1 / 5
第一話 元カノからのメッセージ
しおりを挟む
あと少し、十日後には共通テストがある。このテストでどれだけ良い点数を取れるかどうかで、自分の第一志望、風早市立大学への入学可否が決まるのだ。
正確に言えば個別試験があるので共通テストだけで入学できるか決定する訳ではないのだが、共通テストの配点が高い大学なので、得る緊張感は他の大学と桁違いだ。
正直なところ、僕の頭は今、数百時間後のテストへの焦りでいっぱいだった。鳩尾のあたりはずっとムカムカしていて、絶望的な状況にならないように、ラストスパートのため知識を詰め込む。
僕はこのテストに命を賭けていた。両親も、教科担当の先生方も、友人も、みんなが応援してくれている。こうして多くの人に支えられて自分の全力を出せる場面というのは、人生の中でも限られていると思う。
僕にとって恐らく最後の受験生活で、ここで全力を出して成功すれば、誇れる自分になれる。僕はそう信じていた。
今日もまた、机に向かい左手で頭を抱え、問題を解いている。今日のファッションは上下ジャージで靴下も履いていない。分からない問題にぶつかるとイライラして、荒れた唇をつねったり、椅子の上に胡座をかいたり、時には机を殴ることもあった。
そんな限界状態の時、スマートフォンから通知音が鳴った。受験期ということもあり、ほとんどの相手のメッセージを通知オフにしていたので、誰からメッセージが届いたのかすぐに予想がついた。多分元カノの梨々香からだ。
先日、急に彼女からメッセージが届いた。
「うちらもうやめよ!」
「急にどうしたの?何をやめるの?」
「正味付き合うのだるいかも笑恋人らしいこと全然してくれないし、まじ無理かも笑」
こうして僕は、梨々香から一方的に振られた形となった。
僕らはよく一緒に下校した。あとは数回買い物に出かけるくらいで、確かに恋人らしい「デート」はしたことがなかったかもしれない。僕にとっては下校や買い物が「デート」で、恋人らしいことだったのだけれど、彼女にとっては違ったのだろう。
僕は、彼女ともう一度話してみるつもりでいた。メッセージアプリって怖い。自分の思っていることが湾曲して理解され、そのまま現実世界に適用されてしまう。
しかし、僕からどれだけ話し合いの提案を送っても、彼女からの返信はなかった。それどころか、彼女は学校にも来なくなってしまっていた。
僕の心の片隅で彼女の存在が、共通テスト直前だというのにちらついていて、ふとした時に思い出すので早く解決したい問題だった。
正確に言えば個別試験があるので共通テストだけで入学できるか決定する訳ではないのだが、共通テストの配点が高い大学なので、得る緊張感は他の大学と桁違いだ。
正直なところ、僕の頭は今、数百時間後のテストへの焦りでいっぱいだった。鳩尾のあたりはずっとムカムカしていて、絶望的な状況にならないように、ラストスパートのため知識を詰め込む。
僕はこのテストに命を賭けていた。両親も、教科担当の先生方も、友人も、みんなが応援してくれている。こうして多くの人に支えられて自分の全力を出せる場面というのは、人生の中でも限られていると思う。
僕にとって恐らく最後の受験生活で、ここで全力を出して成功すれば、誇れる自分になれる。僕はそう信じていた。
今日もまた、机に向かい左手で頭を抱え、問題を解いている。今日のファッションは上下ジャージで靴下も履いていない。分からない問題にぶつかるとイライラして、荒れた唇をつねったり、椅子の上に胡座をかいたり、時には机を殴ることもあった。
そんな限界状態の時、スマートフォンから通知音が鳴った。受験期ということもあり、ほとんどの相手のメッセージを通知オフにしていたので、誰からメッセージが届いたのかすぐに予想がついた。多分元カノの梨々香からだ。
先日、急に彼女からメッセージが届いた。
「うちらもうやめよ!」
「急にどうしたの?何をやめるの?」
「正味付き合うのだるいかも笑恋人らしいこと全然してくれないし、まじ無理かも笑」
こうして僕は、梨々香から一方的に振られた形となった。
僕らはよく一緒に下校した。あとは数回買い物に出かけるくらいで、確かに恋人らしい「デート」はしたことがなかったかもしれない。僕にとっては下校や買い物が「デート」で、恋人らしいことだったのだけれど、彼女にとっては違ったのだろう。
僕は、彼女ともう一度話してみるつもりでいた。メッセージアプリって怖い。自分の思っていることが湾曲して理解され、そのまま現実世界に適用されてしまう。
しかし、僕からどれだけ話し合いの提案を送っても、彼女からの返信はなかった。それどころか、彼女は学校にも来なくなってしまっていた。
僕の心の片隅で彼女の存在が、共通テスト直前だというのにちらついていて、ふとした時に思い出すので早く解決したい問題だった。
0
あなたにおすすめの小説
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
あなたへの恋心を消し去りました
鍋
恋愛
私には両親に決められた素敵な婚約者がいる。
私は彼のことが大好き。少し顔を見るだけで幸せな気持ちになる。
だけど、彼には私の気持ちが重いみたい。
今、彼には憧れの人がいる。その人は大人びた雰囲気をもつ二つ上の先輩。
彼は心は自由でいたい言っていた。
その女性と話す時、私には見せない楽しそうな笑顔を向ける貴方を見て、胸が張り裂けそうになる。
友人たちは言う。お互いに干渉しない割り切った夫婦のほうが気が楽だって……。
だから私は彼が自由になれるように、魔女にこの激しい気持ちを封印してもらったの。
※このお話はハッピーエンドではありません。
※短いお話でサクサクと進めたいと思います。
貴方なんて大嫌い
ララ愛
恋愛
婚約をして5年目でそろそろ結婚の準備の予定だったのに貴方は最近どこかの令嬢と
いつも一緒で私の存在はなんだろう・・・2人はむつまじく愛し合っているとみんなが言っている
それなら私はもういいです・・・貴方なんて大嫌い
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる