴィの胸に当てる。
「今行かなかったら絶対後悔しそうな気がして」
「分かってる。でもここの守りはどうするの」
「……分かりません。でも」
「でも……?」
「私がこのままここに残っていたとしても、姉さまのことでいっぱいになって気が気じゃなくなってしまいます」
「レミア……」
右手が震えてる。
そっか……たった一人の肉親だもんね。
もしあたしがエンフィーと同じようなことになったら。
「はぁー」
ナヴィはわざとらしく大きくため息をついた。
「ナ、ナヴィさん?」
目を真っ赤にしながら不思議そうにナヴィを見つめるレミア。
「しゃーない。あたしも行く!」
「「「え!?」」」
「ニーナさん」
「あ、はい!」
探知専門の案内人にナヴィは声を掛けた。
「ここ、そちらの冒険者さまと一緒にお願いしてもいいですか?」
「え……で、でも」
ナヴィの突然の要望に動揺が隠せないニーナ。
「先ほどこっそりとですがニーナさんの魔力にあたしの魔力を干渉させていただきました」
「それって……」
「はい、今現在あたしとニーナさんは離れた場所にいても魔力間で繋がることができています。言葉を交わさずとも魔力を通じて随時情報を交換していきましょう」
「いつの間にそんなことを。まぁ、分かりました。ここは任せてください」
「ありがとうございます。そして冒険者さま」
ナヴィは軽傷の冒険者の手を握った。
「ここの守りを少しの間お願いいたします。すぐに戻って参りますので」
「……あ、あぁ」
ナヴィの真剣な眼差しに顔を赤らめる冒険者。
「あの、ナヴィさん。いいんですか……」
レミアは不安そうな顔でナヴィを見つめた。
「えぇ、すぐに戻ってくれば何とかなるでしょ。それに……」
「?」
「レミアにとっては大切な姉かもしれないけど、あたしにとってもたった一人の大切な師よ。こんなところで死なせるわけにはいかないわ!」
ナヴィはレミアの不安が吹き飛ぶほどの笑顔を見せる。
「ナヴィさん……」
「さぁ、行きましょう。ヴィオネットさんを助けて、ここの守りも疎かにならないようにしないとね。ここからは時間の問題よ」
「……はい!!」
数分後。
二人は完全武装をし、玄関の前に立った。
「じゃあ二人とも、ここを少しの間よろしくお願いいたします!」
「おう!」
「ナヴィさん、レミアさん」
ニーナが二人に近づく。
「はい?」
「ただいまヴィオネットさんとクオードさまの魔力がカレンデュラ神殿の入り口で止まりました。おそらく二人は今合流して中へ入ろうとしているでしょう」
「姉さま……」
「そしてこのカレンデュラ神殿。気を付けてください」
固唾を飲み胸に手を当ててニーナは話した。
「どういうことですか?」
「上手くは言えませんが、この神殿の最深部、今までに感じたことのない強大な魔力を感じます。クオードさまとヴィオネットさんが合わさっても越えられないほどの……」
「そう……ですか」
その情報でレミアの顔が一気に青ざめた。
「なにしけた顔してるのレミア」
「え、ちょ、何するんですかナヴィさん」
レミアの頬を軽く叩いたナヴィ。
「だからあたし達が行くんでしょ!」
「っ!! はい」
「二人とも安心してください。今のはあくまでも魔力量の話です。それがそのまま実力差として表れるかは別問題ですから。それに私自身あの二人が負ける姿は想像ができません」
二人を安心させようとニーナは笑顔で二人の手を取った。
「どうか、ご無事で」
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