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第26話 クーズ!

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さっき起きた馬車の馭者が馬車を使い亜人の村に連れて行ってる最中

スケルトン襲撃から4時間経過

「ぐはっ!」

ちっ、目を覚ましちまったか

「こ、ここは.......ぎゃあああああ!お、俺の足が....」

なんだよ、切り落としたのがそんなにショックか?使い物にならねー足なんて切って損はないだろ

(まあ、ストレス発散様だけど)

「うるせー、俺様の役に立てたんだ、足の一本や二本、なんてこと無いだろ」
「そうよ、羨ましいぐらいよ」
「それよりも、コイツに預けてた盾がほしいっす」

全く、ぎゃあぎゃあ!騒いで、耳障りなんだよこっちは

何か変な亜人がスケルトンを一掃するし、どうなってるんだよ!

くそっ、これでその亜人が住む村にも辿り着けなきゃヤベーぞ、

最悪死刑......…..いや、何恐れてるんだ俺?

死刑になる訳ない、勇者の俺は最強だ!

「た、盾って、お、俺用のポーションがねーのか?!勇者パーテイなら全員分あるだろ!

て言うか出る時有ったのはどこ行った!?俺ちょんと確認したぞ!」

は?

「あんたバカァ?
荷物持ちの為に使うわけ無いじゃん?もしもの事があったらどう責任取る気?」

「そうだ、だから荷物持ちらしく働け、荷物を持ち、肉の壁、囮となり俺らを助けろ」

ったく、荷物持ちの仕事もロクにできねーとは、鈍ってるなコイツ

「くっ、テメーらイカれてやがる、どうしてこうなった?!俺が何をした!?」
「何もしてねーんだよ、俺らがスケルトン倒さなかったらどうしてたんだ、あんんん?」

やっと自分の立場が分かったみたいだ、

「スミマセン、どうぞ盾です、なのでお願いします、俺にポーションを下さい......」
「そうか、王都に帰ったら考えてやる」
「そ、そんな.......せ、せめて出血だけは止めてください....」

ふーん、そうかそうか、面白いなこれ、新しい仲間(おもちゃ)に抜擢(ばってき)だな

まだ遊び足りないし生かすか....

「アニャ、出血を止めてやれ」
「でも私回復魔法使えな.…..….......ああ、そう言う事ね」

何故回復魔法が使えないアニャに頼んだのかを理解したらしく、

アニャと一郎は不気味な笑みを浮かべている

「じゃあ、行きましょうか........でもまって」

そう言いアニャは馭者に頼み馬車を止めさせ、やや乱暴に荷物持ちを外に投げた

「いたっ!傷を癒やすんじゃねーの?何で剣なんて出してるんだよ?」
「あら、何言ってるの?出血を止めるけど治すなん一言も言ってないわよ、初級火魔法 [火剣]」

そう言うとアニャの剣は火に覆われた、小さいが足には十分だろう

「な、何をしている.........そ、そんな原始的な方法を使う気?ま、麻酔は!?」

ふっ、流石に分かるよな、でも勿論続けるぜこっちの方がポーションより安く.............いや、ポーションタダで貰ってるから変わらないけど、

こっちの方が面白い&もう一度言うが負けた時のストレス発散になる

「麻酔ー?そんな物持ってくる訳無いじゃん、それとも持って来た?」
「持って来てねーよ!その為のポーションだろ!」

はー、よし

「アニャ、さっさとやれ、運転手も来るかもしれないし、一郎も一生せき止めれないだろうし」

流石にこれが合法じゃ無いのは分かる、そして馭者が完全にこっち側の人ではない事も、

まあ、あいつが頭突っ込み過ぎたらどうなるのか..…....どっちも分かってると思うけど.....

「ぎ、ぎゃあああああああ!!!死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!や、やめえっっっろろおろろr!」
「ふっ、苦しめこの豚!あんたの苦痛が気持ち良いわ!」

おっと、考えこんでたらショーが始まちゃったよ

アニャが火剣を傷口に当てると、足から煙が出て来て ジュウジュウ と聴こえてくる、それと出血もかなり止まっている

肝心なのはコイツの悲鳴、そう、美声だと俺は思う

人が発する音で一番聞き心地がいいのは何だ?俺は悲鳴だと思う

それから数十分間この美声を俺は聞き続けた........

最後に気絶した奴を運ぶのは面倒くさかったがそれ位はしないとな、もっと拷も.......治癒もしたいし

◇◇◇◇

「ねえ、あとどん位で付くの?その亜人の村って?」
「はい、もう直ぐです、あとさっき弓矢を見ましたよね?あれはエルフが居た証拠ですし、

あの技術はドワーフのです、なのでかなり珍しいエルフ "と" ドワーフの村です」

は?何言ってんだコイツ、共存してる訳..….....いや、魔界ならありえるのか?

「あっ、見えました、あそこで......す?」

そう言って馭者が指差した方向を見ると柵と村が見えた.........

ここまでは完璧だ、そう、一つやばい点を除けば、クソでかい岩がいっぱい村に刺さっているのが問題だ、

一郎とアニャ、馭者も唖然としてるし計画的な事じゃないっぽい

いや!まだ中に亜人がいる可能性も.....

◇◇◇
「クソ!どうして誰もいないのよ?!」
「知らねーよ!」
「ここまでの道が無駄だったと言う意味だったでごわすか?」

この反応から分かる通り誰も居なかった.......

クソ!何で誰もいないんだよよよよよ!!??

(ロベルのせいである)
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